病院での入院期間が以前よりも短くなり、病院のソーシャルワーカーも患者も、短期間で次の居場所を探さなくてはならないため、退院後の受け皿探しが困難となっています。そこで退院支援の事例や、利用者のニーズに応えるサービスを紹介します。
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統合失調症の72歳Aさんの事例
大学卒業後、大手商社で勤務。60歳で統合失調書を発病し、妄想、意識低下、一歩的な会話等を日常でみられるようになり、家族も看病しきれないということでグループホームに入居。マイペースな性格のため他者とのコミュニケーションをとれず孤立する。自宅への退院が不可能であることを理解しており、病院内で退院候補者の一人にAさんが上がったことで、Aさんは”ふざけるな、お前はバカなのか”と感情をあらわに。しかし、時間をかけてAさんとコミュニケーションをとることで、家にもどったら”趣味である歌舞伎をみに行きたい”、”皇居でウォーキングをしてみたい”等ポジティブが発言がみられるようになり、退院にむけての取り組みを開始。
他職種チームと看護の連携
入院前の生活環境、退院先、年齢や、家族の有無、経済状況といった患者をとりまく生活環境によって必要になることは変わってきます。そこで看護師、医師、ソーシャルワーカー、PT,OTといった関係者各位をあつめ退院支援カンファレンスを開きながら、同意をとり支援を進めました。主に3つのステップに分けて活動をサポート。
- ステップ1:退院支援の取り組み準備
- ステップ2:活動範囲拡大のサポート
- ステップ3:退院にむけた自立生活能力の向上をサポート
の3段階で行ないました。
退院支援の取り組み準備
カンファレンスの実施、目標の共有化を看護師を主体に実施しました。医師は自己での服薬管理の指示、OTは退院にむけての動機付け、薬剤師は服薬指導を行いました。そうすることで身の回りの安全管理についての理解を深めました。
活動範囲拡大のサポート
看護師主体に、Aさんにはレクリエーションを通しての他者とのコミュニケーションを促進。医師は、自己による服薬期間の延長を行います。OTは具体的な目標の設定を行いました。すると、一人で活動していたAさんに社会性が見られるようになりました。
退院にむけた自立生活能力の向上をサポート
看護師主体によるグループホームへの単独外泊支援を行いました。医師は、患者自身による1週間の服薬管理をサポート。目標を元に自ら行動できるようになりました。
▼参考
退院支援マニュアルガイドライン:http://www.yna.or.jp/wp-content/uploads/2015/06/4f5d4dc71e5315b81b2a79fd9b0518ff.pdf
退院支援ナビ:https://www.taishi-navi.com/