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要介護度別介護サービス別の一人当たり介護費

短期入所はコスパ悪い
短期入所(ショートステイ)の月間売り上げを見てください。最低5万~最高12.3万と、他サービスと相対的に見ると、全体の売上の中で、最低クラスに属しています。ショートステイは、利用者への認知度が広まっていないためか利用者の獲得は難しい印象を受けます。それは間接的にか、売上の低さに反映されていると思います。あまりお勧めしないサービス形態の1つです。行政からの要請のために赤字のまま仕方なく運営している事業所も少なくないのです。この傾向は社会福祉法人に多いですね。
24時間フル稼働、施設系は単価も高い
一人当たりの介護費では、24時間の介護サービスを前提としている施設系が高単価になっています。サービスの提供量の総量も比例して、総金額は22.3万~37.5万と、訪問通所系の在宅サービスと短期入所サービスの2倍から5倍くらいの売上になっています。単純計算でも訪問介護施設5つ分に対して、施設1つ分の売上になってしまうのです。要するに訪問介護施設を50運営するのに対して、施設を10運営するのは同じ利益になってしまいます。(※実際には、人件費や、運転資金がよりかかるからコストがかさむのですが。)
時間あたりの生産性の高いのはどっち?
訪問系に比べて、施設系では1箇所に利用者が集まっているので、圧倒的に生産性が高いです。どれくらい高いかは一目瞭然です。例えば、10人の利用者を1施設でみれば、移動時間は10人×1分=10分ですが、在宅になれば10人×1時間=10時間となり、時間にして、60倍も効率性に差が出るのです。
在宅と施設系の事業運用のコツ!
事業運営の秘訣は、フィフティー・フィフティー
全国に100拠点を構える法人格では、どのような事業運営を行なっているのか、私は先日詳細を伺ってきました。介護事業部長は次のように述べています。『在宅と、施設系の売上のバランスをフィフティー・フィフティーにすることで、法改正による影響を少なくしている』と。介護保険制度の上に遂行しているビジネスであるため、報酬改定の影響は不可避なのです。しかし、その変数を捉えながら事業を運営している法人はどのくらいいるのでしょうか。実情を理解を促進し、アクションプランまで落とし込んでいる法人は多くないでしょう。
在宅も施設も報酬は削減されていくと、どうなるの?
法人Aでは、在宅は規模の経済を活かして、在宅と施設系を前項で陳述した運営比率に類似値での事業運営を行なっています。しかし、そういった法に万全に備えていても問題が発生。今の時代、施設系も在宅系も報酬がさげられているのです。この報酬改定が削減され続ける中で、どのように売上をあげていくのか。そこが次項で述べたいと思います。一言で言えば、業務効率化についてです。
利益をあげるための、業務効率化の必要性
前提として理解して頂きたいのは、利益=売上ーコストであることです。介護サービスは保険制度である以上、売上上限が決まっているのです。更には、マクロトレンドを見ると、上限は下がり続けているので、現状の利益の維持さえも難しくなってきています。そういった背景から、コストにテコ入れをする必要がでてきています。コストにテコ入れする手法としては、サービスごとに詳しく解説を行なっていきたいと思います。つまるところ介護事業のPLの7割が人件費なので、まずは人件費の削減方法についてお伝えしたいと思います。
人件費の削減:効率的な採用方法
人材紹介を多用、責任感のない派遣の採用によるコスト高は多くの事業所で起きています。3年前であれば、紙広告を出せば採用ができていました。しかし、この数年、紙広告をだしても応募が来ない。積み重なる採用費。気づけば、人材紹介、派遣に頼らざる負えない状況。
人件費削減:残業時間の削減
介護業界で言われているサービス残業問題。残業時間増加による会社へのコスト高は、年間コストに直せば甚大です。100人の事業所で、10時間残業を削減できれば、1,000時間/月の削減、年間に直すと、12,000時間。時給1000円とすれば、12,000,000円。1200万のコスト削減に繋げることができるのです。今回は概念的に、削減すべき項目を挙げましたが、次回具体的な削減方法についてお伝えしたいと思います。
業務削減によるメリット
業務削減によるメリットは年間1000万を超えるような残業代の削減だけではありません。残業がないことによる職員の心理的・身体的負担の削減による離職率の低下にも貢献するのです。つまるところ、業務を削減すると、必要な採用人数が減ることで、採用費用も低下するのです。
まとめ
介護報酬が削減される中で、どのサービスを、どのように展開すべきかをお伝えしました。その中でポイントになるのが、業務効率化です。今回の話の中で、業務効果の重要性を理解していただけたと思います。次回、業務効率化をどのように行なっていくのか、具体的な改善方法についてお伝えしていきたいと思います。
参考