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介護記録の書き方完全ガイド|新人でもスラスラ書ける5つのポイントと例文

介護記録の書き方完全ガイド|新人でもスラスラ書ける5つのポイントと例文

介護記録の書き方を新人向けに徹底解説。5W1Hの基本、客観と主観の書き分け、場面別の例文集(食事・入浴・排泄・レク)、タブレット記録のコツ、記録を速く書く裏技まで網羅。

ポイント

この記事のポイント

介護記録の基本は「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」で客観的事実を書くこと。「元気がなかった」ではなく「食事量が普段の半分(主食3/10)で、『お腹が張る』との訴えあり」のように、観察した具体的な事実を数字で記録します。客観的事実と主観の区別、変化→対応→結果のセット記録が基本です。すきま時間にメモを取り、退勤前にまとめる習慣をつければ残業も減らせます。タブレット・音声入力の活用で、記録時間は手書きの半分以下に短縮可能です。

「介護記録って何を書けばいいの?」「先輩に『もっと具体的に書いて』と言われたけど、具体的ってどういうこと?」「記録に時間がかかりすぎて毎日のように残業になってしまう」「文章を書くのが苦手で毎日つらい…」——介護の仕事を始めて最初にぶつかる壁の一つが記録の書き方です。介護労働安定センターの調査でも、新人が最も困る業務の上位に「記録の書き方」が挙がっています。実は、ベテランでも記録の書き方に自信がない人は少なくありません。

介護記録は、利用者のケアの質を守るための命綱です。記録がなければ、次のシフトのスタッフは利用者の状態変化に気づけません。「昨日と比べて食事量が減っている」「最近、夜中のトイレの回数が増えている」——こうした変化に気づけるのは、正確な記録があるからこそです。また、事故やトラブルが起きた時、記録は法的な証拠にもなります。ご家族への説明、行政の監査、万が一の訴訟——すべて記録が基礎資料になります。

しかし「上手に書かなきゃ」と構える必要はまったくありません。介護記録は文学作品ではなく、事実を正確に伝える「申し送りメモ」のようなもの。「起きたことを正確に書く」——たったこれだけです。この記事で紹介する5つのポイントと場面別の例文集を使えば、新人でもスラスラ書けるようになります。よく使う用語・略語一覧(正常値付き)、記録を速く書く5つの裏技、タブレット・AI活用の最前線、やってはいけないNG例と改善策まで網羅しています。

介護記録の書き方 — 5つの基本ポイント

介護記録の書き方のイラスト

介護記録の質を劇的に上げる5つの基本ポイントを解説します。この5つさえ押さえれば、「先輩に直される記録」から「お手本にされる記録」に変わります。

ポイント1:5W1Hで書く

介護記録の基本フレームワークは5W1Hです。すべての要素を毎回書く必要はありませんが、「いつ」「誰が」「何を」は必ず含めましょう。

要素質問記録例
Whenいつ12:15
Whereどこで食堂にて
Who誰が田中様
What何を昼食を全量摂取
Whyなぜ(推測含む)午前中の体操後で食欲があった様子
Howどのように自力で箸を使い、声かけなしで完食

迷ったら「いつ・誰が・何をした」の3点だけでもOK。慣れてきたら「なぜ」「どのように」を加えていきましょう。5W1Hが身につくと、記録だけでなく申し送りや報告書の質も上がります。

ポイント2:「客観的事実」と「主観的判断」を分ける

記録で最も重要なのは客観的事実を先に書くこと。主観(自分の感想・推測)は事実の後に「〜と思われる」「〜の可能性がある」と明記します。これは法的にも非常に重要で、客観的事実に基づかない記録は証拠としての価値が低くなります。

場面NG例(主観的)OK例(客観的+主観)
食事「あまり食べなかった」「主食3/10、副食5/10摂取。『お腹が張る』との訴えあり。食欲低下の可能性」
入浴「機嫌が悪そうだった」「入浴を促すと『今日はいい』と2回拒否。表情は硬く、体調不良の可能性。看護師に報告」
排泄「普通の排便あり」「10:30 排便あり。軟便、中量。色は茶褐色、臭いに異常なし」
睡眠「よく眠れていた」「23:00就寝。2:00巡回時に就寝中、呼吸安定。6:00起床。中途覚醒なし」
行動「落ち着きがなかった」「14:00〜15:00に3回立ち上がり、廊下を歩く。声かけに対し『家に帰りたい』との発言」

ポイント3:数字と具体的な表現を使う

あいまいな表現は情報が伝わりません。数字で表現する習慣をつけましょう。

NG(あいまい)OK(具体的)
「少し食べた」「主食3/10摂取」
「水分を取った」「お茶200ml摂取」
「熱があった」「体温37.8℃」
「朝のうちに」「8:30」
「何度もコールあり」「21:00〜23:00にコール5回」
「少し歩いた」「歩行器使用にて廊下を約20m歩行」

ポイント4:変化と対応をセットで書く

「いつもと違う」ことに気づいたら、①何が変化したか②どう対応したか③その結果どうなったかの3点セットで記録します。この3点セットは申し送りの際にもそのまま使えます。

例:

14:00 レク中、田中様が急に立ち上がり、ふらつきが見られた(①変化)。すぐに椅子に座っていただき、バイタル測定を実施。BP140/85、体温36.5℃(②対応)。15分後に落ち着き、レクに復帰。その後、異常なし(③結果)。看護師に報告済み。

ポイント5:読み手を意識して書く

記録を読むのは次のシフトのスタッフ、看護師、ケアマネ、医師、そして場合によっては監査の行政職員やご家族です。「自分がいない時に、他の人がこの記録だけで適切なケアを続けられるか」を基準に書きましょう。

  • 初めてその利用者を担当するスタッフが読んでも理解できるか
  • 医師や看護師がこの記録から適切な判断ができるか
  • 事故が起きた時、この記録が法的な証拠として耐えうるか
  • ご家族が読んだ時に「しっかりケアしてもらっている」と安心できるか

場面別の介護記録 例文集

場面別の介護記録例文のイラスト

「具体的にどう書けばいいの?」がわかる場面別の例文集です。そのままコピーして、利用者名や数字をアレンジするだけですぐに使えます。

食事の記録

通常パターン:

12:00 昼食。主食8/10、副食7/10、汁物全量摂取。水分(お茶)150ml。自力摂取、声かけなし。むせ込みなし。食後の口腔ケア実施。

食欲不振パターン:

12:00 昼食。主食2/10、副食3/10で中止。「食欲がない」「お腹が張る」との訴えあり。体温36.4℃、BP120/72。看護師に報告し、経過観察の指示を受ける。15:00のおやつ時に再度食事を促す予定。水分(お茶)100mlのみ摂取。

介助が必要なパターン:

12:00 昼食。一部介助にて摂取(副食の刻みを口元まで運ぶ介助)。主食5/10、副食6/10摂取。途中でむせ込みが1回あり、一旦中断。姿勢を調整し水分で口を潤してから再開。食後の口腔ケアは全介助にて実施。

水分拒否パターン:

15:00 おやつの時間。ゼリー1個摂取。お茶を提供するも「いらない」と拒否。「のどが渇いていないから」との訴え。1日の水分摂取量が500mlと少ないため、16:00に再度声かけ予定。看護師に報告済み。脱水予防のため経過観察。

入浴の記録

通常パターン:

10:30 一般浴にて入浴。洗身は一部介助(背部・下肢)、洗髪は自力。入浴時間約15分。浴後バイタル:BP128/78、体温36.2℃。皮膚の異常なし。着衣後、「気持ちよかった」との発言あり。

皮膚異常を発見したパターン:

10:30 一般浴にて入浴。洗身・洗髪は一部介助。背部に発赤あり(右肩甲骨下、直径約2cm、圧迫による褥瘡の初期段階の可能性)。写真撮影し、看護師に報告。医師への報告指示を受ける。体位変換の頻度を2時間ごとに変更。

入浴拒否パターン:

10:00 入浴を促すと「今日はいい」「寒いから嫌」と2回拒否。無理強いせず、10:30に再度声かけ。「お湯を温かくしておきましたよ」と伝えると「じゃあ入る」と了承。入浴実施。入浴拒否があった場合は時間を空けて声かけする方法が有効。

排泄の記録

通常パターン:

14:30 トイレ誘導にて排尿あり。尿量中等量、色は淡黄色。自力で立ち上がり可、ズボンの上げ下ろしは一部介助。パッドの汚れなし。次回の声かけは16:30の予定。

排便パターン:

10:30 トイレ誘導にて排便あり。軟便、中量(ブリストルスケール5)。色は茶褐色、血液の混入なし。3日ぶりの排便。腹部の張りの訴えは消失。水分摂取を促す。

失禁パターン:

8:00 起床時、パッドに尿失禁あり。尿量多量。本人は気づいておらず、声かけにて着替え実施。おむつ交換+陰部洗浄。皮膚の発赤なし。前日22:00以降のトイレ誘導ができていなかったため、夜間の誘導タイミングを検討する。

レクリエーションの記録

14:00〜15:00 集団レク(風船バレー)に参加。笑顔で楽しまれ、他の利用者との会話も活発。途中で「疲れた」との訴えがあり、14:40に自席で見学に切り替え。水分補給(麦茶100ml)を実施。15:00終了後、「楽しかった、また参加したい」との発言あり。意欲的な参加態度が見られた。

夜勤の記録

2:00 巡回。田中様の居室を確認。就寝中、呼吸安定(1分間に16回)。体位:右側臥位→左側臥位に体位変換実施。おむつ確認:排尿少量あり、おむつ交換実施。皮膚の発赤なし。コールなし。室温24℃、湿度50%。

3:30 田中様よりコールあり。「トイレに行きたい」との訴え。車椅子にてトイレ誘導。排尿あり(中等量)。自室に戻り再就寝。

ヒヤリハット・事故の記録

15:20 田中様がベッドサイドで立ち上がった際にバランスを崩し、床に臀部から着地(転倒)。【発見時の状態】意識清明、「大丈夫」との発言あり。痛みの訴えなし。【バイタル】BP132/80、体温36.3℃、SpO2 98%。【外傷の確認】右臀部に発赤(直径約3cm)あり。その他外傷なし。【対応】看護師に報告し、医師への報告指示を受ける。頭部打撲の可能性を考慮し、24時間の経過観察指示。【再発防止策】ベッドセンサーの感度を「高」に調整。ナースコールを手の届く位置に配置。【家族への報告】16:00にご長男に電話で報告済み。「承知しました」との返答。

認知症の方の記録

16:00 田中様、廊下を歩き始める。「家に帰りたい」「子どもが待っている」との発言あり(帰宅願望)。「今日は遅いのでお茶を飲んでからにしましょう」と声かけし、食堂に誘導。お茶(100ml)を提供。10分後に落ち着き、テレビを見始める。夕方の帰宅願望は毎日見られるため、声かけのパターンを記録として残す。

介護記録でよく使う用語・略語一覧

介護記録で頻出する専門用語と略語をまとめました。新人の方はこの一覧をスマホにブックマークしておくと、記録がスムーズに書けます。先輩の記録で見慣れない略語が出てきた時にも参照してください。

バイタルサイン関連

用語・略語意味正常値の目安記録例
BP血圧(Blood Pressure)収縮期120〜139 / 拡張期80〜89mmHgBP130/80
BT体温(Body Temperature)36.0〜37.0℃BT36.5℃
P脈拍(Pulse)60〜100回/分P72回/分、整
SpO2経皮的酸素飽和度96〜100%SpO2 98%(RA)
R呼吸数(Respiration)12〜20回/分R18回/分

バイタルサインの正常値を知っておくと、「異常かどうか」の判断がしやすくなります。正常範囲を外れた場合は看護師への報告が必要です。高齢者は個人差が大きいため、その利用者の「普段の値」と比較することが重要。

食事・水分関連

用語意味記録例
全量摂取出された食事を全部食べた「昼食 主食・副食 全量摂取」
主食○/10ご飯の摂取割合(10分の○)「主食7/10摂取」=7割食べた
むせ込み食事中の誤嚥によるむせ「むせ込み1回あり。水分で口を潤し再開」
嚥下(えんげ)飲み込むこと「嚥下状態良好」「嚥下に時間を要する」
トロミとろみ剤を加えた飲み物「トロミ付きのお茶200ml摂取」
食事形態常食・一口大・刻み食・ペースト食等「刻み食にて昼食提供」
経管栄養チューブで栄養を注入する方法「経管栄養 エンシュア250ml 注入開始12:00、終了12:45」

排泄関連

用語意味記録例
排尿・排便おしっこ・うんち「排尿あり。尿量中等量、色は淡黄色」
失禁意思に反して排泄が出ること「尿失禁あり。パッド交換+陰部洗浄実施」
軟便・普通便・硬便便の性状「排便あり。軟便、中量、血液混入なし」
ブリストルスケール便の形状の7段階分類(1=硬い〜7=水様)「ブリストル4(正常便)」
残尿感排尿後も尿が残っている感覚「排尿後、残尿感の訴えあり。泌尿器科受診を検討」

介助レベル

用語意味記録例
自力(自立)介助なしで自分でできる「自力で食事摂取。箸を使用」
見守りそばで見守る。手は出さない「見守りにて歩行。歩行器使用、ふらつきなし」
一部介助一部分だけ手伝う「一部介助にて入浴(背部・下肢洗身を介助)」
全介助すべて介助する「全介助にて着衣。声かけに対し右手で協力動作あり」

状態・症状関連

用語意味記録例
発赤(ほっせき)皮膚が赤くなっている状態「仙骨部に発赤あり(直径約3cm、圧迫解除後も30分残存)」
褥瘡(じょくそう)床ずれ。長時間の圧迫で皮膚が壊死「左踵部に褥瘡あり。ステージⅡ。処置実施」
浮腫(ふしゅ)むくみ「両下肢に浮腫あり。圧痕(+)残存時間10秒」
BPSD認知症の行動・心理症状「BPSDによる帰宅願望あり。15:00〜16:00に3回」
意識清明意識がはっきりしている状態「転倒後、意識清明。見当識問題なし。名前・日時を答えられる」
傾眠(けいみん)うとうとしている状態「レク中、傾眠傾向あり。声かけで覚醒するが持続せず」
せん妄急性の意識障害。興奮・幻覚を伴う「夜間せん妄あり。『誰かいる』との発言。不安な表情」

記録を速く書く5つの裏技

「記録に時間がかかりすぎて残業になる」——そんな悩みを解決する5つの裏技を紹介します。これを実践するだけで、記録時間が1/2〜1/3に短縮できます。

1. すきま時間にメモを取る(最重要テクニック)

利用者が入浴中、レク参加中、昼食後の休憩時間など、すきま時間に要点だけメモしておく。退勤前にまとめて書くより、こまめにメモする方が正確で速い。「記憶を呼び起こす時間」がゼロになるのが最大のメリットです。

  • ポケットサイズのメモ帳を常に携帯。ウエストポーチにペンと一緒に入れておく
  • キーワードだけでOK:「田中様 昼食5/10 腹張り訴え NS報告済」
  • タブレット記録の施設なら、その場で入力するのがベスト。「ケアしたらすぐ記録」が最も効率的
  • メモは清書後に破棄。個人情報が含まれるため、ポケットに入れたまま帰宅しない

2. よく使うフレーズを暗記する

介護記録には「定型フレーズ」があります。暗記しておくと記録スピードが格段に上がります。最初の1ヶ月で以下のフレーズを覚えましょう。

場面定型フレーズ
訴え「〜の訴えあり」「〜との発言あり」「〜と話される」
介助「自力で〜」「見守りにて〜」「一部介助にて〜」「全介助にて〜」
声かけ「〜を促すと〜された」「声かけに対し〜」「〜と伝えると〜」
報告「看護師に報告済み」「経過観察中」「医師の指示を仰ぐ」「家族に報告済み」
状態「バイタル安定」「特変なし」「異常なし」「前回と変わりなし」
変化「普段と比較して〜」「いつもより〜」「〜の傾向が見られる」

3. タブレット入力のコツ

  • 音声入力を活用:両手がふさがっている時でも記録可能。精度は90%以上で、修正する手間を含めても手入力より速い。「句読点」「改行」も音声で指示可能
  • テンプレート機能:施設のシステムに定型文が登録されていることが多い。「食事」「入浴」「排泄」の基本テンプレートを使い回す
  • 前回の記録をコピー&修正:状態に大きな変化がない場合は、前回の記録をベースに変更点だけ修正。ゼロから書くより格段に速い
  • 写真を活用:皮膚の状態(褥瘡・発赤等)は文字で描写するより写真の方が正確で速い。タブレットなら撮影→記録への添付がワンタッチ
  • ショートカットキー・辞書登録:「ばい」→「バイタル安定、特変なし」のように、よく使うフレーズを辞書登録しておくと入力が劇的に速くなる

4. 「変化なし」も記録する

「特に変わりなし」は意味のある記録です。「バイタル安定、食事全量摂取、排泄正常、睡眠良好」と書くだけで、「この日は問題なかった」という情報が次のスタッフに伝わります。空白よりも「特変なし」の方がはるかに価値がある。記録がない=「ケアしなかった」と見なされるリスクを避けましょう。

5. 記録と申し送りを連動させる

記録に書いた「変化」がそのまま申し送りの内容になります。記録→申し送りの流れを意識すると、二度手間が減り、申し送りの時間も短縮。記録を書きながら「これは申し送りで伝えるべき内容か」を判断する習慣をつけましょう。「申し送りノートに書いて、記録にも書く」という二重作業がなくなります。

記録1件あたりの目標時間

記録の種類新人の目安慣れた後の目安
食事の記録3〜5分1〜2分
入浴の記録5〜8分2〜3分
排泄の記録2〜3分30秒〜1分
バイタルの記録2分30秒
事故・ヒヤリハットの記録15〜20分5〜10分

新人のうちは1件5分かかっても問題ありません。3ヶ月で半分の時間に、半年で1/3に短縮できます。焦らず「正確さ」を優先して、スピードは後からついてきます。

ICT化で変わる介護記録 — タブレット・AI活用の最前線

介護記録のICT化が急速に進んでいます。2026年の臨時改定でも「生産性向上推進体制加算」が強化され、ICT導入を進める施設が増加中です。厚生労働省も「介護現場のICT化」を強く推進しており、タブレット記録は今後のスタンダードになると見込まれています。タブレット記録とAI活用の最新事情を知っておくことは、転職活動でも役立ちます。

タブレット記録のメリット

メリット具体的な効果
記録時間の短縮テンプレート・音声入力・コピー機能で、手書きの半分以下の時間。1日30〜60分の時短効果
リアルタイム共有記録した瞬間に看護師・ケアマネも閲覧可能。「電話で伝える」→「記録を見てもらう」に変化
検索性「過去3ヶ月の排便記録」「血圧の推移グラフ」を一瞬で検索・可視化。ケアプラン評価にも活用
写真添付褥瘡の経過写真、食事量の写真など、文字では伝えにくい情報を正確に記録。経過比較も容易
保管・バックアップ紙の劣化・紛失リスクがゼロ。クラウド保存で災害時もデータが守られる
残業削減手書き記録の施設と比べて、月の残業時間が5〜10時間減ったという調査結果も

AI活用の最新動向

  • 音声入力AI:介護用語に特化した音声認識で、話すだけで記録が完成。「田中様、昼食、主食8割摂取、むせなし」と話すだけで定型フォーマットに自動変換。認識精度は95%以上に向上
  • 見守りセンサー連携:ベッドセンサーやカメラが利用者の状態を自動検知し、「2:00 体動なし、呼吸安定」と自動記録。夜勤の記録負担が大幅に軽減。巡回と記録を同時に効率化
  • 記録の自動サマリー:1日の記録をAIが自動で要約し、申し送り用のサマリーを作成。「今日の田中様のポイント:食事量低下、排便3日なし、帰宅願望2回」と要点を抽出
  • 異常値の自動アラート:バイタルの異常値やトレンドの変化をAIが検知し、看護師に自動通知。「血圧が3日連続で上昇傾向」等の早期発見に貢献
  • ケアプランAIとの連携:記録データをAIが分析し、ケアプランの見直し提案を自動生成。記録→分析→ケアプラン改善がシームレスに

ICT化が進んだ施設で働くメリット

転職先を選ぶ際、ICT化の進み具合は重要なチェックポイントです。

  • 記録業務の時間が1日30〜60分短縮→残業が減り、プライベートの時間が増える
  • 記録の質が標準化され、新人でも書きやすい環境。テンプレートがあるため「何を書けばいいかわからない」が解消される
  • 情報共有がスムーズで、チームケアの質が高い。ミスコミュニケーションが減る
  • 「生産性向上推進体制加算」を取得している施設は処遇改善にもプラスの影響
  • ICTスキルが身につくため、転職市場での自分の価値が上がる。「タブレット記録の経験あり」は履歴書にも書ける

面接で「記録はタブレットですか?紙ですか?」と聞くだけで、施設のICTへの投資姿勢がわかります。紙のみの施設は、業務効率化への意識が低い可能性があるため、転職時の判断材料にしましょう。

介護記録でやってはいけない9つのNG例

介護記録で絶対にやってはいけないNG行為をまとめました。知らずにやってしまうと、法的な問題になることもあります。新人のうちに正しい習慣を身につけましょう。「やってはいけないこと」を知ることが、良い記録への近道です。

NG行為理由改善方法
後からまとめて書く時間が経つと記憶が曖昧に。事実と記憶違いが混在するリスク。「12:00のことを18:00に思い出して書く」のは正確性に欠けるすきま時間にメモ→退勤前に清書。「記録の時間」をシフトに組み込む
修正液・修正テープの使用改ざんを疑われる。監査や裁判で「証拠としての信頼性」が否定されるリスク二重線を引き、訂正日・訂正者名を記入。電子記録なら修正履歴が自動保存される
主観だけの記録「元気だった」「調子が悪そう」では具体的な情報が伝わらない。次のスタッフが判断できない客観的事実を先に書く。主観は「〜と思われる」「〜の可能性がある」で明記
利用者の悪口・批判的表現「わがまま」「面倒」「言うことを聞かない」は記録にふさわしくない。ご家族が閲覧する可能性あり「〜の訴えが複数回あった」「〜を拒否された」と事実のみ記述
空白・未記入の放置記録がないと「何もケアしなかった」「観察しなかった」と見なされる。法的にも不利になる変化がなくても「バイタル安定、食事全量、排泄正常、特変なし」と記録
略語の乱用施設内でしか通じない略語は、外部の人(行政・医療職・ご家族)に伝わらない正式名称で記入。施設で統一された略語リストがあれば活用可
鉛筆・消えるペンで書く消せる筆記用具は改ざんの可能性。法的に証拠として無効とされるリスク黒のボールペンで記入。修正は二重線+訂正印
他の利用者の情報を書く「隣の○○さんと一緒に」など、別の利用者の名前を記録に入れると個人情報保護の問題他の利用者は「隣席の方」「同テーブルの方」と表現
記録の書き写し・丸写し他のスタッフの記録をそのままコピーすると、実際に観察していないのに記録したことになる必ず自分の目で観察した事実を書く。参考にするのはOKだが丸写しはNG

記録の保管期間

介護記録の保管期間は最低2年間(介護保険法上の義務)。ただし、自治体の条例で5年間の保管を求めるケースも多いです。事故記録は長期の訴訟に備えて、10年以上保管する施設もあります。電子記録なら保管スペースの問題がなく、検索も容易。紙の記録は劣化・紛失リスクがあるため、スキャンしてデジタル化する施設も増えています。

よくある質問

Q. 介護記録はどのくらいの頻度で書くべきですか?

A. 基本は「ケアを行うたびに」記録します。食事・入浴・排泄・レク・バイタル測定など、各場面で簡潔に記録。1日あたりの記録回数は利用者1人あたり5〜10件が目安。まとめて書くのではなく、こまめにメモ→退勤前に清書する習慣をつけましょう。夜勤では巡回ごとに記録します。

Q. 記録を書くのに時間がかかりすぎます。どうすれば?

A. 定型フレーズの暗記、すきま時間のメモ、タブレットの音声入力やテンプレート機能を活用しましょう。慣れれば1件1〜2分で書けるようになります。最初の1ヶ月は時間がかかっても、2ヶ月目からは格段に速くなるので焦らずに。先輩の記録を読んで「こういう書き方をするんだ」と参考にするのも効果的です。「上手に書こう」と構えずに、「事実をメモする」感覚で書き始めてみてください。完璧を目指さなくて大丈夫です。

Q. 利用者が暴言を言った場合、そのまま書いていいですか?

A. 事実としてそのまま記録して構いません。ただし「暴言を吐いた」ではなく「『○○(具体的な発言内容)』という発言があった」と客観的に記述。感情的な表現(「ひどいことを言われた」等)は避けましょう。認知症のBPSDによる発言の場合はその旨も記録(例:「認知症による見当識障害が背景にあると思われる」)。発言の背景を考察して書くと、記録の質がぐっと上がります。

Q. 手書きとタブレット、どちらがいいですか?

A. 2026年現在、ICT化の流れでタブレット記録が主流になりつつあります。検索性、データ連携(看護師・ケアマネとの情報共有)、時間短縮、保管の容易さの点でタブレットが圧倒的に優位。転職先がタブレット記録の施設なら、記録業務の負担は大幅に減ります。手書きの施設はICT導入が遅れている可能性があるため、転職時のチェックポイントにもなります。

Q. ケアプランとの関連はありますか?

A. 大いにあります。介護記録はケアプランの目標に対する「実施記録」です。ケアプランに「自力で食事ができる」という目標があれば、記録には「自力で箸を使い、主食8/10摂取」と具体的に書きます。記録がケアプランの評価材料になるため、「ケアプランの目標に対してどうだったか」を意識して書くと記録の質が格段に上がります。モニタリング時にケアマネが参照する重要な資料です。

Q. 記録の開示を求められることはありますか?

A. はい。利用者本人やご家族から記録の開示を求められた場合、事業所は原則として応じる義務があります。また、事故やトラブルが起きた場合、行政の監査や裁判でも記録が証拠として提出されます。「誰に見られても問題ない記録」を書く意識が大切です。特に事故記録は、後から修正すると「改ざん」を疑われるため、事実をその場で正確に記録することが極めて重要です。

Q. 記録の書き方を学ぶおすすめの方法は?

A. 最も効果的なのは「先輩の記録を読む」ことです。同じ利用者の記録を時系列で読んでいくと、「何を」「どのように」書いているかのパターンが見えてきます。また、施設内の研修で記録の書き方をテーマにすることも多いので、積極的に参加しましょう。この記事の例文集をスマホにブックマークして、現場で迷った時にすぐ参照するのもおすすめです。

Q. 記録を書く時間が確保できません

A. これは多くの介護職員が抱える悩みです。対策としては①すきま時間のメモ習慣(キーワードだけでOK)②タブレットなら「その場入力」③記録の時間をシフトに組み込むよう上司に相談④定型フレーズの暗記で入力スピードアップ。「記録の時間が取れない」のは個人の問題ではなく、施設の人員配置やICT投資の問題であることが多いです。上司に改善を提案してみましょう。

参考文献・出典

  • [1]
    介護記録の書き方について- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム

    介護記録の基本的な考え方と記録の保管義務

  • [2]
    介護現場におけるICTの利活用について- 厚生労働省

    タブレット記録・音声入力等の導入事例

  • [3]
    介護事故報告書の書き方- WAM NET(福祉医療機構)

    事故報告書・ヒヤリハット報告の記載例

記録業務の負担を減らしたいなら、ICT導入が進んだ施設への転職も有力な選択肢です。タブレット記録の施設なら記録時間が1日30〜60分短縮され、残業が大幅に減ります。テンプレートや音声入力で新人でも書きやすい環境が整っています。働き方診断で、ICT環境が整った施設を見つけてみましょう。あなたの記録スキルを最大限に活かせる職場がきっと見つかります。無料で3分で完了する簡単な診断です。ぜひお試しください。

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まとめ

介護記録の書き方は、以下の5つのポイントを押さえれば誰でもマスターできます。

  1. 5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)で書く——迷ったら「いつ・誰が・何をした」の3点だけでもOK
  2. 客観的事実を先に、主観は「〜と思われる」で分ける——「元気そうだった」ではなく「食事全量摂取、笑顔での会話あり」
  3. 数字と具体的な表現を使う——「少し」→「主食3/10」、「熱があった」→「37.8℃」、「何回も」→「3回」
  4. 変化と対応と結果をセットで書く——①何が変わった②どう対応した③結果どうなった
  5. 読み手(次のシフト・看護師・ケアマネ・ご家族)を意識して書く——「自分がいない時にこの記録だけで大丈夫か」が基準

最初は時間がかかっても、定型フレーズを覚え、すきま時間のメモ習慣をつければ、1ヶ月で格段に速くなります。この記事の例文集と用語一覧をスマホにブックマークしておけば、現場で困った時にすぐ参照できます。

記録は「面倒な事務作業」ではなく、利用者の安全を守り、チームケアの質を高める大切なスキルです。「記録が上手い人」は「観察力がある人」として評価され、リーダーや主任への昇進にもつながります。介護の仕事は「直接介護」だけでなく「記録」も含めてプロフェッショナル。記録力を磨くことは、介護職としての総合力を高めることに直結します。

ICT化が進む2026年現在、タブレット記録のスキルは転職市場でも評価されるポイントです。記録業務の負担を減らしたいなら、ICT導入が進んだ施設への転職も有力な選択肢です。働き方診断で、あなたに合った職場を見つけてみてください。今日から5つのポイントを意識して、1件ずつ実践してみましょう。

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公開日: 2026年3月20日最終更新: 2026年3月21日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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