要介護認定とは

要介護認定とは

要介護認定とは介護保険法に基づき要介護度(要支援1〜要介護5)を判定する制度。7区分の状態像、申請→訪問調査→主治医意見書→一次/二次判定→通知の流れ、有効期間、区分変更申請まで用語集として解説。

ポイント

この記事のポイント

要介護認定とは、介護保険法に基づき市区町村が高齢者の介護必要度を全国一律の基準で判定する制度です。要支援1・2と要介護1〜5の7区分に分類され、申請から訪問調査・主治医意見書・一次判定・二次判定を経て、原則30日以内に通知されます。2023年度末時点の認定者数は約708万人(厚労省)で、判定結果に応じて利用できる介護保険サービスや支給限度額が決まります。

目次

要介護認定の定義

要介護認定(ようかいごにんてい)は、介護保険法第27条に基づく公的認定制度です。65歳以上の第1号被保険者、または40〜64歳で特定疾病に該当する第2号被保険者が、介護保険サービスを利用する前提として受ける必要があります。

判定は「介護にかかる手間(介護の必要量)」を全国一律の基準で測るもので、本人の病名や経済状況ではなく、心身の状態と介護に要する時間(要介護認定等基準時間)によって決定されます。

要介護認定の根拠法

  • 介護保険法第27条:要介護認定の申請・審査・判定の手続きを規定
  • 要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令:判定基準時間の区分を規定

認定は申請日にさかのぼって効力が発生し、申請中でも暫定ケアプランによるサービス利用が可能です。

7区分の状態像と認定基準時間

要介護認定は、要介護認定等基準時間(1日あたりに要する介護の手間を分単位で算出したもの)により7区分+非該当(自立)に分けられます。

区分基準時間状態像の目安
要支援125分以上32分未満日常生活動作はほぼ自立。掃除・買い物など一部に支援が必要
要支援232分以上50分未満歩行・立ち上がりが不安定。要介護に進む可能性が高い状態
要介護132分以上50分未満(※認知症等で振り分け)立ち上がり・歩行に一部介助。認知機能の軽度低下あり
要介護250分以上70分未満食事・排泄も部分的に介助が必要。認知機能の低下が目立つ
要介護370分以上90分未満日常生活全般に介助が必要。歩行に杖・歩行器・車いすを使用。特養入居の目安
要介護490分以上110分未満生活全般で全面介助。思考力・理解力も著しく低下
要介護5110分以上寝たきり・意思疎通困難。常時全面的な介助が必要な最重度

認定者数の推移(2023年度末)

厚生労働省「介護保険事業状況報告(年報)」によると、2023年度末の認定者総数は約708万人。区分別では要介護1が146.4万人で最多、次いで要介護2が119.1万人、要支援1が102.0万人、要支援2が99.6万人となっています。介護保険制度開始時(2000年度)の256万人と比べ約2.8倍に増加しています。

認定の流れ(申請から通知まで)

要介護認定は、申請から原則30日以内に結果が通知されます。認定の流れは以下の5ステップです。

1. 申請

本人または家族が市区町村の介護保険窓口に申請書、介護保険被保険者証(第2号被保険者は医療保険証)を提出します。地域包括支援センターや居宅介護支援事業者による代行申請も可能です。

2. 認定調査(訪問調査)

市区町村の認定調査員が自宅等を訪問し、全国共通の74項目(身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応など)について本人と家族から聞き取り調査を行います。

3. 主治医意見書

市区町村の依頼により主治医が意見書を作成します。傷病に関する医学的知見、心身の状態、介護に関する留意事項などが記載されます。主治医がいない場合は市区町村が指定医を紹介します。

4. 一次判定(コンピュータ判定)

認定調査票(74項目)と主治医意見書の一部(5項目)をもとに、コンピュータが要介護認定等基準時間を算出し、要支援1〜要介護5を仮決定します。

5. 二次判定(介護認定審査会)

保健・医療・福祉の専門家5名程度で構成される介護認定審査会が、一次判定結果に主治医意見書・特記事項を加味して最終判定を行い、市区町村が結果を本人に通知します。

要支援と要介護の違い

要支援と要介護は同じ要介護認定の区分ですが、利用できるサービス・予防の位置づけ・ケアプラン作成主体などが異なります。

項目要支援1・2要介護1〜5
状態の位置づけ介護予防(要介護への進行防止)介護(自立支援・状態維持)
利用サービス介護予防サービス・地域支援事業介護給付(在宅・施設サービス全般)
ケアプラン作成地域包括支援センター居宅介護支援事業所のケアマネジャー
特養入居不可原則 要介護3以上
支給限度額(月額)要支援1: 50,320円
要支援2: 105,310円
要介護1: 167,650円
要介護5: 362,170円

要介護認定の有効期間は新規申請で原則6ヶ月(市区町村の判断で3〜12ヶ月の幅)、更新申請で原則12ヶ月(同様に3〜48ヶ月の幅)と定められています。

区分変更申請とは

区分変更申請とは、認定有効期間中に心身の状態が著しく変化した場合に、有効期間の満了を待たずに要介護度の見直しを求める申請です。

区分変更が必要となる主なケース

  • 脳梗塞・骨折等で介護量が急増した
  • 認知症の進行で目が離せなくなった
  • リハビリで状態が改善し軽度化した
  • がん末期など急激な悪化が見込まれる

申請手続き

市区町村の窓口に「要介護認定区分変更申請書」と被保険者証を提出します。その後の手続き(訪問調査・主治医意見書・一次/二次判定)は新規申請と同じで、結果は申請日にさかのぼって効力が発生します。

2026年の制度動向

厚生労働省は規制改革実施計画に基づき、要介護認定の迅速化と科学的合理性の確保を進めており、AI活用のモデル事業や認定審査会の簡素化、主治医意見書のデジタル化などが2026〜2029年度にかけて段階的に措置される予定です。

要介護認定に関するよくある質問

Q. 要介護認定の結果が出るまでどれくらいかかりますか?

A. 介護保険法では原則申請から30日以内に通知することと定められています。ただし主治医意見書の遅れや審査会の混雑で延長される場合があり、その際は申請者に通知されます。

Q. 認定結果に納得できない場合はどうすればよいですか?

A. 結果通知から60日以内に都道府県の介護保険審査会へ不服申し立てが可能です。または、状態変化があれば区分変更申請を行う方法もあります。

Q. 40歳〜64歳でも要介護認定を受けられますか?

A. 第2号被保険者(40〜64歳)は、末期がん・関節リウマチ・若年性認知症など16種類の特定疾病に該当する場合に限り認定を受けられます。

Q. 認定有効期間が切れたらどうなりますか?

A. 有効期間満了の60日前から更新申請が可能です。更新せず期間が切れると介護保険サービスが利用できなくなるため、ケアマネジャーと連携した早めの手続きが重要です。

Q. 認定調査ではどんなことを聞かれますか?

A. 全国共通の74項目で、身体機能(麻痺・関節可動域・寝返りなど)、生活機能(食事・排泄・入浴)、認知機能(意思の伝達・短期記憶)、精神・行動障害(徘徊・暴言など)、社会生活への適応について確認されます。

参考文献・出典

関連記事

要介護認定について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

まとめ

要介護認定は介護保険サービス利用の前提となる、介護保険法に基づく公的認定制度です。本記事のポイントを以下に整理します。

  • 7区分(要支援1・2、要介護1〜5)に分類され、要介護認定等基準時間(25分〜110分以上)で判定
  • 認定の流れは「申請→訪問調査(74項目)→主治医意見書→一次判定→二次判定→通知」で原則30日以内
  • 有効期間は新規6ヶ月、更新12〜24ヶ月(特定条件で最長48ヶ月)
  • 区分変更申請により、有効期間中でも状態変化に応じた見直しが可能
  • 2023年度末の認定者数は約708万人(厚労省)で、制度開始時の約2.8倍に増加

介護転職を検討している方にとって、要介護認定の仕組みを理解することは、利用者の状態像を把握しケアの専門性を高める基本となります。施設や事業所で扱う利用者層(要支援中心か要介護中心か)も働き方に直結するため、求人選びの際に確認しましょう。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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