機能訓練型デイサービスとは?

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機能訓練を実施するデイサービスは必要性が高まっていますね。厚生労働省の方針で自立支援を支持する方向に動いておりますので、デイサービスでも機能訓練を行い、利用者の自立支援をサポートできるデイサービスが評価されるような時代になってきています。そこで、機能訓練型のデイサービスだけでなく、通常のデイサービスでも機能訓練を実施する必要性が高まっています。

✓歩けるようになりたい。
✓継続して身体の機能を保ちたい
✓要介護状態が悪化しないようにしたい。
✓生き生きと自立して、日常生活を営みたい
✓食事を一人で取り続けていたい。
✓一人で入浴をしたい。

高齢者が人間としての尊厳を保ちながら暮らすには、機能訓練はとても重要になります。これまで当たり前にできていたことが出来なくなる辛さを高齢者に味わわせないためにも、効果的な機能訓練について理解することは大きく役立つでしょう。

機能訓練型デイサービスとは?通所介護との違いは?

機能訓練型デイサービスという名称は正式なものではありません。介護保険法の通所介護に当たるものです。そういった理由で、事業内容は事業所によって異なります。ここでは、いわゆる”デイサービス”と一般的な機能訓練型デイサービスを比較して、何が違うのかを見ていきましょう。

機能訓練型デイと、通所介護における機能訓練の違い

内容 デイサービス 機能訓練特化型デイサービス
特徴 食事、入浴、機能訓練、レクリエーション等、様々なサービス提供を行います。 機能訓練に重点をおき、リハビリ中心のサービス提供を行います。
時間 1日型の場合、6時間~8時間。小規模だと2回転が多いです。(午前、午後で3~4時間を2回) 午前、午後で3~4時間を2回転が一般的です。
定員 10人程度。(※18名以下は小規模)  午前、午後で10人づつで、20人。
メリット  機能訓練を提供できるが、機能訓練を提供しなくてもよい。  機能訓練が中心、入浴や、食事がないので、スタッフが疲弊しづらい環境。
デメリット  デイサービスの乱立により、差別化が難しくなってきている。  時代のニーズ、流れにあっており、加算の対象になる可能性が高い。

機能訓練指導員とは?

デイサービスで機能訓練を提供する際の中心人物になります。機能訓練指導員は利用者一人一人の様子や身体機能、介護度をチェックし、その人に合った機能訓練計画書の作成を行います。

その後、その人に必要な筋力トレーニングや可動域訓練、口腔ケアや歩行訓練などを行ったり、補助具や車いすが必要な利用者には最適なものを選ぶという仕事もあります。

利用者の家族や本人と相談しながら、無理のない程度の機能訓練計画を考えてあげることがとても重要です。個人に適さないプログラムを作ってしまうと、病状が悪化してしまうこともあるからです。

必要な資格

機能訓練指導員として働けるのは、下記の資格保有者に限られます。

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 言語聴覚士
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • 看護師
  • 准看護師

それゆえ、採用ハードルは高くなります。専門職になるので、人によってスキルに差がでてきています。一人優秀なPTを採用できるとそれだけで利用者の口コミができ、利用者獲得が進むというケースも珍しくないようです。

機能訓練プログラムとメニュー内容は?

機能訓練プログラムは一人一人メニューが異なるため、事業所によって様々です。

1日の流れ

全国の事業所で利用されているプログラム

機能訓練加算は?

機能訓練加算は1と2があります。平成27年度の法改正で単位数が機能訓練加算1は40単位から46単位に、機能訓練加算2は50単位から56単位に挙げられてました。

機能訓練加算1:46単位

身体機能の向上を目的に、機能訓練指導員以外もサービスを提供できます。

機能訓練加算2:56単位

身体機能だけではなく、精神面も含めた社会生活をサポートするために提供を行います。機能訓練指導員でなければ提供できません。

詳細は下記を参照ください。

機能訓練計画書は?

個別機能訓練を行うにあたり、必要となってくるのは「個別機能訓練計画書」と呼ばれるものです。この計画書は、利用者の居宅を訪問し、利用者のニーズや生活状況を確認し、心身機能、日常生活、社会参加、家庭内での役割といったICF(国際生活機能分類)評価を行います。

個別機能訓練計画書と通所介護計画書の違い

通所介護計画書とは、個別機能訓練計画書と似ており、本人、家族から聴取した生活状況やケア希望などから課題をあぶり出し、本人がどのような生活したいかをヒアリングした上で、目標を決定し計画を立てたものを指します。

個別機能訓練計画書に相当する内容を通所介護計画書の中に記載することが可能な為、同じ書類として処理しているケアマネージャーも多くいらっしゃいますが、3ヶ月に1回の更新で通所介護計画書と個別訓練計画書が混同しないように、それらを分けたほうがよいでしょう。

機能訓練の記録・評価表は?

下記の流れで行なっていきます。

  1. 居宅訪問でのニーズ把握・家屋状況、生活の情報収集(ケアプランからの情報収集を含む)
  2. 評価(アセスメント)
  3. 個別機能訓練計画書の作成
  4. ご利用者様又はご家族への説明と同意
  5. 個別機能訓練の実施
  6. 評価、目標の見直し、変化の記載(3ヶ月ごとに1回以上)

評価は?

3ヶ月に1回評価を行い、また次の3ヶ月の計画に反映をさせていきます。ここの作業ををいかに円滑に回すかで、機能訓練の存在意義がでてきます。

よくある質問

Q.通所介護施設の個別機能訓練加算に伴う記録や書類について教えてください。個別機能訓練加算を取るにあたり、必要な記録や書類にはどういったものがあるのでしょうか?
個別機能訓練計画書と評価書の2つと、実施時間・実施者・実施内容というの実施記録の合わせて3つあればよいのでしょうか?他にも必要な記録や書類があれば教えて下さい。

A.個別機能訓練計画書と、実施記録があれば問題ありません。気をつけるべきは、個別機能訓練を提供するにあたって根拠となるケアプランです!

 

Q.個別機能訓練加算IIについての質問です。個別機能訓練加算IIでは、利用者の生活環境に即して計画を立てる必要があると思いますが、居宅訪問の記録に、家屋状況の見取り図や写真などは必要ですか?

A.たとえば、トイレで自分で排泄できるようになる、の目標の場合、トイレの見取り図は機能訓練指導員が機能訓練を実施する上でイメージができないと具体的な目標や訓練のメニューを作れません。よって有効な機能訓練ができませんね。実地指導のときは、そのあたりもみられます。よって、サービス面の適正性と質を証明する書類としても必要になります。

ただし、見取り図は家全体でなく、トイレや玄関など実際に目標に関する場所のみで問題ないでしょう。写真は本人と家族の了承を得た上で撮りましょう。

 

Q.通所介護のケース記録について教えてください。
ケース記録にかなりの時間をとられているのが現状で簡素化できるところは簡素化していきたいのですが、ケース記録用紙に絶対に必要な項目を教えていただけないでしょうか?機能訓練については別の用紙に記入しており、現在はケース記録用紙にもバイタルや機能訓練の項目があり、重複するのでケース記録用紙から外したいと考えています

A.ケース記録は、基本的に通所介護計画に沿った内容のみで十分です。なぜなら通所介護計画が利用目的であり、利用目的以外の事はアクシデントやエピソードになるに過ぎないからです。

 

Q.個別機能訓練I,IIの違いをざっくり教えてください。

A.ざっくり言うと、Ⅰは運動系、Ⅱは日常生活の訓練、社会復帰のための訓練というようなイメージです。