
技能実習制度(介護職種)とは
介護職種の技能実習制度の要件(日本語N4/N3・受入人数枠・指導員)と、2027年4月施行の育成就労制度への移行をわかりやすく解説。
この記事のポイント
技能実習制度(介護職種)とは、開発途上国への技能移転による国際貢献を目的に、外国人が日本の介護現場で働きながら技能を学ぶ在留制度です。介護職種は2017年11月に追加されました。ただしこの制度は2027年4月1日施行の「育成就労制度」へ移行する旧制度であり、新規受け入れは経過措置を経て段階的に終了します。
目次
技能実習制度(介護職種)の概要
技能実習制度は、1993年に創設された外国人受け入れの枠組みで、開発途上地域への技能・技術・知識の移転による「国際貢献」を建前上の目的としてきました。根拠法は「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」で、運用は外国人技能実習機構(OTIT)が監督します。
介護職種は、対人サービスとして初めて2017年11月に技能実習の移行対象職種・作業(職種「介護」・作業「介護」)に追加されました。在留期間は最長5年で、1号(1年目)→2号(2〜3年目)→3号(4〜5年目)と段階的に移行し、各段階で技能評価試験の合格が求められます。
重要な前提として、技能実習制度は廃止が決まっています。2024年6月21日に公布された改正入管法・技能実習法(令和6年法律第60号)により、技能実習制度は「育成就労制度」に発展的に解消されることになりました。育成就労制度の施行日は2027年4月1日です。したがって本ページで解説する技能実習(介護職種)は、これから受け入れを検討する施設にとっては実質的に終了に向かう旧制度であり、今後は育成就労制度への移行を前提に理解する必要があります。
介護職種の技能実習の固有要件
介護職種は利用者の身体・生命に関わるため、他職種にない「介護固有要件」が定められています。主なものは次のとおりです。
- 日本語能力要件(段階的):1号(入国時)は日本語能力試験N4合格相当以上、2号(2年目)移行時はN3合格相当以上が要件。N3取得済みでなくても、継続して学習する意思があれば一定条件下で実習継続が認められる運用です。J.TEST・日本語NAT-TEST・介護日本語能力テスト・国際交流基金日本語基礎テストも同等として認められます。
- 対象事業所:介護福祉士国家試験の受験資格となる「介護」の実務経験対象施設(特養・老健・有料老人ホーム・通所介護など)に限定。開設後3年以上経過している事業所であること。
- 受入人数枠:事業所の常勤介護職員の総数を上限とする介護独自の人数枠が設けられ、無制限な受け入れはできません。
- 技能実習指導員:技能実習生5名につき1名以上を配置。うち1名以上は5年以上の実務経験を有する介護福祉士等であること。
- 入国後講習:日本語学習(240時間。N3程度取得者は80時間)と介護導入講習(42時間)の受講が求められます。
- 夜勤等の配置:利用者の安全確保の観点から、就労開始から一定期間は単独での夜勤を避けるなどの配慮が求められます。
技能実習と育成就労制度の違い
2027年4月1日施行の育成就労制度は、技能実習制度を置き換える新制度です。目的そのものが「国際貢献(技能移転)」から「人材の育成・確保」へと転換される点が最大の違いです。
| 項目 | 技能実習制度(旧) | 育成就労制度(新・2027年4月〜) |
|---|---|---|
| 目的 | 技能移転による国際貢献 | 人材の育成と確保(特定技能1号水準の人材育成) |
| 転籍(転職) | 原則不可 | 本人意向の転籍を一定条件で容認(介護分野は当面2年の制限) |
| 育成期間 | 最長5年(1〜3号) | 原則3年で特定技能1号水準へ |
| 監督機関 | 外国人技能実習機構(OTIT) | 外国人育成就労機構(OTITを改組) |
| 根拠法 | 技能実習法 | 育成就労法・改正入管法(令和6年法律第60号) |
施行後は激変緩和の経過措置として概ね2030年頃まで両制度が併存し、既存の技能実習生は実習を継続できます。詳しくは育成就労制度(介護分野)とはを参照してください。
訪問系サービスの解禁(2025年4月)
従来、技能実習・特定技能の外国人は訪問介護など訪問系サービスに従事できませんでしたが、深刻な人手不足を背景に規制緩和が進み、2025年4月から条件付きで解禁されました。対象は訪問介護・定期巡回随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護などです。
従事には、原則として介護施設等での1年以上の実務経験、介護職員初任者研修などの修了、事業所側の研修・キャリアアップ計画の策定や相談窓口の設置などが条件となります。これは技能実習からその先の働き方を広げる動きであり、外国人材を受け入れる現場では押さえておくべき変化です。
よくある質問
技能実習(介護)はいつまで新規受け入れできますか?
育成就労制度の施行は2027年4月1日です。経過措置により、2027年3月31日までに技能実習計画の認定申請があり、施行日から3か月以内(2027年6月30日まで)に実習を開始する場合は技能実習として扱われます。実質的に技能実習としての新規入国は2027年6月末頃までが最後と理解されています。
すでに来日している技能実習生はどうなりますか?
施行後も概ね2030年頃まで技能実習制度と育成就労制度が併存する経過措置が設けられ、既存の技能実習生は予定どおり実習を継続できます。
技能実習(介護)に必要な日本語レベルは?
入国時(1号)はN4合格相当以上、2号移行時はN3合格相当以上が要件です。N3未取得でも学習継続を条件に実習を続けられる運用があります。
技能実習と特定技能・育成就労の違いは?
技能実習は「国際貢献(技能移転)」が建前の旧制度で原則転籍不可。特定技能は即戦力の就労資格、育成就労は2027年から始まる「人材育成・確保」目的の新制度で、一定条件の転籍が認められます。
参考資料
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まとめ
技能実習制度(介護職種)は、国際貢献を建前に2017年から介護現場での受け入れが始まった在留制度ですが、2027年4月1日施行の育成就労制度へ移行する旧制度です。日本語N4/N3の段階的要件、常勤介護職員総数を上限とする人数枠、経験ある介護福祉士の指導員配置など、介護固有の手厚い要件が特徴でした。これから外国人材を検討する施設は、技能実習の枠組みを理解しつつ、人材確保を目的とし転籍も認める育成就労制度を前提に計画を立てることが重要です。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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