ダブルケアとは

ダブルケアは育児と介護を同時に担う状態。推計約25万人。負担の実態、相談先、利用できる制度、両立のヒントを解説します。

ポイント

ダブルケアとは(要点)

ダブルケアとは、子育てと親など家族の介護を同時期に担う状態を指します。内閣府の調査では、ダブルケアを担う人は推計約25万人、女性が約17万人と男性の約2倍。30代後半〜40代が中心層で、晩婚化・晩産化と親世代の高齢化が背景にあります。

支援制度としては、(1) 育児・介護休業法による休業・短時間勤務、(2) 地域包括支援センターでの介護相談、(3) 子育て支援・ファミサポ、(4) ダブルケアカフェなどのピアサポート、が活用できます。早期に相談先を確保することが両立の鍵です。

目次

20秒でわかる「ダブルケア」

ダブルケアの定義と背景

「ダブルケア」は2012年頃から横浜国立大学の相馬直子准教授らが提唱した概念で、狭義には「育児と介護」、広義には「ケアの複数同時担い手」を指します。内閣府男女共同参画局が2016年に実施した実態調査により、政策課題として広く認識されるようになりました。

背景には次のような社会変化があります。

  • 晩婚化・晩産化:第1子出産年齢の上昇により、子育てと親介護の時期が重なる
  • 少子化・きょうだい数減少:介護を分担できる兄弟姉妹が少ない
  • 共働き世帯の増加:仕事・育児・介護の三重負担
  • 高齢者の長寿化:介護期間の長期化

ダブルケアの実態データ

内閣府「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」(2016年)の主要データを紹介します。

  • ダブルケア人口(推計):約25万人(女性約17万人、男性約8万人)
  • 年齢層:30代後半〜40代が約8割
  • 就業状況:女性は無業化・パート化する割合が高い
  • 負担感:精神的負担を感じる人が約8割、肉体的負担も約7割
  • 相談相手:「相談相手がいない」人が約2割

ダブルケアラーは、保育園と地域包括支援センターという縦割り窓口の両方を行き来する必要があり、ワンストップ相談窓口を設ける自治体(横浜市・堺市など)が増えています。

ダブルケアを乗り切るコツ

  • 早期に相談先を確保:地域包括支援センター(介護)と保育園・子育て支援センター(育児)の両方に顔を出す。
  • 制度の併用:育児休業+介護休業(最大93日)、短時間勤務制度(育児・介護とも対象)を活用。
  • 外部サービスのフル活用:訪問介護・デイサービス・ショートステイ+ファミリーサポート・病児保育を組み合わせる。
  • 1人で抱え込まない:きょうだい・パートナーとの役割分担を文書化。
  • 勤務先への早期相談:上司・人事に状況を伝えると、配置や勤務形態の調整が可能になる場合が多い。
  • 同じ立場の仲間と繋がる:「ダブルケアカフェ」など全国で開催される交流会に参加。

よくある質問

Q. ダブルケアでもらえる手当はありますか?

A. 介護休業給付金(休業中の賃金の67%、最大93日)、育児休業給付金、自治体独自の介護者支援金などがあります。詳細はハローワーク・自治体窓口で確認を。

Q. 仕事を辞めずに両立する方法はありますか?

A. 育児・介護休業法では、両方を理由とした短時間勤務・残業免除・始業終了時刻変更などが請求できます。フレックスタイム・在宅勤務の併用も有効です。

Q. ダブルケアの相談はどこにすれば?

A. 介護は地域包括支援センター、育児は子育て支援センターが一次相談先です。横浜市など一部自治体には「ダブルケア相談窓口」があり一括対応してくれます。

Q. 介護離職は避けるべきですか?

A. 一般的には離職を避ける方が、収入・キャリア・社会との接点を保てるため推奨されます。介護休業や時短勤務、外部サービスをまず検討しましょう。

参考資料

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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