
チームオレンジとは
チームオレンジとは、認知症サポーターらがチームを組み、認知症の人や家族を早期から地域で支える取り組み。認知症施策推進大綱・認知症基本法での位置づけ、サポーターやキャラバンメイトとの関係、活動内容と立ち上げの流れを解説します。
チームオレンジの定義
チームオレンジとは、認知症サポーター養成講座のステップアップ講座を受けた近隣のサポーターらがチームを組み、認知症の人やその家族を生活面で早期から支える地域の取り組みです。認知症の人自身もチームの一員として参加し、「支える人・支えられる人」の垣根をなくす共生社会づくりを目指します。2019年度に国の施策として始まりました。
目次
チームオレンジの概要と国の施策での位置づけ
チームオレンジは、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、認知症の人や家族の困りごとに、地域の認知症サポーターがチームで対応する仕組みです。見守りや声かけだけにとどまらず、外出の付き添いやちょっとした生活支援、孤立を防ぐための関係づくり、必要なときに専門職へつなぐ役割までを、顔の見える関係のなかで担います。
大きな特徴は、認知症の人を「支援される側」だけに置かないことです。本人が自分の経験や得意なことを活かしてチームの一員として活動し、社会参加を続けられるようにする点に重きがあります。早期からの関わりを重視するのも、症状が進む前から関係をつくっておくことで、本人の意思を尊重した支援がしやすくなるためです。
国の施策では、2019年6月に取りまとめられた「認知症施策推進大綱」のなかで、チームオレンジを地域づくりの具体的な取り組みとして位置づけ、2025年度までに全市町村での整備を目指す方針が示されました。さらに2024年1月には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行され、認知症の人が社会の対等な一員として地域で暮らせる共生社会の実現が国・自治体の責務として明確化されました。チームオレンジは、こうした共生社会づくりを地域の現場で形にする取り組みのひとつとして広がっています。
チームオレンジの主な活動内容
- 見守り・声かけ:日常のなかでさりげなく様子を気にかけ、安心できる関係をつくる。
- 外出の付き添い・移動の支援:買い物や通院、地域の行事への参加に同行する。
- 居場所づくり・社会参加の後押し:本人が役割をもって過ごせる場や交流の機会をつくる。
- 家族の負担軽減:話を聞く、情報を共有するなど、介護する家族を孤立させない支え。
- 専門職へのつなぎ:必要に応じて地域包括支援センターやケアマネジャー、医療につなぐ。
活動の内容や規模は地域によって幅があり、数人の身近な支え合いから、自治体や地域包括支援センターと連携した組織的な取り組みまでさまざまです。
チームオレンジと認知症サポーター・キャラバンメイトの関係
認知症サポーター・キャラバンメイトとの関係
チームオレンジは、認知症サポーター制度を土台にしています。それぞれの役割の違いを整理すると次のとおりです。
| 名称 | 役割 |
|---|---|
| 認知症サポーター | 養成講座を受け、認知症を正しく理解して本人や家族を温かく見守る人。チームオレンジの担い手の中心。 |
| キャラバンメイト | 認知症サポーター養成講座の講師役。サポーターを育て、地域での活動を広げる。 |
| チームオレンジ | ステップアップ講座を受けたサポーターらが集まり、実際に支援活動を行うチーム。 |
つまり、キャラバンメイトが認知症サポーターを育て、養成講座とステップアップ講座を経たサポーターがチームオレンジとして具体的な支援に踏み出す、という流れになります。「学んで終わり」になりがちだったサポーターが、実際に行動する場としてチームオレンジが期待されています。
チームオレンジ立ち上げの流れ
- 認知症サポーターを養成する:キャラバンメイトによる養成講座で、地域に認知症の理解者を増やす。
- ステップアップ講座を受ける:サポーターのうち活動意欲のある人が、支援の実践を学ぶステップアップ講座を受講する。
- コーディネーターを配置する:本人・家族のニーズとサポーターをつなぐ調整役(チームオレンジコーディネーター)を地域に置く。
- 本人・家族とチームをつなぐ:地域包括支援センター等を窓口に、支援を必要とする人とチームをマッチングする。
- 活動を続け、地域に広げる:活動を振り返りながら担い手を増やし、地域全体の支え合いに育てていく。
多くの自治体では、地域包括支援センターや市町村の認知症施策担当が立ち上げ・運営を後押しします。進め方は地域の実情に合わせて柔軟に設計されます。
介護職・地域でのチームオレンジへの関わり方
介護職や地域での関わり方
介護職にとってチームオレンジは、施設や事業所の外にある地域資源を知る入り口になります。担当する利用者が地域で孤立しないよう、近隣のチームオレンジや地域包括支援センターと顔の見える関係をつくっておくと、退院・退所後の生活や在宅での見守りにつなげやすくなります。日々のケアで培った認知症への理解は、サポーターやコーディネーターとして地域で活かすこともできます。
家族や地域住民にとっては、認知症サポーター養成講座やステップアップ講座への参加が第一歩です。専門資格がなくても、見守りや声かけといった身近な関わりから始められるのがチームオレンジの間口の広さです。お住まいの市町村や地域包括支援センターに問い合わせると、地域の活動状況や参加方法を教えてもらえます。
チームオレンジのよくある質問
チームオレンジに参加するには資格が必要ですか。
専門資格は不要です。認知症サポーター養成講座を受けたうえで、活動の実践を学ぶステップアップ講座を受講するのが基本的な流れです。まずはお住まいの市町村や地域包括支援センターに問い合わせてください。
認知症の本人もメンバーになれますか。
なれます。チームオレンジは、認知症の人自身がチームの一員として役割をもって参加することを重視しています。「支援される側」だけに固定しないのが大きな特徴です。
チームオレンジコーディネーターとは何ですか。
支援を必要とする本人・家族と、活動するサポーターをつなぐ調整役です。地域の実情を踏まえてチームづくりや活動の橋渡しを担い、地域包括支援センター等に配置されることが多くあります。
自分の地域にチームオレンジがあるか知りたいときは。
市町村の認知症施策担当窓口や地域包括支援センターに問い合わせるのが確実です。整備状況や活動内容は地域によって差があります。
チームオレンジの参考資料・出典
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チームオレンジのまとめ
まとめ
チームオレンジは、認知症サポーターらがチームを組み、認知症の人や家族を早期から地域で支える取り組みです。本人もチームの一員として参加し、支える側と支えられる側の垣根をなくす共生社会づくりを地域の現場で形にします。認知症施策推進大綱や認知症基本法に裏打ちされた国の方針のもと、サポーター養成からステップアップ講座、コーディネーターの配置を経て、各地で立ち上げが進んでいます。介護職にとっては地域資源とつながる入り口、住民にとっては身近な一歩から関われる場として、その役割は今後も広がっていきます。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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