ヤングケアラーとは

ヤングケアラーとは

ヤングケアラーとは家族の介護や世話を日常的に担う18歳未満(一部18歳以上含む)のこども・若者。2024年改正子ども・若者育成支援推進法で初めて法定義され、国・自治体の支援対象に。実態・支援策・早期発見のサインを解説。

ポイント

この記事のポイント

ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家族の介護や日常生活上の世話を日常的に行っているこども・若者を指します。2024年6月成立の改正子ども・若者育成支援推進法で「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と初めて法に明記され、国と自治体の支援対象として位置づけられました。

目次

ヤングケアラーの定義と法的位置づけ

ヤングケアラーは、家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事・きょうだいの世話・身体介護・服薬管理・通院同行・感情面のサポートなどを日常的に行っているこども・若者を指す概念です。日本では一般的に18歳未満を中心に語られてきましたが、2024年6月5日に成立し同年6月12日に施行された改正子ども・若者育成支援推進法では、年齢を明記せずに「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義され、18歳以上の若者ケアラーへも切れ目なく支援が届く仕組みが整えられました。

同法はヤングケアラーを国・地方公共団体が支援に努めるべき対象として明記し、自治体が把握・相談・関係機関連携を進める根拠となっています。それ以前は法令上の定義が無く、自治体ごとに取り組みのばらつきが大きいことが課題でした。介護保険制度や障害福祉サービスを家族が利用していても、こども自身が抱えるケアの負担は外から見えにくく、学校や地域包括支援センター・スクールソーシャルワーカーの連携で発見し、福祉サービスにつなぐ枠組みが求められています。

ヤングケアラーの実態(厚生労働省・こども家庭庁調査)

厚生労働省が令和2〜3年度に実施した全国調査では、世話をしている家族が「いる」と回答したこども・若者の割合は次の通りです。

  • 小学6年生:6.5%(およそ15人に1人)
  • 中学2年生:5.7%
  • 高校2年生:4.1%
  • 大学3年生:6.2%

世話の対象は「きょうだい」が最多で、次いで母親・祖父母など。ケア内容は家事・見守り・きょうだいの世話に加え、感情面のサポートや通訳(日本語が不自由な家族の代わり)、金銭管理まで多岐にわたります。1日の平均ケア時間は中学2年生で約4時間、高校2年生で約3.8時間というデータもあり、学業・睡眠・友人関係への影響が懸念されています。こども家庭庁は2024年以降、自治体への財政支援や全国的な実態把握、支援者ネットワーク形成事業を継続的に推進しています。

早期発見のサイン(学校・職場・地域から見える兆候)

ヤングケアラーは自分が「ケアラー」だと自覚していないケースが多く、周囲の大人が違和感をキャッチすることが鍵になります。以下のサインが複数当てはまる場合、家庭でのケア負担を背負っている可能性があります。

  • 遅刻・早退・欠席が増えている、宿題や提出物の遅れが目立つ
  • 授業中に居眠りが多い、疲れが取れていない様子
  • 放課後の活動・部活動・友人付き合いを避けるようになった
  • 身だしなみや食事の様子に気になる変化がある
  • 家族の通院や手続きに同行するため学校行事を欠席する
  • 年齢に不釣り合いな家事・きょうだい世話を担っている
  • 進路選択で「就職」「自宅から通える学校」に強い制約を訴える

介護現場で家族の介護に立ち会うこどもを見かけた場合も、ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携し、こども自身の負担に目を向けることが重要です。

支援につなぐ流れと相談先

ヤングケアラー本人や家族、周囲の大人が活用できる相談・支援の主な経路は次の通りです。

  1. 市区町村のヤングケアラー相談窓口・こども家庭センターに連絡し、家庭状況とケア負担を共有する
  2. 学校のスクールソーシャルワーカー(SSW)・スクールカウンセラーと連携し、登校支援や進路相談を受ける
  3. 家族にケアが必要な場合は地域包括支援センターや担当ケアマネジャーに介護保険サービスの利用見直しを依頼する
  4. 家事・育児負担の軽減にはヘルパー派遣・配食サービス・ショートステイ・レスパイトケアなどの公的サービスを組み合わせる
  5. 同じ立場の仲間とつながりたい場合は、こども家庭庁が支援するピアサポート・オンラインサロンを活用する

相談しても家庭が崩れることはなく、家族全体の生活を支えるための制度であることを本人に伝えることが大切です。

ヤングケアラーに関するよくある質問

Q. ヤングケアラーは何歳までを指しますか?

2024年改正子ども・若者育成支援推進法では年齢が明記されておらず、18歳未満のこどもだけでなく18歳以上の若者ケアラーも切れ目なく支援対象とされています。一般的な実態調査では小学生〜大学生までを含めて把握されています。

Q. 介護をしている家族がいるだけでヤングケアラーになりますか?

ヤングケアラーは「過度に」家族の世話を担っている状態を指します。家族の生活・健康を支えるためにこども本人の学業・健康・社会生活に影響が出ている場合に該当しやすく、客観的な負担量で判断されます。

Q. 周りの子に気づいたとき、本人にどう声をかければよいですか?

「えらいね」と褒めるのではなく、まず本人の状況を否定せず聞く姿勢が大切です。学校のスクールソーシャルワーカーや市区町村相談窓口を一緒に調べる、保護者と分けて相談できる場を紹介するなど、選択肢を増やす関わり方が推奨されています。

まとめ

ヤングケアラーは、家族のケア責任を過度に背負うことで学業や人間関係、心身の健康に影響が及びうるこども・若者を指す概念です。2024年の改正子ども・若者育成支援推進法によって法的位置づけが明確化され、自治体・学校・福祉サービスが連携して早期発見と支援を進める段階に入りました。介護現場で働く専門職にとっても、利用者家族の中にいるヤングケアラーへの気づきは重要な視点になります。違和感を感じたら市区町村相談窓口や地域包括支援センターにつなぎ、家族全体の暮らしを支える視点で関わっていきましょう。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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