介護職の処遇改善加算とは|2026年6月改定で月最大1.9万円の賃上げ・サービス別加算率と算定要件
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介護職の処遇改善加算とは|2026年6月改定で月最大1.9万円の賃上げ・サービス別加算率と算定要件

2026年6月改定で対象が介護従事者全体に拡大、月最大1.9万円の賃上げを実現する処遇改善加算。加算率・算定要件・計算方法・職員の手取り額を一次データで解説。

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この記事のポイント

介護職員等処遇改善加算は、介護報酬に上乗せして事業所に支給され、職員の賃金改善に充てられる仕組みです。2026年6月の臨時改定で対象が介護職員から介護従事者全体(看護職・リハビリ職・ケアマネ・事務職など)に拡大し、訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援が新たに加算対象に。介護職員は月額最大1.9万円(約6.3%)、その他の介護従事者も月額1万円(約3.3%)の賃上げが実現します。加算は4区分(Ⅰ〜Ⅳ)で、上位のⅠ・Ⅱには生産性向上要件を満たした「ロ」が新設され、サービス別では訪問介護で最大28.7%、特養で最大17.6%が算定可能です。

目次

「処遇改善加算って結局いくらもらえるの?」「2026年6月の改定で何が変わるの?」――介護現場で働くなら、自分の給料に直結するこの加算の仕組みを正しく理解しておきたいところです。

介護職員等処遇改善加算は、2024年6月に従来の3つの加算(処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)が一本化され、さらに2026年6月の臨時改定で大幅に拡充されました。改定率は+2.03%(処遇改善分+1.95%)で、対象は「介護職員のみ」から「介護従事者全体」へ。加算率の上限は訪問介護で28.7%まで引き上げられ、月額最大1.9万円の賃上げが実現する設計になっています(出典:第253回 社会保障審議会 介護給付費分科会、2026年1月16日)。

ただし制度は事業所が国から加算額を受け取り、計画書に基づいて職員に配分する仕組みのため、「どの区分を取得しているか」と「どう配分しているか」で受け取り額は大きく変わります。この記事では、ピラー記事として制度の全体像を整理しつつ、サービス別・雇用形態別・施設別の細かい論点は配下の専門記事に誘導する形で構成しました。

介護職員等処遇改善加算(以下、処遇改善加算)とは、介護サービスを提供する事業所に対して、介護報酬に一定の割合を上乗せして支給される加算制度です。受け取った加算額は、事業所が職員の賃金改善(基本給アップ・手当・一時金など)に充てることが法律で義務づけられています。

制度の目的

厚生労働省は処遇改善加算の目的を「介護職員の賃金引き上げ・職場環境改善・キャリア形成を一体的に進め、人材確保と定着を図る」と明示しています。背景には、全産業平均との賃金差(2026年公表データで月8.2万円)と、介護職員数が統計開始後初めて減少した(令和5年介護サービス施設・事業所調査)という構造的人材難があります。

2024年6月の一本化と現在の構造

2024年6月、それまで別々に運用されていた次の3加算が「介護職員等処遇改善加算」に統合されました。

  • 処遇改善加算(Ⅰ〜Ⅲ)
  • 特定処遇改善加算(Ⅰ・Ⅱ)
  • ベースアップ等支援加算

3つで18通りあった組み合わせが、新加算ではⅠ〜Ⅳの4区分に整理されました。職員側のメリットは、配分ルールが「介護職員に重点配分しつつ、事業所内で柔軟に配分可」と統一され、看護師・事務員・パート・派遣も配分対象になり得る点です(厚生労働省「処遇改善加算の制度が一本化」リーフレット)。

2026年6月臨時改定で何が変わったか

2026年6月施行の臨時改定では、次の3点が大きく変わりました。

  1. 対象職種の拡大:介護職員のみ→介護従事者全体(看護職・リハ職・ケアマネ・相談員・事務員など)
  2. 対象サービスの拡大:訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援・介護予防支援を新たに加算対象化
  3. 新区分(イ・ロ)の創設:上位の加算Ⅰ・Ⅱについて、生産性向上・協働化に取り組む事業所を「ロ」として上乗せ評価

これにより介護職員は月最大1.9万円(介護従事者全体は月1万円)の賃上げが目指される設計です。詳しい改定内容は 2026年6月介護報酬臨時改定まとめ および サービス別加算率の解説 を参照してください。

2026年6月改定の全体像|加算率と新区分Ⅰロ・Ⅱロ

2026年6月施行の臨時改定で、処遇改善加算は4区分6パターン(Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ)に細分化されました。上位区分のⅠ・Ⅱは「生産性向上要件」を満たすかどうかで「イ」と「ロ」に分かれます。「ロ」のほうが要件が厳しく、加算率も高く設定されています。

4区分6パターンの構造

区分主な要件賃上げの位置づけ
加算ⅠロⅠイの要件+ケアプランデータ連携/生産性向上推進体制加算等最大区分(月最大1.9万円)
加算Ⅰイ賃金改善+キャリアパスⅠ〜Ⅴ+職場環境13項目以上+440万円以上1人+経験技能ある介護職員配置従来の最上位
加算ⅡロⅡイの要件+生産性向上要件Ⅱイ+上乗せ
加算Ⅱイ賃金改善+キャリアパスⅠ〜Ⅳ+職場環境13項目以上+440万円以上1人中位
加算Ⅲ賃金改善+キャリアパスⅠ〜Ⅲ+職場環境7項目以上下位
加算Ⅳ賃金改善+キャリアパスⅠ・Ⅱ+職場環境7項目以上最低区分(月1万円目安)

主要サービスの加算率(2026年6月以降)

以下は厚生労働省告示および第253回介護給付費分科会資料から要約した、主要サービスの加算率上限です。

サービス種別加算Ⅰロ(上限)加算Ⅳ(下限)
訪問介護28.7%17.0%
訪問入浴介護11.5%6.7%
夜間対応型訪問介護28.7%17.0%
定期巡回・随時対応型訪問介護看護28.7%17.0%
通所介護(デイサービス)10.4%6.0%
通所リハビリテーション9.4%5.4%
認知症対応型通所介護22.4%13.1%
地域密着型通所介護10.4%6.0%
特別養護老人ホーム(地域密着型含む)17.6%10.3%
介護老人保健施設9.7%5.7%
介護医療院9.0%5.3%
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム)15.3%8.9%
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)22.0%12.8%
小規模多機能型居宅介護16.5%9.6%
看護小規模多機能型居宅介護16.5%9.6%

新規加算対象サービス(一律加算率)

サービス種別加算率
(介護予防)訪問看護1.8%
(介護予防)訪問リハビリテーション1.5%
居宅介護支援・介護予防支援2.1%

新規対象サービスは加算率が低く設定されていますが、これは「Ⅳに準ずる要件」または「令和8年度特例要件」を満たすだけで取得可能なため、参入障壁を下げる狙いがあります。詳細は 訪問看護の処遇改善加算解説 および 居宅介護支援・訪問看護の効果検証 を参照してください。

4〜5月と6月以降で加算率が異なる点に注意

2026年度は期中改定であるため、2026年4〜5月分は従来の加算Ⅰ〜Ⅳ(4区分のみ・新区分なし)で算定し、6月分以降から新区分・新加算率が適用されます。事業所側では4月15日(新規申請)または6月15日(区分変更)が届出期限となっており、職員の給与明細では6月分(≒7月支給)から金額が変動するパターンが一般的です。処遇改善加算はいつもらえるか も参照してください。

サービス別の加算率と月額目安|どこで働くと処遇改善加算は厚いか

処遇改善加算はサービス種別ごとに加算率が大きく異なります。以下では、主要サービスの加算率と職員1人あたりの月額目安を整理します。

1. 訪問介護系(最も加算率が高い)

訪問介護・夜間対応型訪問介護・定期巡回随時対応型訪問介護看護はいずれも加算Ⅰロで28.7%。総報酬の約3割が処遇改善原資となるため、ヘルパー1人あたりの月額配分も他サービスより手厚くなる傾向があります。詳しくは 訪問介護の処遇改善加算(加算率24.5%で高待遇) を参照。

2. グループホーム・小規模多機能(中〜高水準)

認知症対応型共同生活介護(GH)は22.0%、小規模多機能・看護小規模多機能は16.5%。施設系の中では訪問介護に次ぐ高水準で、夜勤手当と組み合わせて月収30万円以上を狙えるレンジです。

3. 特別養護老人ホーム(中位水準)

特養(地域密着型を含む)は加算Ⅰロで17.6%。詳細は 特養の処遇改善加算が最大17.6%に および 特養の処遇改善加算はいくら?月額目安と計算方法 を参照してください。

4. 有料老人ホーム(中位)

特定施設入居者生活介護は15.3%。介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームでは加算の扱いが異なります。詳細は 有料老人ホームの処遇改善加算 を参照。

5. 老健・介護医療院(やや低水準)

介護老人保健施設は9.7%、介護医療院は9.0%。医療系職員配置が手厚い施設は、別途医療側の処遇改善(看護職員処遇改善評価料など)と組み合わさるため、単純比較は注意が必要です。

6. 通所系(最も低水準のグループ)

通所介護(デイサービス)は10.4%、通所リハは9.4%。日勤のみで夜勤がない働きやすさと引き換えに加算率は低めです。デイサービスの処遇改善加算(夜勤なしで安定収入) も参照。

7. 新規対象サービス(訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援)

2026年6月から新たに対象化されたサービスは、加算率が 1.5〜2.1% と低めですが、これまで処遇改善加算の枠外だった分、新規上乗せとしてのインパクトは大きい設計です。訪問看護にも処遇改善加算が創設 をご参照ください。

サービス別比較で見えてくること

同じ「介護職員」でも、訪問介護で加算Ⅰロを取得している事業所と、通所介護でⅢ・Ⅳ止まりの事業所では、年収ベースで30万〜50万円規模の差が生まれ得ます。求人検討時には「処遇改善加算の区分」を必ず確認しましょう(事業所のホームページ・求人票・面接で確認可能)。サービス別の数字を網羅した深掘りは サービス別加算率まとめ も参照してください。

算定要件3本柱|キャリアパス・月額賃金改善・職場環境

処遇改善加算を算定するためには、事業所が次の3つの要件をすべて満たす必要があります。区分が上がるごとに要件のハードルが上がる構造です。

① キャリアパス要件(Ⅰ〜Ⅴ)

  • Ⅰ:任用要件・賃金体系:職位・職責・職務内容に応じた任用要件と、それに対応した賃金体系を整備する
  • Ⅱ:研修の実施等:資質向上の目標と計画を策定し、研修機会を提供。資格取得支援(シフト調整・休暇付与・費用援助等)を行う
  • Ⅲ:昇給の仕組み:経験・資格・評価に基づき、定期的に昇給を判定する仕組みを整備
  • Ⅳ:年収440万円以上の介護職員1人以上:経験・技能のある介護職員のうち1人以上について、改善後の賃金年額が440万円以上となる水準
  • Ⅴ:介護福祉士の配置等:事業所内で介護福祉士など一定資格を持つ職員を一定割合以上配置

令和8年度(2026年度)は経過措置として、要件の一部について「令和9年3月末までに対応する」と誓約すれば、申請時点から要件を満たしているとみなされます。

② 月額賃金改善要件(Ⅰ・Ⅱ)

  • 月額賃金改善要件Ⅰ:加算Ⅳ相当額の2分の1以上を、基本給または毎月決まって支払われる手当(資格手当・役職手当・地域手当など)で賃金改善する
  • 月額賃金改善要件Ⅱ:旧3加算からの移行で減額しないよう、ベースアップ等支援加算相当額の2/3以上を月額で配分

「2分の1以上を月給ベースで配分」というルールが新設されたことで、従来の「ボーナス・一時金で配る」運用から「基本給アップ」へのシフトが促されています。

③ 職場環境等要件(28項目)

厚労省が定める28項目(6カテゴリ)から、区分に応じて一定数以上を実施する必要があります。

  1. 入職促進に向けた取組
  2. 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
  3. 両立支援・多様な働き方の推進
  4. 腰痛を含む心身の健康管理
  5. 生産性向上(業務改善・働く環境改善)のための取組
  6. やりがい・働きがいの醸成
  • 加算Ⅰ・Ⅱ:6カテゴリそれぞれ2項目以上、合計13項目以上を実施+情報公表
  • 加算Ⅲ・Ⅳ:6カテゴリそれぞれ1項目以上、合計7項目以上を実施

④ 新区分「ロ」の追加要件(生産性向上)

2026年6月以降の新設「Ⅰロ・Ⅱロ」では、上記に加えて以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 訪問・通所サービス等:ケアプランデータ連携システムへの加入(または見込み)
  • 施設・居住サービス等:生産性向上推進体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)の取得(または見込み)
  • 共通:社会福祉連携推進法人への所属

ケアプラン連携システム導入率は2026年に28%へ急上昇しており、上位加算取得を目指す事業所では必須インフラとなりつつあります。ケアプランデータ連携システム導入率28%に急上昇 および 処遇改善加算のケアプ要件「加入」ではなく「利用」 を参照。

計算方法(実務ベース)

  1. 1か月の総単位数(処遇改善加算除く)を集計:基本サービス費+他の加算・減算の合計
  2. 処遇改善加算の単位数 = 総単位数 × 加算率
  3. 処遇改善加算の総額 = 加算単位数 × 1単位あたり地域単価(東京23区なら10.90円など)

例:訪問介護で加算Ⅰロ(28.7%)、月総単位数10,000単位、東京23区(10.90円/単位)の場合
→ 加算単位数 = 10,000 × 28.7% = 2,870単位
→ 加算総額 = 2,870 × 10.90 = 31,283円

これは事業所が国から受け取る金額であり、職員1人あたりに配分される額とは別物です。配分は事業所の処遇改善計画書で定めたルールに従って行われます。

職員が受け取る金額の目安|雇用形態・施設別ガイド

事業所が国から受け取った加算額は、処遇改善計画書に基づいて職員に配分されます。配分方法は事業所が裁量を持つため、同じ加算区分でも個人差が出ます。以下は2026年6月改定後の目安と、配下の専門記事への導線です。

雇用形態別の目安

  • 正社員(介護職員):加算Ⅰロ取得施設で月1.0〜1.9万円が目安。経験・技能のある介護職員には重点配分される。 → 正社員の処遇改善加算(月額目安・計算方法)
  • パート・アルバイト:時給上乗せまたは一時金として支給されるケースが多い。月数千円〜1.5万円程度。配分対象から外す事業所もあるため、必ず事前確認を。 → パートでも処遇改善加算はもらえる?
  • 夜勤専従:基本給ベースが高いため、月額配分は正社員と同等以上の事業所も。 → 夜勤専従の処遇改善加算
  • 派遣職員:直接雇用ではないため、原則として事業所からの配分対象外。派遣元の賃金体系で加算分を反映する仕組みもあるが、現実には反映が薄いケースが多い。

施設タイプ別の目安

支給時期・支給形態の確認ポイント

  • 2026年6月分は早くても7月支給給与から反映される(介護報酬は2か月遅れで請求・支給される構造)
  • 支給形態は「基本給アップ」「処遇改善手当(毎月)」「賞与・一時金」の3パターンが代表的
  • 支給時期と支給形態の詳細は 処遇改善加算はいつもらえる? を参照

給与明細での確認方法と独自分析|原資と配分の透明性を見抜く

処遇改善加算は「事業所が受け取った原資」と「職員に配分される金額」が必ずしも一致しない構造のため、職員側では給与明細から逆算して配分を確認することが重要です。当サイトの独自視点で確認手順を整理します。

独自分析①:原資と配分の関係を3ステップで把握

  1. 原資の総額を推定:所属事業所の介護報酬総額(公開されていない場合は規模から推定)×加算率=事業所が受け取る加算原資
  2. 配分対象人数で割る:配分対象職種(介護職員のみ/全従事者)の常勤換算人数で原資を割る=1人あたり原資
  3. 自分の明細と突き合わせる:給与明細の「処遇改善手当」または「基本給アップ分」を1人あたり原資と比較

明細上の支給額が1人あたり原資の50%を大幅に下回る場合、配分ルールが偏っている(管理職など特定層に厚配分)または事務所運営費に流用されている可能性があります(後者は法令違反)。

独自分析②:2026年6月改定で「加算率の上昇=給与アップ」とは限らない

厚労省が想定する「月最大1.9万円アップ」は、加算Ⅰロを取得し、生産性向上要件をクリアし、配分ルールが介護職員重点配分になっている場合の上限値です。実際には次の理由で目減りすることがあります。

  • 事業所が加算区分を上げられず、Ⅲ・Ⅳ止まり(職場環境要件未達など)
  • 新規対象化された訪問看護・居宅介護支援は加算率1.5〜2.1%と低く、賃上げインパクトが限定的
  • 「全従事者へ拡大」したことで、1人あたりの配分原資が薄まる可能性(事務員・看護職にも配分する分、介護職員の取り分が減る)

介護労働安定センター「介護労働実態調査」では、賃金が「全産業より低い」と感じる介護職員が依然として6割超を占めており、制度設計と現場体感のギャップを示しています。

独自分析③:「割増賃金の基礎に処遇改善加算を含めない」違反パターン

処遇改善手当を毎月固定で支給している場合、労基法上は「割増賃金(残業代・夜勤手当など)の計算基礎」に含める必要があります。神奈川労働局の監督事例では、これを基礎から除外していた事業所が複数指摘されました。給与明細の残業代が「基本給のみで計算」されている場合は要注意です。処遇改善加算を割増賃金基礎に含めず・神奈川労働局の事例 を参照。

独自分析④:求人選びで処遇改善加算をチェックする3つの質問

転職活動で処遇改善加算の手厚さを見極めるには、面接時に次の3つを質問するのが有効です。

  1. 「処遇改善加算は何区分を取得していますか?」:Ⅰロ・Ⅰイなら上位、Ⅲ・Ⅳなら要件未達の可能性
  2. 「加算は基本給に組み込まれていますか?それとも手当・一時金ですか?」:基本給組み込みのほうが住宅ローン審査・退職金にも有利
  3. 「ケアプランデータ連携や生産性向上推進体制加算は取得していますか?」:取得していれば「ロ」区分の上乗せがある

独自分析⑤:加算取得状況の公開チェックポイント

処遇改善加算Ⅰ・Ⅱを取得している事業所は「見える化要件」として、職場環境改善の取組内容を介護サービス情報公表システム等で公開することが義務づけられています。応募前にWAM NETの介護サービス情報公表システムでチェックすることで、加算区分のミスマッチを防げます。2026年度予算執行調査で厚労省分5件・加算検証 も合わせて参照してください。

よくある質問

Q. 処遇改善加算はパートや派遣でももらえますか?

A. パートやアルバイトは原則として配分対象です。事業所が処遇改善計画書で「配分対象に含める」と定めていれば支給されます。一方、派遣職員は事業所と直接の雇用契約がないため、原則として加算の配分対象外です。派遣会社(派遣元)の賃金体系で反映される仕組みもありますが、現場では反映が薄いケースが多いと指摘されています。詳細は パートでも処遇改善加算はもらえる? を参照。

Q. 看護師や事務員も処遇改善加算をもらえますか?

A. 2026年6月改定で対象が「介護従事者全体」に拡大されたため、看護職・リハビリ職・ケアマネ・相談員・事務員も配分対象に含めることが可能になりました。ただし「介護職員に重点配分する」という基本ルールは維持されているため、職種間の配分バランスは事業所判断です。

Q. 処遇改善加算で実際に手取りはいくら増えますか?

A. 月額1万円アップの場合、社会保険料・税控除後の手取り増は約7,000〜8,000円が目安。月1.9万円アップなら手取り1.3〜1.5万円程度です。賞与で受け取る場合は社会保険料の計算対象になるかどうかでさらに変わります。

Q. 給与明細に「処遇改善手当」の項目がない場合、もらっていないということですか?

A. いいえ、必ずしもそうとは限りません。次の3パターンが考えられます。
① 基本給に組み込まれている(処遇改善手当としては表示されない)
② 賞与・一時金として年2回まとめて支給されている
③ 事業所が独自の名称で支給している(例:「業績手当」「資格手当」など)
明細に項目がない場合は事業所の経理または管理者に「処遇改善加算の配分内訳」を確認してください。

Q. 加算Ⅰと加算Ⅳでは月額にしてどれくらい違いますか?

A. 例えば訪問介護で月総単位数10,000単位の場合、加算Ⅰロ(28.7%)は月31,283円、加算Ⅳ(17.0%)は月18,530円となり、事業所が受け取る原資で月12,753円の差が出ます(東京23区想定)。職員1人あたりの配分にすると数千円〜1万円規模の差になり、年間では10万円超の差になる事業所もあります。

Q. 2026年6月の臨時改定で給料は確実に上がりますか?

A. 加算率は上がりましたが、「上がる事業所」と「上がらない事業所」に分かれます。生産性向上要件(ケアプランデータ連携導入など)をクリアしてⅠロを取得できる事業所は月最大1.9万円アップが見込まれる一方、要件をクリアできずⅢ・Ⅳ止まりの事業所では伸びが限定的です。「1.9万円賃上げ」は本当に届くのか も参照。

Q. 処遇改善加算の届出期限はいつですか?

A. 2026年4月から算定開始する場合は4月15日必着、2026年6月から区分変更する場合は6月15日必着が目安です(自治体により異なる場合があります)。詳細は所管の都道府県・市町村の介護保険担当課で確認してください。

Q. 訪問看護やケアマネは2026年6月から本当にもらえるようになりますか?

A. はい。2026年6月施行の臨時改定で、訪問看護(1.8%)・訪問リハビリ(1.5%)・居宅介護支援(2.1%)が新たに加算対象となりました。ただし要件を満たし届け出た事業所のみが算定可能です。訪問看護にも処遇改善加算が創設 を参照。

参考文献・出典

まとめ|2026年6月改定後の処遇改善加算を職員視点で読み解く

2026年6月の臨時改定で、介護職員等処遇改善加算は「介護職員のための加算」から「介護従事者全体のための加算」へと大きく性格を変えました。要点を整理します。

  • 対象拡大:介護職員のみ → 看護職・リハ職・ケアマネ・事務員などへ。訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援も新たに加算対象
  • 4区分6パターンへ:上位のⅠ・Ⅱに「ロ」が新設され、生産性向上要件(ケアプラン連携・生産性向上推進体制加算)を満たす事業所が上乗せ評価
  • 賃上げ目標:介護従事者全体に月1万円、介護職員には月最大1.9万円
  • サービス別の濃淡:訪問介護28.7%、特養17.6%、デイ10.4%と、サービスで加算率に大きな差
  • 受け取り額は事業所次第:原資が増えても、配分ルールや区分取得状況で職員の手取りは変動

転職・キャリア検討中の方へ

処遇改善加算は、介護業界での「働きやすさ」と「賃金水準」を見極めるうえで最も具体的な指標の一つです。求人選び・施設選びでは「どの区分を取得しているか」「基本給に組み込まれているか」「ケアプランデータ連携など生産性向上要件をクリアしているか」を必ず確認しましょう。

当サイトでは、サービス別・施設別・雇用形態別に処遇改善加算の実態を解説した記事を52本以上揃えています。あなたが今気になるテーマから、以下のリンク先で深掘りしてください。

処遇改善加算は「制度を知っている職員」と「知らない職員」で年収が10万円以上変わることもあります。本記事と配下の専門記事を活用して、自分の給料を最大化できる職場選びにつなげてください。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。

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