
第1号被保険者とは
第1号被保険者は介護保険制度で65歳以上の人を指す区分。要介護認定を受ければ原因を問わず介護サービスを利用でき、保険料は市区町村が3年ごとに決定。仕組み・保険料・徴収方法を解説。
第1号被保険者とは
第1号被保険者とは、介護保険制度において65歳以上の人が該当する区分です。市区町村に住所がある65歳以上の人は自動的に被保険者となり、要介護認定または要支援認定を受ければ原因を問わず介護サービスを利用できます。保険料は市区町村が3年ごとに決定し、年額18万円以上の年金受給者は年金から天引き(特別徴収)されます。
目次
第1号被保険者の定義と介護保険制度における位置づけ
介護保険制度は2000年4月にスタートした社会保険制度で、市区町村が保険者となって運営しています。被保険者は年齢で2区分に分かれ、65歳以上の人が「第1号被保険者」、40歳以上65歳未満の医療保険加入者が「第2号被保険者」と定義されます(介護保険法第9条)。
第1号被保険者になる手続きは不要で、65歳の誕生日を迎えた時点で市区町村から介護保険被保険者証が交付されます。住民票のある市区町村が保険者となり、保険料の徴収・要介護認定・サービス給付までを一貫して担います。
第1号被保険者の最大の特徴は、介護が必要になった原因を問わず介護サービスを利用できる点です。第2号被保険者が「加齢に伴う16の特定疾病」に限定されるのに対し、第1号被保険者は交通事故・骨折・脳卒中・認知症など、どのような原因で要介護状態になっても要介護認定を受ければサービス対象となります。
第1号被保険者と第2号被保険者の違い
| 項目 | 第1号被保険者 | 第2号被保険者 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 65歳以上 | 40歳以上65歳未満 |
| 加入条件 | 市区町村に住所がある人 | 医療保険加入者 |
| サービス利用条件 | 原因を問わず要介護・要支援認定を受けた人 | 16の特定疾病が原因で要介護・要支援認定を受けた人 |
| 保険料の決め方 | 市区町村が3年ごとに決定 | 加入する医療保険ごとに決定 |
| 納付方法 | 年金天引きまたは納付書 | 給与・賞与から天引き(労使折半) |
特定疾病とは、末期がん・関節リウマチ・初老期認知症・脳血管疾患など、加齢との因果関係が医学的に認められている16疾患を指します。
第1号被保険者の保険料の仕組みと全国平均
第1号被保険者の保険料は、市区町村が3年ごとに策定する「介護保険事業計画」に基づいて決まります。計算式は「基準額 × 所得段階別の倍率」で、所得が高い人ほど高い保険料を負担します。基準額は市区町村ごとに異なり、サービス給付見込み額や65歳以上人口を踏まえて算出されます。
厚生労働省の集計によると、2024〜2026年度(第9期)の全国平均月額保険料は6,225円で、第8期の6,014円から3.5%上昇しました。地域差は大きく、最高9,000円台から最低3,000円台と約3倍の開きがあります。所得段階は標準で13段階に区分され、住民税非課税世帯は基準額の0.285〜0.685倍に軽減される一方、合計所得720万円以上は2.4倍を負担します。
第1号被保険者の保険料の納め方(特別徴収と普通徴収)
納付方法は2つあります。
特別徴収(年金天引き)
年金額が年額18万円(月額1万5千円)以上の人は、原則として年金から天引きされます。年6回の年金支給時(偶数月)に2か月分ずつ徴収され、本人の希望で普通徴収に切り替えることはできません。
普通徴収(納付書または口座振替)
年金額が18万円未満の人や年金未受給の人は、市区町村から送付される納付書または口座振替で納付します。滞納するとサービス利用時の自己負担割合が引き上げられたり、給付の差し止めが行われる場合があります。経済的に困難な場合は市区町村で減免・徴収猶予を相談できます。
介護現場で働く人が知っておきたいポイント
介護職にとって、第1号被保険者という区分は利用者の権利関係を理解する基礎知識です。要介護認定を受ければ原因を問わずサービス対象となるため、骨折リハビリ目的の短期利用者から認知症の長期利用者まで、ケアプランは幅広く設計されます。自己負担割合(1〜3割)は所得段階によって異なり、利用者の負担割合証の確認はケアマネジャーや事業所事務員の必須業務です。他市区町村から転入してきた利用者は、住所地特例を除き新住所地の被保険者証への切り替えが必要となります。
第1号被保険者についてよくある質問
Q. 65歳になったら自動で第1号被保険者になりますか?
はい、65歳の誕生日の前日に自動で第1号被保険者となり、市区町村から介護保険被保険者証が郵送されます。手続きは不要です。
Q. 介護サービスを使わなくても保険料は払う必要がありますか?
はい、介護保険は社会保険のため、サービス利用の有無に関係なく保険料の納付義務があります。
Q. 第2号から第1号に切り替わるタイミングは?
65歳の誕生日の前日に切り替わります。健康保険からの徴収が止まり、市区町村から第1号被保険者の保険料が請求されます。
Q. 保険料が払えないときはどうすればいいですか?
市区町村の介護保険課に相談すれば、所得に応じた減免・徴収猶予・分納などの制度が案内されます。
まとめ
第1号被保険者は介護保険制度の中核をなす65歳以上の被保険者区分で、原因を問わず要介護認定を受ければ介護サービスを利用できる権利を持ちます。保険料は市区町村ごとに3年単位で見直され、2024〜2026年度の全国平均は月額6,225円です。介護現場で働く人にとっては、利用者の権利関係や負担構造を理解する基礎知識として欠かせない用語です。今後も団塊世代が後期高齢者となる2030年代に向け、第1号被保険者の数は増加し、介護サービス需要も拡大が見込まれます。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
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