介護福祉士国家試験とは
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介護福祉士国家試験とは

介護福祉士国家試験は社会福祉振興・試験センターが年1回実施する国家資格試験。受験ルート3つ・125問四肢択一・合格基準・登録までの流れを公式情報ベースで解説。

ポイント

この記事のポイント

介護福祉士国家試験は、介護福祉士の国家資格を取得するために公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施する試験です。毎年1月下旬に筆記試験(125問・四肢択一)が行われ、養成施設・実務経験・福祉系高校の3つのルートで受験資格を得られます。合格後に試験センターへ登録することで「介護福祉士」と名乗り業務を行うことができます。

目次

試験の位置づけと法的根拠

介護福祉士国家試験は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護に関する専門的知識・技能を有する者を国家資格として認定するための試験です。試験事務は厚生労働大臣の指定試験機関である公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが担い、合格者は同センターに登録することで初めて「介護福祉士」の名称を用いて業務に従事できます(名称独占資格)。

かつては筆記試験に加え、実技試験を課す受験者区分が存在しましたが、第37回(2025年1月実施)試験より実技試験は完全に廃止され、現行制度では受験ルートを問わず筆記試験のみで合否が判定されます。試験は午前・午後の2部構成で計125問が出題され、四肢択一のマークシート方式で解答します。試験地は北海道から沖縄まで全国35箇所、受験手数料は18,380円(第38回時点)です。

合格・登録後は介護現場の中核人材として、介護計画の作成、利用者・家族への助言、後輩への指導など、無資格者・初任者・実務者研修修了者とは異なる責任のある役割を担うことが期待されます。

試験の基本データ

試験の基本データ(第38回/令和7年度時点)

  • 試験実施機関:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
  • 試験日:毎年1月下旬(第38回は令和8年1月25日)
  • 受験申込み期間:例年8月上旬〜9月上旬
  • 合格発表:例年3月中旬〜下旬
  • 出題数:125問(午前63問・午後62問)
  • 出題形式:四肢択一のマークシート方式
  • 試験科目:13科目(人間の尊厳と自立/人間関係とコミュニケーション/社会の理解/こころとからだのしくみ/発達と老化の理解/認知症の理解/障害の理解/医療的ケア/介護の基本/コミュニケーション技術/生活支援技術/介護過程/総合問題)
  • 合格基準:総得点の60%程度(問題の難易度により補正あり)かつ全科目群で1問以上得点
  • 第37回合格率:78.3%(受験者75,387人/合格者58,992人)
  • 第38回合格率:70.1%(合格基準点64点/125点、パート合格制度導入)
  • 受験手数料:18,380円
  • 試験地:全国35箇所

合格基準点は毎年の試験難易度に応じて補正されます。例えば第38回は問題の難易度が高めだったため、本来の基準である75点(60%)から64点に引き下げられました。受験戦略としては「常に総得点の7割(約88点)以上」を目指しておくと、難易度補正に左右されにくく安全圏に入れます。

3つの受験ルート比較

3つの受験ルートを比較する

介護福祉士国家試験の受験資格は、大きく分けて養成施設ルート・実務経験ルート・福祉系高校ルートの3つに整理できます(このほかEPA介護福祉士候補者向けの枠組みもあります)。働きながら目指す多くの介護職員にとって現実的なのは「実務経験ルート」で、合格者全体の7〜8割を占めます。

ルート主な要件必要な期間目安向いている人
① 養成施設ルート 厚生労働大臣指定の介護福祉士養成施設(2年制以上の専門学校・短大・大学)を卒業 2〜4年(学費負担あり) 高校卒業後すぐに介護福祉士を目指す人/体系的に学びたい人
② 実務経験ルート 介護等の業務に従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上+実務者研修修了 働きながら3年〜(並行して実務者研修も必要) 無資格・初任者研修からキャリアアップしたい現職介護職員
③ 福祉系高校ルート 指定された福祉系高等学校(または特例高等学校+実務経験9か月)を卒業 高校3年間 高校在学中から介護を目指す人

実務経験ルートの注意点として、3年(1,095日)の「従業期間」と540日の「従事日数」の両方を満たす必要があります。また、平成28年度(第29回)以降は実務者研修修了が必須となり、研修単独でも約450時間のカリキュラムを終える必要があります。EPA介護福祉士候補者は実務経験ルートに準ずる扱いです。

養成施設ルートには令和8年度末までの経過措置があり、卒業後5年間は試験合格なしでも介護福祉士として登録できます(5年経過後に登録継続するには国家試験合格か5年連続の介護業務従事が必要)。令和9年度以降の卒業生からは、養成施設ルートでも国家試験合格が必須になります。

合格から登録までの流れ

受験申込みから登録までの流れ

実務経験ルートの場合を例に、申込みから資格登録までの主なステップを示します。

  1. 受験資格の確認(4〜7月):従業期間・従事日数の見込み、実務者研修の受講計画を立てる。事業所に「実務経験証明書」の作成準備を依頼。
  2. 受験の手引きを請求(7月):社会福祉振興・試験センターへ請求し、受験申込書類を入手。
  3. 受験申込み(8月上旬〜9月上旬):受験申込書・実務経験証明書・実務者研修修了(見込)証明書などを期限内に郵送。受験手数料18,380円を払込み。
  4. 受験票受領(12月):試験地・試験会場が記載された受験票が届く。
  5. 筆記試験(1月下旬):午前・午後の2部制で全125問を解答。
  6. 合格発表(3月中旬〜下旬):試験センターWebサイトに合格者の受験番号が掲載され、結果通知が郵送される。
  7. 登録申請:合格通知に同封される登録の手引きに沿って、登録免許税(収入印紙9,000円)・登録手数料3,320円を納付し、登録申請書を試験センターに提出。
  8. 介護福祉士登録証の交付:登録完了後、登録証が交付された時点で正式に「介護福祉士」を名乗ることができ、資格手当の対象などにもなります。

登録は単なる事務手続きではなく、登録証の交付をもってはじめて法的に介護福祉士として就労できる点が重要です。試験合格直後は「合格者」であって「介護福祉士」ではないため、勤務先への報告タイミングや資格手当の起算日にも注意しましょう。

現職介護職員のための学習・受験戦略

働きながら合格を目指す場合、限られた時間でいかに効率よく学習を進めるかが鍵になります。実務上の知識と試験対策の知識は重なる部分も多い一方、出題科目13分野には「医療的ケア」「発達と老化の理解」など現場で意識しにくい領域も含まれます。

  • 学習開始は受験年度の前年8月以降から:受験申込み時期に勉強モードに切り替えると、約5か月の準備期間が確保できます。一般的な目安は合計250〜300時間。
  • 「全科目で1問以上正答」要件を最優先:合格基準は「総得点60%以上」かつ「全科目群で1問以上の得点」の両方を満たす必要があります。苦手科目をゼロにする勉強が重要です。
  • 過去問は直近5回分を最低3周:出題傾向は安定しており、過去問演習が最もコストパフォーマンスの高い対策です。
  • 実務者研修の学習と並行させる:実務経験ルートの場合、修了必須の実務者研修(約450時間)で扱う「介護過程」「医療的ケア」は国家試験でも出題範囲。同時並行で進めると効率的です。
  • パート合格制度の活用検討:第38回試験から導入されたパート合格制度では、一定の条件で次回試験での科目免除が認められる可能性があります。一発合格が難しい場合の備えとしても情報収集を。

合格者の年齢層は幅広く、第38回試験では41歳以上の合格者が全体の46.5%を占めます。働きながら、家庭と両立しながらの合格は決して特別なことではありません。

よくある質問

Q. 介護福祉士国家試験に実技試験はありますか?
A. ありません。第37回(令和6年度/2025年1月実施)から実技試験は完全に廃止され、現在は受験ルートを問わず筆記試験のみで合否が判定されます。
Q. 実務経験3年は連続して同じ事業所で働く必要がありますか?
A. 必要ありません。複数の事業所での経験を合算できます。ただし「従業期間1,095日以上」と「従事日数540日以上」の両方を満たすことが条件で、対象となる事業の種類・職種にも要件があります(サービス提供責任者業務は原則対象外)。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. 直近では第37回(2025年1月)が78.3%、第38回(2026年1月)が70.1%でした。過去10年は70〜85%程度で推移しており、国家資格の中では合格しやすい部類に入ります。ただし出題範囲は13科目と広く、まんべんなく学習する必要があります。
Q. 合格してすぐに「介護福祉士」と名乗れますか?
A. いいえ。合格後に社会福祉振興・試験センターへ登録申請を行い、介護福祉士登録証が交付された時点で正式に名称使用と業務従事が可能になります。登録には登録免許税9,000円・登録手数料3,320円が必要です。
Q. 実務者研修を修了していないと受験できないのですか?
A. 実務経験ルートで受験する場合は必須です。福祉系高校ルート・養成施設ルートでは別途要件が定められており、実務者研修の修了は必須ではありません。

参考・出典

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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