グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の仕組みを介護用語集として整理。介護保険法上の地域密着型サービスとしての位置づけ、入居条件(要支援2以上・認知症・市内在住)、1ユニット9名以下の少人数制、人員配置基準、養護老人ホームや障害者グループホームとの違いまでを2026年版で解説します。
この用語の要点
グループホームは、介護保険法に基づく地域密着型サービス「認知症対応型共同生活介護」の通称です。認知症の診断を受けた要支援2以上の高齢者が、原則として施設と同一の市区町村に住民票を持つことを条件に、1ユニット5〜9名の少人数で家庭的な環境のもと共同生活を送ります。介護職員と一緒に料理や掃除など家事の一部を担い、地域住民との交流を保ちながら、認知症の進行をゆるやかにし生活機能を維持することを目的としています。
有料老人ホームやサ高住が施設サービスとして広域を対象にするのに対し、グループホームは市町村が指定権者となり、地域に根ざした小規模な認知症ケア拠点として位置づけられているのが最大の特徴です。
目次
グループホームの法的位置づけと定義
グループホームは、介護保険法第8条第20項に規定される「認知症対応型共同生活介護」の通称です。要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く)について、共同生活を営むべき住居において、入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話および機能訓練を行うサービスとして定義されています。
制度上は地域密着型サービス(介護保険法第42条の2)のひとつで、特別養護老人ホームや有料老人ホームのような広域型施設とは異なり、市区町村が指定・指導監督権限を持ちます。原則として、その市区町村に住民票を持つ住民しか利用できないのが地域密着型サービスの最大の特徴です。
要支援2以上の方が対象となる予防給付では「介護予防認知症対応型共同生活介護」として位置づけられ、要介護1〜5の方を対象とする介護給付の「認知症対応型共同生活介護」と区別されますが、施設の運営や人員配置基準はほぼ共通です。
名称に「グループホーム」が付く制度は、ほかに障害者総合支援法上の「共同生活援助」(障害者グループホーム)がありますが、根拠法・対象者・運営基準が全く異なるため、本ページで扱う介護保険上のグループホームとは別制度として理解する必要があります。
人員配置基準と費用構造
グループホームの運営は、厚生労働省令で定める「指定地域密着型サービス基準」によって細かく規定されています。1事業所あたりの共同生活住居(ユニット)数は1〜3ユニットで、1ユニットの定員は5名以上9名以下です。
主な人員配置基準
| 職種 | 配置基準 |
|---|---|
| 管理者 | ユニットごとに常勤・専従1名。3年以上の認知症介護経験+認知症対応型サービス事業管理者研修修了が必須 |
| 計画作成担当者 | ユニットごとに1名。うち事業所に1名以上は介護支援専門員(ケアマネ)、認知症介護実践者研修修了者 |
| 介護従業者(日中) | 常勤換算で利用者3名に対し1名以上 |
| 介護従業者(夜間・深夜) | ユニットごとに1名以上の宿直または夜勤体制 |
費用の目安(2026年時点)
介護保険適用部分は所得に応じて1〜3割負担で、要介護度ごとに1日あたりの単位数が定められています。これに加えて家賃・食費・光熱水費・日常生活費などは全額自己負担となり、月額費用の総額はおおむね12〜20万円が相場です。入居時の一時金(敷金や保証金として0〜数十万円)が必要な施設もあります。
2024年度の介護報酬改定では基本報酬が1単位引き上げられ、認知症チームケア推進加算や生産性向上推進体制加算など複数の新設加算が導入されました。2026年6月の臨時改定でもさらなる処遇改善が予定されており、認知症ケアの質と職員の処遇向上が同時に進められています。
他の高齢者向け施設・障害者グループホームとの違い
「グループホーム」と名のつく制度や、認知症の方が選択肢にする他施設との違いを整理します。
| 区分 | 根拠法 | 対象者 | 定員・規模 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| グループホーム (認知症対応型共同生活介護) | 介護保険法 | 要支援2以上の認知症高齢者(同一市町村住民) | 1ユニット5〜9名/最大3ユニット | 地域密着型・少人数共同生活・家事への参加 |
| 特別養護老人ホーム (介護老人福祉施設) | 介護保険法・老人福祉法 | 原則要介護3以上 | 定員30名以上が中心 | 終身利用・重度対応・看取り中心 |
| 介護付き有料老人ホーム (特定施設入居者生活介護) | 老人福祉法・介護保険法 | 自立〜要介護5(施設により異なる) | 定員数十〜百名規模 | 民間運営・医療連携厚め・費用高め |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 高齢者住まい法 | 原則60歳以上または要支援以上 | 住戸単位(1棟数十戸) | 賃貸住宅+安否確認・生活相談、外部サービス併用 |
| 養護老人ホーム | 老人福祉法 | 環境上・経済的理由で居宅困難な65歳以上 | 定員20名以上 | 市町村の措置入所・自立者向け |
| 障害者グループホーム (共同生活援助) | 障害者総合支援法 | 原則18歳以上の障害者 | 1住居数名〜10名程度 | 障害福祉サービス・対象者と根拠法が別制度 |
グループホームと混同されやすい「養護老人ホーム」は、経済的・環境的に居宅生活が困難な高齢者を市町村の措置で受け入れる施設で、認知症ケアや介護保険サービスとは目的が異なります。「障害者グループホーム」は障害者総合支援法上の共同生活援助で、対象者・支給決定の仕組みが介護保険のグループホームとは別物です。名称が似ているだけで制度的な接点はないため、求人や入居検討の際は根拠法を必ず確認してください。
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グループホームを特徴づける5つのポイント
- 地域密着型サービスである
市区町村が指定権者で、施設所在地と同一市区町村に住民票を持つ人のみが利用可能。地域住民や家族との交流を前提に運営されます。 - 1ユニット9名以下の少人数制
5〜9名で1つの「家」を構成し、馴染みの関係づくりを通じて認知症の進行をゆるやかにすることを目指します。1事業所は最大3ユニットまでと小規模です。 - 家事への参加が日常ケアの中核
食事の準備、洗濯、掃除、買い物、地域行事への参加など、入居者が役割を持って生活すること自体がケアの一部となります。 - 認知症ケアの専門性が前提
管理者・計画作成担当者には認知症介護研修の修了が義務づけられ、職員も認知症介護基礎研修・実践者研修などの受講が推奨されます。 - 介護保険適用の費用負担
介護サービス費は1〜3割負担、家賃・食費・光熱水費は実費負担。月額12〜20万円程度が中心価格帯で、特養より高めだが介護付き有料老人ホームよりは抑えられる傾向にあります。
よくある質問
よくある質問
- Q. 要支援1の人はグループホームを利用できますか?
- A. 利用できません。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の利用対象は要支援2以上で認知症の診断を受けている方に限られます。要支援1の場合は、地域包括支援センターを通じて他のサービスを検討する必要があります。
- Q. 住民票が違う市区町村でも入居できますか?
- A. 原則できません。地域密着型サービスのため、施設と同一市区町村に住民票があることが要件です。ただし、利用者本人が他市町村のグループホームを希望し、施設所在地の市町村が同意した場合に例外的に利用できる仕組みがあります。
- Q. 看取りまで対応してくれますか?
- A. 多くの施設で対応していますが、看取り介護加算を算定している施設や訪問看護と連携している施設に限られます。医療依存度が高くなった段階で退去要件に該当するケースもあるため、契約時に必ず確認してください。
- Q. 「グループホーム」の求人に応募する際、認知症ケアの資格は必須ですか?
- A. 採用時点では必須ではありません。介護職員初任者研修や実務者研修があれば応募可能で、就業後に認知症介護基礎研修・実践者研修の受講が求められます。計画作成担当者を目指す場合は介護支援専門員(ケアマネジャー)資格が必要です。
- Q. 障害者グループホームと同じ職場ですか?
- A. 別の制度・別の職場です。障害者グループホームは障害者総合支援法に基づく「共同生活援助」で、対象者は障害者、運営法人や職員配置の基準も介護保険のグループホームとは異なります。
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まとめ
グループホームは、介護保険法上の地域密着型サービス「認知症対応型共同生活介護」の通称で、認知症と診断された要支援2以上の高齢者が、原則として同一市町村内の小規模住居で1ユニット5〜9名の共同生活を営む仕組みです。家事への参加や地域交流を通じて生活機能を維持し、認知症の進行をゆるやかにすることを目的としています。
名称が似ている「養護老人ホーム」「障害者グループホーム」は根拠法や対象者が異なる別制度であり、混同しないことが重要です。介護職として関わる場合は、認知症ケアの専門研修と少人数ユニットケアの実践力が問われる職場である点を押さえておきましょう。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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日勤の1日の流れ(9:00〜18:00の例)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出勤、申し送り(夜勤者から引き継ぎ) |
| 9:30 | バイタルチェック、お茶の提供 |
| 10:00 | 入浴介助、レクリエーション |
| 11:30 | 昼食準備(利用者さんと一緒に調理) |
| 12:00 | 昼食、服薬介助 |
| 13:00 | 休憩(1時間) |
| 14:00 | レクリエーション、おやつ準備 |
| 15:00 | おやつ、自由時間(散歩・買い物など) |
| 16:00 | 夕食準備、介護記録の作成 |
| 17:30 | 遅番への申し送り |
| 18:00 | 退勤 |
夜勤の1日の流れ(16:00〜翌9:00の例)
| 時間 | 業務内容 |
|---|---|
| 16:00 | 出勤、日勤者から申し送り |
| 17:00 | 夕食準備(利用者さんと一緒に) |
| 18:00 | 夕食、服薬介助 |
| 19:00 | 口腔ケア、就寝準備 |
| 20:00 | 就寝介助(着替え、トイレ誘導) |
| 21:00 | 消灯、巡回開始 |
| 22:00〜5:00 | 定期巡回(2時間ごと)、体位変換、排泄介助 ※仮眠時間あり(施設による) |
| 6:00 | 起床介助、着替え、トイレ誘導 |
| 7:00 | 朝食準備 |
| 8:00 | 朝食、服薬介助、口腔ケア |
| 8:30 | 介護記録作成、申し送り準備 |
| 9:00 | 日勤者への申し送り、退勤 |
夜勤の注意点
認知症の方は、夜間に不安になって起き出したり、徘徊してしまうことがあります。そのため、定期的な巡回と見守りが欠かせません。ただし、グループホームは少人数(1ユニット5〜9人)なので、大規模施設に比べると夜勤の負担は軽めです。
グループホームで働くメリット・デメリット
メリット
1. 体力的な負担が少ない
グループホームは比較的介護度が低い方が多く、全介助が必要なケースは少なめです。特養などに比べると、腰への負担が軽く、体力に自信がない方でも働きやすい環境です。
2. 一人ひとりに寄り添ったケアができる
少人数制(1ユニット5〜9人)なので、利用者さん一人ひとりとじっくり向き合えます。「流れ作業」ではなく、その方の生活リズムや好みに合わせたケアが可能です。
3. 家庭的でアットホームな雰囲気
グループホームは「第二の家」をコンセプトにしているため、職場の雰囲気も穏やかです。利用者さんと一緒に料理をしたり、おしゃべりを楽しんだりと、家庭的な時間を過ごせます。
4. 未経験でも始めやすい
身体介護の比重が軽いため、介護未経験の方でも入職しやすいです。先輩スタッフから丁寧に教えてもらいながら、徐々にスキルアップできます。
5. 認知症ケアの専門性が身につく
認知症専門施設なので、認知症ケアについて深く学べます。この経験は、どの介護現場でも役立つ貴重なスキルになります。
デメリット
1. 認知症ケアの難しさ
認知症の方は、同じことを何度も聞いたり、怒りっぽくなったりすることがあります。最初は対応に戸惑うこともあるでしょう。根気強さと理解が求められます。
2. 看取りへの精神的負担
グループホームで最期を迎える方もいます。長い時間を一緒に過ごした利用者さんとのお別れは、精神的に辛いこともあります。
3. 夜勤は1人体制のことも
夜勤は1ユニットにつき1人配置が基本です。何かあったときに1人で対応しなければならない場面もあり、不安を感じる方もいます。
4. 給与は平均的
特養や老健に比べると、給与水準はやや低めです。ただし、体力的な負担の軽さを考慮すると、バランスは取れているともいえます。
のの働き方
のでは、様々な働き方が可能です。
勤務形態の選択肢
- 日勤のみ:の中には日勤帯のみで働ける施設もあります
- シフト制:早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションが基本
- パート・アルバイト:週2〜3日から働ける柔軟な雇用形態
で働く環境
エリアのでは、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設が多くあります。での経験を積みながら、キャリアアップを目指すことができます。