
緊急時訪問看護加算とは
緊急時訪問看護加算は、24時間連絡対応・緊急訪問体制を整えた訪問看護ステーションが算定できる加算。2024年度改定で深夜帯の体制を評価する(Ⅰ)600単位/月が新設され、従来の574単位は(Ⅱ)として継続。
この記事のポイント
緊急時訪問看護加算は、24時間連絡が可能で必要時に緊急訪問できる体制を整えた訪問看護ステーションが算定できる介護保険の加算です。2024年度改定で深夜帯の緊急訪問体制を評価する(Ⅰ)600単位/月が新設され、従来から続く(Ⅱ)574単位/月と2区分になりました。
目次
緊急時訪問看護加算の位置づけ
緊急時訪問看護加算は、介護報酬告示において訪問看護費に対する加算として定められています。在宅療養者の急変時、24時間いつでも電話で看護師に相談でき、必要に応じて緊急訪問を受けられる体制を「常に維持していること」を評価するもので、利用者・家族の安心感と在宅療養継続に直結する重要な加算です。
2024年度改定では、特に深夜帯(22時〜翌6時)の緊急訪問体制を整備した事業所を上位区分として評価するため、(Ⅰ)が新設されました。これにより夜間体制の手厚いステーションが報酬上区別される仕組みとなりました。
なお、緊急時訪問看護加算を算定している事業所のみが、計画外の訪問1回ごとに算定する「緊急訪問看護加算」(1回265単位)も併せて算定できます。
単位数と区分(2024年度改定後)
| 区分 | 単位数 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 緊急時訪問看護加算(Ⅰ) | 600単位/月 | 24時間連絡+深夜帯(22〜翌6時)の緊急訪問体制+看護師等の交代制等の確保 |
| 緊急時訪問看護加算(Ⅱ) | 574単位/月 | 24時間連絡できる体制+必要に応じた緊急訪問体制 |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護や看護小規模多機能型居宅介護を提供する事業所が同一利用者に訪問看護を行う場合は算定できないなどの併算定制限があります。
緊急訪問看護加算(医療保険)との違い
名前が似た加算がいくつかあるため整理します。
- 緊急時訪問看護加算(介護保険):本加算。24時間体制を整えていることに対する月単位の加算。
- 緊急訪問看護加算(介護保険):計画外の臨時訪問1回ごとに算定する加算(1回265単位)。本加算を算定していることが前提。
- 24時間対応体制加算(医療保険の訪問看護療養費):医療保険版の類似加算。算定主体・要件が異なる。
介護保険と医療保険で名称が似ているため、レセプト作成時に取り違えないよう注意が必要です。
算定要件と届出までの流れ
- 体制を整える:24時間連絡できる電話番号と当番表、緊急訪問できる看護師の配置を確認。
- 利用者の同意:契約時または変更時に「24時間連絡体制を利用する」旨の同意を文書で取得。
- 体制届出:所在地の都道府県(または市町村)に体制届を提出。
- 記録:連絡対応記録、緊急訪問記録を整備。
- 請求:給付費明細書で月1回、対象利用者ごとに加算を計上。
(Ⅰ)を算定する場合は、深夜帯の緊急対応が交代制で運営されているか、看護師等の確保状況を勤務表で示せることがポイントです。
現場での運用ポイント
- 24時間連絡対応は携帯電話の自動転送・オンコール当番制で運用するのが一般的。
- 看護師の負担軽減のため、夜間専従や複数事業所間の連携体制(Ⅰの要件)を構築する事業所が増えている。
- 利用者・家族向けに「いつ電話していいのか」を明示しないと、過剰なオンコールにつながりやすい。
- 計画外の臨時訪問は「緊急訪問看護加算」を1回ごとに算定し、訪問の必要性を記録する。
よくある質問
Q. 利用者が同意しなければ算定できませんか
A. はい。24時間連絡体制を利用することについて利用者または家族の同意が必須で、契約書または同意書で確認します。
Q. (Ⅰ)と(Ⅱ)の併算定はできますか
A. できません。同月内に同一利用者に対して算定する場合はどちらか一方となります。
Q. 訪問看護ステーション以外でも算定できますか
A. 病院・診療所が訪問看護を行う場合の単位数は別途設定されており、ステーションより低めです。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(訪問看護)
- 厚生労働省「指定居宅サービス等に要する費用の額の算定に関する基準」(介護報酬告示)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」
まとめ
緊急時訪問看護加算は、訪問看護の安心感を支える24時間体制を制度的に評価する加算です。2024年度改定で深夜帯の緊急訪問体制を評価する(Ⅰ)600単位/月が新設され、夜間に手厚い体制を持つ事業所がより評価される構造になりました。届出と利用者同意、勤務体制の整備が算定の前提です。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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