デイサービスを差別化する

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デイサービスで差別化する勇気

デイサービス3.0時代に突入しました。デイサービス1.0時代では、大型デイを展開し、スケールメリットでなんとかしようとする経営者がでてきました。しかしデイサービスへの参入は増え利用者の獲得は難しくなってきています。そして、デイサービス2.0時代に突入。お泊まりデイや、機能訓練特化型のデイサービスが増えました。そうすることで、他社と差別化を図り、利用者の獲得を進めてきました。しかし、周りを見渡せば、機能特化型のデイサービスや、お泊まりデイはすぐにみつけることができるようになりました。そして今デイサービス3.0の時代に突入したのです。

STEP1:歩行特化型デイ

通所介護事業所で差別化を進めることが重要になってきています。そこで今一番おすすめしているのが、”歩行特化型デイサービス”です。機能訓練の1種ではありますが、数多くあるトレーニングの中から、”歩く”ことに特化しているのが特徴です。自立歩行は、高齢者にとっても生活の基盤となるため、とても重要であり、ニーズがなくなることがないため、持続可能性が高いです。そして歩行に特化したデイサービスはまだ数が多くないために、このニーズと、供給のギャップが大きいのです。実際に実例を見ていきましょう。

関西大手のFC

関西に本拠地を構える機能訓練型デイサービスを取り上げます。歩行に関した機能訓練に力を入れています。実際に事業所の説明を聞かせていただいたこともありますが、プログラム内容とともに、実績がきちんと残っていました。実際にどれくらい歩行ができるようになったか示すことができやすいので、PRでもどれくらい改善したのかを伝えることができます。職員さんも誇りをもっているのが伝わってきました。実際に改善具合が具体的になり、変化がみえることで職員のやりがいも向上するため、働きやすい環境作りにも影響が出ているようでした。

STEP2:歩行特化型デイの成功のためには

一筋縄ではいきません。実現には、秀逸なプログラムが必要になります。歩行ができない利用者が、歩行ができるようになるからこそ、差別化になるのですが、逆もしかりですね。歩行訓練を顧客に謳いながら、改善を示すことができなければ、顧客の満足度は下がります。ケアマネからの紹介も減りますし、悪い口コミもひろまってしまいます。

歩行特化型のプログラムを作る

まずは歩行ができるようになるプログラムをいかに作るかが重要です。ここに専門職の知恵が生かされます。歩行ができない課題を特定し、歩行ができるためのトレーニングを考えることです。内容はやってみないとわからないことが多いため、”大学研究機関のような権威”や、”Drが監修している”は重要になってきます。専門家の監修がなければ、同じトレーニング内容でも、天と地ほど印象に差ができています。

歩行特化型のプログラムを施工する

さて、実際にプログラムはできました。その次に必要になるのは、実運用のできるトレーナーです。プログラムがあるのと、利用者に対して施工できるかは、また別の問題です。利用者の状態を正確に把握し、利用者にあった形でプログラムを実行しなくてはなりません。

STEP3:お弁当の充実

顧客満足度のアンケートをとると影響がでてくるのが食事です。日常の中で食事の楽しみは、老若男女問わず、万国共通であるものです。そこで、私が担当している法人さんで食事の改善によって、顧客満足度を向上させている法人様の例をとりあげたいと思います。

食事をローテションで委託

食事を業務委託する方法です。管理栄養士を採用して、自社で作られる法人もいますが、コストがかかり、維持も大変のため外注している事業所も多いと思います。ここでポイントです!発注先をローテションすること。同じ発注先だと似たり寄ったりで、食事がマンネリ化してきます。そこで、3社ほどに委託先を絞りローテションを組むことで、食事にバラエティーを出す方法です。

複数に委託すると、委託先の管理が大変なため、1社に絞る法人も多いですが、顧客満足度への影響が大きい食事を大事にしている事業所では、やはり順調にいってるのが売り上げにもでています。重要なポイントですね。

地域連携でボリュームディスカウント

ボリュームディスカウントを聞かせる方法です。地域のデイサービス同士で連携をして、発注数をふやして業者からディスカウントを得る方法です。通常より安く食事の提供ができるので、差別化を行うことができます。

STEP4:短時間利用者の受け入れ

稼働率をあげるために、回数多く利用する人も重要です。しかし、初めから長期利用をしてくれる方ばかりではありません。稼働率90%を超える事業所をみていると、短期時間の利用者の利用回数を増やす方法をとっているところが大半でした。

知り合いが増えると来たくなる

もともとデイサービスに来ず、家で過ごす高齢者の方は人との触れ合いから断絶された場所で生活しているため、いきなり週3での利用は心理的ハードルがとても高いです。人間だれしもそうですが、慣れれば案外どんな状況でも乗り切れるものです。そこで、まずは、来ていただいて知り合いを増やすこと。何歳になっても男女なので、男性には女性、女性には男性と仲良くなる仕組みは必要です。

最後に

通所介護はこの10年で、2万事業所から、約4万5000事業所と2.2倍近くまで増えています。特に小規模の事業所においては顕著に増えています。ここまで数が増えれば、差別化しなくては、違いなどわかりません。今後の制度改正を鑑みると、デイサービスは、訪問看護、ショートステイをしなくては生き残りが難しい制度改正の指針が示されていますが、まずは目下の入り口であるデイサービスで利用者の獲得が必要です。そこで、あなたの事業所のコンセプトは何なのか、もう一度考えてみてはいかかでしょうか。