
デイサービス(通所介護)とは
デイサービス(通所介護)は要介護1以上が日帰りで通う居宅サービスで、送迎・食事・入浴・機能訓練・レクを提供します。通常規模型と大規模型・地域密着型(定員18人以下)の単位数の違い、デイケア/認知症対応型/新総合事業の通所型サービスとの違い、1日の流れと料金目安まで用語の意味を整理して解説します。
この記事のポイント
デイサービス(通所介護)は、要介護1〜5の認定を受けた人が日中に施設へ通い、送迎・食事・入浴・機能訓練・レクリエーションなどを受ける居宅サービスです。介護保険法に基づく指定サービスで、通常規模型・大規模型I/II・地域密着型(定員18人以下)の4区分があり、要介護度・利用時間・規模で介護報酬の単位数が変わります。
目次
制度上の位置づけとサービス内容
デイサービス(通所介護)の制度上の位置づけ
デイサービスの正式名称は通所介護で、介護保険法第8条第7項に規定される居宅サービスのひとつです。在宅で暮らす要介護高齢者が日帰りで施設に通い、生活機能の維持・向上、社会的孤立の解消、家族介護者の負担軽減(レスパイト)を目的にサービスを受けます。
運営基準は厚生労働省の告示「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)」に定められており、生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員の配置義務、利用者15人までは介護職員1人以上+15人を超える部分は5人または端数を増すごとに1人以上といった人員基準、食堂・機能訓練室(合計3㎡×利用定員以上)・静養室・相談室・事務室の設備基準、運営規程の策定義務などが明記されています。
サービスの主な内容
- 送迎:自宅と施設間の往復送迎(送迎時間はサービス提供時間に含まない)
- 健康チェック:到着時の血圧・体温・脈拍測定と看護職員による状態観察
- 入浴介助:個浴・機械浴など利用者の状態に合わせた介助(入浴介助加算IまたはII)
- 食事:昼食およびおやつの提供(食費は介護保険外で全額自己負担)
- 機能訓練:機能訓練指導員(PT・OT・ST・看護職員等)が作成する個別機能訓練計画に基づく訓練
- レクリエーション・余暇活動:体操、創作活動、外出行事など社会的交流の機会
提供時間は3時間以上4時間未満から7時間以上8時間未満まで1時間刻みで区分され、令和3年度改定で導入された「8時間以上9時間未満」「9時間以上10時間未満」の延長加算(最大50単位×2区分)も算定可能です。
類似サービスとの違い
デイケア・地域密着型・認知症対応型・総合事業との違い
「日中通って何かを受ける」サービスは複数あり、対象者・目的・指定区分が異なります。ここで違いを整理します。
デイケア(通所リハビリテーション)との違い
デイケアは介護保険法第8条第8項の通所リハビリテーションで、医師の指示に基づくリハビリテーションを目的とします。介護老人保健施設・病院・診療所で提供され、医師の常勤配置とPT・OT・STのいずれかの配置が必須です。一方デイサービスは医師配置義務がなく、生活機能の維持と社会参加が主目的になります。
地域密着型通所介護との違い
2016年4月の介護保険法改正で、利用定員18人以下の小規模通所介護は「地域密着型通所介護」として市町村の指定権限に移管されました。同じ要介護1〜5を対象としますが、原則として事業所所在地の市町村住民しか利用できません。少人数できめ細かいケアを提供しやすい反面、通常規模型より単位数はやや高めに設定されています。
認知症対応型通所介護との違い
認知症対応型通所介護は地域密着型サービスのひとつで、利用定員12名以下、認知症の診断を受けた要介護者を対象とした専門デイです。単独型・併設型・共用型(グループホームの居間等を活用)があり、単位数は通常デイサービスより高く設定されています。一般のデイサービスは認知症加算(個別の人員配置・研修要件あり)で対応しますが、認知症対応型はサービス自体が認知症ケアに特化している点が決定的に異なります。
新総合事業の通所型サービスとの関係
2015年の介護保険法改正で、要支援1・2の予防給付のうち訪問介護と通所介護は介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)へ移行しました。現在の通所型サービスは「通所型サービス(第1号通所事業)」として市町村が運営し、(A)緩和型、(B)住民主体、(C)短期集中予防、(D)移動支援などの類型があります。要介護1〜5が対象のデイサービス(通所介護)とは指定主体・対象者・報酬体系が異なるサービスです。
利用料金と1日の流れ
利用料金の目安と1日の流れ
介護報酬は1単位=10〜11.40円(地域区分によって変動)で、自己負担割合は所得に応じて1〜3割です。以下は通常規模型・1単位10円・自己負担1割の目安です。
要介護度・利用時間別の単位数(通常規模型・抜粋)
| 提供時間 | 要介護1 | 要介護3 | 要介護5 |
|---|---|---|---|
| 3時間以上4時間未満 | 370単位 | 485単位 | 588単位 |
| 5時間以上6時間未満 | 570単位 | 796単位 | 1,003単位 |
| 7時間以上8時間未満 | 655単位 | 898単位 | 1,144単位 |
地域密着型通所介護は同条件で通常規模型より約10〜15%高く、大規模型I・IIは2〜5%程度低くなります。これに食費(500〜700円)、おやつ代(50〜100円)、加算(入浴介助加算40〜55円、個別機能訓練加算56〜76円、口腔機能向上加算150〜160円、認知症加算60円程度)が積み上がります。
1割負担で週2回・7時間以上の利用=1か月8回のケースだと、利用料・食費・加算込みで月額1万〜1万2,000円前後が目安。要介護度や加算の有無で増減します。
典型的な1日の流れ(7〜8時間利用の例)
- 8:30 自宅へ送迎車到着・乗車
- 9:30 施設到着、健康チェック(血圧・体温・脈拍)
- 10:00 入浴介助(順番制)
- 11:00 個別機能訓練・口腔体操
- 12:00 昼食・服薬確認
- 13:30 休憩・午睡
- 14:00 集団レクリエーション・創作活動
- 15:00 おやつ・水分補給
- 15:45 帰り支度・連絡帳記入
- 16:30 送迎車で自宅へ
送迎時間はサービス提供時間に含まれないため、利用者の体感時間は施設での「9:30〜16:30」が標準的です。
介護職としてデイサービスで働く視点
デイサービスは入所系施設と比べて夜勤がないのが最大の特徴で、日勤のみの安定したシフトを希望する人や子育て中の介護職員に人気があります。一方で送迎車の運転業務、入浴の連続介助、レクリエーション企画など多能工的なスキルが求められます。
- 規模で働き方が変わる:通常規模型〜大規模型は1日30〜70人規模で「流れ作業」になりやすく、地域密着型(18人以下)はじっくりと関係を築きやすい
- 機能訓練特化型・認知症対応型は専門性で差別化:個別機能訓練加算IIや認知症加算IIの算定要件を満たす事業所では、計画書作成・評価業務の経験を積める
- 処遇改善加算の最大算定区分:2024年6月の一本化以降、I区分を取得している事業所を選ぶと月数千〜数万円の差が出る
- 転職時の確認ポイント:1日の利用者数、入浴介助の体制(個浴/機械浴/2人介助)、機能訓練指導員の常勤・非常勤、レク企画の負担分担
よくある質問
Q1. 要支援の人もデイサービス(通所介護)を使えますか?
原則として通所介護は要介護1〜5が対象です。要支援1・2の人は2015年の制度改正で予防給付から外れ、現在は市町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)の通所型サービスを利用します。同じ建物で「介護給付の通所介護」と「総合事業の通所型サービス」を併設している事業所も多くあります。
Q2. デイサービスとデイケアは併用できますか?
ケアプラン上で必要性が認められれば併用できます。例えば「月・木はデイケアで集中的なリハビリ、火・金はデイサービスで入浴と社会交流」といった組み合わせです。ただし区分支給限度基準額の枠内に収める必要があります。
Q3. 通常規模型と地域密着型ではどちらが料金が安いですか?
同じ要介護度・同じ利用時間で比較すると、通常規模型のほうが単位数が低く、利用者の自己負担も安くなります。地域密着型は定員18人以下の小規模である分、報酬上の上乗せがあります。
Q4. デイサービスは何回まで利用できますか?
制度上の回数制限はありませんが、要介護度ごとの区分支給限度基準額(要介護1で月16,765単位、要介護5で36,217単位)の範囲で他のサービスと組み合わせて利用します。週2〜3回の利用が一般的です。
Q5. お泊まりデイサービスとは何ですか?
通所介護の営業時間外に同じ事業所で宿泊サービスを提供する仕組みで、介護保険外の自費サービスです。泊まりは介護保険対象外のため、料金は事業所が独自に設定します。
参考資料・出典
- [1]
- [2]指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)- 厚生労働省告示(介護報酬告示)
- [3]2024(令和6)年度介護報酬改定について- 厚生労働省
- [4]介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)- 厚生労働省
- [5]地域密着型サービスの概要- 厚生労働省
まとめ
デイサービス(通所介護)は要介護1〜5の在宅高齢者が日帰りで通い、送迎・食事・入浴・機能訓練・レクを受ける居宅サービスです。通常規模型・大規模型・地域密着型(定員18人以下)の規模区分で報酬単位が変わり、デイケア(医師指示のリハビリ)、認知症対応型(地域密着型・定員12人以下)、新総合事業の通所型サービス(要支援1・2対象)とは指定区分・対象者・目的が異なります。利用検討時はケアプランを担当するケアマネジャーに、就職検討時は規模・利用者数・加算算定状況を確認することで自分に合う事業所を選びやすくなります。
この用語に関連する記事

知的障害のある高齢者の介護|早期老化・ダウン症の認知症・65歳問題と支援の工夫
知的障害のある人の高齢化が進む中、介護職に求められる支援を解説。加齢に伴う早期老化やダウン症の認知症合併、障害福祉から介護保険への移行(65歳問題)、意思決定支援、多職種・家族連携のポイントを厚労省・国立のぞみの園の資料に基づき整理します。

介護の採用実務|計画から定着まで、施設の採用を5ステップで設計する
介護施設の管理者・採用担当者向けに、採用計画・チャネル選定・求人票・面接・定着の5ステップを一気通貫で設計する手引き。介護労働実態調査と当サイトの独自データ(チャネル別効果率・大手法人シェア)で各ステップの数字の要点を押さえます。

外国人介護職員について利用者・家族にどう説明し同意を得るか
訪問系サービスで外国人介護人材が従事する際、利用者・家族への書面交付と署名が厚生労働省の通知で求められます。法定義務のない施設系も含め、説明のタイミング、説明書の記載事項、担当変更を求められたときの線引き、苦情対応の手順を一次資料で整理します。

外国人介護人材の送出国別データ|特定技能1号の国籍別人数と前年比【独自集計】
介護分野の特定技能1号は令和7年12月末で67,871人。入管の公式データを国籍別に独自集計し、ミャンマーとインドネシアの首位争い、ベトナムの伸び鈍化、新興国の急増まで、受け入れ担当者が採用計画を組み直すための構造変化を実数と前年比で示します。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。