『ハローワークへ求人を出しているのですが、なかなか応募がありません。それ以外にも雑誌に毎月のように求人を出しているのですが、それでも応募すらありません。なんとも虚しい日々が続きます。』
そう声を漏らすのは、都内で老健を運営するKさん。そこでKさんは社員紹介制度が機能するのか、私のもとへ相談にきました。会話をもとに実際のところを思考していきます。
目次===================
1、私とKさんの会話。
2、社員紹介の運用にあたり気をつけるべき点
3、社員紹介のサポートのための制度
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1、私とKさんの会話。
2、社員紹介の運用にあたり気をつけるべき点
社員紹介は職業安定法にひっかかる可能性があるので注意です。職業安定法40条「労働者の募集を行うものは、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの、また募集受託者に対し、賃金、給与その他これらに準ずるものを支払う場合、36条2項の許可にかかる報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。」となっています。
簡単に説明すると、紹介料の支払いは報酬と判断できるため、違法の可能性があるということです。しかし他の病院や施設でも行なっている中で、違法とされた例を知りません。ただ、看護部長や、施設長が前の施設から、5名も人員をひっぱってきたら、報酬合計はかなりの金額となって、賃金台帳のなかでも目立ってしまいますよね。100%大丈夫と言いきれないので、次の対策をしておくことをお勧めします。
賃金規定に紹介手当と名付けて、記載しておくことで労働の一部とみなすことが可能になります。こうした記載のあるところで、労働基準監署から指導をうけたという話を耳にしないので、いまのところ上記の対策で大丈夫でしょう。
3、社員紹介のサポートのための制度:飲食代の補助
とはいえ、制度は整えたものの人が紹介されなければ意味がありません。そこで、社員制度をうまく活用している都内の法人の例をとりながら、ご紹介したいと思います。
知り合いを自分の施設に招待する時に、いきなり『面接うけてよ。』と言われては引いてしまいますよね。そこで、まず知人とランチをしたりして、相手の要望や、自分の職場の紹介をしていくことが一般的です。そのため、福利厚生の一環として、職員への紹介ランチを負担してあげるのも重要になります。
- 社員紹介制度をつくる。
- 福利厚生として、勧誘の食事代を負担する。
- 社員へ紹介を促す。
を繰り返していくことで、社員が信用する知人が社員になり、より強固な体制、退職しづらい職員さんの採用をすすめていくことができます。