親の入退院に合わせた介護休業の取り方|93日を3回分割で使う実務戦略
ご家族・ご利用者向け

親の入退院に合わせた介護休業の取り方|93日を3回分割で使う実務戦略

親が入院した・退院が決まった家族向けに、介護休業93日を「入院直後・退院準備・在宅立ち上げ」の3シーンに分割して使う実務戦略を解説。給付金67%の振込タイミング、つなぎ資金、短時間勤務との併用、2025年改正の活用法まで厚労省資料で網羅。

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この記事のポイント

介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分割して取得できます。親の入退院時は「①入院直後の体制構築」「②退院前カンファ・在宅準備」「③退院後の在宅介護立ち上げ」の3シーンに30日前後ずつ振り分けるのが実務的です。休業中は雇用保険から休業前賃金の67%が介護休業給付金として支給されますが、振込は休業終了の2〜3か月後となるため、つなぎ資金の準備が欠かせません。

目次

「来週、母の手術で入院することになった」「父の退院日が決まったが、自宅で看られる自信がない」——親の入退院は、家族にとって体制を一気に整え直さなければならない局面です。仕事をしながら通院付き添い・入院手続き・退院後の在宅介護準備をすべてこなすのは現実的に難しく、「介護休業を取りたいが、いつ・どれくらい取ればよいか」と迷う方は少なくありません。

介護休業は、育児・介護休業法で保障された家族1人につき通算93日・最大3回分割可能な休業制度です。多くの解説記事は「93日まとめて取る」前提で書かれていますが、入退院シーンでは「最初の30日で入院体制を整え、退院前の3週間で在宅準備、退院後の1か月で在宅介護を立ち上げる」というように、症状の山に合わせて3回に分けて使うのが現実的です。

この記事では、厚生労働省・ハローワーク資料(2025年8月版)と2025年4月施行の育児・介護休業法改正をもとに、入退院シーン別の93日3分割パターン、給付金67%の振込タイミングからの逆算資金計画、短時間勤務・テレワークとの組み合わせ、復職時の引継ぎまで、家族が今日から動ける形で解説します。

介護休業の基本|育児・介護休業法が保障する家族の権利

介護休業は、要介護状態にある対象家族を介護するために、労働者が一定期間休業できる権利として、育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)で定められています。雇用形態を問わず、有期雇用(契約社員・パート)でも一定要件を満たせば取得できます。

取得日数と分割回数

対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分割して取得できます。同一の家族に対する2回目・3回目の休業を取る場合も、合計93日の上限内で配分します。たとえば最初に30日、2回目に20日、3回目に43日のように、症状や生活状況に合わせて柔軟に組み合わせられます(厚生労働省福井労働局リーフレット)。

対象家族の範囲

対象になるのは、配偶者(事実婚を含む)、父母(養父母を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫の7区分です。「同居・扶養」要件は2017年改正で撤廃されており、離れて暮らす親でも対象になります(厚生労働省京都労働局「介護休業給付について」)。

「要介護状態」の定義

介護休業の対象は「2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」です。これは介護保険の要介護認定とは別の基準で、歩行・排泄・食事などの日常生活動作で介助が必要であれば、要介護認定を受けていなくても対象になります。手術後や脳卒中発症直後で介護認定がまだ降りていない段階でも、医師の診断書等で「2週間以上の常時介護が必要」と説明できれば申し出可能です。

取得条件(雇用保険被保険者の場合)

  • 同一事業主のもとで雇用が継続していること
  • 有期雇用の場合は、休業開始予定日から93日経過日+6か月までの間に労働契約が満了することが明らかでないこと
  • 労使協定で除外できる労働者:入社1年未満/週の所定労働日数が2日以下

2025年4月の改正で、介護休暇については「勤続6か月未満を労使協定で除外する」仕組みが廃止されました。介護休業本体の条件は変わっていませんが、職場の規則を確認することで、より広く取得できるケースが増えています。

介護休業と介護休暇の使い分け|長期分割と単発スポットの2軸

「介護休業」と「介護休暇」は名前が似ていますが、目的・日数・申請方法がまったく異なります。入退院シーンでは両方を併用するのが現実解です。

比較表

項目介護休業介護休暇
取得日数通算93日/対象家族1人につき年5日(対象家族2人以上は10日)
分割最大3回まで1日または時間単位で取得可
賃金原則無給(給付金67%支給)原則無給(給付金なし)
申請方法原則2週間前までに書面口頭・当日申請OK
用途体制構築・退院準備など長期通院付き添い・手続きなど単発

入退院シーンでの使い分け

介護休暇は「明日、緊急入院の付き添いで休む」「来週、退院前カンファに出る」といった単発スポットに最適です。一方、介護休業は「入院から退院後3週間まで連続して30日休む」のように、まとまった体制構築期間に使います。

具体例として、母が脳梗塞で緊急入院したケースでは、初日〜3日目は介護休暇(時間単位含む)で手続きや医師面談、4日目以降は介護休業に切り替えて在宅復帰までの30日を確保する、といった組み合わせが現実的です。介護休暇を先に消化することで、貴重な介護休業の93日を温存できます。

有給休暇の併用も検討する

年次有給休暇は介護休業より給与保障が手厚い(賃金100%)ため、まず短期は有給で対応し、長引きそうな段階で介護休業に切り替える戦略も有効です。ただし有給は40日程度しかないため、看取りまで考えると安易に消化せず、後述する「つなぎ資金」の観点で計画を立てる必要があります。

入退院シーン別 介護休業3分割パターン|93日をどう配分するか

親の入退院では、症状の山と家族の動きが3つの時期に分かれます。それぞれに合わせて介護休業を分割すると、93日を最大限活かせます。以下は標準的な配分モデル(合計約90日)です。

シーン1:入院直後の体制構築(2〜3週間/約15〜20日)

緊急入院や手術直後は、医師との面談、入院手続き、保証人記入、付き添い、貴重品管理、近隣家族への連絡、自宅の戸締まり・郵便物対応など、家族にしかできない作業が一気に押し寄せます。離れて暮らす親なら、遠方の病院に滞在する必要も生じます。

  • 主な作業:入院手続き・医師面談・身元保証・自宅の片付け・近隣/親戚連絡
  • 推奨日数:15〜20日(突発で「明日から」が多いため、最初に介護休暇5日+介護休業10〜15日を組み合わせる)
  • 申請のコツ:「2週間前」原則が間に合わないため、「介護休業を取得したい旨」と「正式書面は後日」を口頭で先行通知し、書面は3〜5日以内に提出する

シーン2:退院前カンファ・在宅準備期(2〜3週間/約15〜20日)

入院から2〜3週間経つと、医療ソーシャルワーカー(MSW)から「退院支援カンファレンス」の案内が来ます。同時に、地域包括支援センターでの要介護認定申請、ケアマネジャーの選定、福祉用具レンタル、住宅改修、訪問看護・訪問介護事業所との契約など、退院後の在宅介護を支える土台を一気に組み立てます。

  • 主な作業:退院前カンファ参加・要介護認定申請・ケアマネ選定・福祉用具手配・住宅改修・サービス事業所契約
  • 推奨日数:15〜20日(退院日の2〜3週間前から開始)
  • 同時並行で動かす:要介護認定は申請から30日前後かかるため、入院中に申請を済ませる。ケアマネ選定は地域包括支援センターで紹介を受けて、退院前カンファに出席してもらう

シーン3:退院後の在宅介護立ち上げ期(3〜4週間/約20〜30日)

退院直後は、介護者と要介護者双方が「家に戻ったけれど何が起きるか分からない」状態です。服薬管理、リハビリ通院、トイレ介助、入浴介助、夜間の見守りなど、新しい生活リズムを家族とサービス事業者で作り上げる期間が必要です。この段階で介護休業を取らずに即仕事復帰すると、転倒・誤嚥・服薬ミスなどのトラブルで結局休まざるを得なくなります。

  • 主な作業:訪問サービス導入・服薬管理・夜間の見守り・通院付き添い・ケアプラン微調整
  • 推奨日数:20〜30日(退院日から1か月)
  • 復職への着地点:在宅介護がルーティン化した段階で、介護休業から「短時間勤務」や「テレワーク」に切り替えて段階的に復職する

配分の合計例(93日フル活用パターン)

シーン取得回日数
① 入院直後1回目20日
② 退院前カンファ・在宅準備2回目20日
③ 退院後の在宅立ち上げ3回目30日
合計3回70日(残り23日は再入院・看取り期に温存)

すべて消化せず23日程度は残しておくのがポイントです。再入院や看取り期にもう一度まとまった休業が必要になるケースが多いため、「3回×すべて満額」ではなく「3回でフレキシブルに使える残枠」を意識します。

介護休業給付金の振込タイミング|申請から入金まで2〜3か月の空白

介護休業給付金は、介護休業を取った労働者の生活を支える雇用保険給付ですが、「休業中に毎月入る」のではなく「休業が終わった後にまとめて振り込まれる」点が見落とされがちです。家族のキャッシュフローを設計するうえで最重要のポイントです。

給付の流れ(厚生労働省「介護休業給付の内容及び支給申請手続について」2025年8月版より)

  1. 休業開始:事業主が「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」をハローワークに提出
  2. 休業中:給付金は支給されない(無給期間)
  3. 1回の介護休業終了
  4. 終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月末までに、事業主が「介護休業給付金支給申請書」を提出
  5. 支給決定通知後、本人口座に振込(申請から1か月前後)

つまり「介護休業を30日取った場合、給付金が振り込まれるのは休業終了日から最短1か月、最長3か月後」になります。30日休業して2か月給与ゼロが続く家計を想定する必要があります。

給付金の計算例(月給30万円のケース)

項目金額
休業開始時賃金日額10,000円(30万円÷30日)
支給単位期間(1か月)の支給日数30日
1か月あたり給付金10,000円×30日×67% = 201,000円
30日休業時の総支給額約201,000円

給付金の上限額は、令和8年7月31日までで賃金月額532,200円が上限(給付金上限356,574円/月)、下限は90,420円となっています(厚生労働省京都労働局資料)。

3分割した場合の振込スケジュール例

1回目の休業(20日)を6月1〜20日に取得した場合:

  • 6月20日:休業終了
  • 7月:事業主が給付金申請書をハローワークに提出
  • 8月下旬〜9月:本人口座に約13.4万円が振込

2回目(20日)を8月に取得すれば、9〜10月に支給。3回目(30日)を11月に取得すれば、12月〜2026年1月に支給される計算です。休業中の生活費は基本的に自己資金で賄う必要があり、給付金は「後払い精算」と理解しておくと安全です。

【独自分析】つなぎ資金の作り方|給付金後払いを乗り切る4つの選択肢

介護休業給付金が後払いである以上、休業期間中の生活費・親の医療費・交通費は家計の貯蓄で乗り切る必要があります。「給付金が入るから大丈夫」と思って休業に入り、給与振込が止まった月から焦るケースが少なくありません。月給30万円の家庭で20日休業した場合、給与減+医療費・付き添い交通費で1か月あたり25〜30万円のキャッシュアウトを想定しておくと安全です。

選択肢1:年次有給休暇を「後半」に残す

緊急時はつい有給を使い切ってしまいがちですが、有給は賃金100%保証されるため、「給付金が振り込まれない最初の2か月」用に温存するのが定石です。最初の20日は介護休業(給付金待ち)、振込が遅れる場合に有給10日を投入する、というように有給を後半に残すことでキャッシュフローを平準化できます。

選択肢2:親族間での費用按分

兄弟姉妹がいる場合、「介護休業を取って実働する人」と「経済的に支援する人」で役割分担するのが現実的です。たとえば独身の兄が介護休業20日を取得し、結婚して遠方にいる弟が月5万円を仕送りで支援する、という形です。書面で「介護費用負担合意書」を作っておくと、後の相続時のトラブルも防げます。

選択肢3:社会福祉協議会の緊急小口資金

各市区町村の社会福祉協議会では、緊急かつ一時的に生計維持が困難な低所得世帯向けに緊急小口資金(上限10万円、無利子、据置期間2か月、償還期間8か月)を貸し付けています。給付金振込までのつなぎとして利用できる可能性があり、まずは地域の社協窓口で相談するとよいでしょう。

選択肢4:勤務先の福利厚生・社内貸付制度

大企業や公務員では、介護目的の社内貸付制度(無利子〜低利子)を持っているケースがあります。人事部や福利厚生課に「介護休業中のつなぎ融資制度はあるか」と聞いてみましょう。また、生命保険の契約者貸付(解約返戻金の70〜90%を低利で借入可能)も即日対応できる選択肢です。

つなぎ資金の目安額

共働き世帯で月収30万円の人が介護休業20日を取得する場合、家計で30〜40万円の現金を準備しておくのが目安です。3回分割なら最低でも100万円程度の余裕資金を、休業に入る前に確保しておくことを推奨します。

短時間勤務・テレワーク・時差出勤との組み合わせ|介護休業後の段階復職

介護休業93日は「使い切ったら終わり」ではなく、その後に介護のための短時間勤務制度や所定外労働の制限へとつなげていくのが、育児・介護休業法が想定する両立支援の全体像です。

介護のための短時間勤務制度(選択的措置義務)

事業主は、要介護家族を持つ労働者について、3年の間に2回以上利用できるいずれかの措置を講じる義務があります(厚生労働省「育児・介護休業法の概要」介護編)。

  • ①短時間勤務制度(例:1日6時間勤務)
  • ②フレックスタイム制
  • ③始業・終業時刻の繰上げ/繰下げ(時差出勤)
  • ④介護費用の援助措置

退院後の在宅介護では、デイサービス送り出し(9時)と迎え入れ(17時)に親が在宅している時間帯が決まるため、9〜16時の短時間勤務10時〜19時の時差出勤が現実的です。これらは介護休業93日とは別枠で、最大3年間利用できます。

所定外労働の制限(残業免除)

介護を行う労働者が請求した場合、事業主は所定外労働(残業)を免除しなければなりません。1回の請求につき1か月以上1年以内の期間で、回数制限なく請求できます。在宅介護立ち上げ後の生活リズムを保つために強力な権利です。

時間外労働・深夜業の制限

同様に、月24時間・年150時間を超える時間外労働の制限、深夜業(22時〜翌5時)の制限も請求権として保障されています。要介護の親の夜間対応がある場合、深夜業制限は事実上必須の制度です。

テレワーク(2025年4月施行)

2025年4月の改正で、要介護状態の家族を介護する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが、事業主の努力義務になりました。義務ではないものの、人事部に「介護のテレワーク制度を導入してほしい」と相談できる根拠ができたため、退院後の在宅介護に合わせた在宅勤務の交渉がしやすくなっています。

復職時のステップ案

介護休業30日(退院後の立ち上げ)→ 短時間勤務2か月 → テレワーク併用1か月 → 通常勤務復帰、というように3〜4段階で戻るのが、再休業のリスクを下げる現実解です。

介護休業中の社会保険料・上司への伝え方・復職引継ぎの実務

介護休業中の社会保険料は通常通り徴収される

育児休業と異なり、介護休業中の健康保険料・厚生年金保険料は免除されません。住民税も前年の所得に応じて課税されます。月給30万円のケースでは、社会保険料の自己負担分が約4.5万円/月、住民税が約1.5万円/月、合計約6万円が休業中も発生します。給付金20.1万円から実質的に差し引かれ、手取りベースでは14万円程度になる計算です。

上司・人事への伝え方(退院後の長期休業を打診するケース)

退院後に介護休業を取りたい場合、退院日の3〜4週間前には上司に打診する必要があります。伝え方のポイントは以下です。

  1. 事実を簡潔に:「父が脳梗塞で入院しており、X月X日に退院予定です。要介護2の見込みで、退院後の在宅介護の立ち上げに3週間ほど必要です」
  2. 取得期間と復職時期を明示:「介護休業を○月○日から30日間取得し、その後は短時間勤務(9〜16時)で復職したいです」
  3. 業務の引継ぎ案を持参:「現在の案件は△△と□□です。私が抜けている期間は、××さんに引き継ぎ、ドキュメントは共有フォルダのこちらにまとめます」
  4. 制度の根拠を添える:「育児・介護休業法に基づく介護休業として、書面で正式申出します。会社の規程と労働基準法の範囲内での運用をお願いします」

2025年4月の改正で、事業主には「介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別周知・意向確認」が義務化されました。労働者から介護休業の相談があった時点で、会社は介護休業制度・申出先・給付金について個別に説明する義務があります。「制度を知らない」と上司に言われた場合は、人事部や両立支援担当者を通すよう依頼しましょう。

40歳到達時の情報提供義務(2025年4月施行)

40歳になる年度には、勤務先から介護休業制度・両立支援制度・介護休業給付金について情報提供を受ける権利があります。親の介護がまだ始まっていない段階でも、40歳前後の方は人事部に「介護両立支援の情報提供を希望します」と申し出ることで、事前準備が可能です。

復職時の引継ぎ・業務再開のコツ

  • 休業前:業務マニュアル化、進行中案件のステータス文書化、緊急連絡先の整理
  • 休業中:月1回、上司へのメール連絡(復職予定日と進捗)
  • 復職1週間前:上司と1on1で「復職後の業務量・働き方」を確認
  • 復職初日:いきなりフル稼働せず、午前は引継ぎ確認、午後から業務再開

育休と異なる注意点

育児休業は最長2年(保育所入所できない場合)と長期にわたりますが、介護休業は通算93日・3回上限と短く、看取りまで考えると慎重な配分が必要です。育休に慣れた上司が「2年使えるのに」と認識違いをしているケースもあるため、社内の介護休業実績や規程を確認したうえで、計画的に申出することが重要です。

親の入退院と介護休業に関するよくある質問

Q. 親の手術が急に決まった場合、2週間前の申出ルールは守れないが取得できる?

A. 事業主は「2週間前までの申出」を理由に拒否することはできません(やむを得ない事情がある場合)。育児・介護休業法第11条に基づき、まずは口頭で取得意思を伝え、3〜5日以内に正式な書面(介護休業申出書)を提出すれば、会社は受理する義務があります。

Q. パートやアルバイトでも介護休業は取れる?

A. はい。雇用形態にかかわらず取得可能です。ただし有期雇用の場合は「休業開始予定日から93日経過日+6か月までの間に労働契約が満了することが明らかでないこと」が条件となります。給付金についても、雇用保険被保険者で休業開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上あれば対象です。

Q. 離れて暮らす親でも対象になる?

A. 対象になります。2017年改正で「同居・扶養」要件は撤廃されており、別居していても対象家族(父母・祖父母・兄弟姉妹など)であれば申請可能です。

Q. 介護休業の93日は連続して取らないといけない?

A. 必要ありません。最大3回まで分割できます。入院直後20日/退院前20日/退院後30日のように、症状に合わせて分けるのが推奨されます。

Q. 介護休業中の社会保険料は免除される?

A. 免除されません。育児休業と異なり、健康保険料・厚生年金保険料は休業中も通常通り徴収されます。給付金から実質的に差し引かれる感覚です。

Q. 給付金は休業中に毎月入金される?

A. いいえ。1回の休業が終わった後にまとめて申請し、申請から1〜2か月後に振り込まれます。休業中の生活費は基本的に自己資金や有給で賄う必要があります。

Q. 介護休業を取ると、その後の昇進・査定に影響する?

A. 育児・介護休業法第10条で、介護休業を理由とする解雇その他不利益な取扱いは禁止されています。査定で不利になった場合は、都道府県労働局雇用環境・均等部に相談できます。

Q. 退院後すぐに復職するつもりだが、それでも介護休業を取る意味はある?

A. あります。退院直後の1〜2週間は服薬管理・通院・サービス事業者との調整が集中する時期で、仕事復帰すると深夜・早朝対応で疲弊するケースが多いです。退院後の最初の14日間だけでも介護休業を取ることで、在宅介護の立ち上がりが格段に安定します。

Q. 介護休業給付金の申請は本人がやる?

A. 原則として事業主(会社)が代行します。申請書には本人と対象家族の続柄確認書類(住民票・戸籍抄本等)、振込先口座確認資料が必要です。労働者は本人確認書類と振込口座情報を提出すれば足ります。

参考文献・出典

まとめ|介護休業は「親の入退院を3回に分けて支える計画書」

介護休業93日は、まとめて取るのではなく、親の入退院の3シーン(入院直後・退院準備・在宅立ち上げ)に20〜30日ずつ配分するのが現実的な戦略です。給付金は賃金の67%、振込は休業終了から2〜3か月後の後払いのため、有給休暇を後半に温存し、社協の緊急小口資金や社内貸付などのつなぎ資金を準備しておくと、家計への打撃を抑えられます。

介護休業を93日使い切った後も、介護のための短時間勤務・残業免除・テレワークといった両立支援制度を組み合わせることで、最大3年間は仕事と介護を両立できます。2025年4月の改正で、事業主には介護休業の個別周知・40歳到達時の情報提供が義務化されており、人事部に相談する根拠も整備されました。

「親が入院した」「退院日が決まった」段階で、まずは介護休暇1〜2日で病院に同行し、医療ソーシャルワーカーから退院支援の流れを聞きながら、介護休業の3分割計画を立てるところから始めましょう。育児・介護休業法は、家族介護で離職せざるを得ない状況を防ぐために設計された制度です。93日という限られた枠を計画的に使えば、仕事を続けながら親の入退院を支えることは十分可能です。

執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。

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