訪問介護の売り上げを2倍にするにはどうしたらいいでしょうか?本日はその方法をお伝えします。地域包括ケアシステムが推奨されるいま、在宅サービスのニーズは高まり続けています。その中で、堅実に売り上げを伸ばす事業所と、利用者が離れて行く事業所の特徴が顕著になってきています。売り上げを伸ばすために必要な要素は、3つしかありません。この3要素を抑えつつ、訪問介護のビジネスを運営するにあたっての前提を振り返っていきましょう。
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訪問介護のビジネスモデル
とてもシンプルなビジネスモデルです。訪問ヘルパーさんが、指定時間に要介護者の家庭へ訪問します。30分,45分,60分のサービスから適切なサービスを受けます。そのサービスの対価として、介護保険料として国から9割、利用者から1割(※原則)の介護報酬を受け取ります。だいたい350万が売り上げの目安と言われています。
売り上げ方程式
売上 = ①サービス単価 × ②利用回数 × ③顧客数
によって導き出されます。後半で、各要素を最大化する方法についてお伝えさせていただきます。売り上げをあげるには、上記の3つの要素のいずれかをあげていくしかありません。逆にこの3つさえ押さえておけばよいのです。とてもシンプルですね。
訪問介護の売り上げ平均
売り上げの目安は350万~400万と言われています。どんぶり勘定になりますが、
- 1回の単価 : 5000円程度
- 利用回数 : 2回/週(月8回)
- 顧客数 : 90名程度
上記が俗に訪問介護において目安とされている数値になります。5000円 × 2回 × 90 = 360万となります。この数値をまずは目指すことから始めてみましょう
訪問介護にかかる費用
基本的には人件費。加えてオフィス代になります。地域によって人件費は異なりますが、登録ヘルパーであれば、時給1000円程度で、1日8000円、サ責であれば時給25万です。常勤ヘルパーで22万程度です。
運営コストシュミレーション
管理者(30万)+サ責(25万)×2+常勤換算ヘルパー(20万)×6 = 200万。オフィス代15万、諸経費等がはいってきます。売り上げを維持していれば、職員の給与もあげていけるのがわかると思います。売り上げを維持するためには、職員の質を上げる必要があり、教育にも力をいれるので、いい循環が生まれていきます。
人員数
1事業所常勤換算で8名での運営が一般であり。下記が登録職員数の一般平均値になります。登録ヘルパーのシフト組みによって8名体制をうまく保持します。
- 管理者: 1名
- サ責: 2名
- 常勤: 2名
- 常勤: 12名
成功する訪問介護事所、失敗する訪問介護事業所
ここで成功する事業所と失敗する事業所の特徴を、売り上げを上げるためにお伝えさせてた頂いた3点から、1つ1つ述べていきたいと思います。うまくいっている事業所と、いってない事業所でかなりレベル感に差がでてきます。
単価をあげる
単価をあげるためには、顧客のニーズを汲み取ることが重要です。30分ではなく60分。要介護1より、要介護度5の利用者さんを獲得することで、単価をあげることができます。つまり、①利用時間の延長、②要介護の高い利用者の獲得が必要になります。初めから高単価サービスの提供は難しいので、単価をあげるコミュニケーションマニュアルを構築することで社内で安定して単価をあげることが可能になります。
利用回数をあげる
利用回数をあげるには、利用者様に満足していただかなくてはなりません。週1の利用者を30人よりは、週2回の利用者を15名の方が、利用者獲得のコストも少なくなり、安定した運営が可能になりますね。いずれにしても利用者のニーズを的確に捉えなくてはなりません。そうすることで安心してケアを受ける体制を構築することができます。何よりも信頼される事業所になれば、頼られる回数も増えてくるのです。
顧客数を増やす
シンプルに顧客数を増やします。地域包括センターやケアマネへの営業が重要になります。一般的な訪問介護の事業所の9割は第三者からの紹介になります。特にこれまで40名の利用者に対して、1名のサービス提供責任者でしたが、下記をみたすと50名の利用者にたいして1名で済むようになります。
- 常勤のサービス提供責任者が3名以上配置
- サービス提供責任者業務に集中するものを1名配置
- サービス提供責任者が行う業務を効率的に行う
サービス責任者の役割
サービス責任者は、訪問介護の要と言えます。ケアマネからの利用者の紹介を受け、さらにはヘルパーのうまいシフト組みによる効率のいいルート組み、利用者の状態の進捗をケアマネに報告と膨大な管理業務を担っています。そこで、サービス責任者としての役割を遂行できる事業所では、うまく運営がいき、現場にはいってしまうことが多く管理業務ができていない事業所では、運営が停滞しています。
サービス責任者の成功する時間割
うまくいく事業所では、利用者1ケースに3時間ほどサービス責任者が時間をつかっています。だいたい30名ほどをみることが一般的なので、90時間は、内勤で利用者の管理に使う時間になります。残りの70時間をつかって、職員の同行や、研修等による職員の介護の質のレベルアップをはかり、利用者への適切なサービスを行なっていきます。
サービス責任者が現場に出るデメリット
管理業務ができないため、効率のいい運営をするための改善ができなくなります。そのうえ人員の教育にも時間がさけないため、人がやめていきやすい環境ができます。さらには、利用者獲得のための営業ができなくなるため、売り上げが気づいた時には縮小しているということがあげられます。サ責が管理業務に集中する環境はとても重要ですね。
訪問介護における求人
訪問介護において資本は人であり、それ以上でもそれ以下でもありません。人がいなくては事業が始まらない。なによりも人の採用が重要になります。そこで、採用がうまくいっている事業所と、いってない事業所で何が違うのかをみていきましょう。
残業が少ない
週の残業時間平均は7時間程度になります。しかしながら、現実には介護業界は残業するものですよね。ということでサービス残業が一定あるのも事実です。しかし残業が増えていけば、職員の不満は高まり離職しやすい傾向になります。
若い世代の採用に成功
60歳を超えた高齢者の採用をしても人員を確保しているケースも少なくありません。しかし長期的にみると若い世代を採用できていなければ、事業が成り立たなくなります。そのためには若い世代が働きやすい環境を構築することが必要です。非合理的なことを嫌う若者世代は、業務が効率化されている事業所を選ぶ傾向にあるのです。業務効率化については下記リンクをご参照ください。
研修などの成長機会がある
人のモチベーションについては、ハーズバーグの理論で有名ですが、衛生要員と、動機付け要因があります。いくら衛生要員を解消しても、人はやめてしまいます。そこで重要なのが、動機付け要因です。具体的には、①上司、利用者からの承認、②研修の成長機会、③責任ある仕事、などがあげられます。こういった機会があれば、賃金が低くても長期的に働いてくれるのです。
訪問介護の運営での苦労
訪問介護の事業運営に当たって難しいとされている上位3点に絞って今回はお伝えさせていただきます。下記の3つで苦労の7割を占めるといわれています。
人員不足
いわずもがな、採用は介護業界で困難を強いられていますが、とくに施設系にくらべて訪問介護は採用が難しいです。他人のお家に入るのはやはり抵抗があるのでしょうか。
書類作成
おそろしいほどの書類の作成。モニタリング、アセスメント、サービス記録、etc…様々な書類をかかなくてはなりません。訪問しながら、記入をするのはなかなか大変ですよね。さらに事業所に戻って転記作業も…となると、その作業量は膨大で、業務効率化すべき箇所の一つです。
ヘルパーの管理
ヘルパーの管理は、本当に大変です。登録ヘルパーはお客様のように扱わなければすぐに他のところにいってしまいます。ヘルパーのモチベーション管理は、本当に苦労する点になりますね。
高い質の訪問介護の提供
質の高い訪問介護を提供することで、利用者様の満足度は向上し、利用回数が増えたり、顧客数が増えたりします。売り上げに直結するテーマです。
書類作成の簡素化
よくある訪問介護における、書類作成の悩みです。
- 決まった書式がなく、書面を作らなくてはいけないが、適正か不安
- 支援経過記録の粒度がわからない
- 訪問介護計画書の支援目標や、支援内容の記述方法不明
- サービスの変更、目標の変更が大変
この作業を解決するためには、①同一書式で、②リアルタイムに反映できるクラウド型の、③介護ソフト。の利用が必要になります。そうすることで、利用者の状況の違いを前提として、どのような状況の利用者に対しても、どのスタッフでも対応できるようになります。