介護保険料とは
介護保険料とは、介護保険法に基づき40歳以上が支払う保険料。第1号被保険者(65歳以上)は自治体ごとに月額基準額が定められ、第2号被保険者(40〜64歳)は医療保険と一体徴収。2024〜26年度の全国平均6,225円や2026年動向まで用語集形式で解説します。
この記事のポイント
介護保険料とは、介護保険法に基づき40歳以上の国民が支払う保険料のことです。65歳以上の第1号被保険者は自治体ごとに月額基準額が定められ、全国平均は月6,225円(2024〜2026年度)。40〜64歳の第2号被保険者は医療保険料と一体で徴収され、協会けんぽでは2026年4月から保険料率が1.62%に引き上げられました。
目次
介護保険料の定義と法的根拠
介護保険料とは、1997年に成立した介護保険法(2000年4月施行)に基づき、要介護状態となった高齢者が必要な介護サービスを受けられるよう、社会全体で財源を支える目的で課される保険料です。
介護保険制度では、給付費の50%を公費(国・都道府県・市町村)、残り50%を被保険者の保険料でまかなう構造になっています。被保険者負担分のうち、第1号被保険者(65歳以上)が約23%、第2号被保険者(40〜64歳)が約27%を分担します(2024〜2026年度)。
介護保険法第9条は「40歳以上の者は介護保険の被保険者となる」と定めており、40歳の誕生日の前日が属する月から、生涯にわたって保険料の納付義務が発生します。これは法定の強制加入制度であり、原則として脱退や免除は認められません。
第1号被保険者と第2号被保険者の保険料比較
介護保険料は、被保険者の年齢区分によって計算方法も徴収方法も大きく異なります。両者の違いを整理します。
| 項目 | 第1号被保険者 | 第2号被保険者 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 65歳以上 | 40〜64歳の医療保険加入者 |
| 保険料の決め方 | 市区町村が3年ごとに基準額を設定し、所得段階別(標準9段階・最大16段階)で個別決定 | 加入する医療保険ごとに介護保険料率が設定され、標準報酬月額×保険料率で決定 |
| 全国平均月額 | 月6,225円(2024〜26年度) | 協会けんぽ加入者で月平均約6,360円(2026年度推計) |
| 徴収方法 | 年金額が年18万円以上は特別徴収(年金天引き)、それ未満は普通徴収(納付書・口座振替) | 医療保険料と一体徴収。会社員は給与天引きで労使折半、自営業者は世帯単位で国保料に上乗せ |
| サービス利用条件 | 要介護・要支援認定を受ければ原因を問わず利用可能 | 16の特定疾病(初老期認知症、脳血管疾患など)に起因する要介護状態のみ |
第1号被保険者の保険料額は住んでいる市区町村によって2.7倍以上の格差があり、最高は大阪府大阪市の月9,249円、最低は東京都小笠原村の月3,374円です(2024〜2026年度)。これは高齢化率や介護サービスの整備状況、施設配置の違いを反映しています。
介護保険料の推移と全国平均(2000年〜2026年)
介護保険料は介護保険制度創設時から一貫して上昇を続けています。第1号被保険者の全国加重平均月額の推移は以下の通りです。
| 期間 | 事業計画期 | 第1号保険料 全国平均 |
|---|---|---|
| 2000〜02年度 | 第1期 | 月2,911円 |
| 2003〜05年度 | 第2期 | 月3,293円 |
| 2006〜08年度 | 第3期 | 月4,090円 |
| 2009〜11年度 | 第4期 | 月4,160円 |
| 2012〜14年度 | 第5期 | 月4,972円 |
| 2015〜17年度 | 第6期 | 月5,514円 |
| 2018〜20年度 | 第7期 | 月5,869円 |
| 2021〜23年度 | 第8期 | 月6,014円 |
| 2024〜26年度 | 第9期 | 月6,225円(過去最高) |
制度開始時(2000年)の月2,911円から、現在の月6,225円までで約2.1倍に上昇しました。厚生労働省の推計では、2040年には月9,000円程度まで上昇する見込みです。
第2号被保険者の保険料も同様に上昇しており、協会けんぽの介護保険料率は2025年度の1.59%から、2026年4月に1.62%へ引き上げられました。これにより、月給30万円の会社員の場合、本人負担分は月2,430円となります(労使折半後)。
介護保険料の徴収方法と納付の流れ
介護保険料の徴収方法は、被保険者区分と就業形態によって以下の4パターンに分かれます。
1. 第2号被保険者(会社員・公務員)— 給与天引き
勤務先で加入する健康保険組合や協会けんぽ、共済組合が、健康保険料と一緒に給与から天引きします。標準報酬月額・標準賞与額×介護保険料率で算出され、保険料は会社と本人で折半します。40歳の誕生日の前日が属する月分から徴収開始です。
2. 第2号被保険者(自営業・無職など)— 国民健康保険料に上乗せ
国民健康保険に加入している場合、所得割・均等割・平等割などをもとに世帯単位で計算し、国保料と一体で市区町村が徴収します。世帯主が納付義務者となり、納付書または口座振替で支払います。
3. 第1号被保険者(年金18万円以上)— 特別徴収(年金天引き)
老齢・退職年金、遺族年金、障害年金の年額が18万円以上の方は、年金支給時(偶数月)に保険料が自動的に天引きされます。第1号被保険者の約9割がこの特別徴収です。
4. 第1号被保険者(年金18万円未満等)— 普通徴収
年金額が少ない方や年度途中で65歳になった方は、市区町村から送られる納付書または口座振替で納付します。納期は通常6〜10期に分割されます。
なお、所得が著しく低い場合や災害等で生活が困難な場合は、市区町村への申請により減免・徴収猶予が認められることがあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 介護保険料はいつから支払いますか?
A. 法律上、40歳の誕生日の前日が属する月分から納付義務が発生します。たとえば5月10日が40歳の誕生日であれば、誕生日の前日(5月9日)が属する5月分から徴収開始となり、翌月の給与から天引きされるのが一般的です。
Q. 介護保険料を払うと、サービス利用料はどれくらい安くなりますか?
A. 介護保険サービスの利用料は1〜3割の自己負担で済みます(残り7〜9割は介護保険給付)。さらに自己負担額が一定額を超えた場合は高額介護サービス費として払い戻され、所得や住民税課税状況に応じて月の上限が44,400円〜15,000円に設定されています。施設サービスの食費・居住費については負担限度額認定証を申請することで、低所得者は基準費用額より低い負担に抑えられます。
Q. 65歳になっても会社員を続けている場合、保険料はどうなりますか?
A. 65歳到達月から第1号被保険者となり、給与天引きから市区町村による徴収(特別徴収または普通徴収)に切り替わります。健康保険料からは介護保険料部分が外れますが、第1号保険料は所得段階別で計算されるため、現役収入のある方は基準額の1.2〜1.7倍程度になることが一般的です。
Q. 海外赴任中も保険料を払う必要はありますか?
A. 日本国内に住民票がない場合は被保険者資格を喪失するため、第1号被保険者は保険料負担なしです。第2号被保険者は健康保険の被扶養者扱い等で資格が継続する場合は徴収が続きます。手続きは各市区町村・勤務先で確認が必要です。
参考文献・出典
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まとめ
介護保険料は、介護保険法に基づき40歳以上の全国民が支払う社会保険料であり、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40〜64歳)で計算方法・徴収方法が大きく異なります。第1号は市区町村ごとに月額基準額が異なり、全国平均は2024〜26年度で月6,225円。第2号は医療保険料と一体徴収され、協会けんぽは2026年4月から保険料率が1.62%に引き上げられました。
制度開始時から保険料は約2.1倍に上昇し、今後も高齢化進展に伴って上昇が続く見込みです。サービス利用時には1〜3割の自己負担で済むうえ、高額介護サービス費や負担限度額認定証など負担軽減の仕組みも整備されています。介護保険制度は40歳以降の人生設計に不可欠なインフラであり、自身の保険料水準と給付の仕組みを正しく理解することが大切です。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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