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外国人介護職員と一緒に働く|コミュニケーション術と知っておくべき制度

外国人介護職員と一緒に働く|コミュニケーション術と知っておくべき制度

外国人介護職員との働き方を解説。4つの在留資格(EPA・技能実習・特定技能・在留資格介護)の違い、やさしい日本語の使い方、文化の違いへの対応、パート合格制度の活用法まで。

ポイント

この記事のポイント

外国人介護職員は4つの在留資格(EPA・技能実習・特定技能・在留資格「介護」)で受け入れられており、2026年現在その数は急増中です。コミュニケーションの基本は「やさしい日本語」(短い文、漢語をやまと言葉に、ゆっくり話す)。2026年のパート合格制度は外国人の介護福祉士取得を後押しする制度でもあります。

介護現場で外国人スタッフと一緒に働く機会が急速に増えています。フィリピン、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、ネパールなどから来日した介護職員は約5.5万人(2024年時点)に達し、人手不足の介護業界にとって欠かせない存在になっています。外国人介護人材を「受け入れている」施設は約42%にのぼり、前回調査から12ポイント増加しました。

しかし「言葉が通じるか不安」「文化の違いでトラブルにならないか」「どう教えればいいか分からない」と心配する日本人スタッフも多いでしょう。厚生労働省の調査では、外国人介護職員のサービスの質に「満足」と回答した利用者・家族は65.1%。多くの利用者が高く評価しており、「丁寧な声かけ」「いつも笑顔」が好評です。

この記事では、外国人介護職員とスムーズに連携するための「やさしい日本語」コミュニケーション術、知っておくべき4つの在留資格の違い、国別の文化・宗教への配慮、教育担当になった時のコツ、介護記録の指導方法、利用者・ご家族への説明方法、2025〜2026年の制度変更、そして外国人がいる職場のメリットまで網羅的に解説します。

外国人介護職員の受け入れ状況 — 最新データ

まず、外国人介護職員がどのくらい増えているのか、最新のデータで確認しましょう。

在留資格別の外国人介護人材数(2024年時点)

在留資格人数割合前年比
特定技能約28,400人51.6%(最多)大幅増
技能実習約14,751人26.8%微増
在留資格「介護」約9,328人16.9%増加
EPA介護福祉士・候補者約3,186人(うち資格取得者587人)5.8%横ばい

合計約5.5万人。特定技能が半数以上を占め、最も急速に増加しています。2019年の特定技能制度開始からわずか5年で約2.8万人まで増え、介護分野は全産業の中でも受入数が最多の分野です。外国人介護人材を「受け入れている」施設は約42%で、前回調査(約30%)から12ポイント増加しました。

主な出身国

順位国名特徴
1位ベトナム特定技能・技能実習で最多。勤勉で真面目な国民性。仏教徒が多く日本文化に馴染みやすい
2位フィリピンEPA候補者が多い。英語が堪能。明るくフレンドリーで利用者に好かれやすい
3位インドネシアEPA候補者が多い。イスラム教徒が多い(食事・礼拝の配慮が必要)。温厚で穏やか
4位ミャンマー近年急増。仏教徒が多く日本文化に馴染みやすい。穏やかで礼儀正しい国民性
5位ネパール特定技能で増加中。ヒンドゥー教徒が多い。勤勉で体力がある

なぜ外国人介護職員が必要なのか

2040年には介護職員が約57万人不足すると予測されています。日本人だけではこの不足を補えないため、外国人介護人材の受け入れは国策として推進されています。2025年4月からは技能実習生・特定技能外国人も訪問介護サービスに従事可能になり、活躍の場はさらに広がっています。今後、外国人と一緒に働くことは「特別なこと」ではなく、介護現場の日常になっていきます。

外国人介護職員の4つの在留資格

外国人介護職員の4つの在留資格のイラスト

介護の仕事で自然と身につくスキルの多くは、他業種でも高く評価されるポータブルスキルです。「介護しかしたことないから他の仕事はできない」は大きな誤解です。

1. コミュニケーション力・傾聴力

利用者・ご家族・多職種との日常的なコミュニケーション経験は、営業・接客・カスタマーサポートなどあらゆる対人職種で通用します。特に高齢者の話を傾聴するスキルは、顧客のニーズを引き出す力として営業職で重宝されます。

2. 観察力・気づく力

利用者の表情・食事量・歩き方の小さな変化に気づくスキルは、看護助手・保育・カウンセラーなどで直接活きます。「いつもと違う」に気づける力は、どんな職場でも「仕事ができる人」の条件です。

3. 忍耐力・ストレス耐性

認知症の方への対応、クレーム対応、夜勤のストレス——介護職の精神的な強さは、営業・コールセンター・製造業などプレッシャーのある環境で大きな武器になります。

4. チームワーク・協調性

介護は多職種連携のチームケア。看護師・ケアマネ・リハビリ職と連携してきた経験は、どの業種でも求められる「チームで働く力」の証明になります。

5. マネジメント力・指導力

ユニットリーダー・フロアリーダー・新人指導の経験がある方は、管理職候補として即採用されるケースも。「5名のチームを統率した」「新人3名のOJTを担当した」はどの業界でも通用する実績です。

6. 体力・夜勤経験

移乗介助や入浴介助で鍛えた体力は、製造業・物流・警備・建設業などで歓迎されます。夜勤経験があれば、工場の交代勤務にも適応しやすいです。

介護経験を活かせる他業種の職種10選

やさしい日本語でのコミュニケーションのイラスト

介護のスキルを活かせる職種を福祉系と一般業種に分けて紹介します。年収目安と必要な資格もチェックしましょう。

【福祉・医療系】介護経験が直接活きる職種

職種年収目安必要資格介護経験の活かし方
1. 看護助手280〜350万円なし(無資格OK)身体介護スキルがそのまま活きる。介護経験者は即戦力として歓迎
2. 生活相談員330〜400万円社会福祉士等(自治体による)利用者・家族対応の経験が直結。夜勤なし・身体介護なしで体力的に楽
3. ケアマネジャー370〜450万円介護支援専門員現場経験があるケアマネは利用者目線のプランが書ける。月収3〜5万円アップ
4. 福祉用具専門相談員350〜450万円福祉用具専門相談員(介護福祉士があれば免除)介護現場で使った福祉用具の知識がそのまま武器に。営業要素もあるが体力的負担は少ない
5. 障がい者支援施設職員300〜380万円なし身体介護スキル、コミュニケーション力が活きる。高齢者介護とは違うやりがい

【一般業種】介護スキルを転用できる職種

職種年収目安必要資格介護経験の活かし方
6. 営業職350〜500万円+歩合なし傾聴力・ニーズ把握力・忍耐力が営業の基本スキルそのもの
7. 接客・サービス業280〜380万円なし「相手の立場に立つ」姿勢がそのまま活きる。飲食・ホテル・小売等
8. 人材紹介(介護特化)350〜550万円なし介護現場を知っているキャリアアドバイザーは求職者から信頼される
9. 保育補助・学童指導員250〜320万円なし(保育士は国家資格必要)観察力・臨機応変な対応力が子どもの安全管理に活きる
10. 介護系ライター・講師300〜450万円なし現場経験に基づいたリアルなコンテンツが書ける。副業としても可能

意外と狙い目の職種

  • 医療事務:無資格で挑戦可能。介護保険の知識があれば医療保険も理解しやすい
  • 介護タクシードライバー:運転免許+介護の知識で独立も可能
  • 自治体の認定調査員:介護保険制度の知識が直結。安定した公的職種

国別の文化・宗教の違いと配慮すべきこと

外国人スタッフと良好な関係を築くには、相手の文化・宗教を理解し尊重することが不可欠です。主な出身国別の特徴と配慮すべきポイントを紹介します。

インドネシア

  • 宗教:約87%がイスラム教徒。1日5回の礼拝(サラート)が義務。休憩時間に礼拝スペースを確保できると望ましい
  • 食事:豚肉・アルコールを含む食品は禁忌(ハラール)。施設の食事を食べられない場合は持参する人も。「豚エキス」「みりん」も注意
  • ラマダン(断食月):約1ヶ月間、日の出から日没まで飲食を断つ。体力的にきつくなるため、夜勤シフトの調整が必要な場合も
  • コミュニケーション:温厚で控えめ。「分からない」と言えない場合が多いため、こちらから丁寧に確認する

フィリピン

  • 宗教:約80%がカトリック(キリスト教)。クリスマスを非常に大切にする
  • 食事:特別な制限は少ない。ただし家族を大切にする文化のため、母国への仕送りで経済的に厳しい人も
  • コミュニケーション:明るくフレンドリーで社交的。英語が堪能なため、英語でのフォローも有効。ただしプライドが高い面があり、人前で叱ると傷つきやすい
  • 家族意識:家族をとても大切にする文化。帰国時期(クリスマス前後)の休暇希望は可能な限り配慮を

ベトナム

  • 宗教:仏教徒が多いが、宗教的な制約は比較的少ない
  • 食事:特別な制限は少ないが、甘い味付けや香辛料を好む人が多い
  • コミュニケーション:勤勉で真面目。グループでの行動を好む傾向があり、同国人同士で固まりやすい。日本人スタッフが積極的に声をかけることが大切
  • 面子を重んじる:人前で注意されることを嫌がる。指導は個別に、具体的に行う

ミャンマー

  • 宗教:約90%が上座部仏教徒。お寺への参拝を大切にする
  • 食事:宗教的な制限は少ないが、菜食主義者もいる
  • コミュニケーション:穏やかで礼儀正しい。日本文化に馴染みやすいと言われる。年長者を敬う文化があり、先輩への態度は丁寧

全員に共通する配慮事項

  • 入職時に文化背景を聞く:宗教・食事制限・祝日の希望を確認
  • 「郷に入れば郷に従え」を押し付けない:文化を尊重しつつ、業務上必要なルールは明確に伝える
  • 差別的な言動は絶対にNG:「外国人だから」という先入観を持たない

外国人スタッフの教育担当になった時のコツ

外国人スタッフの教育担当(OJT担当・メンター)を任されるケースが増えています。日本人新人とは異なるアプローチが必要な場面も多いため、コツを押さえておきましょう。教育担当の経験はリーダーシップ経験として高く評価されるため、キャリアアップにも直結します。

1. 「見て覚えろ」は通用しない

日本の介護現場では「先輩の動きを見て学ぶ」文化がありますが、これは外国人スタッフには通用しません。5W1H(いつ・誰が・何を・どこで・なぜ・どのように)を明確にして、言語化して伝えましょう。「なぜこの介助が必要なのか」の理由まで説明すると、理解が深まり応用力も身につきます。「見て分かるでしょ」「空気を読んで」は絶対にNG。言葉にしなければ伝わりません。

2. 写真・動画付きマニュアルを活用する

入浴介助や移乗介助など手順が複雑な業務は、写真や動画付きのマニュアルを作成すると効果的です。言葉だけでは伝わらなかったことが、視覚情報を加えることで劇的に理解が進みます。マニュアルにルビ(ふりがな)を振るとさらに親切です。一度作成すれば次の外国人スタッフにも使い回せるため、施設の財産になります。

3. 「できますか?」ではなく「やったことがありますか?」

「これ、できますか?」と聞くと、ほとんどの外国人スタッフは「できます」と答えます。これは「やってみます」「頑張ります」という意味である場合が多いです。「やったことがありますか?」と質問を変えるか、その場で実際にやってもらって確認するのが確実です。「できます」と言ったのにできなかった場合でも叱るのではなく、「次は一緒にやりましょう」とフォローしましょう。

4. 指揮命令系統を明確にする

「分からないことがあったら、この人に聞く」「緊急時はこの人に連絡する」「夜勤中の判断に困ったらこの番号に電話する」と、相談先を具体的に伝えましょう。紙に書いて渡すのがベスト。誰に聞けばいいか分かると安心して仕事ができ、上達も早くなります。施設長→主任→リーダーという組織図を図で示すのも有効です。

5. 「報連相」を具体的に教える

「報告・連絡・相談」は日本の職場の基本ですが、この文化がない国もあります。何をどのタイミングで誰に報告するかを具体的に例示しましょう。

  • 「利用者が転倒したら → すぐにリーダーに報告」
  • 「体温が37.5度以上なら → 看護師に連絡」
  • 「利用者が食事を拒否したら → 記録に書いて次のシフトに申し送り」
  • 「自分が体調不良で休みたい → 出勤2時間前までにリーダーに電話」

このように条件 → アクションの形で伝えると分かりやすいです。報連相のタイミングが遅れる場合、「報告が遅い」と叱るのではなく、「次からは◯◯の時はすぐに教えてくださいね」と具体的に教え直しましょう。

6. 褒める時は具体的に、注意は個別に

良い仕事をした時はみんなの前で具体的に褒めましょう。「○○さんの入浴介助、とても丁寧でした。利用者さんも喜んでいましたよ」のように。逆に注意が必要な時は個別に、具体的に。「ダメだよ」ではなく「次はこうしてみましょう」と改善策を一緒に考える姿勢が大切です。人前で叱ると面子を潰してしまい、信頼関係が崩れるリスクがあります。

7. 生活面もフォローする

EPA介護職員を雇用する施設の約97%が住居の支援、約84%が行政手続きの支援、約82%が日本語教室等のコミュニケーション支援を行っています。仕事だけでなく、銀行口座の開設、ゴミの出し方、病院の受診方法、スーパーの場所、交通機関の乗り方など、生活面の支援も教育担当の大切な役割です。「何か困っていることはないですか?」と定期的に声をかけましょう。

8. 成長を可視化する

「1ヶ月前はこれができなかったけど、今はできるようになった」という成長の記録を本人と共有しましょう。チェックリスト形式で「できるようになった業務」を可視化すると、本人のモチベーションが上がり、自信にもつながります。

介護記録・申し送りの指導方法

外国人スタッフが最も苦労するのが介護記録の読み書きです。日常会話はできても、漢字が多い介護記録は別次元の難しさ。効果的な指導方法を紹介します。

記録のテンプレート化

「◯時◯分、◯◯さん、食事摂取量◯割、水分◯ml」のように、穴埋め形式のテンプレートを用意すると、外国人スタッフでも正確に記録できます。自由記述の部分は最小限にし、選択式(〇をつけるだけ)の項目を増やしましょう。

ルビ(ふりがな)付きマニュアル

よく使う介護用語にはルビ(ふりがな)を振りましょう。特に以下の用語は読めないことが多いです。

漢字読みやさしい日本語
嚥下えんげ飲み込むこと
褥瘡じょくそう床ずれ
臥床がしょうベッドに横になること
端座位たんざいベッドの端に座ること
清拭せいしき体を拭くこと
排泄はいせつトイレ
更衣こうい着替え

音声入力・タブレット記録の活用

タブレット記録システムの音声入力機能を活用すると、漢字が書けなくても記録が可能です。「田中さん、昼食、全部食べました」と話すだけで記録に変換されます。ICT導入が進んだ施設ほど外国人スタッフの記録業務がスムーズです。

申し送りの指導

口頭の申し送りは早口で専門用語が飛び交うため、外国人スタッフにとって最大の難関です。

  • 申し送りシートを書面で渡す:口頭だけでなく、書いたものを手元に置いて確認できるようにする
  • 外国人スタッフ用にゆっくり話す時間を別途設ける:全体の申し送り後に個別で5分間フォロー
  • 「分かりましたか?」ではなく「何をしますか?」:理解度の確認は、やるべきことを本人の言葉で言ってもらう方が確実

利用者・ご家族の理解を得る方法

外国人スタッフを受け入れる際、利用者やご家族から不安の声が上がることもあります。丁寧な説明と段階的な導入で理解を得ましょう。

利用者の不安とその対策

利用者の不安対策
「言葉が通じないのでは」最初は日本人スタッフとペアで対応。外国人スタッフの笑顔と丁寧な声かけを見てもらう
「自分のことを分かってもらえるか」利用者の情報(好み・習慣・注意点)を外国人スタッフに事前に詳しく伝える
「外国人に介護されたくない」無理強いせず、徐々に接する機会を増やす。多くの場合、数日〜数週間で信頼関係が築かれる

ご家族への説明ポイント

  • 研修を受けていることを伝える:「◯◯さんは介護の研修を修了し、日本語も◯◯レベルです」と具体的に
  • 日本人スタッフのフォロー体制を説明:「最初は必ず日本人とペアで対応します。何かあればすぐにフォローできる体制です」
  • 利用者の反応を伝える:「お母さまも◯◯さんの明るさに笑顔になっていらっしゃいますよ」と良い変化を報告

実際の利用者・家族の評価

厚労省の調査では、外国人介護職員のサービスに「満足」と回答した利用者・家族は65.1%。具体的に評価されている点は以下の通りです。

  • 「ナースコールをするとすぐに来てくれ、丁寧に対応してくれる」
  • 「いつも笑顔を絶やさない。どんな時でも声をかけてくれる」
  • 「日本人スタッフより丁寧に接してくれる」
  • 「一生懸命さが伝わってきて、安心できる」

最初は不安を感じていた利用者やご家族でも、外国人スタッフの真摯な姿勢を見ることで信頼が生まれるケースがほとんどです。

外国人スタッフがいる職場のメリットと課題

メリット

メリット詳細
人手不足の解消特に夜勤や土日のシフトが埋まりやすくなる。外国人スタッフがいることで日本人スタッフの業務負担が軽減。有給も取りやすくなる
職場の活性化異なる文化の視点が新しいケアのアイデアにつながる。「フィリピン人スタッフの明るさで利用者が元気になった」「ベトナム人スタッフの真面目さが他のスタッフの刺激になった」という声は多い
利用者への刺激異文化交流が利用者の好奇心を刺激し、レクリエーションのネタにもなる。母国の料理を一緒に作る料理レク、母国の歌や踊りを披露するイベントは大好評
自分のスキルの見直し「教える」ことで自分の介護技術を改めて整理・言語化できる。なんとなくやっていた業務を「なぜそうするのか」まで考え直すきっかけに。やさしい日本語スキルは利用者とのコミュニケーションにも活きる
キャリアアップの機会外国人スタッフの教育担当を任されることで、リーダーシップ経験が積める。「多文化チームでの指導経験」は管理職への昇進や転職時のアピール材料として高く評価される
グローバルな視野異文化の中で働くことで視野が広がり、人として成長できる。外国人同僚から母国の介護事情を聞くことで、日本の介護の良さも再認識できる

課題と対策

課題具体的な問題対策
言葉の壁専門用語が伝わらない。申し送りの内容が理解できない。介護記録が書けないやさしい日本語、写真付きマニュアル、翻訳アプリ(VoiceTra等)、テンプレート記録、音声入力の活用
文化の違い時間感覚の違い、宗教上の食事制限、礼拝の時間、年末年始やお盆の概念がない入職時に文化背景を確認。イスラム教徒のハラール対応・礼拝時間の配慮。クリスマスや旧正月の休暇希望への理解。日本の行事・マナーを事前に説明
介護記録の壁漢字が読めない・書けない。記録に時間がかかるテンプレート化、ルビ付きマニュアル、音声入力、タブレット記録の活用。最初は日本人スタッフがダブルチェック
利用者・家族の不安「外国人に介護されるのは不安」という声最初は日本人とペアで対応。丁寧にケアしている姿を見てもらう。ご家族に研修修了・日本語レベルを説明
孤立・ホームシック母国から離れて暮らすストレス。言葉が通じない孤独感メンター制度の導入、同国人コミュニティへの接続支援、定期的な面談(月1回)、生活面の支援(住居・行政手続き・銀行口座等)
日本人スタッフの負担感教育に時間がかかる。フォローの負担。「自分の仕事が増えた」と感じる教育担当を固定し手当を支給。施設全体でサポートする体制構築。外国人受入は施設の方針として明確に位置づけ

課題は「最初の3ヶ月」に集中する

言葉の壁・文化の違い・記録の問題は、入職後3ヶ月で大幅に改善するケースがほとんどです。「最初は大変だけど、慣れたら日本人と変わらない」という声が圧倒的多数。最初の3ヶ月を手厚くサポートすることが、外国人スタッフの定着と活躍の鍵です。

2025〜2026年の制度変更 — 外国人介護人材の活躍の場が広がる

2025〜2026年にかけて、外国人介護人材に関する制度が大きく変わっています。日本人スタッフも最新の制度を理解しておきましょう。

2025年4月〜:訪問介護への従事解禁

これまで訪問介護サービスに従事できるのはEPA介護福祉士候補者と在留資格「介護」の外国人に限られていましたが、2025年4月から技能実習生・特定技能外国人も訪問介護に従事可能になりました。ただし十分なサポート体制(同行訪問の実施等)が条件です。

2025年4月〜:就労開始直後から人員配置基準に算入

以前は外国人介護職員を人員配置基準に算入するには一定期間の研修が必要でしたが、就労開始直後から算入可能になりました。これにより施設は外国人を即戦力としてカウントでき、受け入れのメリットが増大。

2025年4月〜:開設3年未満の施設での受け入れ可能に

運営法人の設立から3年以上経過している場合、新規開設の施設でも外国人介護職員を受け入れ可能になりました。

2026年〜:パート合格制度の開始

介護福祉士国家試験のパート合格制度がスタート。外国人にとって言語の壁が最大の障害だった国家試験を、3年かけて段階的に合格できるようになりました。これにより在留資格「介護」への切り替えが容易になり、長期定着が期待されています。

日本人スタッフへの影響

これらの制度変更により、今後ますます外国人と一緒に働く機会が増えます。

  • 教育担当・メンターの役割が増える → リーダーシップ経験としてキャリアアップに直結
  • 多文化チームでのケアがスタンダードに → 異文化コミュニケーション力が評価される時代
  • 「やさしい日本語」スキルが新人指導や利用者対応にも活きる → 汎用的なコミュニケーション能力の向上

外国人がいる施設への転職 — 日本人スタッフにとってのキャリアメリット

外国人スタッフがいる施設への転職は、日本人介護職員にとってもキャリアアップのチャンスです。

キャリアメリット

メリット詳細
教育担当経験が積める外国人スタッフの指導経験は「リーダーシップ」として高く評価される。主任・リーダーへの昇進に直結
業務負担が軽減人手が確保される分、1人あたりの業務量が減る。有給も取りやすくなる可能性
コミュニケーション力が向上「やさしい日本語」スキルは利用者・新人指導にも活きる汎用スキル
グローバルな視野異文化の中で働くことで人間としての幅が広がる
転職時のアピール材料「多文化チームでのケア経験」「外国人スタッフの指導経験」は今後ますます評価される

外国人スタッフが多い施設の特徴

  • 大手法人(社会福祉法人・医療法人):受け入れ体制が整っている。研修プログラムが充実
  • 特養・老健:夜勤を含むシフトがあるため外国人スタッフのニーズが高い
  • 都市部の施設:日本語教室や同国人コミュニティへのアクセスが良く、外国人が集まりやすい
  • EPA受入施設:国が認定した受入機関のため、教育体制が最も整備されている

求人票でのチェックポイント

  • 「外国人スタッフ在籍」「多国籍チーム」の記載がある
  • 「教育担当手当」「メンター制度」の記載がある
  • 「やさしい日本語研修」「異文化理解研修」を実施している

よくある質問

Q. 外国人スタッフに夜勤を任せても大丈夫ですか?

A. 十分な研修と経験を積んだ後であれば問題ありません。最初は日本人スタッフとペアで夜勤に入り、段階的に独り立ちする流れが一般的です。緊急時の連絡体制(電話で指示を受けられるレベルの日本語力)は確認しておきましょう。N3以上の日本語力があれば夜勤も安心して任せられるレベルです。独り立ちまでの期間は3〜6ヶ月が目安。

Q. 外国人スタッフがいる施設に転職するメリットはありますか?

A. 大きなメリットがあります。人手が確保されている分、1人あたりの業務量が軽減される可能性があります。また、外国人スタッフの教育担当を任されることでリーダーシップ経験が積めるため、ユニットリーダーや主任へのキャリアアップに直結します。「外国人スタッフの指導経験」は転職時にも高く評価されるスキルです。

Q. 外国人スタッフの離職率は高いですか?

A. 在留資格の制約(技能実習は最長5年等)で帰国するケースはありますが、介護福祉士を取得して「在留資格介護」に切り替えれば無期限で日本に滞在可能。2026年のパート合格制度で介護福祉士の取得がしやすくなったため、定着率は今後上がると見込まれます。施設としての生活面支援・キャリア支援が充実していれば、長期定着する外国人スタッフは着実に増えています。

Q. 利用者が外国人スタッフを嫌がった場合はどうすればいい?

A. 最初は抵抗がある利用者もいますが、丁寧なケアを続けることで信頼関係が築かれるケースがほとんどです。まずは日本人スタッフとペアで対応し、外国人スタッフの笑顔や丁寧な声かけを見てもらいましょう。厚労省の調査では、外国人のサービスに「満足」と回答した利用者・家族は65.1%と高い評価です。無理に担当させるのではなく、自然に接する機会を増やすのがコツです。

Q. 翻訳アプリは使っても大丈夫ですか?

A. 業務中の補助ツールとして使う分には問題ありません。Google翻訳やDeepL、VoiceTra(総務省開発の多言語翻訳アプリ・無料)が便利です。ただし、利用者への声かけは翻訳アプリ経由ではなく、できるだけ日本語で直接行いましょう。翻訳アプリはあくまで「スタッフ間の業務連絡」の補助として使うのがベストです。

Q. 外国人スタッフの日本語教育は施設がするべきですか?

A. EPA介護職員を雇用する施設の約82%が日本語教室等のコミュニケーション支援を行っています。施設内での日本語研修、地域の日本語教室への参加支援、介護福祉士試験の勉強サポートなどが一般的です。日本語力の向上は業務の質向上に直結するため、施設としての投資効果は非常に高いです。地域のボランティア日本語教室と連携している施設もあります。

Q. 外国人スタッフと仲良くなるコツは?

A. 母国の文化に興味を持つことが一番です。「あなたの国の料理は何が美味しいの?」「家族は元気?」など、仕事以外の話題でコミュニケーションを取りましょう。同僚として食事に行ったり、休日にイベントに誘ったりすると距離が縮まります。「外国人」ではなく「一人の仲間」として接することが大切です。

Q. 自分が教育担当を任されたが不安です

A. 最初は誰でも不安です。大切なのは「完璧に教える」ことではなく、「相手を理解しようとする姿勢」です。やさしい日本語で話す、写真マニュアルを作る、具体的に褒める——これだけでも十分です。分からないことがあれば施設長やベテランスタッフに相談しましょう。教育担当の経験は確実にあなたのキャリアにプラスになります。

Q. 外国人スタッフの在留資格の更新手続きは誰がやるのですか?

A. 在留資格の更新手続きは基本的に本人または施設(登録支援機関)が行います。特定技能の場合は登録支援機関のサポートが義務。EPA候補者は受入機関(JICWELS等)がサポートします。日本人スタッフが直接関わることは少ないですが、「在留カードの期限が切れそう」など気づいたことがあれば上司に伝えましょう。

参考文献・出典

  • [1]
    外国人介護人材の受入れについて- 厚生労働省

    4つの在留資格(EPA・技能実習・特定技能・在留資格「介護」)の概要

  • [2]
    介護福祉士国家試験のパート合格制度- 厚生労働省

    外国人介護職員の受験ハードル軽減も目的

  • [3]
    「やさしい日本語」の手引き- 文化庁

    外国人とのコミュニケーションのための日本語の工夫

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まとめ

この記事のポイントまとめ

テーマポイント
受け入れ状況約5.5万人。特定技能が最多(51.6%)。受け入れ施設は42%に増加
4つの在留資格EPA・技能実習・特定技能・在留資格「介護」。日本語レベル・転職可否・家族帯同が異なる
やさしい日本語短い文・具体的に・ゆっくり・視覚情報の活用。「大丈夫?」ではなく「何をしますか?」
文化・宗教インドネシアのハラール・礼拝、フィリピンの家族重視、ベトナムの面子文化を理解・尊重
教育のコツ5W1Hで明確に指示。写真マニュアル活用。褒めは皆の前で、注意は個別に。報連相を具体例で教える
記録・申し送りテンプレート化、ルビ付き、音声入力の活用が効果的。介護用語のやさしい日本語変換表を用意
利用者の理解満足度65.1%。最初は日本人とペアで。丁寧なケアの姿を見てもらうことで信頼関係が築かれる
制度変更訪問介護解禁、人員配置即算入、パート合格制度で長期定着が進む
キャリアメリット教育担当経験はリーダーシップとして評価。多文化チームでの経験は今後ますます価値が高まる

外国人介護職員との協働は、人手不足の解消だけでなく、職場の活性化やケアの多様化、日本人スタッフ自身の成長にもつながります。コミュニケーションの基本は「やさしい日本語」——短い文で、具体的に、ゆっくり。これは外国人だけでなく、新人スタッフや利用者とのコミュニケーションにも通じる普遍的なスキルです。

2026年のパート合格制度により、外国人が介護福祉士を取得して長期定着できる環境が整いつつあります。日本人と外国人が協力してケアを提供する「多文化チーム」が、これからの介護現場のスタンダードになっていくでしょう。文化の違いを壁と考えるのではなく、チームの強みとして活かす視点を持つことが、これからの介護職に求められるスキルです。多様な仲間と一緒に、日本の介護を支えていきましょう。

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外国人介護職員と一緒に働く|現場で役立つコミュニケーション術と4つの在留資格
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公開日: 2026年3月20日最終更新: 2026年3月21日

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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