
会社都合退職とは
会社都合退職は会社側の事情による退職で、解雇・倒産・ハラスメント被害等が該当。失業給付の給付制限なし、退職金も自己都合の1.5倍が相場。
この記事のポイント
会社都合退職は、会社側の事情で労働者が退職する形態で、解雇・倒産・事業所閉鎖・大幅な賃金カット・ハラスメント被害等が該当します。失業給付は7日間の待期期間後すぐに支給開始(2か月の給付制限なし)、退職金は自己都合の1.5〜2倍が一般的。「特定受給資格者」「特定理由離職者」に認定されると国民健康保険料の軽減措置も受けられます。介護分野では事業所閉鎖・統合に伴う会社都合退職が近年増加傾向にあります。
目次
会社都合退職に該当する事由
雇用保険法上の「特定受給資格者」に該当する事由は次の通りで、ハローワークでこれらの事由を申告・認定されることで給付制限解除になります。
解雇・倒産系
- 会社からの解雇(懲戒解雇を除く)
- 事業所閉鎖・倒産・廃業
- 事業縮小に伴う早期退職募集への応募
労働条件悪化系
- 賃金が事前約束より15%以上低下
- 賃金の3か月以上の未払
- 労働時間が大幅増加(月45時間超の残業3か月連続等)
- 配置転換で遠方転勤を強いられる
ハラスメント系
- 上司・同僚からのハラスメント被害
- セクハラ・パワハラ・マタハラ・ケアハラ
- 事業所が必要な対応をしなかった
その他
- 労働関係法令違反による就労不能
- 健康保険・厚生年金の事業所負担分が未納で職員にも責任が及ぶ
- 事業所の重大な法令違反による職員の名誉毀損
会社都合と自己都合の経済的差
| 項目 | 自己都合 | 会社都合 |
|---|---|---|
| 失業給付の給付制限 | 2か月 | なし(7日後即時支給) |
| 給付日数 | 90〜150日(年齢・被保険者期間により) | 90〜330日(より長い) |
| 退職金(自己積立型) | 係数0.5〜0.7 | 係数1.0〜1.5 |
| 国保料の軽減 | なし | 給与30/100で計算する軽減措置あり(最長2年間) |
| 履歴書での印象 | キャリアアップ印象 | 解雇歴は説明が必要 |
金銭的には会社都合の方が圧倒的に有利ですが、解雇歴は次の転職活動で説明が必要になります。倒産・事業所閉鎖・ハラスメント被害の場合は履歴書・面接で正直に伝えればキャリア上の不利益は少ない一方、能力不足・問題行動による解雇は説明が難しい場合があります。
自己都合から会社都合への切替方法
1. 実態と離職票の記載を比較
会社が発行する離職票(離職証明書)には離職理由が記載されている。「自己都合」と書かれていても、実態が会社都合(賃金未払・ハラスメント等)なら異議申立できる。
2. ハローワークでの異議申立
離職票を持参してハローワークで「実態は会社都合」と申告。証拠書類(給与明細・診断書・ハラスメント記録)を提示し、ハローワーク調査官が事業所に確認。認定されれば自己都合→会社都合(特定受給資格者)に切替。
3. 必要な証拠書類
- 賃金未払:給与明細・労働契約書
- ハラスメント:録音・メール・診断書・第三者証言
- 配置転換:転勤辞令・通勤距離証明
- 労働時間:タイムカード・残業申請書
4. 結果通知と給付開始
切替認定されれば給付制限が解除され、申請から7日後に初回支給。国保料軽減措置も同時に申請可能。
会社都合退職のよくある質問
Q. 解雇された場合、解雇予告手当はもらえますか?
A. 試用期間中14日超勤務した場合・本採用後は、原則として解雇予告(30日前)か解雇予告手当(30日分)が支払われます(労基法第20条)。即日解雇された場合は30日分の手当を請求できる権利あり。
Q. 倒産時の未払賃金はどうなりますか?
A. 倒産による未払賃金は「未払賃金立替払制度」(独立行政法人 労働者健康安全機構)で立替払いを受けられます。最大8割(上限額あり)を国が立替て、後で会社財産から回収する仕組み。
Q. ハラスメントで退職する場合の手続きは?
A. ①社内のハラスメント相談窓口・労働組合に相談(記録を残すため)、②心療内科・精神科で診断書取得、③労働基準監督署または都道府県労働局のハラスメント相談コーナーに通報。退職時はハローワークで「特定受給資格者」申告。
参考文献・出典
- [1]雇用保険法 特定受給資格者- 厚生労働省
- [2]労働基準法 第20条 解雇予告- e-Gov法令検索
- [3]未払賃金立替払制度- 労働者健康安全機構
- [4]国民健康保険料の軽減措置- 厚生労働省
- [5]ハラスメント相談窓口- 厚生労働省
まとめ
会社都合退職は失業給付・退職金・国保料軽減の3点で自己都合より圧倒的に有利な扱いです。介護現場では事業所閉鎖・統合や賃金未払・ハラスメント被害による会社都合退職が増加傾向にあり、実態が会社都合なのに離職票で「自己都合」とされている場合はハローワークで異議申立できます。証拠書類(給与明細・診断書・ハラスメント記録)を退職前から準備しておくと、退職後の経済的負担を大幅に軽減できます。倒産時の未払賃金立替払制度も併せて活用しましょう。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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