デイサービスは生き残りのために進化を続けています。介護保険の報酬は改正の度に削減されています。国は保険内のサービスの磨きあげはもちろんのこと、保県外のサービスの提供も顧客のニーズにあわせて提供することを、介護事業所にもとめているのです。そこで今回は、足元の保険内事業の多様化に着目し、次回以降で保険内サービスについても取り上げていきたいと思います。
Contents
施設の多様化
デイサービスはもともと特別養護老人ホームに併設の定員30名規模が一般的でした。サービスは朝の9時-10時で送迎を行い、15時-17時で自宅へと送るものです。サービス内容としては、入浴、レクリエーション、機能訓練等どこのデイサービスにいっても同じ内容で、均質化されたものでした。しかし他業種によるデイサービスへの参入や、新規参入者の乱立により、利用者の獲得が困難になっていく中で、デイサービスも他の事業所の差別化を行い始めたのです。
民家型
もともとの民家を改修してできたアットホームな空間を作り出す法人もでてきました。もしあなたが実際に昼の時間を過ごすならどのような空間で過ごしたいでしょうか?どんなサービスを受けるかも大事ですが、どのような空間にいるかもとても重要な要素になりうるでしょう。
店舗改修型
若い世代でおおくなってきているのが、カフェ型の店舗になります。もともとのカフェの居抜きをデイサービスにしてしまったり、一般の利用者も招いてドリンクを提供する等、地域住民を絡めてサービス提供を行う事業所も出てきています。こういった地域住民との交流は採用にもつながるので、デイサービスの経営力を強める点でグッドポイントです!
施設併設型
いわゆる昔からあるデイサービスで、施設にくっついたデイサービスです。外のハード面より、ソフト面や従業員での差別化が多い印象を見受けられます。
サービスの多様化
要介護度別に機能訓練を策定し、改善を促すデイや、食事を添加物を一切使用せず天然のものだけにするサービス、レクリエーション講師を招いて、本格的なサービスを提供する事業所もでてきています。
レクリエーションの差別化
レクリエーションはデイサービスのアピールポイントの一つですね!最近は地域の子供のために開いている、”書道教室”、”美術の先生”、”ピアノの先生”、”カラオケの先生”、”折り紙の先生”を招いて週に2回ほどサービスを変えて提供している事業所が増えてきています。地域資源をうまく活用するのはいい方法ですね!特にデイサービスは、行っても何もすることがなく単調なことが多いので、こういったサービスの充実化は顧客の満足度の向上に大きく寄与します。
食事の差別化
食事はデイの命である!とおっしゃる法人も少なくありません。あなたも食事がおいしかったら満足度もあがりませんか?facebookや、googleも社内食堂でおいしいご飯をたべれるようになってから、従業員の満足度が飛躍的に向上したそうです。食は人間の基礎にあたる部分ですので、軽視してしまうと利用者はどんどん離れてしまうかもしれません。
最近では、利用者が育てた野菜を使った料理や、手間がかかるものの食品添加物を一切使わないお弁当屋さんのチョイスによる健康面に配慮したデイサービスでの評判があがってきていることを肌で感じています。あなたの事業所では、どんな食事を提供していますか?
機能訓練の差別化
機能訓練は本格的に差が出てきていますね。要介護度別にメニューを用意するだけでなく、一人一人にカスタマイズを徹底された事業所もでてきています。今回は特に興味深い事業所をご紹介させていただこうと思います。夢のみずうみ村 というデイサービスです。こちらのデイサービスは、プロフェッショナルの流儀にも取り上げられたデイサービスになりますが、別途詳細はとりあげさせていただきます。
機能訓練加算で何がすごいかというと、“食事がリハビリになっている”点です。利用者はバイキング形式でごはんをたべるのですが、保管箱に食事セットを収納しており、自分でだして盛り付けを行なって、移動は杖なしで行い、自分で食事の片付けも行っているのですが、こちらが機能訓練加算Ⅱとして適応されているのです。これはユニークな機能訓練ですよね。
時間の差別化
朝特化型、夜特化型、お泊まり等、利用者の求める時間帯によって提供時間に幅をもたせているところも出てきています。職員の確保まで踏まえると早朝や、夜おそい時間帯での提供は厳しいかもしれないですね。
入浴サービスの多様化
入浴サービスを自社で行わず、外部に委託するケースもあります。近所の銭湯や、温泉施設の空き時間を利用する場合です。平日の日中は銭湯や、温泉施設も稼働率が低いこともあり比較的協力的だそうです。
最後に
デイサービスを差別化する上で大事なことがあります。あなたの思いだけでサービスを差別化するのでなく、利用者のニーズにあったサービスを提供することです。保険のテーブルに乗せられた決められたメニューから提供するだけでなく、利用者に適切なサービスを提供できるようにサービスを洗練させていきましょう。それがつまるところ差別化になっていくのです。
参考
・ゆめのみずうみ村:http://www.yumenomizuumi.com/