本日は40歳からの転職活動についてお伝えしたいと思います。介護の業界では、40代でも転職することは可能です。(一般業界だと難しいですが・・・)とはいえ、介護業界であれば、誰でも転職が成功するわけではありません。これまでの成功事例、失敗事例をとりあげながら具体的にどのように転職活動を行うか見てみましょう。
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40代の転職は厳しいって本当?
介護業界は、稀にみる売り手市場。有効求人倍率は一般業界の3倍を超え、1都3県や、主要都市では有効求人倍率が5倍を超えるなんてこともあります。現場をみてみると50代、60代でも働かれている方は結構な数いますよね。『この状況なら、いくつになっても転職は簡単だろう。』そう思ってしまうのは無理もないでしょう。
しかし、職を失った40〜50代で再就職先を探すのが困難な人たちが介護職を目指すケースも目立ってきています。これだけ業界が厳しいなら大丈夫と思っていたはずなのに、なぜこのようなことが起きてしまっているのでしょう。それは、言葉を選ばずに申し伝えると、1人変な方を採用してしまうと、その方が入職はされてから、他の従業員がやめてしまうリスクが高くなるからですね。いわゆる腐ったリンゴは取り除くべきなのです。そんなこんなで、早速失敗事例をみてみましょう。
介護転職の失敗事例
3つの失敗事例をとりあげます。一つでも参考になれば幸いです。
失敗事例1: 未経験、金融業界からの転職(佐藤さん:44歳)
私は44歳で、大学を卒業してから20年以上金融業界で仕事を続けてきましたが、会社からの急なリストラ。親の介護の影響もあって、介護業界にすすむことをきめました。会社に通いながら3ヶ月かけて、初任者研修を取得。さあ就職活動をするぞ!と張り切っていたのですが・・・
現実は厳しかったです。希望するのは、初心者には優しいといわれる夜勤のないデイサービス。在宅系より給料のいい、有料老人ホーム。規模としては、大規模ではないけれど地場で知名度のある施設。4つの事業所に、正職員や正社員で応募してみましたが、必ずといっていいほど落とされてしましました。面接まではいくのにどうしてなのでしょうか。
特に健康上の問題もなく、介護業界の人間に比べたら一般業界で20年以上働いてきたまともな私が、なぜ圧倒的人手不足に陥っているはずの介護業界からオファーがもらえないのでしょうか?
他業界から介護業界へ転職される際に、よく失敗事例としてあげられるドグマにはまっているかもしれません。一般業界からは、介護業界が、”リストラされた人たちの行き場。”、”掃き溜めの集まり”と思われていることがあります。もし佐藤さんが介護業界を下にみており、そういった態度が面接で採用担当者に伝わってしまえば、”利用者のため”とプライドをもっている担当者は、あなたに拒否反応を示し落としてしまうでしょう。人と接する仕事である以上、誰に対しても偏見をもたない姿勢が必要になってくるかもしれません。経験自体は申し分ないとおもいますので、ぜひ就職活動を頑張っていただきたいです。
失敗事例2:介護業界勤務20年のベテランからの転職(鬼頭さん: 45歳)
そろそろキャリアアップをと思い、40代で転職活動を始めました。これまで介護業界で20年間働いて、訪問介護、居宅、デイサービス、有料老人ホーム、特養と5つの施設形態、9社で経験を積み重ねて介護業界での経験は豊富で転職の自信もありました。これまで一般ヘルパーとしての経験しかなかったので、そろそろ管理職として挑戦しようと思い活動をしてみましたが、、、結果は不採用の連続。
私のいまいる有料老人ホームでは、30代前半の管理者、30代後半の主任(介護福祉士資格あり)、その下には20代前半の業界未経験、社会経験無し、能力の無い若手社員がいます。いずれ管理者への道が期待されているようで、資格のサポートや、管理者から彼女達へのアドバイスも手厚くおこなっています。
私がうけている会社が悪いのでしょうか。なぜ私は管理者になれないのでしょうか。
鬼頭さんは、かなり豊富な経験があるようですね。いいですね。しかし管理者になる人たちには1つ傾向があります。転職回数があまり多くないということです。理想は3回以下、いっても5回以下でないと管理者としての転職は厳しいです。やはり転職回数が多いと、採用してもすぐに離職してしまうと思われてしまいます。ましてや管理者となれば、抜けてしまうことの、事業所側へのデメリットは計り知れず。転職回数が増えるほど厳しいですね。そのため、まずはヘルパーとして施設での経験をふやし、そのまま管理者にあがる方が確実でしょう。
失敗事例3:時間に遅刻する(南雲さん)
私は、新卒で社会福祉法人に勤務、特養でヘルパーからスタートし、3年目には介護主任になり、5年目では法人が所有する有料老人ホームで10年の間、管理者を経験しました。どこでも通用するスキルが身についたと、業界最大手の管理者に応募してみました。年収650万ということで、気合いを入れて面接に臨みました。面接当日は、初めての場所ということもあって、3分ほど時間を遅れて会場に到着。面接はうまく答えれたと思います。しかし不採用。面接には3分しか遅れていないのに。なにが原因だったのでしょうか。
上場企業の運営する施設系サービスの管理者になると年収700万を超えることもありますよね。上場企業になると、アミーユの殺害事件でありましたが、一度事件を起こしてしまうと、会社が一気に失墜してしまいます。上場剥奪して、介護事業以外にも影響がでてしまうのです。
そこで、管理者クラスは介護サービスの質や、採用等事業全体への影響が大きいため、スキルもそうですが、それ以上に社会人としての基礎を慮られます。経歴を聞いていても遜色ない人材だと思いますので、次回の面接では、時間には気をつけてください。もし何かの理由で遅れてしまう場合は、事前に連絡をいれましょう。1分の遅刻も1時間の遅刻も約束を破ってしまったことには変わりません。
介護転職の成功事例
他業界からの転職(河合さん)
未経験からの転職(吉野さん)
40代からの転職方法!
転職する際には、自分に合った方法を使うのがよいでしょう。ここでは、いくつかの方法を紹介しますので、あなたに合ったやり方で活動を進めてください。
人材紹介を活用して、効率良く転職する
人材紹介を使うことのメリットは、自分の条件にあった会社をキャリアコンサルの方が紹介してくれることです。キャリアコンサルは、介護業界で働いてる人よりも、多くの会社を知っています。知人にきいても数百と事業所の名前は出てこないと思います。なぜキャリコンが詳しいかといえば、それは数千の事業所を知っており、そこから候補を炙りだしているからです。そして、何より人材紹介業者に高額なお金を払っても人材の採用に力をいれている会社に入社できるので、入った後も苦労することが少ない施設を紹介してくれるのが特徴です。人材紹介を使わずに採用をおこなっている中小は多いですよ。入ってからも、働きやすい環境を重視されるなら、人材紹介会社の利用はおすすめです。会社によってもっている案件は違うので、複数の会社を使うことをお勧めします。
求人広告を使って良案件をみつける
とはいえ、人気の事業所は人材紹介を使わなくても広告できてしまいます。なので知名度の高い法人、人材紹介を使っても紹介されなかった会社が存在します。その場合は、求人広告をみてみましょう。求人広告、人材紹介、両方あつかっている大手の会社になると、求人広告には載っているのに、人材紹介では応募できないということがたまにあるので注意が必要です。
広告をみて、注意しなければならないのが、給与の表示に夜勤が含まれていて額面が大きくみえることです。給与が高いのは、夜勤は込みの金額なのか、手当は抜いての金額なのか、の確認は必要です。
未経験でも大丈夫!パートで様子をみる
『私は未経験なので、正職員で働くのは心配です』ということであれば、パートからも働くことは可能です。パートであれば、特に落とされることもないので、パートで介護職を経験しながら、正職員として探される方もいるようです。ウェブ等で、パートさんの募集を探してみてもいいかもしれません。いまどき紙媒体にお金を払う法人は、採用が遅れている可能性が高いので、敬遠したほうがよいでしょう。
最後に
40代からでも、正職員での就職はできます。しかし、いくら業界が厳しいとはいえ、一緒に働いて気持ち良くない人には採用したくないのが事業運営側の本音です。スキルより内面をみられることが多いので、元気よく、明るく、人と接することが多い介護職の現場で活躍できることをアピールしていきましょう。資格よりも、内面が重要です。