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📑目次

  1. 01認知症の在宅ケアに関わる介護サービスの供給データ
  2. 02診断後30日の10ステップ|週ごとに何をやるか
  3. 03診断直後に活用できる公的制度・控除一覧
  4. 04【独自分析】診断翌週に申請するか1ヶ月遅らせるかで、年間サービス利用額に20万円超の差が出る理由
  5. 05よくある質問(FAQ)
  6. 06参考文献・出典
  7. 07まとめ|診断直後の30日は『仕組み作り』の月
親が認知症と診断されたら|最初の30日でやるべき10ステップ
ご家族・ご利用者向け

親が認知症と診断されたら|最初の30日でやるべき10ステップ

親が認知症と診断された直後の混乱期に、家族が30日以内に取り組むべき10ステップを1〜7日目/8〜14日目/15〜21日目/22〜30日目で整理。診療情報提供書の入手、要介護認定申請、ケアマネ選定、家族会議、財産管理、運転免許返納、障害者控除・医療費控除・自立支援医療の活用まで公的データに基づき解説。

ポイント

この記事のポイント

親が認知症と診断されたら、最初の30日でやるべき行動は10ステップに整理できます。1〜7日目は①診断書・診療情報提供書の入手、②家族で診断内容の受け止め、③主治医意見書の作成依頼。8〜14日目は④介護保険申請(要介護認定)、⑤地域包括支援センター相談、⑥障害者控除・自立支援医療など制度の確認。15〜21日目は⑦ケアマネジャー選定、⑧自宅環境見直し・徘徊リスク評価。22〜30日目は⑨家族会議と財産管理(任意後見・成年後見制度の検討)、⑩運転免許返納の話し合い。介護サービス利用までは申請から30〜40日かかるため、診断当日からの初動が家計と介護負担を大きく左右します。

📑目次▾
  1. 01診断後30日の10ステップ|週ごとに何をやるか
  2. 02診断直後に活用できる公的制度・控除一覧
  3. 03【独自分析】診断翌週に申請するか1ヶ月遅らせるかで、年間サービス利用額に20万円超の差が出る理由
  4. 04よくある質問(FAQ)
  5. 05参考文献・出典
  6. 06認知症の在宅ケアに関わる介護サービスの供給データ
  7. 07まとめ|診断直後の30日は『仕組み作り』の月

「お母さん(お父さん)が認知症と診断された」。その瞬間、頭が真っ白になるご家族は少なくありません。診断を受けて落ち着く間もなく、生活費の管理・通院の付き添い・仕事との両立など、考えなければならないことが一気に押し寄せます。しかし最初の30日にどう動くかで、その後の介護生活の負担はまったく違うものになります。

厚生労働省「認知症施策推進大綱」(共生と予防の二本柱)でも、診断直後の「早期支援」が認知症のご本人と家族のQOL維持に最も重要だと位置づけられています。2024年1月に施行された認知症基本法でも、認知症の人とその家族への切れ目のない支援が国・自治体の責務とされました。一方で実際には、診断後しばらく何も手続きをしないまま症状が進行し、銀行口座の凍結や介護サービス利用の遅れにつながるケースが後を絶ちません。

この記事では、認知症と診断された直後のご家族に向けて、30日以内にすべき10ステップを「1〜7日目/8〜14日目/15〜21日目/22〜30日目」の4フェーズに分けて時系列で整理します。診療情報提供書の入手、要介護認定申請、ケアマネ選定、家族会議、財産管理、運転免許返納、障害者控除・自立支援医療・医療費控除など制度活用までを、公的データに基づいて解説します。混乱期の「優先順位の付け方」が見えるようになることを目指します。

認知症の診断を受けた直後、家族の前に立ちはだかる課題は大きく3つあります。これらを知っておくと、なぜ30日以内の行動が重要なのかが見えてきます。

1. 制度の壁:介護サービス利用開始まで約30〜40日かかる

介護保険サービス(訪問介護・デイサービスなど)を使うには、市区町村に要介護認定を申請したうえで認定調査・主治医意見書・介護認定審査会を経て要介護度が決定される必要があります。厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」によると、申請から認定通知までは原則30日以内とされていますが、主治医意見書の作成に時間がかかる場合や審査会の混雑によって30日を超えることも珍しくありません。診断後すぐに申請を出さないと、サービス利用の開始時期が後ろ倒しになります。緊急性が高い場合は「暫定ケアプラン」で認定見込みの範囲内のサービスを先行利用できる仕組みもありますが、認定結果次第で自己負担額が変動するリスクがあるため、可能なら申請から最短ルートで認定に到達するのが理想です。

2. お金の壁:判断能力が失われると財産が動かせなくなる

認知症が進行して判断能力が低下した本人名義の銀行口座は、原則として家族でも引き出しができなくなります。介護費・医療費・住居費の支払いに親の預金を使う想定だった家庭では、診断時点で口座管理の状況・暗証番号・公共料金引き落とし口座の確認をしておかないと、後で大きく困ります。判断能力があるうちに任意後見契約や家族信託を検討する余地があるのも、まさにこの30日のフェーズだけです。診断直後の本人は意思表示も明確で、後見人選びや財産配分の意向を伝えられる貴重な時期だといえます。

3. 家族の壁:誰がどこまで介護を担うかが決まっていない

「親の介護はそばに住む長男夫婦に任せる」と暗黙の前提があっても、診断後に通院付き添い・買い物・夜間の見守り・遠方家族との連絡といった役割を誰が担うかを話し合わないまま日々の介護が始まると、特定の人に負担が集中して燃え尽きてしまいます。家族会議を早期に開いて、現状認識・想定リスク・費用負担を共有することが、長期戦になる介護を乗り切る土台になります。総務省「2022年就業構造基本調査」では介護離職者は年間約10万人、そのうち女性が約7割を占めており、家族内の役割分担を最初に話し合っておくことが、特定の人のキャリア中断を防ぐ最大の予防策になります。

この3つの壁を意識して、次章の30日タイムラインに沿って動くことで、診断後の慌ただしい時期を整理して進められます。優先順位の付け方さえ間違えなければ、30日は十分動ける時間です。

診断後30日の10ステップ|週ごとに何をやるか

診断当日から30日間の動きを、10ステップに分けて整理します。すべてを一度にやろうとせず、優先度の高いものから順に着手するのがコツです。混乱期は「やることリスト」ではなく「いつまでに何を」のタイムラインで動くと負担が軽くなります。

【Day1〜7】1週目:診断内容の受け止めと書類の確保

  • ステップ1(Day1〜3)家族で診断を受け止める:診断当日は無理に決断をしない。原因疾患(アルツハイマー型/脳血管性/レビー小体型/前頭側頭型)と進行段階を医師から聞き、家族で共有する。受診時のメモがあれば写真で別居きょうだいにも送る
  • ステップ2(Day3〜5)診断書・診療情報提供書の入手と保管:外来窓口で診断書のコピーを取り、必要に応じて診療情報提供書の発行を依頼。介護保険申請・障害者控除認定・自立支援医療申請のいずれでも医師の所見が必要になる。原本は1部、コピーは家族の人数分用意してファイリング
  • ステップ3(Day5〜7)主治医意見書の準備:市区町村の介護保険担当窓口へ電話し、要介護認定の申請手続きを確認。主治医意見書は市区町村から医師に直接依頼が行くため、かかりつけ医に「近日中に意見書依頼が届く」と一言伝えておくと作成が早まる

【Day8〜14】2週目:介護保険申請と公的相談窓口の活用

  • ステップ4(Day8〜10)介護保険申請(要介護認定):市区町村の介護保険担当窓口で要介護認定を申請。本人または家族のほか、地域包括支援センターでも申請代行が可能。65歳未満でも初老期認知症は特定疾病に該当し、40〜64歳の認知症本人も介護保険を利用できる
  • ステップ5(Day10〜12)地域包括支援センターへの相談:住民票所在地を担当する地域包括支援センターに連絡し、認知症初期集中支援チーム・認知症カフェなどの地域資源を確認。相談料は無料で、要介護認定申請の代行・ケアプラン作成(要支援の場合)・虐待権利擁護まで幅広く対応する
  • ステップ6(Day12〜14)制度活用の事前確認:障害者控除対象者認定(特別障害者該当の有無)、自立支援医療(精神通院)、医療費控除(おむつ代・通院交通費含む)について市区町村窓口で必要書類を確認。要介護認定が出ていなくても、医師の診断書ベースで申請可能な制度もある

【Day15〜21】3週目:認定調査・ケアマネ選定・自宅環境

  • ステップ7(Day15〜18)認定調査の受け方とケアマネジャー選定:市区町村から派遣される認定調査員が自宅訪問し74項目の聞き取り調査。普段の困りごとを正直に伝えることが大切(できることだけ強調すると実態より軽い区分になる)。並行して、要介護1以上が出る見込みなら居宅介護支援事業所のケアマネを情報収集
  • ステップ8(Day18〜21)自宅環境の見直しと徘徊リスク評価:段差・手すり・浴室の滑り止めなどを点検し、転倒リスクを評価。あわせて玄関の施錠・GPS端末・徘徊高齢者SOSネットワーク(市区町村事業)の登録を検討。警察庁統計では2023年に行方不明届が出た認知症の人は約1万9千人で過去最多を更新しており、診断直後からの備えが重要

【Day22〜30】4週目:家族会議・財産管理・運転免許の判断

  • ステップ9(Day22〜26)家族会議と財産管理(成年後見の検討):同居家族・別居きょうだい・配偶者で家族会議を開催(オンライン可)。議題は「現状の困りごと」「役割分担」「想定費用」の3点に絞る。本人の判断能力が残っている段階なら任意後見契約・家族信託の選択肢があり、低下後は法定後見(成年後見制度)の申し立てが必要。司法書士・弁護士・社会福祉士への相談を並行で進める
  • ステップ10(Day26〜30)運転免許返納の話し合いとケアプラン確定:本人と運転免許の自主返納について話し合う。75歳以上は認知機能検査が義務化されており、認知症の診断が出れば道路交通法上、免許取り消しまたは停止の対象になる(道交法第103条)。同時にケアマネジャーと面談し、訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタルなど初期サービスのケアプランを確定。実際の利用開始は翌月初旬から

このタイムラインは目安です。地域や混雑状況によって前後しますが、30日でケアマネジャーとの最初の面談まで到達できれば、診断後の初動として理想的な進行といえます。1週遅れても焦らず、地域包括支援センターに状況を共有しながら進めてください。

診断直後に活用できる公的制度・控除一覧

10ステップのうち、見落とされがちな「制度活用」のパートを掘り下げます。要介護認定を待たずに申請できる制度や、医療費・税負担を軽減する仕組みは、診断後30日以内に動き出しておくと年単位で家計に効いてきます。

1. 障害者控除(所得税・住民税の所得控除)

65歳以上で精神または身体に障害があり、市区町村長が認定すれば、障害者手帳がなくても所得税・住民税の障害者控除を受けられます(所得税法施行令第10条)。認知症で日常生活に支障がある場合、要介護4〜5を目安に「特別障害者」(控除額:所得税40万円・住民税30万円、同居の場合さらに加算)として認定される自治体が多くあります。窓口で「障害者控除対象者認定書」を申請し、確定申告または年末調整で利用します。

2. 自立支援医療(精神通院医療)

認知症の外来通院(精神科・心療内科・もの忘れ外来)にかかる医療費の自己負担を原則1割に軽減する制度です。世帯所得に応じて月額自己負担上限額(5,000円〜20,000円)が設定されます。申請窓口は市区町村の障害福祉担当課で、診断書(自立支援医療用)と健康保険証、マイナンバー確認書類が必要。有効期間は1年で更新制です。

3. 医療費控除(確定申告)

1月〜12月の家族全体の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、医療費控除を申告できます。認知症関連では以下も対象となります。

  • 通院に必要な交通費(タクシー代は付き添いが必要な場合のみ)
  • 医師の指示があるおむつ代(医師による「おむつ使用証明書」が必要)
  • 介護保険サービスのうち、医療系サービス(訪問看護、訪問リハ、通所リハ、短期入所療養介護など)の自己負担分

領収書は5年間の保管義務があるため、診断後すぐに専用ファイルを作っておくと申告時に慌てません。

4. 高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費

1ヶ月の介護保険サービス自己負担額が上限(住民税非課税世帯で月15,000〜24,600円)を超えた分は、申請により払い戻されます。さらに、年単位で医療費と介護費の合算自己負担額が高額になった場合は「高額医療・高額介護合算療養費」として追加給付の対象になります。診断直後に動かなくてもよい制度ですが、申請主義のため知らないと損をする代表例です。

5. 介護休業給付金(家族側の制度)

主介護者が会社員の場合、雇用保険から介護休業給付金(休業前賃金の67%を最長93日、3回に分けて取得可能)を受け取れます。診断直後の通院付き添いや認定調査同席で休みが必要なときに有効です。勤務先の人事担当に早めに相談し、要介護状態(負傷・疾病・身体上または精神上の障害により、2週間以上常時介護を必要とする状態)の証明として診断書のコピーを提出します。

これらの制度は申請しないと使えません。「うちは該当しないだろう」と自己判断せず、地域包括支援センターまたは市区町村窓口でまとめて確認するのが効率的です。

📖

関連する主な介護用語

認知症主治医意見書要介護認定地域包括支援センター障害者控除自立支援医療任意後見QOL

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【独自分析】診断翌週に申請するか1ヶ月遅らせるかで、年間サービス利用額に20万円超の差が出る理由

「要介護認定の申請、もう少し落ち着いてから…」と先送りしたくなる気持ちは自然です。しかし当サイトが厚生労働省の介護給付費等実態統計(令和5年)と要介護認定制度の仕組みを照合して試算したところ、申請を1ヶ月遅らせるだけで、世帯の介護費用負担が大きく変わることが見えてきました。

試算条件

  • 要介護2と認定された70代後半の親(夫婦同居・本人世帯収入低めの場合の自己負担1割)
  • 週2回の通所介護+週1回の訪問介護+福祉用具レンタル(手すり・歩行器)の標準的なケアプラン
  • サービス費用:要介護2の区分支給限度基準額(月額197,050単位=約19.7万円)の約7割を利用

試算結果(自己負担1割の場合)

  • 申請から認定までの「暫定ケアプラン」が機能すれば、最短で申請月の翌月から保険適用サービスを開始可能
  • 申請を1ヶ月遅らせると、その期間は全額自己負担または家族介護で対応せざるを得ない
  • 標準ケアプラン1ヶ月分の保険給付額(9割分)約13万円が受けられないことになり、家族の労力に換算すると訪問介護の市場価格で月15〜18万円相当の負担増に
  • 診断後すぐ申請 → 翌月から保険サービス/1ヶ月先送り → 介護負担で家族の有給休暇消化が増えるパターンが多い

「申請が早すぎて却下されるのでは」という不安への回答

「まだそこまで重くないから、いま申請しても却下されそう」という不安をよく耳にしますが、要介護認定は「介護にかかる手間」を客観的に判定するもので、症状の重さだけでは決まりません。認知症は身体機能が保たれていても、見守り・服薬管理・金銭管理などで介護の手間がかかれば要支援以上の判定が出ます。要支援1〜2でも、通所介護(介護予防)や福祉用具レンタル、住宅改修などが使えるため、申請して損になることはありません。

家族介護を担う「主介護者」の労力もコストとして見る

介護保険サービスを早期に導入すると、家族の介護負担(時間・精神的コスト・仕事への影響)が軽減されます。介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」によると、家族介護者の主介護者の約3割が「自分の仕事に影響が出ている」と回答しており、介護離職や時短勤務による収入減もまた家計を圧迫する隠れたコストです。診断翌週からの動き出しは、本人のためだけでなく、家族全体の生活を守る投資といえます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 診断書と診療情報提供書はどう違いますか?

診断書は「現在の病名・症状・治療内容」を証明する文書で、診療情報提供書は別の医療機関に診療を引き継ぐための「経過情報」を含む文書です。介護保険申請では市区町村が主治医に直接「主治医意見書」を依頼するため、必ずしも家族が診断書を提出する必要はありませんが、障害者控除・自立支援医療・民間保険の請求などで診断書の提出が求められる場面が多いため、診断直後にコピーを5〜10部用意しておくと安心です。

Q2. 介護保険申請をしたら、すぐサービスを使えますか?

原則として要介護認定が下りるまで(申請から30日程度)はサービス利用ができません。ただし、認定結果が出る前に「暫定ケアプラン」を作成すれば、認定見込みの範囲内で介護サービスを利用開始できます。緊急性が高い場合は、申請時にケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談してください。

Q3. 親が病院に行きたがらない場合はどうすればよいですか?

無理に説得すると関係が悪化することが多いため、地域包括支援センターに相談するのが現実的です。認知症初期集中支援チーム(医療・介護の専門職チーム)が自宅訪問してアセスメントを行ってくれる自治体もあります。「健康診断」「物忘れ外来」などソフトな表現で受診を促す方法も有効です。

Q4. 一人暮らしの親が認知症と診断されました。何から始めればよいですか?

本記事の10ステップは同居・別居どちらにも当てはまりますが、一人暮らしの場合はステップ5(地域包括支援センター相談)を最優先にしてください。安否確認・配食サービス・緊急通報装置などの単身高齢者向け支援を組み合わせ、訪問介護で「孤立を防ぐ仕組み」を早期に作る必要があります。

Q5. 運転免許の自主返納に応じてくれません。どうすれば?

道路交通法第103条により、認知症の診断が出ると免許の取り消しまたは停止の対象になります(公安委員会が判定)。本人が応じない場合でも、医師から運転中止の指示が出れば家族として車のキーを預かる正当性があります。返納すると運転経歴証明書が発行され、地域によってはタクシー割引・バスの無料パス・宅配料金割引などの「移動の代替手段」が用意されています。

Q6. 仕事を辞めずに親の介護を続けられますか?

厚生労働省「介護休業給付金」「介護休暇制度」「短時間勤務制度」などを組み合わせれば、離職せずに介護を続ける選択肢があります。介護離職率は約10万人/年(総務省就業構造基本調査)と高く、診断後すぐに人事担当へ相談し、勤務先の介護支援制度を確認してください。

参考文献・出典

  • [1]
    要介護認定はどのように行われるか- 厚生労働省

    認定調査・主治医意見書・介護認定審査会の流れと判定基準

  • [2]
    認知症施策推進大綱- 厚生労働省

    共生と予防を二本柱とする国の認知症政策の基本方針

  • [3]
    認知症基本法- 内閣府

    2024年1月施行の認知症基本法と基本理念

  • [4]
    令和5年度 介護労働実態調査- 介護労働安定センター

    家族介護者の仕事への影響・主介護者の負担状況に関する全国調査

  • [5]
    認知症介護研究・研修センター- 厚生労働省所管研修機関

    認知症介護の専門研修・情報発信を行う国の中核機関

  • [6]
    地域包括支援センターの概要- 厚生労働省

    高齢者総合相談窓口としての地域包括支援センターの機能と全国設置状況

関連する公的データ(本文の補足)

認知症の在宅ケアに関わる介護サービスの供給データ

認知症の在宅ケアでは、症状が進んだときの受け皿になるグループホームの供給と、日中の生活リズムを支えるデイサービス・訪問介護の供給をあわせて見ておくと、先の見通しを立てやすくなります。本サイトが集計した厚生労働省由来のデータでは、グループホームの事業所は全国に14,297件、75歳以上人口1万人あたりでは6.9件です。

サービス種別全国事業所数75歳以上1万人あたり最も供給が厚い県最も薄い県
グループホーム14,297件6.9件長崎県(14.2件)東京都(3.8件)
デイサービス24,742件11.9件沖縄県(33.3件)北海道(7.6件)
訪問介護35,172件16.9件大阪府(34.8件)新潟県(8.8件)

グループホームの供給密度は、最も厚い長崎県(75歳以上1万人あたり14.2件)と最も薄い東京都(同3.8件)で約3.8倍の開きがあります。グループホームの供給には大きな地域差があり、薄い地域では入居待ちが長くなりがちです。在宅でのケアが回っているうちから地域の供給を把握し、限界が来る前に申し込みや見学を始めるのが現実的です。

診断後の手続きには順序があります。要介護認定は申請日に遡って暫定利用ができるため、気持ちの整理と並行して申請だけ先に出しておくのが実務上の近道です。ケアマネや地域包括支援センターには「認知症対応型デイサービスの有無」と「グループホームの待機状況」を確認しておくと、急な悪化時にも慌てずに済みます。

出典: 厚生労働省 介護サービス情報公表システム掲載データに基づく本サイト集計(事業所数)、総務省統計局 人口推計(2024年10月1日現在)。事業所数は公開データの登録状況により変動します。

まとめ|診断直後の30日は『仕組み作り』の月

親が認知症と診断された直後の30日は、「介護をする」期間ではなく「これからの介護を支える仕組みを作る」期間です。本記事で紹介した10ステップを4週に分けて進めると、混乱しがちな初動が次のような形に整理できます。

  • 1週目(Day1〜7):家族で診断を受け止め、診断書・診療情報提供書を確保。主治医意見書の準備を始める
  • 2週目(Day8〜14):介護保険申請を出し、地域包括支援センターに相談。障害者控除・自立支援医療・医療費控除など制度の事前確認
  • 3週目(Day15〜21):認定調査に対応し、ケアマネジャーを情報収集。自宅環境と徘徊リスクを評価
  • 4週目(Day22〜30):家族会議で役割分担と財産管理(任意後見・成年後見)を整理し、運転免許返納の話し合い。ケアプランを確定してサービス利用開始へ

「優先順位の付け方」が30日のすべて

すべてを完璧にやろうとしないでください。診断直後の家族にとって最も難しいのは「やるべきことの多さ」ではなく「何から手をつけるかが分からない」という混乱です。本記事のタイムラインを冷蔵庫に貼って毎日1つだけチェックしていけば、30日の終わりには「ケアマネジャーと最初の面談ができている」「家族で次の会議の予定が決まっている」「制度活用の見通しが立っている」状態に必ず到達できます。1ステップでも前に進めば、本人と家族の生活は確実に楽になります。

診断直後の最大のリスクは「動かないこと」と「孤立すること」

地域包括支援センターは無料で何度でも相談できます。「こんなことで電話していいのか」とためらう必要はなく、認知症の診断書を受け取った段階で連絡してまったく問題ありません。むしろ早期に接続するほど、認知症初期集中支援チームや認知症カフェなどの地域資源も使いやすくなります。一人で抱え込まず、公的支援を最大限活用しながら30日を進めていきましょう。

30日後のフェーズへ

30日を過ぎてからは、実際のサービス利用のなかで本人の状態に合わせてケアプランを調整していくフェーズに入ります。日常の介護で直面する具体的な困りごとは、本記事と合わせて認知症の親を在宅で介護する家族の進め方や親の介護が始まる前の家族会議もご参照ください。30日のスタートダッシュさえ切れれば、その後の介護生活は必ず軌道に乗ります。

医療・健康情報に関する免責事項

本記事は、介護現場で働く方および介護職への転職を検討される方に向けた一般的な情報提供を目的としており、 個別の症状に対する医学的な診断・治療を行うものではありません。

ご本人・ご家族の症状やケア方法について判断が必要な場合は、必ず医師・看護師・薬剤師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士等の有資格者にご相談ください。 介護保険サービスの利用判断についてはケアマネジャー、行政手続きについては各市区町村の窓口にお問い合わせください。

掲載情報は公開時点の各種公的資料・業界資料に基づき作成していますが、最新の制度・診療ガイドライン等と異なる場合があります。

公開日: 2026年5月17日最終更新: 2026年8月29日

監修者

介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム

医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)

看護師介護福祉士ケアマネジャー

訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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軽度認知障害(MCI)から軽度認知症の段階にある利用者への介護職の関わり方を解説。本人が自覚し不安を抱える時期に自尊心を守り、できることを奪わず、意思決定支援と進行予防へ橋渡しする実務を、公的ガイドラインをもとにまとめました。

親が認知症と診断されたら|最初の30日でやるべき10ステップ
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