退所時情報連携加算とは

退所時情報連携加算とは

退所時情報連携加算(退所時情報提供加算)は、介護老人保健施設から在宅または医療機関へ退所する利用者の情報を主治医・受け入れ先医療機関に引き継いだときに算定する加算。2024年改定で在宅向け(Ⅰ)と医療機関向け(Ⅱ)に分かれた。

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この記事のポイント

退所時情報連携加算(正式名称は「退所時情報提供加算」)は、介護老人保健施設の入所者が退所する際に、退所後の主治医や受け入れ先医療機関へ診療情報・心身の状況・生活歴などを引き継いだ場合に算定できる加算です。2024年度改定で在宅退所向けの(Ⅰ)500単位/回と、医療機関への転院向けの(Ⅱ)250単位/回(新設)に分かれました。

目次

退所時情報連携加算の位置づけ

退所時情報連携加算(退所時情報提供加算)は、介護報酬告示で介護老人保健施設サービス費に対する加算として位置づけられています。老健は「在宅復帰・在宅療養支援機能」を担う中間施設であり、退所時に主治医や次の医療機関へ情報を引き継ぐことが、退所後の医療継続に直結します。

たとえば、老健入所中に行った服薬調整・リハビリ評価・栄養管理の経過を主治医に申し送らないと、退所翌日の通院で同じ検査が繰り返されるなどの非効率が起きます。本加算は、こうした医療情報の断絶を防ぐ仕組みとして位置づけられています。

2024年度改定では、退所先が「居宅」と「医療機関」では情報提供の相手や内容が異なることを踏まえ、加算が(Ⅰ)と(Ⅱ)の2区分に整理されました。

単位数と区分(2024年度改定後)

区分単位数退所先主な情報提供先
退所時情報提供加算(Ⅰ)500単位/回居宅へ退所退所後の主治の医師
退所時情報提供加算(Ⅱ)250単位/回(2024年新設)医療機関へ退所受け入れ先医療機関

いずれも入所者1人につき1回が上限です。同一医療機関に入退院を繰り返す場合で、同月に再入院し利用者の状況が変わらず提供内容が同一であれば算定できません。情報提供は入所者の同意を得たうえで行います。

退院・退所加算(居宅介護支援)との違い

名前が似ている「退院・退所加算」は居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)側の加算で、本加算とは算定主体が異なります。

  • 退所時情報提供加算(本加算):老健が「医師」に情報を渡す加算(施設側で算定)
  • 退院・退所加算:ケアマネが医療機関・施設から情報を「受け取って」ケアプランに反映する加算(居宅介護支援側で算定)

退所時に老健側と居宅側の両方が情報の橋渡しに関わるため、両加算は補完関係にあります。

算定までの実務フロー

  1. 退所先を確認:居宅退所か、医療機関への転院かを把握。
  2. 情報提供書を作成:診療情報、心身の状況、ADL、リハビリ経過、服薬状況、生活歴などを整理。
  3. 本人または家族の同意取得:情報提供の同意を文書で取得。
  4. 提供先へ送付:(Ⅰ)退所後の主治医、(Ⅱ)受け入れ医療機関に紹介状・診療情報提供書として送付。
  5. 記録と請求:提供日時・相手・内容を記録し、給付費明細書で算定。

現場での運用ポイント

  • 退所予定が決まったら早めに情報提供書のドラフトを作成し、医師の確認・署名の時間を確保する。
  • 本人の同意取得は退所前カンファレンス時にまとめて済ませると効率的。
  • 2024年改定で(Ⅱ)が新設されたため、転院先の医療機関への情報提供も漏らさず算定する。

よくある質問

Q. 退所先がサ高住や有料老人ホームの場合は(Ⅰ)で算定できますか

A. サ高住や有料老人ホームは「居宅」扱いとなるため、退所後の主治医に情報提供できれば(Ⅰ)の対象です。

Q. 同月に再入院した場合は算定できますか

A. 同一医療機関に同月内に再入院し、提供する内容が前回と同じなら算定できません。

Q. 紹介状(診療情報提供書)を医師が書けば算定できますか

A. 医師が記載した文書で要件を満たせば算定可能です。様式は厚労省通知別紙等を参考にします。

参考資料

  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(介護老人保健施設)
  • 厚生労働省「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準」(介護報酬告示)
  • 厚生労働省「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」

まとめ

退所時情報連携加算(退所時情報提供加算)は、老健からの退所時に医療情報を主治医や次の医療機関へ引き継ぐことを評価する加算です。2024年度改定で在宅向け(Ⅰ)500単位と医療機関向け(Ⅱ)250単位に区分が整理されました。情報提供書のテンプレ整備と同意取得フローの仕組み化が、確実な算定の鍵です。

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介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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