医療連携体制加算とは

医療連携体制加算とは

医療連携体制加算は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)等で看護職員の配置・24時間連絡体制・医療的ケア対応を評価する加算。2024年度改定で(Ⅰ)イ57単位/ロ47単位/ハ37単位、(Ⅱ)5単位/日に区分が再編された。

ポイント

この記事のポイント

医療連携体制加算は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や地域密着型特定施設・地域密着型介護老人福祉施設などで、看護職員の配置や24時間連絡体制、医療的ケアの提供体制を整えた事業所が算定できる加算です。2024年度改定で(Ⅰ)イ57単位・ロ47単位・ハ37単位(/日)と(Ⅱ)5単位/日に区分が再編されました。

目次

医療連携体制加算の位置づけ

医療連携体制加算は、介護報酬告示の地域密着型サービス費等に対して設定される加算です。グループホーム等の小規模な居住系サービスは医師の常駐がないため、看護職員の配置や訪問看護ステーション等との連携によって医療的ケアを担保する必要があります。本加算は、その体制整備と医療ニーズへの実際の対応実績を評価します。

2024年度改定では、医療的ケアが必要な入居者の受け入れ実績に応じて区分(Ⅰ)が「イ・ロ・ハ」の3段階に再編され、より医療ニーズの高い入居者を多く受け入れている事業所が手厚く評価される構造になりました。同改定では別に「協力医療機関連携加算」(100単位/40単位)も新設され、医療機関との常時の連携体制が別建てで評価されています。

単位数と区分(2024年度改定後・GH)

区分単位数主な要件・実績
医療連携体制加算(Ⅰ)イ57単位/日看護職員配置(常勤換算1以上)等+医療的ケア対象者の受け入れ実績(最も手厚い)
医療連携体制加算(Ⅰ)ロ47単位/日同上+実績要件(中位)
医療連携体制加算(Ⅰ)ハ37単位/日同上+実績要件(基本)
医療連携体制加算(Ⅱ)5単位/日看護師配置等の体制を整備(実績要件は限定的)

主な対象状態(医療的ケアの該当者)は、喀痰吸引・経腸栄養・在宅酸素・インスリン注射・人工肛門・褥瘡処置などです。算定日が属する月の前12ヶ月間で対象者の受け入れがあることが(Ⅰ)の要件となります。

協力医療機関連携加算との違い

2024年改定では類似の連携系加算が並立しているため整理します。

  • 医療連携体制加算(本加算):自事業所内に看護職員等を配置し、医療ケアを行う体制を評価。
  • 協力医療機関連携加算:協力医療機関と病状急変時の相談・診療体制を整え、定期的な情報共有会議を開催している場合の加算(100単位/40単位)。
  • 医療連携加算(短期入所等):ショートステイなどで医療機関との連携実績に応じた別加算。

「自前で看護師を持つ」のが医療連携体制加算、「外部医療機関との関係を整える」のが協力医療機関連携加算と整理できます。両者は併算定可能です。

算定までの流れ

  1. 看護職員の確保:自事業所雇用または病院・診療所・訪問看護ステーションとの契約で、看護師を確保。准看護師のみの場合は外部の看護師による24時間連絡体制が必要。
  2. 24時間連絡体制の確立:看護師に24時間連絡できる体制と緊急時の対応手順を整備。
  3. 重度化指針の整備:重度化した場合の対応方針を文書化し、入居時に本人・家族へ説明・同意取得。
  4. 医療的ケア対象者の実績:算定対象月の前12ヶ月間に対象者の受け入れ実績を記録。
  5. 体制届出:市町村に体制届を提出。
  6. 請求:給付費明細書で日数分を計上。

現場での運用ポイント

  • 看護職員不在時の医療連絡フロー(誰が・どこに・何を)を明文化する。
  • 重度化指針は形式的な書面で終わらせず、職員研修と入居時説明にひも付ける。
  • 2024年改定で(Ⅰ)が3段階化されたため、自事業所の医療的ケア実績を年単位で集計する仕組みを整える。
  • 協力医療機関連携加算と組み合わせると、外部医療連携の評価をさらに上げられる。

よくある質問

Q. 看護師は自事業所で雇用していなければいけませんか

A. 病院・診療所・訪問看護ステーションとの契約による確保も認められています。要件は「24時間連絡できる」体制があるかどうかです。

Q. 准看護師のみでも算定できますか

A. 准看護師のみの場合、外部の看護師による24時間連絡体制を別途整える必要があります。

Q. (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できますか

A. できません。同月内にどちらか一方を選んで算定します。

参考資料

  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(地域密着型サービス)
  • 厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(介護報酬告示)
  • 厚生労働省「指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防サービスに関する基準について」

まとめ

医療連携体制加算は、医師が常駐しないグループホーム等で看護体制と医療的ケアの受け入れ実績を評価する加算です。2024年改定で(Ⅰ)が「イ・ロ・ハ」の3段階に再編され、医療ニーズの高い入居者を多く受け入れる事業所が手厚く評価されるようになりました。看護師確保・24時間連絡体制・重度化指針の3点が算定の前提です。

この用語に関連する記事

特養で広がる入居拒否|「空床でも受け入れ不可」、人手不足が招く施設の選別と地域格差

特養で広がる入居拒否|「空床でも受け入れ不可」、人手不足が招く施設の選別と地域格差

特養や有料老人ホームで、空床があっても人手不足を理由に入居希望者を選別・受け入れ拒否する実態が拡大。AERA報道と処遇改善加算・人員配置基準の制度背景を介護職キャリア視点で読み解く。

都民ファースト、介護職の居住支援手当「拡大継続」を表明|後藤政調会長「対象を事務・調理・送迎にも」

都民ファースト、介護職の居住支援手当「拡大継続」を表明|後藤政調会長「対象を事務・調理・送迎にも」

都民ファーストの会の後藤なみ政務調査会長が、東京都独自の介護・福祉職員向け「居住支援特別手当」(最大月2万円)の来年度以降の拡大継続を表明。対象を事務職・調理員・送迎ドライバー等にも広げる構想を示した。有効求人倍率7.95倍の東京で「東京価格」に賃金が追いつかない現状と、国の処遇改善の限界を読み解く。

NCCU、介護報酬「抜本引き上げ」へ50万筆署名を開始|村上副会長「低賃金の元凶は介護報酬の設定」

NCCU、介護報酬「抜本引き上げ」へ50万筆署名を開始|村上副会長「低賃金の元凶は介護報酬の設定」

日本介護クラフトユニオン(NCCU)が2027年度の介護報酬改定に向け50万筆署名を開始。村上久美子副会長は低賃金の元凶を介護報酬の設定と指摘。目標数・しめきり・提出先と、処遇改善加算と基本報酬の構造を中立に解説。

介護職の老後資金とiDeCo・企業型DC|退職金が手薄な職場の備え方

介護職の老後資金とiDeCo・企業型DC|退職金が手薄な職場の備え方

退職金制度が手薄な事業所もある介護職こそ自助の老後資金準備が重要。iDeCoの仕組みと3つの税制メリット、企業型DCとの違い・併用、2024年12月の掛金上限見直し、退職金共済との関係を公的資料で中立に解説。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。