ケアプラン(介護サービス計画書)とは

ケアプラン(介護サービス計画書)とは

ケアプラン(介護サービス計画書)は介護保険法に基づき、利用者の生活課題と支援内容をまとめた計画書です。居宅サービス計画書(第1表〜第7表)の構成、施設・予防プランとの違い、作成の流れ、ケアプランデータ連携システム(ケアプー)の導入率28%まで、用語の意味と仕組みを解説します。

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この記事のポイント

ケアプラン(介護サービス計画書)とは、介護保険法に基づき、要介護者・要支援者一人ひとりの生活課題と提供する介護サービスの内容・目標をまとめた計画書です。原則としてケアマネジャー(介護支援専門員)が作成し、本人・家族の意向を反映したうえで、サービス担当者会議を経て交付されます。在宅向けの居宅サービス計画書(第1表〜第7表)、施設入居者向けの施設サービス計画、要支援者向けの介護予防サービス計画の3種類があり、介護保険サービス利用の前提となる重要書類です。

目次

ケアプランの定義と役割

ケアプランは、介護保険法第8条に位置づけられた「居宅サービス計画」「施設サービス計画」「介護予防サービス計画」の総称です。利用者の心身の状況、置かれている環境、本人・家族の希望を踏まえ、解決すべき課題(ニーズ)・長期/短期目標・利用するサービスの種類と頻度を一つの書類に整理します。

介護保険サービスは、ケアプランに位置づけられたサービスのみが保険給付の対象となります。つまりケアプランは、保険給付の根拠であると同時に、利用者・家族・ケアマネジャー・サービス事業者が支援方針を共有するための多職種連携のハブとして機能する書類です。

3種類のケアプラン

  • 居宅サービス計画:在宅で要介護1〜5の認定を受けた方が対象。居宅介護支援事業所のケアマネジャーが作成。
  • 施設サービス計画:特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院など入所者が対象。施設所属のケアマネジャーが作成。
  • 介護予防サービス計画:要支援1・2の方が対象。地域包括支援センターが原則作成(一部は委託)。

居宅サービス計画書の構成(第1表〜第7表)

居宅サービス計画書は、厚生労働省が定める標準様式で第1表から第7表の7枚で構成されます。第1〜3表はアセスメントの根拠、第4〜5表は支援過程の記録、第6〜7表は保険給付の根拠として位置づけられます。

  • 第1表 居宅サービス計画書(1):利用者・家族の生活に対する意向、総合的な援助方針、利用者基本情報。
  • 第2表 居宅サービス計画書(2):解決すべき課題(ニーズ)、長期目標・短期目標、援助内容と期間。
  • 第3表 週間サービス計画表:1週間のサービス・活動スケジュール、主な日常生活上の活動。
  • 第4表 サービス担当者会議の要点:会議出席者、検討内容、結論。利用者・事業所には交付されない内部記録。
  • 第5表 居宅介護支援経過:相談内容・連絡調整・モニタリング結果の経過記録。
  • 第6表 サービス利用票:1か月分のサービス利用予定(兼居宅サービス計画)。
  • 第7表 サービス利用票別表:事業所ごとの単位数・利用者負担額の明細。

このうち利用者・サービス事業所に交付するのは第1〜3表と第6・7表の5枚です。第4・5表は居宅介護支援事業所内で保管されます。

ケアプラン作成の流れ

ケアプランは、ケアマネジャーが「ケアマネジメントプロセス」に沿って作成します。標準的な流れは次の7ステップです。

  1. インテーク(受付):要介護認定を受けた利用者・家族からの相談を受け、契約を結ぶ。
  2. アセスメント(課題分析):自宅訪問により、心身の状態・生活環境・家族関係・本人の希望を把握。課題分析標準項目(23項目)に基づき情報を整理。
  3. ケアプラン原案の作成:把握した課題から長期・短期目標を立て、サービスの種類・頻度を組み立てる。
  4. サービス担当者会議:利用者・家族・サービス提供事業者・主治医など関係者を集め、原案の妥当性を検討。
  5. ケアプラン確定・交付:会議の結果を反映し、利用者の同意(署名・押印)を得て、利用者と各サービス事業所に交付。
  6. サービス提供開始:交付されたプランに沿って各事業所がサービスを提供。
  7. モニタリング:少なくとも月1回の利用者宅訪問で実施状況・課題の変化を把握。必要に応じて再アセスメント・プラン変更。

利用者・家族はこの全プロセスに関与することができ、希望や生活上の困りごとを率直に伝えることが、自分に合ったプラン作成のポイントです。

居宅・施設・介護予防プランの違い

3種類のケアプランは、対象者・作成主体・利用できるサービスが異なります。違いを表で整理します。

項目居宅サービス計画施設サービス計画介護予防サービス計画
対象者要介護1〜5(在宅)要介護1〜5(特養は原則3以上)要支援1・2
作成主体居宅介護支援事業所のケアマネジャー入所先施設のケアマネジャー(計画担当介護支援専門員)地域包括支援センター(一部は居宅介護支援事業所に委託)
主なサービス訪問介護・通所介護・短期入所・福祉用具など施設内の介護・看護・リハビリ・生活支援介護予防訪問・通所、総合事業
利用者負担(作成費)無料(10割保険給付)無料(施設介護費に包括)無料
標準様式第1表〜第7表施設独自様式(厚労省標準様式準拠)介護予防サービス・支援計画書

このうち居宅サービス計画は、2026年4月に閣議決定された介護保険法改正案で「住宅型有料老人ホームに入居する利用者については1割負担を導入する」方針が示され、長く議論されてきた有料化が一部で動き出しました。

ケアプランデータ連携システム(ケアプー)の現在地

ケアプランデータ連携システム(通称ケアプー)は、国民健康保険中央会が運営する、居宅介護支援事業所とサービス提供事業所の間でケアプラン関連帳票(第1表〜第7表のうち提供票・利用票)を電子的にやり取りする仕組みです。FAXや郵送・手渡しに代わり、CSVデータでの送受信を可能にすることで、転記ミス削減と業務効率化を狙いとしています。

2026年の導入状況

2026年4月10日の衆議院厚生労働委員会で、厚生労働省・黒田秀郎老健局長は導入率28%に到達したと答弁しました。前年度補正予算による補助金と、2026年6月臨時改定で処遇改善加算の要件としてケアプー導入が位置づけられた影響で、短期間に約18ポイント上昇したと説明されています。事業所種別ごとの導入率(2026年2月時点)は次のとおりです。

  • 居宅介護支援事業所:約25%
  • 訪問介護・通所介護など在宅サービス事業所:約35%

処遇改善加算の要件化が継続するなか、今後さらに導入率は上昇する見通しで、ケアマネジャーや介護職員にとって「使えて当たり前」のITインフラへと位置づけが変わりつつあります。

ケアプランに関するよくある質問

Q. ケアプランは利用者本人が作成できますか?

A. 制度上は可能で、これをセルフケアプランと呼びます。本人または家族が市区町村に届け出て作成・サービス利用調整を行いますが、サービス事業所との給付管理票のやり取りや単位計算など専門知識が求められるため、実務上は全体の0.1%未満と非常に少数にとどまります。多くの場合は居宅介護支援事業所のケアマネジャーに依頼するのが現実的です。

Q. ケアプランの作成費用はかかりますか?

A. 現行制度では、ケアプラン作成費は10割が介護保険から給付されるため、利用者の自己負担はありません。ただし2026年4月に閣議決定された介護保険法改正案では、住宅型有料老人ホーム入居者向けの新サービス類型「登録施設介護支援」を創設し、1割の利用者負担を導入する方針が示されました。施行は2027年度の見通しです。

Q. ケアプランは誰の意向で作成されますか?

A. ケアマネジャーが原案を作成しますが、計画は利用者・家族の希望と生活課題を起点に組み立てられます。サービス担当者会議で多職種の意見を踏まえた最終案を、本人の同意を得たうえで確定するのが原則です。プラン内容に納得できない場合は、ケアマネジャーに変更を申し出ることも、担当ケアマネ自体を変更することも可能です。

Q. ケアプランは何度も変更できますか?

A. 利用者の状態や生活環境が変わったときは、その都度見直しを行います。利用するサービス種類が変わる、要介護度が変わるなどの場合は再アセスメント→担当者会議→プラン交付という流れで再作成します。一方、軽微な変更(曜日変更・回数の微調整など)はサービス担当者会議を省略できる扱いになっています。

参考文献・出典

まとめ

ケアプラン(介護サービス計画書)は、介護保険サービスを利用するうえでの支援方針と保険給付の根拠を担う重要書類です。居宅サービス計画書は第1表〜第7表で構成され、ケアマネジャーがアセスメントから担当者会議・モニタリングまで一連のプロセスで作成・更新します。

2026年は、ケアプランデータ連携システム(ケアプー)の導入率が28%に到達し、処遇改善加算の要件化を背景に普及が一気に加速しました。さらに、住宅型有料老人ホームを対象としたケアプラン作成費の1割負担導入も閣議決定され、施行は2027年度の見通しです。「だれが・いくらで・どう作るのか」の前提が変わる転換期にあるため、介護職員・利用者ともに最新の制度動向を押さえておきたい用語です。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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