退職金とは

退職金とは

退職金は退職時に支給される一時金。介護分野では勤続3年からの支給が一般的、平均額は20年勤続で200〜500万円。退職金共済(中退共・福祉医療機構)の活用も解説。

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この記事のポイント

退職金は、退職時に支給される一時金で、就業規則・退職金規程・労使協定に基づき算定されます。法的義務はなく事業所裁量ですが、社会福祉法人・大手介護グループでは制度を導入しているところが大半です。介護分野の支給要件は「勤続3年以上」が多く、勤続20年で200〜500万円が相場。中退共・福祉医療機構の退職共済を活用する施設では、転職時に退職金が「持ち運び」できるケースもあります。

目次

退職金の種類と算定方法

退職金には主に3つの方式があります。事業所によってどの方式を採用しているかで支給額が大きく変わります。

1. 退職金規程による自己積立型

事業所が独自に退職金規程を作り、自前で積み立てる方式。社会福祉法人・大手有料老人ホームに多い。算定は「基本給×勤続年数×係数(自己都合0.5、会社都合1.0等)」が標準。

2. 中小企業退職金共済制度(中退共)

独立行政法人 勤労者退職金共済機構が運営する公的共済。事業所が毎月掛金(5,000〜30,000円程度)を支払い、退職時に勤続年数に応じて支給。中小事業所の主流。

3. 福祉医療機構(WAM)の退職共済

社会福祉法人・社会福祉施設専用の退職共済制度。社会福祉法人の8割超が加入しており、平均支給額は中退共より高め。

転職時の取り扱い

中退共・WAM退職共済は加入する事業所間を転職する場合に通算可能(ポータビリティ)。退職金規程による自己積立型は持ち運び不可で、退職時に精算され受給します。

介護分野の退職金支給額の目安

勤続年数・自己都合/会社都合・事業所種別で支給額は大きく異なります。下記は目安です(社会福祉法人・大手介護グループのデータより)。

勤続年数自己都合(介護福祉士)会社都合
3年15〜30万円30〜50万円
5年30〜60万円50〜100万円
10年80〜150万円150〜250万円
15年150〜300万円250〜450万円
20年250〜500万円400〜700万円

退職金は勤続年数の累乗で増えるため、長く勤めるほど1年あたりの増加額が大きくなります。役職に就いた場合や介護福祉士・ケアマネ取得後の昇給で基本給が上がれば支給額も連動して増加。逆に有料老人ホーム・訪問介護事業所では退職金制度を持たない事業所も多いため、求人票・就業規則で必ず確認しましょう。

退職金を最大化する転職戦略

1. 退職金制度の有無を求人段階で確認

求人票の「退職金あり/なし」だけでなく、規程の有無・共済加入の有無を面接で質問。WAM退職共済加入の社会福祉法人は中長期勤務の経済メリットが大きいです。

2. 共済通算で長期勤続のメリットを残す

中退共・WAM退職共済加入事業所間の転職なら、退職共済の加入期間を通算できます。社会福祉法人で20年→別の社会福祉法人で10年と転職しても通算30年として計算される(WAM退職共済)。

3. 自己都合と会社都合の差を理解

多くの規程で会社都合(事業所閉鎖・解雇等)は自己都合の1.5〜2倍に設定。退職タイミングが選べる場合、定年退職・事業所閉鎖時は支給額が大きくなります。

4. 退職金規程は必ず閲覧

就業規則の付属規程として退職金規程が存在します。労働者は閲覧権あり(労基法第106条)。入職前または入職時に内容確認しておくと将来のキャリア設計に活かせます。

退職金のよくある質問

Q. 退職金は法律で必ず支給されますか?

A. いいえ、法的義務はありません。就業規則・退職金規程・労使協定に支給規定がある場合のみ義務化されます。中小介護事業所では制度を持たない事業所も多く、転職前に必ず確認すべき重要項目です。

Q. 退職金にも所得税はかかりますか?

A. かかりますが、勤続年数に応じた「退職所得控除」が大きく、税負担は他の所得より軽減されます。例:勤続20年なら控除額800万円、勤続30年なら控除額1,500万円。控除後の額の1/2に課税される優遇措置あり。

Q. 短期離職で退職金は受け取れますか?

A. 多くの規程で勤続3年以上が支給要件です。試用期間中の退職や1年未満の短期離職では基本的に支給されません。中退共・WAM退職共済加入事業所なら、12か月以上の加入で支給対象になります。

参考文献・出典

まとめ

退職金は介護分野で「ある事業所」と「ない事業所」の差が大きい項目です。長期勤務を視野に入れる方は、退職金規程の有無・WAM退職共済加入の有無・支給算定式を求人段階で確認すること。中退共・WAM退職共済は事業所間の通算が可能なため、共済加入事業所同士の転職なら長期勤続のメリットを失わずに済みます。退職金は退職所得控除の優遇税制もあり、勤続20年以上なら税負担も軽い「老後設計の柱」となる重要な手当です。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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