
施設サービス計画とは
施設サービス計画(施設ケアプラン)の対象(特養・老健・介護医療院)、作成者(計画担当介護支援専門員)、標準様式、多職種連携の流れを解説。居宅サービス計画との違い、入所時カンファレンスの位置づけまで一次ソース準拠で整理。
この記事のポイント
施設サービス計画とは、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院に入所する要介護1〜5の利用者に対して作成されるケアプランです。施設に配置された計画担当介護支援専門員(ケアマネ)が、医師・看護師・介護職員・機能訓練指導員等の多職種でアセスメントを行い、入所者の生活全般の課題と目標、ケア内容を計画書にまとめます。
目次
施設サービス計画の概要
施設サービス計画は介護保険法第8条第26項に基づく計画で、介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)の入所者に作成が義務付けられています。施設内に配置された計画担当介護支援専門員(介護支援専門員=ケアマネ)が中心となり、施設の多職種チームで策定します。
対象となる3施設
- 特別養護老人ホーム(特養/介護老人福祉施設):要介護3〜5(特例で1〜2もあり)の長期生活介護の場
- 介護老人保健施設(老健):要介護1〜5の在宅復帰支援・リハビリの場
- 介護医療院:要介護1〜5で医療依存度の高い長期療養の場(2018年創設)
作成プロセス
- 入所前情報収集:紹介元(病院・居宅・他施設)からの情報収集
- 入所時アセスメント:医師・看護師・介護職員・機能訓練指導員等が多職種で評価
- 入所カンファレンス:多職種で原案作成
- 同意取得:入所者・家族の同意
- サービス提供開始:日々のケア実施
- モニタリング:状態変化、目標達成状況を継続評価
- 計画見直し:少なくとも6か月に1回(老健は3か月に1回)
居宅サービス計画との違い
| 項目 | 施設サービス計画 | 居宅サービス計画 |
|---|---|---|
| 対象 | 特養・老健・介護医療院の入所者 | 在宅の要介護1〜5 |
| 作成者 | 施設の計画担当ケアマネ | 居宅介護支援事業所のケアマネ |
| 標準様式 | 第1表〜第5表 | 第1表〜第7表 |
| 連携先 | 施設内多職種(医師・看護師・介護職・機能訓練・栄養士) | 外部サービス事業者 |
| 給付管理 | 不要(包括報酬) | 必要(給付管理票作成) |
| モニタリング頻度 | 少なくとも月1回(記録)/計画見直しは6か月毎(老健は3か月毎) | 月1回訪問 |
標準様式(第1表〜第5表)
- 第1表:施設サービス計画書(1)— 利用者基本情報、援助方針、入所者・家族の意向
- 第2表:施設サービス計画書(2)— 課題、長期・短期目標、サービス内容
- 第3表:週間サービス計画表
- 第4表:日課計画表
- 第5表:施設介護支援経過記録
現場で押さえるべきポイント
- 老健は3か月毎の見直し:在宅復帰を目指す施設特性から、計画見直しは3か月以内(特養・介護医療院は6か月以内)と短く設定されています。
- 多職種連携が中核:施設内の医師・看護師・介護職員・機能訓練指導員・管理栄養士・生活相談員が共同で作成。介護職員のアセスメント力が計画の質を左右します。
- 看取り介護加算との連動:看取り期に入る場合は本人・家族の意向を確認し、施設サービス計画に「看取り介護に関する事項」を追加します(医師の医学的判断+カンファレンスが要件)。
- 個別機能訓練計画書との関係:個別機能訓練加算を算定する場合、機能訓練指導員が別途「個別機能訓練計画書」を作成しますが、施設サービス計画と整合性を取る必要があります。
- 入所継続支援加算(老健):在宅復帰・在宅療養支援機能の高い老健には超強化型・在宅強化型の区分が設定され、施設サービス計画の質も評価対象です。
あなたに合った介護の働き方は?
簡単な質問に答えるだけで、ピッタリの施設タイプがわかります
施設サービス計画のよくある質問
Q. 誰が作成しますか?
A. 施設に配置された計画担当介護支援専門員(介護支援専門員=施設ケアマネ)が、施設内の多職種で協議のうえ作成します。
Q. 標準様式は何枚ですか?
A. 第1表〜第5表の合計5枚です。居宅サービス計画(第7表まで)より少ないのは、給付管理が不要(包括報酬)なためです。
Q. 老健と特養で見直し頻度が違うのはなぜ?
A. 老健は在宅復帰を目指す通過型施設のため3か月毎、特養・介護医療院は長期生活の場のため6か月毎と設定されています。
Q. 入所者・家族の同意は必要ですか?
A. 必要です。第1表に同意印または署名を取得します。
Q. 施設ケアマネと居宅ケアマネの違いは?
A. 施設ケアマネは1施設の入所者100人を担当(特養の人員配置基準は入所者100対1)し、外部サービス調整は不要。居宅ケアマネは複数の在宅利用者(44人基準)を担当し、外部サービスとの連絡調整が中核業務です。
関連する詳しい解説
- 📖 関連用語: 居宅サービス計画とは|ケアプラン作成の流れ・標準様式・第1表〜第7表
- 📖 関連用語: ケアマネージャーとは|役割・資格要件・他職種との違いをわかりやすく解説
- 📖 関連用語: 介護のアセスメントとは|課題分析標準23項目とケアプランの関係をやさしく解説
- 📖 関連用語: 在宅復帰加算とは|老健5区分の指標と単位数・評価10項目をやさしく解説
- 📖 関連用語: 看取り介護とは|ターミナルケアとの違い・加算制度をやさしく解説
- 🎯 自分に合う働き方: 介護の働き方診断(無料3分)
まとめ
施設サービス計画は特養・老健・介護医療院の入所者向けケアプランで、施設の計画担当ケアマネが多職種と協働して作成します。標準様式は第1表〜第5表で、見直し頻度は施設タイプにより異なります(老健3か月、特養・介護医療院6か月)。包括報酬体系のため給付管理は不要で、その分施設内の多職種連携の質が利用者のQOLに直結します。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
最新の介護業界ニュース

2026/5/1
看護師等養成所の遠隔授業推進事業、令和8年度公募|地方の人材確保と介護現場への波及
厚労省が令和8年度予算で1.21億円を計上した「人口減少社会の看護師等養成所における遠隔授業推進支援事業」の概要と、地方の養成所閉校・定員割れが介護施設の看護師確保に及ぼす影響を解説。

2026/5/1
居宅介護支援に処遇改善2.1%、6月施行直前ガイド|ケアマネの給料はいくら上がる?
2026年6月から居宅介護支援・介護予防支援に処遇改善加算(2.1%)が新設。ケアマネ事業所が初めて対象に。算定要件はケアプー加入か加算IV準拠の二択、届出は4月15日締切、月額換算では一人あたり約7,000〜10,000円の賃上げ見込み。算定方法・配分ルール・特定事業所加算との関係まで施行直前の実務ガイド。

2026/5/1
第2回・2040年看護職員養成検討会|実習・供給推計・資質の3論点と介護現場への波及
厚労省は2026年5月8日、第2回「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」を開催。看護学生実習・供給推計・看護職員の資質という3論点を議論する。第1回の論点と介護現場への影響を解説。

2026/5/1
介護人材確保のリアル|2040年57万人不足と求職者の交渉力(2026年最新)
2026年度に約25万人、2040年度に約57万人の介護職員が不足する見通しです。有効求人倍率4倍超の売り手市場の構造的要因、国の5本柱対策、特定技能介護の拡大、倒産176件の経営インパクト、そして求職者にとっての交渉力と戦略を一次データで解説します。

2026/5/1
LIFE第2回説明会の動画・資料が公開(vol.1498)|介護現場が押さえる入力フローと加算の関係
厚労省が4月28日にvol.1498を発出し、3月開催のLIFE第2回説明会の動画・資料を公開。令和6年度改定後の新フィードバック画面の見方、ブラウザ閲覧化、都道府県・要介護度での絞り込み、活用事例の概要を整理し、科学的介護推進体制加算など関連加算と現場の入力フローへの影響まで読み解きます。

2026/5/1
介護現場の省力化補助金、4機種が出揃う|vol.1499が示す飲料ディスペンサー・再加熱カートの申請開始
厚労省老健局は2026年4月30日付介護保険最新情報vol.1499で、中小企業省力化投資補助金の介護業向け対象機器に「飲料ディスペンサー/とろみ給茶機」「再加熱キャビネット/カート」が加わり申請可能になったと通知。清掃・配膳ロボットと合わせ4機種が出揃った仕組みと現場への影響を解説。
このテーマを深掘り
関連トピック









