
センター方式とは
センター方式とは、認知症介護研究・研修センターが開発した本人視点のアセスメント手法。基本情報(A)・暮らし(B)・心身(C)・焦点(D)・24時間アセスメント(E)の5領域16枚シートで、認知症の人を理解しケアプランに活かす流れを公的資料に基づき解説します。
この記事のポイント
センター方式とは、認知症介護研究・研修センター(東京・大府・仙台の3センター)が開発した、認知症の人のための本人視点アセスメント手法の正式名称「認知症の人のためのケアマネジメント センター方式」です。基本情報(A)・暮らしの情報(B)・心身の情報(C)・焦点情報(D)・24時間アセスメントまとめシート(E)の5領域16枚のシートを組み合わせて、本人の声・思い・体験を多角的に集め、ケアプランや日常ケアに反映します。シートはDCnet(認知症介護情報ネットワーク)から無料でダウンロード可能です。
目次
センター方式の定義と開発経緯
センター方式は、認知症の人のケアマネジメントに必要な情報を、本人視点で系統的に集めるためのアセスメントツール群です。事業所がすでに使っているアセスメントツールに上乗せして導入できる柔軟性があり、すべてのシートを使う必要はなく、「必要なシートを必要な場面で」が原則です。
開発機関
センター方式は、厚生労働省所管の認知症介護研究・研修センターが開発しました。同センターは東京(社会福祉法人浴風会)、大府(独立行政法人国立長寿医療研究センター)、仙台(公益財団法人仙台市健康福祉事業団)の3センター体制で運営され、認知症介護実践者研修・実践リーダー研修・指導者養成研修などの研修体系全体を担う日本の認知症ケア研究の中核機関です。
パーソン・センタード・ケアとの関係
センター方式は、英国のキットウッド氏が提唱したパーソン・センタード・ケアの理念を、日本の介護現場で具体的なシートに落とし込んだ実装手法と位置づけられます。「本人の視点に立つ」「本人の体験を尊重する」というパーソン・センタード・ケアの中核を、紙のフォーマットで誰でも実践できる形にしたのが特徴です。
シートの入手方法
シートはDCnet(認知症介護情報ネットワーク)のウェブサイトから無料でダウンロードできます。テキスト・記入例・活用事例も公開されており、認知症介護実践者研修・実践リーダー研修のなかで使い方を学習します。
5領域16枚のシート構成
センター方式はA〜Eの5領域16枚で構成されます。すべてを使う必要はなく、利用者の状況や場面に応じて必要なシートを選択します。
| 領域 | 役割 | 主なシート |
|---|---|---|
| A 基本情報 | 利用者の基礎データ・自立度・医療情報・支援者マップ | A-1〜A-4(4枚) |
| B 暮らしの情報 | 家族構成・生活歴・生活習慣・住環境 | B-1〜B-4(4枚) |
| C 心身の情報 | 心身の健康状態と認知機能の状態 | C-1-2(1〜2枚) |
| D 焦点情報 | 本人の力・理解・1日の流れ・好み・思い | D-1〜D-5(5枚) |
| E 24時間アセスメント | A〜Dの情報を統合し、ケアプランへ展開する24時間型まとめシート | E-1(1枚) |
D領域(焦点情報)の重要性
5領域のなかでも特にD領域(焦点情報)は、本人の「できること」「わかっていること」「1日の生活リズム」「24時間の変化」「好む関わり方」を深掘りするシート群で、センター方式の中核です。BPSD(行動・心理症状)の背景にある未充足のニーズを発見する手がかりとなり、画一的なケアから個別ケアへの転換に直結します。
現場での導入のコツ
- すべてのシートを一度に使わない:BPSDが目立つケースに焦点情報シート(D領域)から導入するなど、課題に応じた1〜2枚から始める
- 多職種で記入する:介護職・看護職・ケアマネジャー・リハ職が同じ利用者についてそれぞれの視点で記入し、ケア会議で照合する
- 家族から情報を得る:B領域(生活歴)は家族からの聞き取りが鍵。入居初期に時間を取って実施する
- 定期的に更新する:状態変化に応じて3〜6か月ごとに見直し、ケアプランの再アセスメントに活用する
- 無料ダウンロードを活用:DCnetの公式サイトから最新版のシートとテキストを入手し、研修教材として使う
センター方式に関するよくある質問
Q. センター方式の利用に費用はかかりますか?
A. かかりません。シートとテキストはDCnet(認知症介護情報ネットワーク)のウェブサイトから無料でダウンロードできます。研修受講料は別途必要ですが、自施設で導入するだけなら追加コストは発生しません。
Q. 介護福祉士などの資格がなくても使えますか?
A. シート自体は誰でも記入可能です。ただし、シートに書かれた情報を多職種で読み解き、ケアプランに反映するプロセスは認知症介護実践者研修・実践リーダー研修などで体系的に学ぶことが推奨されます。
Q. 介護報酬上のメリットはありますか?
A. センター方式単独の加算項目はありません。ただし、認知症加算・認知症専門ケア加算・サービス提供体制強化加算などの取り組みのなかで、本人視点アセスメントの実装ツールとして活用できます。LIFE加算でも個別計画の根拠資料として有効です。
Q. 既存のアセスメントツール(MDS、課題分析標準23項目など)と併用できますか?
A. 併用できます。センター方式は単独で完結する手法ではなく、既存のアセスメントツールに「本人視点」を補完する目的で開発されています。課題分析標準23項目(厚生労働省)をベースにしつつ、認知症ケアではセンター方式D領域を上乗せする運用が一般的です。
参考文献・出典
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まとめ|本人視点を構造化する日本発のアセスメント
センター方式は、認知症介護研究・研修センターが開発した本人視点アセスメント手法で、基本情報・暮らし・心身・焦点・24時間アセスメントの5領域16枚のシートで構成されます。シートはDCnetから無料でダウンロード可能、すべてを使う必要はなく必要な部分から導入できる柔軟性が特徴です。
パーソン・センタード・ケアの理念を日本の介護現場に実装する具体的ツールとして、認知症介護実践者研修・実践リーダー研修のカリキュラムにも組み込まれています。BPSDの背景にある未充足のニーズを発見し、ケアプランや日々のケアに反映する起点として、現場のチームケアの質を底上げする中核ツールです。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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