ニチイに見るデイサービス経営改善方法~赤字から黒字への転換~

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約8億の赤字で着地したニチイの介護事業。原因は2015年の報酬削減。メインである介護事業での収益力が大幅に減収したのが原因でした。しかし、ここから42億600万の黒字で着地したニチイ学館。なにがここまで経営に大きな影響を与えたのかIRから分析してみました。

2017年3月期:売り上げ

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IRの中であげられているのが、エリアマネジメント強化と、生産性向上への取り組みです。この生産性向上というのが厄介で、多くの事業所では必要性は感じながらも取り組みができておらず差が開きやすいポイントになっています。具体的に数値から、アクションプランを見ていきたいと思います。

2017年度

  • 売上:1437億8800万
  • 利益:110億4800万
  • 前期比:0.6%増

2016年度

  • 売上:1428億9600万
  • 利益:68億900万
  • 前期比:62.3%増

上記の数字から見て取れるように、売上の伸びに対して利益の大幅な改善が見られます。ここから大きなコスト削減、業務効率化があったことを見てとることができますね。

『コスト削減と業務効率化。きれるところは全部きっている』言い放つ中小事業所も多いですが、ツクイレベルの100拠点を超えて機能するオペレーションを構築しながらも、さらなる改善を続けているです。小さな業務効率化の積み重ねが、最終的に大きな差となっていくのです。

サービス別売上高比較

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下記の数字から見て取れるようになんと在宅系では売上高は大幅に減少しているこがみてわかります。

  • 在宅系 :-23.5億円
  • 居住系 :+32.5億円
  • 介護教育:-1億円

サービス別営業利益

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下記がサービス別、利益額です。

  • 在宅系 :+21億円
  • 居住系 :+17.5億円
  • 介護教育:+4億円

売上が下がっているのに対して、利益が大幅に伸びていることがわかります。IRにも記載されているが、投資が一巡したことによるフリーキャッシュフローの大幅改善が要因とされていますね。

2018年にむけた戦略

基幹事業で3000億。戦略的投資事業で93億。を目標に掲げています。その中で打ち出しているが、契約の適正化と業務効率化による利益水準の改善です。介護事業において、利益で43億の改善、利益で16億の改善を目指しています。その中でこれから取り組んでいくのは、

  • 制度同行に応じた事業モデルの構築
  • 人材確保
  • 施設介護のエリア戦略の推進及び安定運営

契約適正化

契約交渉、職場環境整備、処遇改善、生産性向上をあげている。加えて経営支援文脈では、

  • AIの導入
  • ITの活用

を2019年までを目安に中期戦略に組み込んでいます。やはり、人間がしなくていい仕事は積極的に外だしを行い、中でやるべき仕事を人間が遂行するトレンドがみられます。最近話題になったがゴールドマンサックスでも数十名いた従業員をAIに代行させ2名まで従業員を減らしたのは有名な話ですね。そういった世界はもうやってきていますね。

業務効率化

在宅介護においては、業務効率化が重要。大事なことだからもう一度伝えたいと思います。

早期に業務効率化を実現できていない企業は、後々人員基準が緩和されたタイミングで、苦労します。赤字になります。いまだからこそ、まだ対応策を練ることでき、法改正の前のタイミングだかこそ、基盤を作ることができます。法改正がやってきたら、また他のことでてんやわんやあたふたするのがわかっているのだから、今やるしかないです。いまやらねば、もう対応できないのはわかっているのですから。手遅れになる前に対応をすすめていきましょう。

制度モデルに応じた事業モデルの構築

2018年度の法改正に応じた事業モデルの対策を行っています。デイサービス中心となる在宅介護における具体解決策は以下の通り。

  • 中度対応強化
  • 人員配置最適化
  • 生産性の極大化
  • 規制改革、規制緩和

上記の観点からの改善を図ることを想定。報酬が削減されていく中で、中重度加算を確実に取得し、必要以上の人員を配置しないこと。そのためには適正な生産性を担保することが必要になってきますね。

赤字から黒字に改善の大きな要因

上記にて概要をお伝えさせていただいた。ここでは具体的に何が要因で業務改善を進めることができたのかを伝えたいと思います。

細やかな人員配置

ニチイは400ほど事業所をもっており、その中でも対利用者に対して、ゆとりのある事業所、余裕がない事業所が存在。残業の多い事業所に職員の移動を積極的にうながしたり、訪問介護部門に人を流すなどして、生産性の低い職員を削減し、生産性の高い職員へと改善をおこなっていけたのです。

人材確保

人材確保においては、どこも困っている課題ではあると思うが、職場環境改善を図り、処遇改善をしっかりと取得、キャリアップ支援まで行います。これだけ聞くと当たり前だ!と思われるかもしれないですが、この施策を従業員が求めているレベルでできている事業所はどれだけあるでしょうか。

売上アップ事例

保険外サービスで売上アップに成功している事例を見る機会があまりありませんよね。ここでニチイの成功事例についてみていきます。それがセラピー事業。ペットを活用した高齢者向けサービスを提供しています。ペット業界の市場は大きく伸びているので、相性もかなりいいです。1兆6000億ほど既存でマーケットサイズがあります。

ドッグセラピー

犬を活用したセラピーを行います。動物とふれあうことで、癒されるのはなんとなくイメージがつきますね。

グルーミング

なんと、ドッグセラピーの先に、ペットの販売、ペット商品の販売まで行なっていきます。デイサービスのカリキュラムと交えてくるのはすごいスタイルです。

まとめ

上記の状況の中で、AI、ITの導入を積極的にすすめているニチイだからこそ、今期の改善は図れたのだと思います。今後報酬削減がトレンドにある中で、いかに生産性を高くするかは、必要な人材を残し、一人当たりの生産性を高めていくかに掛かっています。介護はとても尊い仕事ですが、介護業務以外を効率化することにあまりにも目を背けている介護人材が多すぎます。

自分たちの今後の行く現実をしっかりとうけとめ、紳士に対策を練ってほしいです。不必要に多くの人材を採用することなく、一人あたりの生産性をたかめることで、必要最低限の人材で事業を回せる事業所が一つでも多くうまれることを願っています。