
訪問看護ステーションとは
訪問看護ステーションの指定基準(看護職員2.5人以上の常勤換算)、人員・設備・運営基準、介護保険と医療保険の使い分け、PT/OT/STの配置、管理者要件まで一次ソース準拠で解説。看護師・介護職双方が押さえておきたい在宅医療のキーステーションを整理。
この記事のポイント
訪問看護ステーションとは、看護師等が利用者の自宅を訪問して療養上の世話や診療の補助を行う事業所です。介護保険法・健康保険法の双方に基づく指定事業所で、保健師・看護師・准看護師を常勤換算で2.5人以上配置することが必須です。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問リハビリも提供できます。指定基準は厚生省令第80号「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」に定められています。
目次
訪問看護ステーションの概要
訪問看護ステーションは、医師の指示書(訪問看護指示書)に基づいて自宅療養者に看護サービスを提供する事業所です。介護保険の利用者には「訪問看護」、医療保険の利用者には「訪問看護療養費」として算定されます。1992年(平成4年)の老人訪問看護制度創設が起点で、現在は全国に約16,000ヶ所以上が稼働しています。
提供する主なサービス
- バイタルサインのチェック、健康状態のアセスメント
- 医療処置(点滴、褥瘡処置、カテーテル管理、人工呼吸器管理など)
- 服薬管理・指導
- ターミナルケア(看取り)・ペインコントロール
- 家族への介護指導・精神的支援
- リハビリテーション(PT/OT/STによる訪問)
介護保険と医療保険の使い分け
| 区分 | 対象者 | 頻度上限 |
|---|---|---|
| 介護保険 | 要介護・要支援認定者 | ケアプランに応じて |
| 医療保険 | 40歳未満/厚労大臣告示の特掲疾病/特別訪問看護指示書発行時など | 原則週3日/特別期は連日可 |
人員・設備基準(指定要件)
人員基準
- 看護職員:保健師・看護師・准看護師を常勤換算で2.5人以上(うち1人は常勤)
- 管理者:保健師または看護師を専従・常勤で1人配置(兼務可)
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士:実情に応じた適当数(必須ではない)
※常勤換算は週40時間勤務を基準とし、週20時間勤務の非常勤は0.5人として算出します。
設備基準
- 事業の運営に必要な広さの専用区画(事務室)
- 必要な備品(血圧計、体温計、聴診器、感染防止の備品等)
- 利用者の処遇・職員の業務に支障がない区画
運営基準(主なもの)
- 主治医との緊密な連携(訪問看護指示書の取得)
- 訪問看護計画書・報告書の作成(最低月1回)
- 緊急時訪問看護加算の届出(24時間連絡体制)
- 運営規程の整備、秘密保持義務
現場で押さえるべきポイント
- 医療法人立 vs 営利法人立:従来は医療法人・社会福祉法人が中心でしたが、2014年以降は株式会社立も急増。複数事業所をチェーン展開するナーシングカンパニーが増えています。
- 看護職の年収:常勤看護師の平均年収は約450〜550万円。オンコール手当(1回1,500〜3,000円)、24時間体制手当が加算されます。
- 介護職との連携:訪問介護のヘルパーや居宅介護支援のケアマネと緊密に連携。サービス担当者会議への参加、口頭指示や情報共有のためのICT活用(電子記録、LIFE)が標準になっています。
- 機能強化型訪問看護管理療養費:常勤看護職員が多く・看取り実績があり・地域包括ケアに貢献するステーションには、管理療養費の上乗せ報酬(1〜3)があります。
訪問看護ステーションのよくある質問
Q. 看護職員は何人必要ですか?
A. 保健師・看護師・准看護師を常勤換算で2.5人以上(うち1人は常勤)配置する必要があります。
Q. 介護保険と医療保険のどちらが適用されますか?
A. 要介護・要支援認定者は原則介護保険、それ以外(40歳未満や特掲疾病者、特別訪問看護指示書発行時など)は医療保険が適用されます。
Q. PT/OT/STも訪問できますか?
A. 可能です。ただし「訪問看護」の枠内で提供されるため、訪問看護報酬体系で算定され、看護師の訪問計画書の中に位置づける必要があります。
Q. 24時間対応は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、緊急時訪問看護加算(574単位/月、医療保険では緊急時訪問看護管理療養費)を算定するには24時間連絡体制が必要です。
Q. 准看護師でも管理者になれますか?
A. なれません。管理者は保健師または看護師に限定されています。
まとめ
訪問看護ステーションは在宅医療・在宅看取りの中核を担う事業所で、看護職員2.5人以上の常勤換算配置が必須です。介護保険と医療保険の双方をまたいで運営するため制度知識が求められ、ケアマネ・訪問介護・主治医との連携力も重要です。在宅医療ニーズの高まりとともに、看護師にとっても介護職にとっても重要なフィールドになっています。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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