
若年性認知症の利用者へのケア|役割・就労的活動で本人らしさを支える通所・施設の関わり
65歳未満で発症する若年性認知症の利用者に、介護職が施設・通所でどう関わるか。高齢者中心の場になじみにくい課題、職業歴や強みを活かした役割・就労的活動、プライドへの配慮、前頭側頭型への対応、家族支援と社会資源への橋渡しを、全国実態調査など一次資料をもとに実務目線で解説します。
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この記事のポイント
若年性認知症の利用者へのケアでは、体力があり動ける段階を活かして、本人の職業歴や得意なことに沿った「役割」や仕事に近い活動を用意することが軸になります。高齢者が中心の通所や施設ではなじみにくさが生じやすいため、年齢差や役割の喪失に配慮し、プライドと本人らしさを守る声かけと環境調整が欠かせません。前頭側頭型認知症が高齢者の認知症より多い点をふまえた対応と、介護保険(第2号被保険者)や障害福祉サービス、自立支援医療、若年性認知症支援コーディネーターなど社会資源への橋渡しも、介護職に期待される関わりです。
目次
「まだ50代なのに、なぜここに」。高齢者が中心のデイサービスや施設で、若年性認知症の利用者を受け持ったとき、多くの介護職がこうした戸惑いに直面します。体力があり動ける、会話も普通にできる、けれど記憶や段取りにつまずく。周囲の利用者との年齢差も大きく、これまでの「高齢者の認知症ケア」の型がそのままでは当てはまりません。
若年性認知症の人は、発症時点で仕事や家事、子育てといった現役世代の役割を担っていた人がほとんどです。だからこそ、できることを奪わずに「役割」や「働く」に近い活動を用意し、本人のプライドと自己肯定感を守る関わりが、ケアの質を大きく左右します。この記事では、施設・通所で働く介護職が、若年性認知症の利用者にどう向き合い、どんな活動と環境を用意し、家族や社会資源とどうつなぐかを、国の全国実態調査や支援ガイドブックなど一次資料をもとに実務目線で整理します。
ここで大切にしたいのは、若年性認知症の人を「認知症の人」とひとくくりにせず、これまで働き、家族を支え、地域で暮らしてきた一人の人として迎える姿勢です。その視点があるだけで、日々の関わりの手触りは大きく変わります。
高齢者の認知症と何が違うのか|介護職が押さえる前提
若年性認知症とは、65歳未満で発症した認知症の総称です。国の全国調査(AMED認知症研究開発事業、令和2年3月公表)では、全国の若年性認知症の人はおよそ3.57万人(35,700人)、18〜64歳の人口10万人あたりの有病率は50.9人と推計されています。推定発症年齢の平均は54.4歳で、まさに働き盛りの世代です。
原因疾患の内訳が高齢者と異なる
同じ調査による原因疾患の内訳は、アルツハイマー型認知症が52.6%と最も多く、次いで血管性認知症17.0%、前頭側頭型認知症9.4%、レビー小体型認知症・パーキンソン病による認知症、外傷による認知症などが続きます。高齢者の認知症に比べて前頭側頭型認知症や外傷による認知症の割合が高い点が特徴で、人格や行動の変化が前面に出るケースに現場で出会いやすくなります。
気づかれにくく、就労・生活への打撃が大きい
最初に気づかれた症状は「もの忘れ」が66.6%と最多ですが、「職場や家事などでのミス」38.8%、「怒りっぽくなった」23.2%も上位に挙がります。疲れや更年期、うつ状態と受け取られ、診断が遅れやすいことが知られています。
生活面の打撃も深刻です。同調査では、若年性認知症の人の約6割が発症時点で就業していましたが、そのうち約7割がすでに退職していました。世帯の約6割が収入の減少を感じており、主な収入源は約4割が障害年金等、約1割が生活保護でした。つまり介護職が出会う若年性認知症の利用者の多くは、仕事と収入を失った喪失感を抱えたまま通所や施設にやってくる、という前提を持っておく必要があります。
進行の速さと「気づかれにくさ」を前提にする
若年性認知症は原因疾患によっては進行が比較的速いことがあり、数か月単位でできることが変わっていく場合があります。半年前のアセスメントが現状と合わなくなることも多いため、活動内容や介助量はこまめに見直す姿勢が欠かせません。また、働き盛りの世代では症状が疲れや更年期、うつと受け取られて診断が遅れやすく、すでに仕事上のトラブルや退職、家庭内の緊張を経験してから通所につながる人が少なくありません。介護職が出会う時点で、本人も家族も長い葛藤を抱えていることを想像しておくと、最初の関わり方が変わってきます。
なぜ高齢者中心の通所・施設で「なじめない」が起きるのか
高齢者向けに設計されたプログラムや空間が、若年性認知症の利用者に合わないのには理由があります。「わがまま」や「意欲がない」と捉える前に、次の背景を押さえておくと関わり方が変わります。
1. 体力と行動範囲が大きい
若年性認知症の人は高齢の利用者に比べて体力があり、活動性が高く、行動範囲も広い傾向があります。座って歌う、塗り絵をするといった静的なレクリエーションでは時間を持て余し、「何もすることがない」という手持ち無沙汰が、そわそわや離設につながることがあります。
2. 役割の喪失と年齢差
つい最近まで会社や家庭で責任ある立場だった人にとって、「支えられる側」に一気に置かれることは大きな心理的負担です。周囲が親世代の年齢層だと会話の話題も合わず、孤立しやすくなります。「あずかってもらう場所」ではなく「自分に居場所と出番がある場所」と感じられるかどうかが分かれ目になります。
3. 前頭側頭型など集団になじみにくい症状
前頭側頭型認知症では、同じ行動を繰り返す常同行動や、その場のルールに縛られにくい脱抑制、周囲への無関心といった症状が出やすく、決まった時間に集団で同じことをする一般的なデイの流れになじみにくいことがあります。これは本人の努力不足ではなく脳の変化によるもので、症状の理解が対応の出発点になります。
自治体の実態調査や支援者向けガイドブックでも、「年齢層が合わず利用しづらい」「集団生活になじみにくく手探り」といった現場の声が繰り返し報告されています。なじめなさは本人ではなく、場の設計側の課題として捉え直すことが第一歩です。
役割と就労的活動でどう関わるか|職業歴と強みを活かす実務
若年性認知症ケアの中心は、「できないことを介助する」から「できることで役割を担ってもらう」への発想の転換です。体力があり動ける段階だからこそ、仕事に近い活動や役割が、意欲と自己肯定感を支えます。
本人の職業歴・得意を出発点にする
まずは家族や本人から、これまでの仕事、趣味、得意だったことを丁寧に聞き取ります。元事務職なら書類の仕分けや受付での名簿確認、元技術者や職人ならものづくりや道具の手入れ、農業経験があれば施設の畑での土づくりや収穫、料理が得意なら下ごしらえや配膳など、過去の役割とつながる活動は取り組みへの動機が段違いです。「お願いします」「助かりました」と頼られる形にすると、支援される側から支える側へと立場が変わります。
就労的活動という選択肢
洗濯物たたみ、清掃、袋詰め、シール貼り、箱組み立てといった軽作業を「仕事」として位置づける取り組みは、若年性認知症の通いの場で広く行われています。報酬の有無にかかわらず、手順が決まっていて成果が目に見える作業は達成感が得られやすく、前頭側頭型の常同的な傾向とも相性が良い場合があります。事業所によっては就労継続支援B型などの障害福祉サービスと組み合わせ、日中に「働く場」を用意しているところもあります。
進行段階に合わせて役割を調整する
若年性認知症は進行が比較的速い場合があり、昨日までできていた作業が難しくなることも珍しくありません。大切なのは、難易度を下げても「役割そのものは奪わない」ことです。工程を分割して一部だけ担ってもらう、見本を隣に置く、道具の置き場所を固定するなど、環境の側を調整して、最後まで「自分の出番がある」状態を保ちます。できなくなったことを本人の前で指摘せず、そっと支える配慮が信頼関係を守ります。
データで見る「働く場」の現状
退職した若年性認知症の人の日中の受け皿として、就労継続支援事業所が注目されています。ただし全国調査(小長谷ら、厚生の指標2021)では、就労継続支援A型・B型などの事業所のうち若年性認知症の人を受け入れているのは回答事業所の3.3%にとどまり、受け入れ人数もほとんどが1人という段階でした。一方で受け入れている事業所では、利用開始からの平均利用期間は35.9か月と長く、作業内容や認知症症状への対応で、主治医や若年性認知症支援コーディネーターなど外部の専門職と連携する工夫が重ねられていました。数はまだ多くないからこそ、介護保険の通所と障害福祉の「働く場」を地域でどう組み合わせるかが、これからの介護職に問われるテーマになります。
プライドと自己肯定感を守る関わりの工夫
若年性認知症の人は、記憶や段取りに支障が出ても、感情や自尊心はしっかりと保たれています。「できない人」として扱われた経験は強い傷つきとして残り、拒否や怒りとして表れることがあります。次の視点を持つと、本人らしさを守る関わりに近づきます。
子ども扱いをしない
年齢に見合った敬意ある言葉づかいを徹底します。幼児に接するような声かけや、本人を飛ばして家族とだけ話すことは避けます。できることは自分で選び、決めてもらう場面を意識的に増やします。
失敗を先回りして防ぐ
失敗を叱る、やり直しをさせるより、失敗が起きにくい手順や環境をあらかじめ整えます。間違えても自然にフォローし、本人が恥をかかない形にすることが、挑戦し続けられる土台になります。
本人と一緒に決める(共創)
プログラムを職員だけで決めず、「次は何をやってみたいか」を本人に聞き、一緒に組み立てます。東京都の通いの場ガイドブックでも、主体性が尊重される、仲間と出会える、役割がある、働くことができる、といった要素が本人が「通いたい」と思える場の条件として挙げられています。本人を活動の受け手ではなく、場をつくる一員として迎えることが、自己肯定感を支える近道です。
肯定から入る声かけを習慣にする
間違いを正す声かけよりも、できていること、取り組んでいることをまず言葉にして返すと、本人の安心につながります。「違います」ではなく「ここまでできていますね、次はこうしましょう」と、否定を挟まずに次の一歩を示すと、挑戦を続けやすくなります。また、指示を一度にたくさん出さず、一つずつ短く伝えることも、混乱を防ぎ、本人のペースを守る基本の工夫です。職員によって対応がばらつくと本人は戸惑うため、関わり方の方針はチームで共有し、誰が対応しても一貫した空気をつくることが、若年性認知症の人の落ち着きを支えます。
前頭側頭型認知症が多い点をふまえた現場対応
若年性認知症では前頭側頭型認知症の割合が高齢者より高く、介護職が特徴を理解しておくと対応が落ち着きます。前頭側頭型は脳の前方(前頭葉・側頭葉)の障害で起こり、病気だという自覚(病識)が乏しく、身なりや周囲への無関心、同じことを繰り返す常同行動が目立ちやすいのが特徴です。言葉の意味が分かりにくくなる意味性認知症と呼ばれるタイプもあります。
常同行動やこだわりは「活かす」
毎日同じ時間に同じことをする常同行動は、無理に止めるとかえって混乱を招きます。決まった散歩コースや決まった作業として日課に組み込み、予測できるルーティンとして活かすと、本人も職員も過ごしやすくなります。
脱抑制やマイペースは否定せず方向づける
その場のルールに縛られにくい行動や、席を立って動き回る様子を「困った行動」と正面から止めるのではなく、安全な方向へ自然に誘導します。少人数や個別のスペースを用意する、落ち着ける場所を確保するといった空間の工夫も有効です。なお前頭側頭葉変性症は平成27年に指定難病に加わっており、医療・難病制度の対象になる場合がある点も家族への情報提供として押さえておきます。
言葉や食行動の変化にも備える
前頭側頭型のなかには、言葉の意味が分かりにくくなり物の名前が出てこなくなる意味性認知症と呼ばれるタイプもあります。指示が伝わりにくいときは、言葉だけでなく実物や身ぶり、見本を添えると伝わりやすくなります。また、同じものばかり食べる、決まった時間に決まった行動をとるといった食行動や生活の常同性がみられることもあります。危険がない範囲では無理に修正せず、本人のリズムを尊重しながら、水分や栄養、安全に配慮するバランスを職員間で共有しておきましょう。
現役世代の家族・子ども世代への影響とチームとしての関わり
若年性認知症のケアは、本人だけを見ていては成り立ちません。本人が現役世代であるということは、家族もまた就労・子育て・住宅ローンの真っ只中にあるということです。
配偶者に負担が集中しやすい
主な介護者が配偶者に偏りやすく、その配偶者自身も働き盛りです。仕事を減らさざるを得ず、収入減と介護の二重の負担がのしかかります。送迎時のわずかな時間でも、家族の疲労や困りごとに耳を傾け、抱え込ませないことが介護職にできる支えになります。
子ども世代への配慮
子どもがまだ学齢期や思春期であることも多く、親の発症は進学・就職・結婚といった人生設計に影響します。親の介護と自分の将来のはざまで揺れる子ども世代がいることを念頭に置き、家族全体を支援の対象として捉えます。
介護保険サービスへの心理的ハードル
全国調査では、65歳未満の若年性認知症の人の約3割が介護保険を申請していませんでした。理由は「必要を感じない」39.2%、「サービスについて知らない」19.4%、「利用したいサービスがない」13.0%などです。高齢者向けの場に若い本人を通わせることへの家族のためらいも背景にあります。だからこそ、通所につながった家族には「ここに来てよかった」と感じてもらえる関わりが、支援を続けるうえで重要になります。
「治療と仕事の両立」という視点
本人がまだ現役で働いている段階で通所につながるケースもあります。その場合、勤務時間の短縮や配置転換によって就労を続けられることもあり、産業医や職場、主治医、若年性認知症支援コーディネーターが連携して支える動きが広がっています。介護職が直接その調整に入ることは少なくても、本人の生活が「仕事を含めて」成り立っていることを理解し、通所での様子を家族や関係機関に共有することが、本人らしい暮らしの継続につながります。
社会資源への橋渡し|介護保険・障害福祉・支援コーディネーター
若年性認知症の人が使える制度は、高齢者の認知症より幅広く複雑です。介護職がすべてを手続きする必要はありませんが、「こういう制度がある」と知っていて専門職につなぐことが、大きな価値になります。
介護保険(第2号被保険者)
40歳以上65歳未満でも、若年性認知症(初老期における認知症)は介護保険の特定疾病に該当するため、要介護認定を受けて訪問介護やデイサービスなどを利用できます。「65歳未満だから介護保険は使えない」という誤解を解くだけでも、家族の選択肢が広がります。
障害福祉サービスと就労継続支援
障害者総合支援法にもとづく就労継続支援A型・B型、就労移行支援、生活介護などは、退職後の日中活動や「働く場」の受け皿になります。精神障害のある人を主に受け入れる事業所は、若年性認知症の人にも利用しやすいとされています。介護保険と障害福祉サービスを段階や状態に合わせて使い分ける発想が役立ちます。
医療費・所得の支援
自立支援医療(精神通院医療)は、通院の医療費の自己負担を軽減する制度です。精神障害者保健福祉手帳や障害年金も、経済的な支えとして重要です。収入減に直面する世帯が多いことをふまえ、これらの制度が存在することを家族に伝え、専門窓口につなぎます。
若年性認知症支援コーディネーター
各都道府県と多くの指定都市には、若年性認知症支援コーディネーターが配置されています。本人や家族の相談窓口となり、医療・福祉・就労の関係機関をつなぐ調整役です。就労継続支援事業所の調査でも、認知症の症状への対応で外部支援者として主治医とともに支援コーディネーターの関与が多く報告されています。迷ったときの相談先として、地域包括支援センターや認知症疾患医療センター、若年性認知症コールセンターとあわせて、家族に案内できるようにしておきましょう。
地域の入口となる相談先を覚えておく
診断や制度利用に迷う家族の入口として、地域包括支援センターや認知症疾患医療センターに加え、市町村が設置する認知症初期集中支援チームがあります。早期の段階から本人・家族に関わり、医療や介護サービスにつなぐ役割を担います。介護職がこれらの相談先を把握し、通所や施設で気づいた変化をケアマネジャーや支援コーディネーターに丁寧に共有することが、切れ目のない支援の土台になります。制度は複雑でも、介護職に求められるのは、まず「相談できる場所がある」と本人と家族に手渡すことです。
現場ですぐ試せる工夫
- 受け入れ前に、本人の職業歴・趣味・生活リズムを家族から聞き取り、活動のヒントにする。
- 静的なレクだけでなく、体を使う活動や軽作業を「役割」として一つ用意する。
- 「支えられる側」に固定せず、配膳・片づけ・見本役など出番のある場面をつくる。
- できなくなった作業は工程を分けて難易度を調整し、役割そのものは残す。
- 常同行動やこだわりは止めるより日課に組み込み、予測できるルーティンにする。
- 子ども扱いの言葉づかいをやめ、年齢に見合った敬意ある対応を徹底する。
- 送迎時の短い会話で家族の疲れや困りごとを拾い、専門職や支援コーディネーターにつなぐ。
- 介護保険(第2号被保険者)や障害福祉サービスなど、使える制度をチームで共有しておく。
- 本人を「認知症の人」と一括りにせず、これまでの人生や仕事を持つ一人の人として迎える。
よくある質問(FAQ)
Q. 65歳未満でもデイサービスや訪問介護は使えますか。
使えます。40歳以上65歳未満でも、若年性認知症(初老期における認知症)は介護保険の特定疾病に該当し、要介護認定を受ければ介護保険サービスを利用できます。「若いから介護保険は対象外」という誤解が申請の遅れにつながることがあるため、正しく伝えることが大切です。
Q. 高齢者中心のデイになじめない場合、どうすればよいですか。
まず本人の体力や役割意識に合った活動を用意することが有効です。軽作業や体を動かす活動、本人の職業歴を活かした役割づくりを取り入れます。それでも合わない場合は、若年性認知症の人向けの通いの場や、就労継続支援B型などの障害福祉サービスも選択肢になります。地域の若年性認知症支援コーディネーターに相談すると、地域資源につながりやすくなります。
Q. 前頭側頭型認知症で行動が読みにくく、対応に困ります。
常同行動やこだわりは、無理に止めるより日課に組み込んで活かすのが基本です。脱抑制的な行動は否定せず安全な方向へ誘導し、落ち着ける個別のスペースを用意します。病識が乏しいのは脳の変化によるもので、本人を責めない前提を職員間で共有しておくと対応が安定します。
Q. 家族にはどこまで踏み込んで関わるべきですか。
介護職が制度手続きを代行する必要はありませんが、使える制度や相談窓口を知って専門職につなぐことが重要です。配偶者に負担が集中しやすく、子ども世代への影響も大きいため、家族全体を支援の対象と捉え、抱え込ませないよう声をかけ続けることが支えになります。
参考文献・出典
- [1]若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システムの開発(令和2年3月)- 日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業/認知症介護研究・研修大府センター
全国の若年性認知症者数3.57万人、有病率50.9人/10万人、原因疾患内訳、就業・退職・介護保険申請・収入の実態
- [2]
- [3]
- [4]就労継続支援事業所を利用する若年性認知症の人の実態(厚生の指標 2021年5月)- 小長谷陽子・齊藤千晶(認知症介護研究・研修大府センター)
就労継続支援事業所での受け入れ状況、平均利用期間、外部支援者との連携の実態
- [5]
まとめ
若年性認知症の利用者へのケアは、高齢者の認知症ケアの延長ではなく、「役割」と「本人らしさ」を軸に組み立て直す関わりです。体力があり動ける段階を活かして、職業歴や強みに沿った役割・就労的活動を用意し、プライドと自己肯定感を守る。前頭側頭型など集団になじみにくい症状は本人の課題ではなく場の設計の課題として捉え、環境の側を調整する。そして現役世代の家族や子ども世代を含めて支え、介護保険や障害福祉サービス、自立支援医療、若年性認知症支援コーディネーターといった社会資源へ橋渡しをする。
一人ひとりの「これまで」と「これから」に敬意を払う関わりが、若年性認知症の人が自分らしく過ごせる場をつくります。高齢者中心の現場でも、できる工夫は必ずあります。目の前の利用者の出番を、今日の一場面からつくっていきましょう。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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