デイサービスの運営において加算の取得は重要です。機能訓練加算や、認知症加算、送迎加算、入浴加算といった一般的加算から、その他様々な種類の加算についても見ていきましょう。
利用者を獲得していくことは重要ですが、取れる加算をちゃんと取ることも事業運営においてとても重要です!
Contents
デイサービスの加算取得ランキング一覧
デイサービスでとられている加算の上位ランキングをまとめました。
- 入浴介助加算:90.2%
- サービス提供体制加算(Ⅰ):33.1%
- 個別機能訓練加算(Ⅱ):24.9%
- サービス提供体制強化加算(Ⅱ):20.2%
- 個別機能訓練加算(I):18.7%
- 口腔機能向上加算:11.2%
- 延長加算:10.3%
- 若年性認知長利用者受け入れ加算:7.8%
- 栄養改善加算:1.8%
デイサービスの基本報酬
2015年に基本報酬の見直しがあってから、下記の変更がなされて運営されています。小規模の地域密着は介護保険の単価が高くなるものの、エリアが限定されてしまうことや、定員数に限度があることから悩まされている事業所も多いですね。
小規模型通所介護(7時間以上9時間未満の場合)
- 要介護1 815単位/日 ⇒ 735単位/日
- 要介護2 958単位/日 ⇒ 868単位/日
- 要介護3 1,108単位/日 ⇒ 1,006単位/日
- 要介護4 1,257単位/日 ⇒ 1,144単位/日
- 要介護5 1,405単位/日 ⇒ 1,281単位/日
通常規模型通所介護(7時間以上9時間未満の場合)
- 要介護1 695単位/日 ⇒ 656単位/日
- 要介護2 817単位/日 ⇒ 775単位/日
- 要介護3 944単位/日 ⇒ 898単位/日
- 要介護4 1,071単位/日 ⇒ 1,021単位/日
- 要介護5 1,197単位/日 ⇒ 1,144単位/日
大規模型通所介護(Ⅰ)(7時間以上9時間未満の場合)
- 要介護1 683単位/日 ⇒ 645単位/日
- 要介護2 803単位/日 ⇒ 762単位/日
- 要介護3 928単位/日 ⇒ 883単位/日
- 要介護4 1,053単位/日 ⇒ 1,004単位/日
- 要介護5 1,177単位/日 ⇒ 1,125単位/日
大規模型通所介護費(Ⅱ)(7時間以上9時間未満の場合)
- 要介護1 665単位/日 ⇒ 628単位/日
- 要介護2 782単位/日 ⇒ 742単位/日
- 要介護3 904単位/日 ⇒ 859単位/日
- 要介護4 1,025単位/日 ⇒ 977単位/日
- 要介護5 1,146単位/日 ⇒ 1,095単位/日
コメント
小規模はスケールメリットがないことを配慮して基本サービス費用を高く設定しています。通常規模の約12%増しの単価を設定しています。逆に大型規模では、2~4%削減した単価設定にしています。しかしそれ以上に大規模でのスケールメリットは大きいです!
デイサービスの加算一覧
事業運営における影響を与える主要な加算についてまとめました。これ以外の加算については、他サービスで共通して取れる加算がメインになります。
- 入浴介助加算:50単位
- 中重度の受け入れ体制:46単位
- 個別機能訓練の実施:42単位,56単位
- 認知症高齢者の受入:60単位
- 栄養状態の改善のための計画的な栄養管理、口腔機能工場への計画的な取り組み:150単位
- 延長サービスの実施:50~250単位
デイに限らないが、デイでも取れる加算
デイサービス以外でも取得できる主な加算は以下になります。処遇改善加算をとっているところもかなり増えて来ていますね。
- サービス提供体制強化加算:6~18単位
- 介護処遇改善加算:1.84%~5.9%
個別機能訓練加算:46~56単位

個別機能訓練加算には1と2の二つがあります。1は利用者さんができるようになることを増やすイメージです。2は、利用者さんの身体能力の機能向上がメインとなります。なので、1は実際の能力が向上しなくても取れる加算になります。
個別機能訓練加算(I):46単位
通所介護を行う時間帯を通じて、常勤・専従の機能訓練指導員を1 名以上配置し、 複数の種類の機能訓練の項目を準備し、利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助し、心身の状況に応じた機能訓練を実行する場合に取れる加算になります。
個別機能訓練加算(Ⅱ):56単位
専従の機能訓練指導員を1名以上配置し、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、機能訓練指導員が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を行っている場合に取得できる加算になります。
機能訓練の実施時間の分布
個別機能訓練の実施時間分布図
- 0分:11.3%
- 0分~30分未満:18%
- 30分~40分未満:19.4%
- 40分~60分未満:18.0%
- 60分~90分未満:16.5%
- 90分以上:12.1%
集団機能訓練の実施時間分布
- 0分:21.3%
- 0分~15分未満:10.5%
- 15分~30分未満:24.9%
- 30分~60分未満:17.0%
- 60分以上:22.2%
機能訓練プログラムの内容について
個別訓練において。
- 身体機能の維持向上:73.6%
- 生活行為の維持向上訓練:36.9%
- 口腔機能維持向上訓練:33.2%
- 精神機能の向上訓練:24.8%
- 栄養摂取水分摂取管理:8.6%
- その他:4.1%
集団訓練において。
- 身体機能の維持向上:64.3%
- 生活行為の維持向上訓練:41.5%
- 精神機能の向上訓練:16.6%
- 口腔機能維持向上訓練:11.4%
- 栄養摂取水分摂取管理:6.2%
- その他:4.9%
個別機能訓練加算1・2の内容
- 筋肉増強訓練:25.2%
- 歩行訓練:20.3%
- 関節可動域訓練: 10.5%
- 筋緊張緩和:7.8%
- 立体動作練習:7.2%
- バランス練習4.9%
- マッサージ:3.2%
- 手工芸:2.0%
- IADL練習:1.5%
- 計算ドリル:1.2%
- トイレ動作訓練:1.2%
- 移乗動作訓練:1.1%
- 回想法:1.1%
- 嚥下訓練:0.9%
- 音楽:0.6%
- 園芸:0.5%
- 入浴動作訓練:0.5%
- 言語訓練:0.5%
- 外出練習:0.5%
- その他:0.5%
上記のような具体的プログラムを実施しています。
中重度ケア体制加算:45単位
以下の全てに適合するとして指定権者に届け出た事業所に適応されます。
- 指定基準で配置すべき看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換
算方法で2以上確保していること - 前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が100分の30以上であること
- 通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員を1名以上配置していること
若年性認知症利用者受入加算:60単位
若年性認知症利用者ごとに個別の担当者を定め、通所介護を行った場合に取得できる加算になります。
加算取得シュミレーション
週2回利用の、1回転の事業所で利用した場合で計算してみます。5名に対してケアを提供していたといましょう。
60単位 × 8回 × 5名 = 2400単位
月に2.4万円が増えますね。案外嬉しい値段です。職員でおいしいご飯にいけるくらいの金額にはなりますね。福利構成で職員ランチを設けたら、離職率がさがるかもしれません。
入浴加算:50単位
入浴介助を行なった場合50単位与えられます。入浴は労力がかかる割に加算単位が少ないので、取捨選択が必要になります。入浴がなくても利用者を獲得できるのであれば、そちらの方がいいでしょう。
加算取得シミュレーション
50単位 × 10名 × 20営業日 =10000単位
10万円の加算を取得できますね。金額として嬉しいですが、労力がかかり職員が疲弊するので悩みどころです。
栄養改善加算:150単位
以下の全ての条件を満たして、都道府県知事に届け出た事業所に取れる加算になります。
- 管理栄養士を1名以上配置
- 利用者の栄養状態を把握し、管理栄養士、看護職員等が共同して栄養ケア計画を作成
- 利用者ごとの栄養ケア計画に従い栄養改善サービスを行い、定期的に記録
- 栄養ケア計画の進捗の定期的な評価
上記をみてわかると思いますが、なかなかとるのが難しい加算となります。実際の数値をみても全体の事業所の1.8% となかなか低い割合になっていますね。
加算取得シミュレーション
150単位 × 30名定員 × 2回 = 9000単位
つまり90,000円ですので毎月9万円獲得できているとこちらも見過ごすわけにはいかないですね。
口腔機能向上加算:150単位/回
以下の全ての条件を満たして、都道府県知事に届け出た事業所に取れる加算になります。
- 言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員を1名以上配置
- 利用者の口腔機能を把握し、言語聴覚士、歯科衛生士等が共同して口腔機能改善管理指導計画を作成
- 利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い口腔機能向上サービスを行い、定期的に記録
- 口腔機能改善管理指導計画の進捗の定期的な評価
看護師がいればできることから、10%と栄養改善加算よりは取得率が高い状態になっていますね。150単位がサクッと1名とれて20名規模なら
150単位 × 30名定員 × 2回 = 9000単位
つまり90,000円ですので毎月獲得できていると侮れないですね!栄養加算とあわせたら18万円!
サービス提供加算:6~18単位
※参考文献: 2015年厚生労働省 介護報酬改定に向けて