
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護保険法に基づき要介護者のケアプランを作成する公的資格者です。役割・受験資格・居宅と施設の違い・主任ケアマネとの違い・平均年収まで定義型で解説します。
この記事のポイント
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護保険法に基づき要介護者・要支援者のケアプラン(介護サービス計画)を作成し、給付管理や関係機関との連携を担う都道府県認定の公的資格者です。受験には特定の国家資格保有+実務経験5年・900日以上が必要で、2024年度試験の合格率は32.1%。居宅ケアマネと施設ケアマネに大別され、平均年収は約427万円です。
目次
ケアマネージャーの定義と位置づけ
ケアマネージャーは、正式名称を「介護支援専門員」といい、介護保険法第7条第5項に基づき位置づけられた専門職です。一般には「ケアマネ」「ケアマネジャー」とも呼ばれ、カタカナ表記の正式表記は「ケアマネジャー」とされます。
2000年4月の介護保険制度創設と同時に誕生した職種で、要介護者・要支援者が自立した日常生活を営むのに必要な援助を専門的知識・技術をもって行う者と定義されています。資格の性格は国家資格ではなく、各都道府県知事が登録する公的資格です。資格は5年ごとの更新制で、更新時には56〜88時間の更新研修受講が義務付けられています。
介護保険制度における役割
ケアマネージャーは、介護保険サービスの「入口」と「司令塔」を兼ねる存在です。利用者と市町村・サービス事業所・医療機関の間に立ち、要介護認定の申請代行から、ケアプランの作成、サービス事業所との調整、給付管理までを一貫して担います。利用者やその家族が制度を理解せずとも適切なサービスを受けられるのは、ケアマネージャーが制度と現場をつなぐコーディネーター役を果たしているためです。
ケアマネージャーの主な業務
ケアマネージャーの業務は、大きく以下の4領域に整理されます。
- 要介護認定に関する業務:利用者・家族からの相談対応、要介護認定の申請代行、認定調査への同席、区分変更申請のサポート。
- ケアプラン作成業務:アセスメント(課題分析)、ケアプラン(介護サービス計画)の作成、サービス担当者会議の開催、月1回以上のモニタリング訪問。
- 給付管理業務:要介護度別の支給限度額(区分支給限度基準額)の管理、サービス利用票・給付管理票の作成、国保連合会への請求書類提出。
- 関係機関との連携:居宅サービス事業所、医療機関、地域包括支援センター、市町村介護保険担当課との情報共有・調整。
勤務先は居宅介護支援事業所、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、地域包括支援センター、病院、自治体と多岐にわたり、職場により業務の重点が変わります。
類似用語との違い
ケアマネージャーと混同されやすい職種・資格との違いを整理します。
居宅ケアマネと施設ケアマネの違い
| 項目 | 居宅ケアマネ | 施設ケアマネ |
|---|---|---|
| 所属 | 居宅介護支援事業所 | 特養・老健・グループホーム等 |
| 担当人数 | 標準35名(逓減制あり) | 施設入所者100名程度 |
| 勤務形態 | 日勤・土日祝休みが多い | シフト制、介護兼務もあり |
| 主な業務 | 居宅サービス計画作成・給付管理 | 施設サービス計画作成・施設内連携 |
主任ケアマネ(主任介護支援専門員)との違い
主任ケアマネは、ケアマネとして専従5年以上の実務経験を満たし主任介護支援専門員研修(70時間)を修了した上位資格です。後輩ケアマネへの指導・スーパービジョン、地域包括ケアの推進、特定事業所加算(Ⅰ〜Ⅲ)の算定要件としての役割を担います。居宅介護支援事業所の管理者は2027年4月から原則として主任ケアマネであることが必須となります。
介護福祉士・社会福祉士との違い
介護福祉士は身体介護・生活援助の実践者、社会福祉士は相談援助・権利擁護の専門職、ケアマネージャーは介護保険サービスの計画立案・調整役と、役割が明確に分かれます。介護福祉士・社会福祉士はケアマネ受験資格の対象国家資格でもあり、キャリアアップ先として位置づけられます。
受験資格と取得ルート
ケアマネージャーになるには、以下のステップを経る必要があります。
- 受験資格を満たす:医師・看護師・介護福祉士・社会福祉士など特定の国家資格保有者で、当該資格に基づく業務に通算5年以上かつ900日以上従事すること。または相談援助業務の従事経験5年以上。
- 介護支援専門員実務研修受講試験(年1回・例年10月)に合格:60点満点で正答率70%前後が合格基準。2024年度合格率は32.1%、2025年度は25.6%と難関資格です。
- 介護支援専門員実務研修を修了:前期課程49時間、実習3日間、後期課程38時間の計約87時間の研修を受講。
- 都道府県に登録し、介護支援専門員証の交付を受ける:交付後5年ごとに更新研修が必須。
受験対象の国家資格は医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士(管理栄養士含む)・精神保健福祉士の21職種です。介護福祉士からのルートが最も一般的で、介護福祉士取得から最短5年でケアマネ受験が可能となります。
平均年収と人材不足の現状
厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」および賃金構造基本統計調査によれば、ケアマネージャーの平均年収は約427万円(月給約36万円・賞与含む)で、介護職全体の平均(約340万円)より約87万円高い水準です。
- 居宅ケアマネ平均月給:約35〜37万円(処遇改善加算対象)
- 施設ケアマネ平均月給:約36〜38万円(夜勤兼務時はさらに加算)
- 主任ケアマネ平均月給:約38〜42万円(特定事業所加算により上振れ)
一方で、人材不足は深刻です。ケアマネ試験の受験者数は2017年の131,560人をピークに減少が続き、2024年度は53,772人まで落ち込みました。背景には受験資格の厳格化(2018年改定)と、業務負担の重さ・処遇改善加算の対象外であった経緯があります。2024年度介護報酬改定で居宅介護支援事業所も処遇改善加算の対象に組み込まれましたが、2026年4月時点でも41.9%の居宅事業所が処遇改善を実施していないとの調査もあり、待遇改善は道半ばです。
よくある質問(FAQ)
Q. ケアマネージャーは国家資格ですか?
A. いいえ、国家資格ではなく各都道府県知事が登録する公的資格です。ただし、受験資格として医師・看護師・介護福祉士などの国家資格保有が必須となるため、実質的には国家資格相当の難易度を持つ専門職とされます。
Q. 介護福祉士からケアマネを目指すには何年かかりますか?
A. 介護福祉士取得後、当該資格に基づく実務経験を5年・900日以上積めば受験資格を満たします。介護福祉士養成課程からの最短ルートでは、介護福祉士取得(最短2年)+実務5年=最短7年でケアマネ試験受験が可能です。
Q. ケアマネと主任ケアマネはどちらが上ですか?
A. 主任ケアマネが上位資格です。ケアマネとして専従5年以上の実務経験+主任介護支援専門員研修(70時間)の修了が要件で、後輩指導や事業所管理者要件としての役割を担います。給与水準も月3〜5万円高い傾向にあります。
Q. ケアマネの試験合格率はどれくらいですか?
A. 2024年度(第27回)試験は合格率32.1%、2025年度(第28回)試験は合格率25.6%でした。10〜30%台で推移しており、福祉系資格の中では難関に位置づけられます。
Q. 居宅ケアマネと施設ケアマネ、どちらが働きやすいですか?
A. 一概には言えませんが、土日祝休み・日勤希望なら居宅ケアマネ、安定収入と組織で働く環境を求めるなら施設ケアマネが向いています。担当人数は居宅35名・施設100名と異なり、業務の質も書類業務中心(居宅)か施設内多職種連携(施設)かで分かれます。
参考文献・出典
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まとめ
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護保険法に基づきケアプラン作成・給付管理・関係機関連携を担う公的資格者です。受験には国家資格保有+実務経験5年・900日以上が必要で、合格率は25〜32%程度の難関資格です。
居宅ケアマネと施設ケアマネで業務の重点や勤務形態が異なり、上位資格として主任ケアマネが位置づけられます。平均年収は約427万円と介護職全体より高水準ですが、人材不足や処遇改善の遅れも課題となっています。介護福祉士からのキャリアアップ先として、また地域包括ケアの中核を担う専門職として、その重要性は今後ますます高まっていく職種です。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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