
都民ファースト、介護職の居住支援手当「拡大継続」を表明|後藤政調会長「対象を事務・調理・送迎にも」
都民ファーストの会の後藤なみ政務調査会長が、東京都独自の介護・福祉職員向け「居住支援特別手当」(最大月2万円)の来年度以降の拡大継続を表明。対象を事務職・調理員・送迎ドライバー等にも広げる構想を示した。有効求人倍率7.95倍の東京で「東京価格」に賃金が追いつかない現状と、国の処遇改善の限界を読み解く。
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この記事のポイント
都民ファーストの会の後藤なみ政務調査会長は2026年6月、東京都が独自に支給する介護・福祉職員向けの「居住支援特別手当」(最大月2万円)について、来年度以降も拡大して継続する方針を表明した。対象を現行の介護職員・ケアマネジャーから、事務職・調理員・送迎ドライバー・福祉用具専門相談員などへ広げる構想も示している。背景には、介護関連職種の有効求人倍率が7.95倍(2026年2月)と全国で突出して高く、国の処遇改善加算だけでは「東京価格」と呼ばれる高い生活コストに賃金が追いつかない構造がある。都内で働くことを検討する介護職にとっては、給与表に載らない上乗せ収入の有無が勤務地選びの新たな判断材料になりつつある。
目次
解説動画|都民ファースト 介護職の居住支援手当の拡大表明
介護職の賃金をめぐる議論は、これまで国の介護報酬と処遇改善加算を軸に語られてきた。ところが、全国でもっとも介護人材の確保が難しいとされる東京では、国の枠組みだけでは現場の実感に追いつかない状況が続いている。家賃や物価が高い「東京価格」のもとで、額面の給与が上がっても手元に残る金額が伸びにくいためだ。
この溝を埋めようと、東京都は2024年度から独自の「居住支援特別手当」を始めた。介護・福祉職員やケアマネジャーに対し、事業所を通じて最大で月2万円を上乗せする仕組みである。この独自策を推進してきた都議会会派が、来年度以降の拡大継続にあらためて意欲を示した。
本記事では、表明された方針の中身と、東京都の介護人材を取り巻く数字を一次資料で確認したうえで、なぜ国の処遇改善だけでは地域差が埋まらないのか、そして都内で働くことを考える介護職にとってこの動きが何を意味するのかを整理する。
都民ファーストが示した「居住支援手当」拡大継続の方針
政務調査会長が来年度以降の継続・拡大に言及
都民ファーストの会で政策立案を統括する後藤なみ政務調査会長は2026年6月、東京都が独自に実施する「居住支援特別手当」について、来年度以降も継続し、さらに拡大していく方針を表明した。この手当は、国に先行して都が介護・福祉の人材流出に歯止めをかけるために設けたもので、会派として制度の定着と拡充を後押ししてきた。
後藤政調会長は、手当の金額について「できるだけ引き上げるために尽力する」と述べ、単なる継続にとどまらず、支給水準そのものの底上げにも踏み込む姿勢を示した。都の財政状況を見極めつつ、現場の人材確保に直結する施策として優先度を高く位置づけている。
対象を事務職・調理員・送迎ドライバーへ広げる構想
注目されるのは、支給対象を広げる構想だ。現行制度の対象は、人員配置基準上で配置が義務づけられている介護職員やケアマネジャーなどが中心になっている。これに対して後藤政調会長は、事務職、調理員、送迎ドライバー、福祉用具専門相談員といった、現場を支える幅広い職種までカバーする仕組みを目指す考えを示した。
介護サービスは、直接ケアにあたる職員だけで成り立っているわけではない。送迎がなければ通所介護は回らず、調理や事務がなければ施設運営は立ち行かない。こうした「縁の下」を担う職種にも待遇改善の手を届けることで、事業所全体の人材を確保しようという発想である。
「東京価格」に対応する独自策という位置づけ
会派が独自策にこだわる理由は明確だ。国の処遇改善は全国一律の公定価格を経由するため、家賃をはじめとする都市特有の生活コストが十分に反映されにくい。後藤政調会長は、昨年度の補正予算や今年度の報酬改定による国の賃上げ施策を一定評価しつつも、「東京価格」に対応するには都の独自策が不可欠だという立場を強調している。
都政の中で人材確保策が優先課題に
東京都はこれまでも、介護職員宿舎の借り上げ支援や、職員のキャリアアップ研修への助成など、独自の人材確保策を重ねてきた。居住支援特別手当は、その流れの中でも対象が広く、金額が分かりやすい施策として位置づけられる。会派が拡大継続を掲げるのは、これらの独自策が現場の人材確保に一定の手応えを生んでいるとの認識があるためとみられる。
また、こうした上乗せ策は、事業所にとっても採用力を高める材料になる。求人を出す際に「居住支援特別手当あり」と示せれば、他事業所との差別化につながる。職員と事業所の双方にメリットがある設計であることが、会派が拡充に前向きな理由の一つといえる。
居住支援特別手当の中身と、東京の人材不足の深さ
月額1万円+勤続5年目まで1万円加算で最大2万円
東京都の報道発表(2024年5月31日、福祉局)によると、居住支援特別手当は2024年度に創設され、同年6月17日から事業者向けの申請受付が始まった。仕組みは、都内の介護保険サービス事業所や障害福祉サービス事業所が職員に手当を支給する際、その経費を都が補助するという形をとる。
支給額は対象職員一人につき月額1万円が基本で、法人内の勤続5年目までの介護・福祉職員にはさらに1万円が加算される。つまり経験の浅い職員ほど手厚く、最大で月2万円が上乗せされる設計だ。対象は常勤・非常勤を問わず、所定労働時間が週20時間以上(または月80時間以上)の職員で、賃貸か持ち家かといった居住形態は問われない。通常の住宅手当とは異なり、住まいの形にかかわらず一律に支給される点が特徴である。
制度は単年度で終わらず、令和7年度(2025年度)、令和8年度(2026年度)と継続申請の受付が行われている。都が「国が必要な見直しを講じるまでの間」実施する措置と明記している通り、本来は国が担うべき地域差の調整を、都が肩代わりしている構図といえる。
有効求人倍率7.95倍という突出した数字
なぜここまでの独自策が必要なのか。背景にあるのが、東京の介護人材不足の深刻さだ。介護ニュースの報道では、東京都の介護従事者の有効求人倍率は2026年2月時点で7.95倍にのぼり、47都道府県の中で突出して高い水準にある。求職者1人に対しておよそ8件の求人がある計算で、採用は構造的に難しい。
東京都が公表した資料でも、令和6年度の介護関連職種の都内有効求人倍率は8.13倍と、全職業の1.55倍を大きく上回っている。都の需給推計では、2030年度には約4万7千人の介護職員が不足する見込みだ。高齢者人口が増え続ける一方で働き手の確保が追いつかない、典型的な需給ギャップが東京で先鋭化している。
賃上げ競争の相手は他産業
東京で介護人材の確保が難しいのは、競合相手が同業他社にとどまらないからだ。飲食、小売、宿泊、物流といった他産業も人手不足に直面し、賃上げを進めている。これらの業種は公定価格に縛られないため、人材を引き寄せるために機動的に時給や月給を上げられる。介護の現場が国の報酬改定を待つ間に、他産業との賃金差が開いてしまう構造がある。居住支援特別手当は、この賃上げ競争に都が独自財源で参戦する手段でもある。
訪問介護はさらに深刻、人員配置基準にも余波
有効求人倍率は職種や働き方でさらに大きく振れる。とりわけ訪問介護(ホームヘルパー)は全国でも14倍前後という極端な水準にあり、東京ではこの傾向が一段と強い。1人の求職者に十数件の求人が並ぶ状態は、もはや「採用が難しい」を通り越して、現場の運営そのものを脅かす段階に入っている。
人材が確保できなければ、サービスの縮小や事業所の閉鎖につながる。実際、都市部でも訪問介護を中心に事業からの撤退が相次いでおり、利用者がサービスを受けにくくなる「介護難民」のリスクが現実味を帯びる。居住支援特別手当のような上乗せ策は、職員一人ひとりの待遇を改善すると同時に、地域からサービスが消えるのを食い止める防波堤という意味も帯びている。
国の処遇改善加算だけでは「地域差」が埋まらない理由
公定価格は全国一律、生活コストは地域でばらつく
国の処遇改善加算は、介護報酬という公定価格に上乗せ率を設定して配分される。加算率はサービス種別ごとに決まっており、同じ訪問介護なら東京でも地方でも基本的な仕組みは変わらない。地域区分による人件費の調整はあるものの、家賃や物価の実勢を細かく反映するようには作られていない。
一方、生活コストは地域で大きく異なる。とりわけ家賃は、東京23区とそれ以外の地域とで倍近い差がつくことも珍しくない。額面の賃上げが全国一律のペースで進んでも、可処分所得という意味での「実質的な待遇」は、家賃の高い都市部ほど目減りしやすい。国の枠組みが原理的に地域差を吸収しきれないところに、都が独自手当で踏み込む余地が生まれている。
「住宅手当」ではなく「居住支援」と名付けた意味
この手当が、一般的な住宅手当とは性格が異なる点も見落とせない。通常の住宅手当は賃貸住まいの職員を対象にすることが多いが、居住支援特別手当は持ち家でも対象になる。つまり「家賃補助」ではなく、都市で暮らし続けるための生活費全般を下支えする趣旨だと読める。
名称に「居住支援」を選んだ背景には、東京で介護職として働き、住み続けてもらうこと自体を支えるという狙いがある。人材を「採る」だけでなく「定着させる」ことに軸足を置いた設計であり、勤続5年目までを手厚くする加算も、早期離職が多い若手・中堅の定着を意識したものといえる。
都の独自策は「国への問題提起」でもある
都が「国が見直しを講じるまでの間」とわざわざ明記しているのは、この手当が恒久策ではなく、国の制度改善を促すための暫定措置だという立場の表明でもある。地域の生活コスト差をどこまで公定価格に織り込むべきか。都の独自策は、その問いを国に投げかける役割も担っている。今回の会派による拡大方針は、その問題提起を当面続けるという意思表示と受け取れる。
地域区分による調整だけでは追いつかない
介護報酬には、地域ごとの人件費の差を反映する「地域区分」という仕組みが存在する。東京23区などは上乗せ率が高く設定されており、まったく地域差を考慮していないわけではない。しかし、この地域区分は人件費の水準をおおまかに区分するもので、家賃や物価の実勢の急な変動に細かく対応するようには設計されていない。
近年のように家賃や物価が短期間で上昇する局面では、数年ごとに見直される公定価格の調整は後追いになりがちだ。都の独自手当は、この「追いつかなさ」を埋める即応策として機能している。国の地域区分と都の上乗せが二重に働くことで、ようやく都市部の生活コストに近づける構図といえる。
都内で働く介護職にとって、この動きは何を意味するか
給与表に載らない「上乗せ」を求人で見極める
居住支援特別手当は、事業所が申請して初めて職員に支給される。都が補助する仕組みである以上、すべての都内事業所が自動的に支払っているわけではない点に注意が必要だ。同じ職種・同じ基本給でも、手当を申請・支給している事業所とそうでない事業所とでは、手取りに月1〜2万円の差が生じうる。
都内での転職や就職を考える介護職にとっては、求人票に書かれた基本給だけでなく、この手当を支給しているかどうかを確認することが、実収入を見極めるうえで重要になる。給与表の数字には現れない「上乗せ」の有無が、勤務地・勤務先選びの新たな判断材料になりつつある。
対象拡大が実現すれば周辺職種にも追い風
会派が示した対象拡大の構想が実現すれば、これまで処遇改善の枠から外れがちだった職種にも待遇改善が及ぶ。事務職、調理員、送迎ドライバー、福祉用具専門相談員などは、介護報酬の処遇改善加算の主たる対象ではないことが多い。都の手当が広がれば、こうした周辺職種で働く人にとっても、東京で働く動機づけになりうる。
ただし、これはあくまで会派が示した方針・構想の段階であり、来年度の予算編成や制度設計を経て初めて具体化する。現時点で対象が広がると確定したわけではない点は、冷静に押さえておきたい。
「地方移住」との比較軸も変わってくる
近年は、家賃の安い地方へ移って介護職を続けるという選択肢も注目されてきた。東京の高い給与水準と高い生活コスト、地方の低めの給与と低い生活コストを、どう天秤にかけるか。居住支援特別手当のような都市部独自の上乗せが拡大すれば、この比較の前提が変わる。額面だけでなく、手当を含めた実質的な手取りと、家賃を引いた後に残る金額の両方で、勤務地を比べる視点がこれまで以上に大切になる。
全国に広がる「賃金格差」と、それでも残る都市の重い負担
介護と全産業の格差は月8.2万円
東京の独自策を理解するには、全国レベルの賃金格差を押さえておく必要がある。厚生労働省が示した賃金構造基本統計調査のデータでは、全産業平均と介護職員の給与の差は近年むしろ拡大している。処遇改善加算で介護職の基本給は着実に上がってきたものの、他産業でそれを上回るペースの賃上げが進んだため、差が縮まらないどころか広がる年が続いた。
この格差は全国共通の課題だが、影響の出方は地域で異なる。地方では生活コストが相対的に低いため、同じ賃金差でも生活への打撃はやや和らぐ。これに対し東京では、全国一律の賃金格差に「東京価格」の高い生活コストが上乗せされる。二重の負担が、都の独自策を後押しする現実的な圧力になっている。
国も賃上げを進めているが「公定価格の壁」は残る
国がこの間、手をこまねいていたわけではない。昨年度の補正予算や今年度の報酬改定で、介護職の賃上げに向けた支援が打ち出された。処遇改善加算の仕組みも見直され、加算率の引き上げが図られている。後藤政調会長もこうした国の動きを一定評価している。
それでも、公定価格を経由する以上、賃上げのスピードと配分の柔軟さには限界がある。事業者は決められた加算の範囲で賃金改善を行うため、急騰する家賃や他産業の賃上げに即応するのは難しい。国の制度が底上げを担い、都の独自策が地域差を補う。この二層構造が、当面の東京の介護人材政策の現実的な姿になりつつある。
独自手当は「人材の奪い合い」を都内に向ける側面も
もっとも、都の独自手当には別の側面もある。東京だけが上乗せを手厚くすれば、近隣県で働く介護職が都内へ流れる動きを強めかねない。隣接する神奈川・埼玉・千葉も人材確保に苦しむなかで、都市部同士の人材の奪い合いを激化させる懸念は残る。地域差の是正という観点では、本来は国全体での調整が望ましいという議論にもつながる。都が「国が見直すまでの間」と位置づけるのは、この点を意識しているからでもある。
「採用」より「定着」に効く支援という見方
賃上げ策の評価軸は、新規採用だけではない。むしろ、すでに働いている職員の離職を防ぐ「定着」への効果が、人材確保の決め手になるという見方が現場では強い。一度採用しても早期に辞めてしまえば、採用や教育にかけたコストは回収できず、残った職員の負担も増える。
居住支援特別手当が勤続5年目までを手厚くしているのは、離職率が高い若手・中堅の時期を金銭面から支え、長く働き続けてもらう狙いがあると読める。東京都の介護従事者の離職率は全産業平均を上回る水準で推移してきた経緯があり、定着支援はかねて課題だった。手当の上乗せが、辞めずに働き続ける後押しになるかどうかが、施策の実質的な成否を分けることになる。会派が金額の引き上げにも言及しているのは、この定着効果をより確かなものにしたいという意図のあらわれともいえる。
手当を「もらえる現場」で働くために確認したいこと
事業所が申請しているかを面接で尋ねる
居住支援特別手当は法人単位で都に申請し、審査を経て支給される仕組みだ。職員が個人で都に申請するものではないため、勤務先がこの制度を活用しているかどうかがすべての前提になる。求人票に明記されていないことも多いため、面接や事業所見学の際に「居住支援特別手当を支給していますか」と直接確認するのが確実だ。
支給している事業所であれば、就業規則や給与規程に「居住支援特別手当」として明記されている。給与の内訳を確認する際に、この名称の手当があるかを見れば判断しやすい。逆に、基本給は高めでもこの手当がない場合、トータルの手取りでは他事業所に劣る可能性もある。
勤続年数による金額の違いを理解する
金額が勤続年数で変わる点も把握しておきたい。法人内の勤続5年目までは月2万円、6年目以降は月1万円という設計のため、転職して間もない時期ほど手厚い。長く同じ法人に勤めると加算分がなくなる一方で、基本給や他の手当が積み上がっていく。転職のタイミングを考える際には、この手当の増減も含めて中長期の収入を見通すとよい。
制度は年度ごとの更新が前提
この手当はあくまで都の単年度予算に基づく事業であり、毎年度の申請が必要だ。2024年度の創設以降、2025年度・2026年度と継続されてきたが、将来にわたって保証された恒久制度ではない点には留意したい。今回の会派による拡大継続の方針表明は、この制度を当面続けるという政治的な意思を示すものであり、現場で働く側にとっては安心材料の一つになる。とはいえ、最終的な存続と金額は毎年度の予算編成に左右されることを踏まえ、過度に依存しすぎない収入設計を心がけたい。
近隣県との比較も視野に入れる
東京の独自手当は魅力的だが、勤務地を決める際は通勤や家賃も含めて総合的に判断したい。都内に勤めて手当を受け取りつつ、家賃の安い近隣県から通うという働き方もある。逆に、近隣県の事業所が独自の住宅補助や処遇改善を手厚くしているケースもあり、東京一択とは限らない。手当の有無だけでなく、通勤時間・家賃・基本給を並べて、自分にとっての実質的な手取りで比べることが大切だ。最終的には、長く働き続けられる環境かどうかという定着の視点も欠かせない。
支給の事実は給与明細でも確認できる
入職後も、自分が手当の対象になっているかは給与明細で確かめられる。明細に「居住支援特別手当」の名目で1〜2万円が計上されていれば、事業所が制度を活用しているサインだ。もし対象職種で働いているのに記載がない場合は、事業所が申請していないか、自分が要件(週20時間以上など)を満たしていない可能性がある。気になるときは、人事や管理者に支給状況と要件を確認してみるとよい。待遇は「もらえるはず」と思い込むのではなく、実際の支給を一つずつ確かめる姿勢が、納得して働き続けることにつながる。
参考文献・出典
- [1]介護職の賃上げ独自策 都民ファーストの会、来年度以降の拡大継続を目指す- 介護ニュースJoint(2026年6月17日)
後藤なみ政務調査会長へのインタビュー。居住支援特別手当の拡大継続方針・対象職種拡大の構想・東京の有効求人倍率7.95倍(2026年2月)の出典。
- [2]介護・福祉職員等を対象とした居住支援特別手当の受付開始- 東京都 福祉局 報道発表(2024年5月31日)
制度の創設(2024年度・6月17日受付開始)、月額1万円+勤続5年目まで1万円加算、対象者・要件の一次資料。
- [3]
- [4]
- [5]
- [6]
まとめ
都民ファーストの会の後藤なみ政務調査会長が表明した「居住支援特別手当」の拡大継続方針は、国の処遇改善加算だけでは埋めきれない地域差に、都が独自財源で踏み込み続けるという意思表示だ。月額1万円(勤続5年目まで最大2万円)の上乗せは、有効求人倍率7.95倍という突出した人材難と、家賃の高い「東京価格」に賃金が追いつかない構造への対応策である。対象を事務職・調理員・送迎ドライバー等へ広げる構想は、直接ケア以外の職種まで人材確保の網を広げる狙いを映している。
都内で働くことを考える介護職にとっては、求人票の基本給だけでなく、この手当を支給する事業所かどうかが実収入を左右する。一方で、対象拡大はあくまで会派の方針・構想の段階であり、来年度の予算編成を経て具体化する。額面と手取り、そして家賃を引いた後に残る金額の両面で勤務地を比べる視点が、これまで以上に問われている。あなたが働く地域や職種では、給与表に現れない「上乗せ」をどこまで把握できているだろうか。
東京の事例は、賃金の議論を「いくら上がったか」だけでなく「住む場所も含めて暮らしが成り立つか」へと広げるものだ。地域ごとの生活コストにどう向き合うかは、東京に限らず、これから全国の介護人材政策が問われていく論点になる。自分の働く地域でどんな上乗せや支援が使えるのかを知ることが、納得して長く働き続ける第一歩になるだろう。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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