
介護職と子育ての両立ガイド|働きやすい施設・制度・先輩ママの声
介護職と子育ての両立方法を解説。デイサービス・訪問介護などママに人気の施設形態、育児休暇・時短勤務・子の看護休暇の制度、扶養内パートのシミュレーション、急な子どもの発熱時の対応まで網羅。
この記事のポイント
介護職と子育ての両立は十分可能です。デイサービスなら夜勤なし・土日休みの施設もあり、訪問介護なら短時間・直行直帰で柔軟に働けます。2025年の育児・介護休業法改正で子の看護休暇が小学校3年生まで拡大し、1時間単位で取得可能に。残業免除も小学校就学前まで拡大されました。介護業界は求人が豊富でブランク復帰もしやすい環境です。パートで週3日から始めて、子どもの成長に合わせて正社員にステップアップできます。
「子どもがいても介護の仕事はできる?」「急な発熱の時はどうする?」「夜勤はできないけど正社員になれる?」「ブランクがあっても大丈夫?」「シングルマザーでもやっていける?」——子育て中の方が介護職への就職・転職を考える時、こうした不安は尽きないものです。
結論から言うと、介護職は子育てと最も両立しやすい仕事の一つです。その理由は3つ。まず、施設形態の選択肢が豊富で、夜勤なしのデイサービスや短時間の訪問介護など子育てに合った働き方を選べること。次に、シフト制で希望休が取りやすく、子どもの行事にも参加しやすいこと。そして、慢性的な人手不足で求人が豊富なため、ブランクがあっても復帰しやすいこと。介護労働安定センターの調査では、介護事業所の55.1%が「仕事と育児の両立支援」を行っていると回答しています。
さらに2025年の育児・介護休業法改正で、子の看護休暇が小学校3年生まで拡大(1時間単位で取得可能)、残業免除が小学校就学前まで拡大、柔軟な働き方の措置が義務化されるなど、子育てしながら働く環境は年々良くなっています。
介護業界は「子育て中でも歓迎」「ブランク復帰OK」という施設が非常に多く、むしろ「子育て経験者は利用者への接し方が丁寧」と評価されるケースも多いです。子育てで培った忍耐力、共感力、マルチタスク能力は、介護の現場でそのまま強みになります。
この記事では、子育て中のママ・パパに向けて、おすすめの施設形態・働き方(デイサービス・訪問介護が人気の理由)、活用すべき5つの制度(2025年法改正対応)、扶養内パートのシミュレーション、急な子どもの体調不良への対応策、先輩ママの体験談、子育て×介護のキャリアプラン、転職活動のコツまで詳しく解説します。
子育て中におすすめの施設形態・働き方

施設形態別の子育てとの相性
| 施設形態 | 夜勤 | 土日休み | 時短勤務 | 子育て相性 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| デイサービス | なし | 施設による(土日休みあり) | ○ | ★★★★★ | 保育園のお迎えに間に合う。身体介護の負担も軽い |
| 訪問介護 | なし | シフト調整可 | ◎(短時間可) | ★★★★★ | 直行直帰OK。1件1〜2時間で柔軟に働ける |
| デイケア | なし | 施設による | ○ | ★★★★☆ | リハビリ系で身体介護少なめ。医療法人で安定 |
| サ高住(一般型) | なし〜あり | シフト制 | ○ | ★★★★☆ | 自立度が高く負担少なめ。夜勤なしの施設もある |
| グループホーム | あり | シフト制 | △ | ★★★☆☆ | 少人数でアットホーム。夜勤免除のパートもあり |
| 有料老人ホーム | あり | シフト制 | △ | ★★☆☆☆ | 夜勤必須の場合が多い。大手法人は福利厚生充実 |
| 特養 | あり(必須) | シフト制 | △ | ★★☆☆☆ | 給与は高いが夜勤必須。子どもが大きくなってから |
デイサービスが子育てママに人気No.1の理由
デイサービスは介護職の中で最も子育てと相性が良い施設形態です。
- 夜勤なし:8:30〜17:30の日勤のみ。保育園のお迎えに間に合う
- 土日休みの施設あり:カレンダー通りに休めれば、子どもの行事(運動会・授業参観・学芸会)にも参加できる
- パート勤務がしやすい:週3日×5時間など短時間勤務の求人が豊富。「9:00〜15:00」のシフトは子育てママに人気
- 身体介護の負担が軽い:利用者は自宅から通える方が中心。移乗介助等の重労働が少なく、妊娠中や産後の体力回復期にも無理なく働ける
- 送迎ドライバーの仕事もある:送迎の時間帯(朝と夕方)だけの仕事もあり、超短時間パートが可能
- レクリエーションの企画:子育て経験を活かした工作・折り紙・歌のレクが喜ばれる
訪問介護が「隠れたおすすめ」な理由
訪問介護は実は子育てママに最も柔軟な働き方ができる施設形態です。
- 直行直帰OK:事業所に出勤せず、自宅から利用者宅へ直接訪問。通勤時間ゼロ
- 1件1〜2時間:子どもが学校にいる間だけ、2〜3件の訪問で働ける
- 登録ヘルパー制度:自分で訪問件数を選べるため、子どもの予定に合わせやすい。「今月は行事が多いから件数を減らす」「夏休みは午前中だけ」が可能
- 処遇改善加算率が最高:24.5%で、パートでも時給が高め(時給1,500〜2,000円)
- 生活援助なら体力的に楽:調理・掃除・洗濯等の生活援助は、主婦の家事スキルがそのまま活きる
- 初任者研修があれば始められる:生活援助のみなら無資格でも可能な場合もある
子どもの年齢別 おすすめの働き方
| 子どもの年齢 | おすすめの働き方 | 週の勤務イメージ | 月収目安 |
|---|---|---|---|
| 0〜2歳 | 登録ヘルパー(週2〜3日) | 午前中に2〜3件訪問 | 5〜8万円 |
| 3〜5歳(保育園) | パート(週4日×5〜6時間) | デイサービスで9:00〜15:00 | 10〜14万円 |
| 小学校低学年 | パート→正社員(時短勤務) | 9:00〜16:00(学童保育利用) | 15〜22万円 |
| 小学校高学年 | 正社員(フルタイム・日勤) | 8:30〜17:30 | 22〜28万円 |
| 中学生以上 | 正社員(フルタイム) | 通常勤務。夜勤も検討可 | 25〜35万円 |
子どもの成長に合わせて段階的に勤務時間を増やすのが、無理なく両立するコツです。介護業界は「週3日パートから正社員に切り替えたい」という希望にも柔軟に対応してくれる施設が多いです。
活用すべき5つの制度

子育てと仕事を両立するための法律で保障された制度を知っておきましょう。「知らなかった」で損をしないために、2025年の育児・介護休業法改正の内容も含めて解説します。知っている制度は当然の権利として使いましょう。
1. 育児休業
子どもが原則1歳(最大2歳)まで取得可能。介護職でも正社員・パート問わず利用できます(勤続1年以上等の条件あり)。
- 育児休業給付金:給与の約67%(6ヶ月後は50%)がハローワークから支給される。月給25万円なら月約16.7万円
- パパ育休(産後パパ育休):子の出生後8週間以内に最大4週間取得可能。分割して2回取得もOK
- 社会保険料の免除:育休中は健康保険・厚生年金の保険料が免除される。手取りの目安は通常の約80%
- パートでも取得可能:「パートだから育休は取れない」は誤解。条件を満たせばパートでも取得できる
介護業界でも育休取得率は上昇中。「育休を取ったら居場所がなくなるのでは」という心配は、人手不足の介護業界では杞憂です。むしろ「戻ってきてくれて助かる」と歓迎されるケースがほとんどです。
2. 子の看護休暇(2025年4月拡充)
2025年4月の法改正で大幅に拡充されました。子育て中の介護職員にとって最も使い勝手の良い制度です。
| 項目 | 改正前 | 改正後(2025年4月〜) |
|---|---|---|
| 対象 | 小学校就学前 | 小学校3年生修了まで |
| 日数 | 年5日(2人以上は10日) | 年5日(2人以上は10日) |
| 取得単位 | 半日単位 | 1時間単位 |
| 取得理由 | 病気・けが・予防接種 | +感染症の学級閉鎖・入学式・卒園式 |
1時間単位で取得できるため、「朝病院に連れて行ってから出勤」「早退して病院に寄る」「学級閉鎖で午後だけ休む」といった柔軟な使い方が可能になりました。有給休暇とは別に取得できるのもポイントです。
3. 短時間勤務制度
3歳未満の子どもがいる場合、1日6時間の短時間勤務を請求できます。正社員のまま時短で働けるため、キャリアを維持しながら子育てできます。給与は勤務時間に比例して減りますが、社会保険の被保険者資格は維持。将来の年金額への影響を軽減する「養育特例」制度もあります。
4. 所定外労働の免除(残業免除)
3歳未満の子どもがいる場合、残業を免除してもらう権利があります。2025年の法改正で対象が小学校就学前まで拡大。「定時で帰りたい」という希望を法律が後押ししてくれます。介護施設は「定時で帰れないほどの残業」は一般企業に比べて少ないですが、記録作業の残業がある場合はこの制度を使いましょう。
5. 柔軟な働き方の措置(2025年10月〜新設)
3歳〜小学校就学前の子を持つ労働者に対し、事業主は以下のいずれか2つ以上の措置を講じ、労働者はその中から1つを選べるようになりました。
- 始業時刻の変更等(フレックスタイム・時差出勤)
- テレワーク(介護記録のテレワーク化など)
- 短時間勤務制度
- 新たな休暇の付与(年10日以上)
- その他(託児所の設置等)
介護事業所でも、記録作業のテレワーク化や始業時刻の調整が広がりつつあります。面接時に「柔軟な働き方の措置はどのようなものがありますか」と確認しましょう。
制度を使う際の心得
これらの制度は法律で保障された権利です。「周りに迷惑をかけるから」と遠慮する必要はありません。ただし、以下の心得は持っておきましょう。
- 早めに上司に伝える(できれば1ヶ月前)
- 同僚にフォローしてもらった時は必ず感謝を伝える
- 自分ができる範囲で、同僚が休む時にフォローする
- 「お互い様」の文化を大切にする
扶養内パートのシミュレーション
子育て中は扶養内で働きたい方も多いでしょう。介護パートの扶養内勤務シミュレーションを紹介します。「いくらまで働ける?」「壁を超えるべき?」の判断に役立ててください。
扶養の壁と影響
| 壁の種類 | 年収ライン | 超えた場合の影響 | 手取りへの影響 |
|---|---|---|---|
| 住民税の壁 | 100万円 | 住民税が発生 | 年数千〜数万円の負担 |
| 所得税の壁 | 103万円 | 所得税が発生。配偶者控除の対象外に | 配偶者の税金が年数万円増加 |
| 社会保険の壁 | 106万円* | 従業員51人以上の企業で社会保険加入 | 年約15万円の保険料負担 |
| 社会保険の壁 | 130万円 | 配偶者の扶養から外れ、社会保険に加入 | 年約20〜25万円の保険料負担 |
*106万円の壁は従業員51人以上の企業が対象。小規模な介護事業所では該当しない場合が多いですが、大手法人は該当する可能性があります。
パターン別の勤務シミュレーション
| パターン | 時給 | 勤務 | 月収 | 年収 | 扶養 |
|---|---|---|---|---|---|
| A. 最小限パート | 1,200円 | 週2日×4h | 約3.8万円 | 約46万円 | 扶養内 |
| B. 103万円以内 | 1,200円 | 週3日×5h | 約7.2万円 | 約86万円 | 扶養内 |
| C. 130万円以内 | 1,200円 | 週4日×5h | 約9.6万円 | 約115万円 | 扶養内 |
| D. 130万円以内(高時給) | 1,500円 | 週3日×5h | 約9万円 | 約108万円 | 扶養内 |
| E. 壁を超えて稼ぐ | 1,400円 | 週5日×6h | 約16.8万円 | 約202万円 | 扶養外 |
介護のパートは時給1,100〜1,500円が相場。処遇改善加算Ⅰの施設なら時給が100〜300円上乗せされるケースもあります。面接時に「処遇改善加算は含まれていますか?」と確認しましょう。
「壁を超える」か「壁の中にとどまる」かの判断基準
130万円の壁を超えると社会保険料の負担が増えるため、年収130〜160万円の間は「働き損」になる可能性があります。判断のポイントは以下の通りです。
- 年収160万円以上稼げるなら:壁を超える方が手取りが増える。正社員やフルタイムパートを検討
- 年収160万円未満なら:130万円以内に抑える方が手取りは多い
- 将来のキャリアを考えるなら:社会保険に加入した方が、将来の年金額が増える。長期的にはプラス。また、雇用保険に加入していれば育休給付金も受け取れる
- 正社員を目指すなら:扶養を外れてフルタイムで働く方が、正社員への転換がスムーズ
2025年12月からの賃上げで時給が上がっている施設もあるため、同じ時間働いても扶養の壁を超える可能性があります。年末に向けて勤務時間を調整するか、思い切って壁を超えて年収160万円以上を目指すか、事前に検討しておきましょう。
子どもの急な体調不良 — 備えておくべき対応策
子育て中の最大の不安は「子どもが急に熱を出した時」。事前に備えておくことで、焦らず対応できます。備えは多いほど安心です。
事前に準備しておくべき5つの備え
- 病児保育の登録:自治体の病児保育施設に事前登録しておく。当日の空きがなくても、複数施設(最低2〜3ヶ所)に登録しておけば預けられる確率が上がる。利用料は1日2,000〜3,000円程度。事前に見学しておくと安心
- ファミリーサポートの登録:地域のファミサポに登録し、急な預かりに対応できる体制を確保。事前の打ち合わせが必要なので、早めに登録を。利用料は1時間600〜800円程度と安い
- 祖父母・親族のサポート体制:近くに頼れる家族がいれば、緊急時の連絡体制を決めておく。「LINEで連絡→30分以内に迎えに行ける」等の具体的なルールがあると安心。ただし祖父母に頼りすぎないように注意
- 職場への事前相談:「子どもが小さいので急な欠勤の可能性がある」と入職時に伝えておく。隠すよりオープンにした方がチームの理解を得やすい。同僚にフォローしてもらった時は必ず感謝を伝え、相手が休む時には積極的にフォローする
- 夫婦で交代する体制:「奇数月はママ、偶数月はパパ」「午前はママが休み、午後はパパが早退」など、交代で対応するルールを決めておく。どちらか一方に負担が集中しないことが長続きの秘訣
当日の対応フロー
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 子どもの体温を測る | 37.5℃以上なら保育園は預けられない。解熱後24時間経過するまで登園不可の場合が多い |
| 2 | 夫婦でどちらが休むか相談 | 事前に決めたルールに従う。当日朝のバタバタを減らす |
| 3 | 職場に連絡(できるだけ早く) | 始業30分前までに電話。「子どもが発熱したため本日お休みをいただけますか」 |
| 4 | 病児保育・ファミサポに連絡 | 翌日以降の預け先を確保。当日利用可能な病児保育があれば翌日から出勤可能 |
| 5 | 小児科を受診 | 午前中の受診がおすすめ。診断書があれば病児保育もスムーズ。インフルエンザ等なら出席停止期間を確認 |
よくある子どもの病気と休む目安
| 病気 | 休む目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 風邪・発熱 | 1〜2日 | 解熱後24時間経過すれば登園OK |
| インフルエンザ | 5〜7日 | 発症後5日かつ解熱後3日(保育園) |
| 胃腸炎(ノロ等) | 3〜5日 | 嘔吐・下痢が治まるまで。感染力が強い |
| 手足口病 | 2〜3日 | 熱が下がり食事が取れれば登園可の場合が多い |
| 溶連菌 | 2〜3日 | 抗生剤投与後24時間で登園OK |
年間で子どもが体調を崩す回数は平均6〜10回(0〜3歳児)。最初の1年は休みが多くなることを覚悟して、職場の理解を得ておくことが何より大切です。
面接時に確認すべき質問
- 「子どもの急な発熱時、お休みは取りやすいですか?」
- 「子育て中のスタッフは何人いますか?」→ 多ければ理解がある職場の証拠
- 「子の看護休暇は利用できますか?」
- 「時短勤務制度はありますか?」
- 「急な欠勤時、どのようにフォローする体制ですか?」
これらの質問に快く答えてくれる施設は、子育てに理解がある職場です。嫌な顔をされたら、その施設は避けた方が無難でしょう。
先輩ママの体験談 — 子育てしながら介護で働くリアル
実際に子育てしながら介護職で働いているママたちの声を紹介します。「自分にもできるかも」と思えるリアルな体験談です。
体験談1:デイサービスパート(30代・2児の母・Aさん)
勤務:デイサービス・パート(週4日×9:00〜15:00)
月収:約11万円(時給1,200円×6時間×週4日)
家族構成:夫(会社員)、長男(小2)、次男(4歳・保育園)
「上の子が小学校に入学したタイミングで介護パートを始めました。デイサービスは夜勤がないので、保育園のお迎えに間に合います。最初は週3日から始めて、慣れてから週4日に増やしました。子どもの行事の日はシフトを調整してもらえるし、急な発熱の時も『お互い様だから』とフォローしてもらえます。職場に子育て中のスタッフが5人いるので、理解があって助かっています。」
1日のタイムスケジュール:6:30起床→7:30長男を小学校へ→8:00次男を保育園へ→8:30出勤→15:00退勤→15:30保育園お迎え→16:00帰宅→夕食準備→19:00夕食→20:30子ども就寝→22:00就寝
体験談2:訪問介護・登録ヘルパー(40代・小学生の母・Bさん)
勤務:訪問介護・登録ヘルパー(週3日・1日3件訪問)
月収:約8万円(1件あたり2,000〜2,500円)
家族構成:夫(会社員)、長女(小4)、長男(小1)
「訪問介護の最大の魅力は柔軟さ。子どもが学校にいる9:00〜14:00の間に3件訪問して、帰宅。直行直帰なので通勤時間もゼロ。夏休みは訪問件数を減らし、学校が始まったら戻す。こんな柔軟な働き方ができるのは訪問介護だけだと思います。主婦の家事スキルがそのまま生活援助に活きるのも嬉しいポイントです。子どもの学校行事が多い月でも、前月にシフトを調整すれば問題ありません。」
体験談3:特養→デイに転職(30代・1児の母・Cさん)
勤務:デイサービス・正社員(時短勤務・8:30〜16:30)
月収:約22万円
家族構成:夫(介護士)、長女(3歳・保育園)
「出産前は特養で夜勤もバリバリこなしていました。育休後に復帰しましたが、夜勤と子育ての両立は無理でした。夜勤の日は子どもを実母に預けていましたが、毎月4〜5回は負担が大きすぎて。思い切ってデイサービスに転職。年収は50万円ほど下がりましたが、夜勤がなくなって子どもとの時間が増え、精神的にとても楽になりました。子どもが小学校高学年になったらまた特養に戻ってキャリアアップするつもりです。介護福祉士の資格があるので、転職先はいつでも見つかる安心感があります。」
体験談4:未経験から介護パート・シングルマザー(30代・Dさん)
勤務:グループホーム・パート(週5日×8:30〜17:00・夜勤なし)
月収:約18万円+児童扶養手当約4万円+住宅手当約2万円
家族構成:長男(小1)※シングルマザー
「離婚を機に、未経験で介護の世界に飛び込みました。最初は不安でしたが、初任者研修の費用は施設が負担してくれ、先輩が丁寧に教えてくれました。シングルマザーなので急な欠勤はできるだけ避けたいのですが、病児保育(2ヶ所登録)とファミサポで備えています。3年目に介護福祉士を取得し、来年から正社員に切り替える予定。年収は350万円以上になる見込みで、児童扶養手当・住宅手当と合わせれば十分に子どもを育てていけます。介護は『一生食べていける仕事』だと実感しています。」
子育て×介護のキャリアプラン — 長期で考える
介護職は「子育て期に無理なく働きながら、長期的にキャリアアップできる」のが最大の魅力です。子どもの成長に合わせたキャリアプランを描きましょう。
子どもの年齢別キャリアロードマップ
| 時期 | 子どもの年齢 | 働き方 | キャリアの目標 | 年収目安 |
|---|---|---|---|---|
| Phase 1 | 0〜2歳 | 登録ヘルパー週2〜3日 | 介護の仕事に慣れる | 60〜100万円 |
| Phase 2 | 3〜5歳 | パート週4日×5〜6h | 初任者研修→実務者研修を取得 | 120〜170万円 |
| Phase 3 | 小学生 | パート→正社員(時短) | 介護福祉士を取得 | 200〜300万円 |
| Phase 4 | 中学生〜 | 正社員フルタイム | リーダー・主任に昇進 | 350〜450万円 |
| Phase 5 | 高校生〜 | 正社員+夜勤可 | ケアマネ取得・管理職を目指す | 400〜550万円 |
子育て期に取得すべき資格とスケジュール
- 介護職員初任者研修(Phase 1〜2):入門資格。通信+スクーリングで約130時間。土日コースなら約1ヶ月、週1回コースなら約4ヶ月で取得可能。子どもを保育園に預けて通うか、土日に夫に預けて通学。費用5〜10万円(施設が負担してくれるケースも多い)
- 実務者研修(Phase 2〜3):介護福祉士の受験に必須。約450時間だが通信学習が中心なので、自宅で子どもが寝た後に進められる。スクーリングは7〜10日程度。費用8〜15万円
- 介護福祉士(Phase 3):3年の実務経験+実務者研修で受験可能。パート勤務でも実務経験にカウントされる(週3日以上・年540時間以上が目安)。合格率約70%。取得すれば月1〜2万円の資格手当で年収12〜24万円アップ
- ケアマネジャー(Phase 5):介護福祉士取得後5年で受験可能。デスクワーク中心で体力的に楽。合格率は約20%と難関だが、取得すれば年収アップ+デスクワーク中心の働き方が可能に
「子育てが落ち着いたら本気出す」が通用する業界
一般企業では「30代でブランクがあると再就職が難しい」という現実がありますが、介護業界は違います。
- 40代・50代からの転職も歓迎:介護職員の平均年齢は48.7歳。年齢を理由に不採用になることはほぼない
- ブランクに寛容:子育てで5年ブランクがあっても、介護福祉士の資格があれば即戦力として採用される
- 求人が常に豊富:有効求人倍率3〜4倍。「いつでも戻れる」安心感がある
- 経験が積み上がる:パートで週3日でも、実務経験年数にカウントされる
- 子育て経験がプラスに:「子育て経験者は利用者への接し方が丁寧」と評価されることが多い。特に認知症ケアでは忍耐力と共感力が求められるため、子育てで培ったスキルがそのまま活きる
焦る必要はありません。子育てしながら少しずつ経験と資格を積み上げていけば、子どもが手を離れた頃には年収400〜500万円の専門職として活躍できます。介護は「人生のどのタイミングでも始められて、長く続けられる仕事」です。
子育て中の介護職への転職活動のコツ
子育て中の転職活動は時間が限られます。効率的に「子育てに理解がある施設」を見つけるためのコツを紹介します。
求人の探し方
- 介護専門の求人サイトで「子育て応援」で絞り込む:きらケア、マイナビ介護、カイゴジョブ等の大手サイトでは「子育て応援」「託児所あり」「時短勤務可」等の条件で絞り込み検索が可能。まずは複数サイトに登録して求人を比較するのがおすすめ
- ハローワークの「マザーズコーナー」を利用する:子育て中の求職者専用の相談窓口。キッズスペースがあり、子連れで相談できる。担当者が子育て中の方に合った求人を紹介してくれる。介護職の求人も豊富
- 介護派遣会社に登録する:派遣なら「週3日・日勤のみ・デイサービス限定」など細かい条件で仕事を紹介してもらえる。時給も直接雇用より100〜300円高い場合が多い。まず派遣で働いて、良い施設なら直接雇用に切り替えるのも賢い方法
- 近所のデイサービスに直接問い合わせる:自宅から近い施設は通勤時間が短く子育てとの両立がしやすい。求人サイトに載っていない非公開求人もある。「パートの募集はありますか」と電話してみるだけでOK
- ママ友ネットワークを活用する:保育園や学校のママ友に「介護の仕事をしている人いない?」と聞いてみる。口コミで「子育てに理解がある施設」の情報が得られることも
履歴書・面接でのアピールポイント
子育て中であることを「弱み」ではなく「強み」としてアピールしましょう。
- 「子育てで培った忍耐力と共感力」:認知症ケアで求められるスキルと共通する。「子どもの気持ちに寄り添うように、利用者様の気持ちにも寄り添えると思います」
- 「体調管理の意識が高い」:子どもの健康管理をしている人は、自分や利用者の体調変化にも敏感
- 「時間管理能力」:限られた時間で家事・育児をこなすスキルは、効率的な業務遂行に活きる
- 「緊急時の対応力」:子どもの急な体調不良への対応経験は、利用者の急変時にも冷静に動ける力になる
- 「長く続ける意思がある」:「子どもの成長に合わせて、パートから正社員にステップアップしたい」と伝えれば、施設側は長期雇用を期待できる
面接での伝え方 — NGとOKの例
| NG(消極的) | OK(積極的) |
|---|---|
| 「子どもがいるので迷惑をかけるかもしれません」 | 「子どもは保育園に通っており、預かり時間は7:30〜18:30です」 |
| 「急に休むことがあるかもしれません」 | 「病児保育とファミサポに登録済みで、翌日には出勤できる体制です」 |
| 「介護は未経験ですが…」 | 「子育ての経験で培った忍耐力を介護の現場で活かしたいです」 |
具体的な数字と対策を示すことで、施設側の不安を払拭できます。「この人なら安心して採用できる」と思ってもらうことが大切です。
託児所付き施設という選択肢
大手介護法人の中には、事業所内託児所を設置している施設があります。子どもを同じ建物内に預けられるため、通勤時間の短縮と急な呼び出しへの対応が両立できます。保育料も月1〜3万円と認可保育園より安い場合が多いです。託児所付きの施設は求人サイトで「託児所あり」で検索するか、法人のWebサイトで確認しましょう。
よくある質問
Q. 小さい子どもがいても介護職に採用されますか?
A. はい。介護業界は人手不足のため、子育て中でも積極的に採用されます。面接では「保育園の預かり時間」「緊急時のサポート体制(祖父母、病児保育の登録済み等)」を伝えると、施設側も安心して採用しやすくなります。むしろ「子育て経験者は利用者への接し方が丁寧」と評価されることも多いです。
Q. 子育てしながら資格は取れますか?
A. 可能です。初任者研修は土日コースや週1回コースがあり、子どもが保育園・学校にいる間に通えます。通信学習+スクーリングのコースなら、自宅学習がメインで通学は数回のみ。施設の資格取得支援制度を使えば費用(5〜10万円)も無料になるケースがあります。
Q. 妊娠中でも介護の仕事は続けられますか?
A. 体調と業務内容によります。身体介護は避け、記録作成やレク企画など負担の少ない業務に変更してもらえる施設もあります。妊娠中は労働基準法で危険有害業務の就業制限があり、重量物の取扱いは制限されます。医師と相談しながら、無理のない範囲で判断しましょう。産前6週間・産後8週間の産休は法律で保障されています。
Q. 育休後に介護職に復帰できますか?
A. できます。介護業界はブランクに寛容で、育休明けでも歓迎されます。復帰時にはパート→正社員への段階的な復帰や、時短勤務制度の活用がおすすめです。復帰前に職場見学を申し出て、ブランク中に変わった点(新しい利用者、制度変更等)を確認しておくとスムーズです。
Q. シングルマザーでも介護職でやっていけますか?
A. はい、やっていけます。介護職はシングルマザーが多い業界です。正社員+夜勤なし+処遇改善加算Ⅰの施設なら年収350〜400万円。さらにひとり親家庭向けの支援制度(児童扶養手当、住宅手当、医療費助成)を活用すれば、十分に生活できます。介護福祉士を取得すれば年収アップも見込めます。
Q. 子どもの夏休み・冬休みはどうすれば?
A. 学童保育(放課後児童クラブ)は夏休み・冬休みも預けられます。また、デイサービスなら有給休暇を使って子どもの長期休みに合わせて休むことも可能。登録ヘルパーなら、長期休み中は訪問件数を減らす柔軟な対応ができます。
Q. 介護職の求人で「子育て応援」と書いてある施設は本当に両立しやすいですか?
A. 求人に「子育て応援」と書いてあっても、実態は施設によります。面接で「子育て中のスタッフは何名いますか」「急な欠勤時のフォロー体制は」と具体的に聞いて確かめましょう。子育て中のスタッフが複数いる施設は、制度が実際に運用されている証拠です。口コミサイトでの評判も参考にしましょう。
参考文献・出典
- [1]
- [2]
- [3]
子育て中でも無理なく始められる介護の働き方を、働き方診断で見つけましょう。デイサービスや訪問介護など、あなたのライフスタイルに合った施設形態が見つかります。子どもの年齢や希望の勤務時間から最適なプランを提案。3分で完了する簡単な診断です。
まとめ
介護職と子育ての両立について、この記事のポイントをまとめます。
- 介護職は子育てと両立しやすい。施設形態の選択肢が豊富で、求人も常に豊富。ブランク復帰も歓迎される業界
- デイサービスと訪問介護が子育てママに最もおすすめ。夜勤なし・短時間・柔軟に働ける
- 子どもの年齢に合わせて働き方を段階的に変える。0〜2歳は登録ヘルパー、保育園児はパート、小学生から正社員へステップアップ
- 2025年の法改正で子の看護休暇が小学校3年生まで拡大。1時間単位で取得可能に。残業免除も小学校就学前まで拡大
- 扶養内パートなら週3〜4日×5時間で月7〜10万円。壁を超えるなら年収160万円以上を目指す
- 急な発熱への備えは3重バックアップ:病児保育(複数登録)+ファミサポ+祖父母・夫婦交代制
- 転職活動では「子育ての強みをアピール」「対策済みであることを具体的に伝える」のがコツ
- 長期キャリアプラン:子育て→パート→正社員→介護福祉士→ケアマネと、年収400〜500万円の専門職を目指せる
「子どもが小さいから働けない」ではなく、「子どもが小さい今だからこそ、介護パートから始める」という選択肢があります。介護は子育てが一段落した後もキャリアアップし続けられる、息の長い仕事です。パートで週3日から始めて、子どもの成長に合わせて少しずつ経験と資格を積み上げていけば、確実にキャリアにつながります。あなたの一歩を応援しています。
まずは働き方診断で、あなたに合った介護の働き方を見つけてみてください。
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