
ケアハウス(軽費老人ホーム)とは
ケアハウス(軽費老人ホーム)の定義をやさしく解説。A型・B型・C型/一般型・介護型の違い、月額3万〜20万円の費用相場、所得別自己負担、社会福祉法人など運営主体までまとめます。
この記事のポイント
ケアハウス(軽費老人ホーム)とは、老人福祉法第20条の6に基づき、家庭環境や経済的理由などで自宅生活が難しい60歳以上の高齢者を受け入れる福祉施設です。社会福祉法人や自治体が運営し、自治体助成で低額利用が可能。A型・B型・C型の3類型があり1989年以降の新設はC型のみ、月額3万〜20万円が目安です。
目次
ケアハウス(軽費老人ホーム)の制度上の位置づけ
軽費老人ホームは老人福祉法第20条の6に基づく老人福祉施設で、「無料又は低額な料金で、家庭環境・住宅事情等の理由により居宅生活が困難な60歳以上の者を入所させ、食事提供その他日常生活上の便宜を供与する」施設と定義されます。運営主体は社会福祉法人・地方公共団体・知事認可法人に限られ、自治体の公的助成で低額料金が成立しています。
設備・運営基準は厚生労働省令「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」(平成20年厚労省令107号)と都道府県条例で定められます。1963年の老人福祉法制定でA型・B型が制度化、1989年にC型(ケアハウス)が新設され、以降A型・B型は新設されていません。介護保険法上の特定施設入居者生活介護の指定を受けたものが「介護型ケアハウス」です。
A型・B型・C型(一般型/介護型)の違い
軽費老人ホームは設備・サービスで3類型に分かれ、ケアハウス(C型)はさらに一般型と介護型に分かれます。
| 項目 | A型 | B型 | C型 一般型 | C型 介護型 |
|---|---|---|---|---|
| 食事提供 | あり | なし(自炊) | あり | あり |
| 介護サービス | なし | なし | 外部利用 | 施設提供(特定施設) |
| 対象 | 家事に支障 | 自炊可能 | 自立〜軽度要介護 | 要介護1以上 |
| 所得制限 | あり | あり | 原則なし | 原則なし |
| 新設 | 1989年以降なし | 1989年以降なし | 新設可 | 新設可 |
A型は食事提供と生活支援中心で所得制限あり。B型は自炊型で最低料金、所得制限あり。両類型とも1989年以降新設なしで順次C型へ転換中。C型一般型は全室個室・バリアフリー前提で、介護が必要になれば訪問介護等を個別契約で利用。C型介護型は特定施設入居者生活介護の指定を受け施設職員が直接介護、看取り対応の施設も増えています。
費用相場と所得別自己負担
料金は「居住費+生活費+事務費」で構成され、事務費は世帯収入別の階層自己負担が適用される応能負担です。
類型別の月額費用目安
- A型:6万〜17万円(食事提供あり)
- B型:3万〜4万円(自炊・最安)
- C型一般型:7万〜13万円
- C型介護型:16万〜20万円(介護費含む)
入居一時金はA型・B型・C型一般型で0〜30万円、C型介護型は数十万〜数百万円。
事務費の階層自己負担(C型一般型・厚労省徴収基準)
- 前年収入150万円以下:月1万円
- 200万円超〜220万円以下:月3万円
- 340万円超:月10.7万円(上限)
介護型は上記に介護保険1〜3割の自己負担が加算。食費・居住費の補足給付対象外ですが介護保険サービスには高額介護サービス費が適用されます。
入居検討・現場で働く視点で押さえたいポイント
入居者・家族向け
- 申込先は施設に直接:特養と異なり各施設に直接申込。空室待ちは地域差が大きいため早めの情報収集が必要。
- 退去要件の確認:一般型は要介護度上昇で退去要件に該当することがあるため、契約時に「退去要件」「介護型併設の有無」を必ず確認。
- 都市型軽費老人ホーム:大都市圏では面積基準を緩和した類型の整備が進行中。
介護職員として働く視点
- 業務の特徴:一般型は生活相談員・介護職員・栄養士・嘱託医中心で生活支援の比重高め。介護型は特定施設の人員基準(要介護者3:1)で身体介護の比重が増します。
- 夜勤体制:一般型は当直体制(仮眠あり)の施設も多く負担軽め、介護型は通常シフトです。
よくある質問
Q1. ケアハウスと軽費老人ホームは別の施設ですか?
同じ施設の別名です。老人福祉法上の正式名称は「軽費老人ホーム」で、3類型のうち1989年新設のC型の通称が「ケアハウス」。新設はすべてC型のため実質的に同義です。
Q2. 特養との違いは?
特養は原則要介護3以上の介護保険施設で長期介護中心。ケアハウスは自立〜軽度要介護の住まい重視。低所得者の場合、特養は補足給付があり安くなることもあります。
Q3. 認知症があっても入居できますか?
一般型は認知症対応を前提としないため重度化で退去要件に該当することがあります。認知症対応はグループホーム・特養が基本選択肢です。
Q4. 生活保護受給者でも入居できますか?
低所得高齢者向け制度のため生活保護受給者の入居が想定されています。事務費は最低階層が適用され住宅扶助・生活扶助・介護扶助でカバーされます。受け入れ実績は施設差があるため事前確認を。
参考資料
- 厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」(平成20年5月9日厚労省令第107号)
- e-Gov法令検索「老人福祉法」第20条の6(軽費老人ホームの定義)
- 厚生労働省老健局長通知「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準について」(平成20年老発0530第2号)
- 東京都福祉局「福祉用語集:軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)」
まとめ
ケアハウス(軽費老人ホーム)は老人福祉法に基づく低所得高齢者向けの福祉施設。新設はC型に一元化され、外部介護を利用する一般型と特定施設指定の介護型に分かれます。月額3万〜20万円と類型で大差があり、事務費は前年収入で階層判定される応能負担。入居検討では退去要件、介護職として働く場合は配置基準と夜勤体制を確認しましょう。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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