介護ソフトの”ほのぼの”の感想や口コミの紹介から、実際に介護経営における課題や、人材周りでの苦労についてもお伝えさせていただきます。
現在は、通所介護・訪問介護・居宅のサービス形態で5事業所を運営中です。
介護の人材周りで困っていること
ここ数年間で、介護業界を志望する人の数はますます減ってきたように感じています。
合同説明会などに出展しても、まず来場者の数が少ないです。来場者と話をしても、介護をやってみたいというよりは、他の業界に入るのが難しいから、仕方なく手っ取り早い介護施設でまず働いて生活を繋ぎたい、と考えている人が多い印象を受けます。
そういった人材を、こちらも人手不足のため採用せざるを得ないの現状です。その結果として、入社後まもなく、こんなにきついとは思わなかった、想像していた介護とは違った、などの理由で退職する人が出てきてしまい、定着しないです。全体が悪循環になっているように思います。
定着率を上げるための取り組みとして、最近は給与をできるだけ高く提示するようにしています。数年前に比べるとスタッフ平均の手取りは5万円以上もアップしました。
また、所属の意識を早めにつくり、自身もチームの仲間だと認識して安心してもらうために、飲み会やイベントを早めに実施しています。
次の介護保健法の改正で気になることは?
医療保険分野については事業を行っていないので影響はないですが、介護保険改正については、おそらく通所介護が大きな打撃を受けると思っています。
現在は大規模での運営のため、前回の小規模へのダメージは少し他人事であったというのが正直なところでありますが、次回は全体にも同じくらいの報酬減があるかもしれず、改正におけるもっとも大きい脅威であるといえています。
また、要介護1、2の高齢者についての新総合事業への切り替えも、まだ完全に議論の火種が消えたわけではないと思うので、引き続き最新情報に注意していきたいと思っています。
改正において、不安なことは前回もそうでありましたが、行政からの正式な通達が遅く、それに伴う書類の作成や配布に追われると考えています。
改正により、重要事項説明書や料金表をはじめ、パンフレット、毎月の請求書など、変更しなければならない書類は膨大です。
人手不足のなか、この書類の作成、利用者に署名・捺印をもらう作業が本当に大変であり、日々の業務の上に乗るので、経営者といえども駆り出されることになります。そのことが現実的な不安です。
介護経営の心配事は?
介護の経営をしてまだ数年ですが、経営面での困りごとはまず介護報酬の減収です。
始めたころと比べるとかなり報酬が減っており、しかし人材を獲得するためには高い給与を払わねば人は来ない。このジレンマに常に追われています。
また、介護の前は飲食店を経営していましたが、やはり大きな違いとして、介護施設はその施設の売上の限界が見えています。
人件費、経費が膨らめば膨らむほど、収益は減ります。簡単なことではありますが、絶対値である売り上げの最大金額が、介護報酬削減という制度改正によってどんどん幅を狭めていくのであれば、今倒産している介護の会社が多いように、自分のところも潰れるのは時間の問題ではないかと思うところもあります。
そうさせないために、客単価を上げたい。そのためには、加算を取りたいです。
そのためには、専門職のスタッフを採用する必要があります。そのためには、人材採用にお金をかけなくてはならない。
そのためには、人材採用に十分な資金を回せるくらいの売り上げが必要となるが、売り上げの最大値は決まっている、という悪循環で、介護の経営はどこも大きな問題を抱えていると感じています。
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