
雇用契約書とは
雇用契約書は労働者と使用者が締結する労働契約の書面。介護転職で必須確認する10項目(賃金・労働時間・休日・試用期間・処遇改善加算等)を解説。
この記事のポイント
雇用契約書は、労働者と使用者が結ぶ労働契約の内容を書面化したもの。介護転職では入職前に必ず受け取り、賃金・労働時間・休日・試用期間・処遇改善加算の配分方法など10項目を確認します。労働基準法第15条で使用者には「労働条件通知書」の交付義務があり、これと一体化した「雇用契約書兼労働条件通知書」を使う事業所が多数です。書面なしの口頭契約は違法で、入職前の書面化を強く要求すべきです。
目次
雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書と労働条件通知書は混同されがちですが法的位置づけが異なります。
労働条件通知書(労基法上の義務)
労働基準法第15条で使用者に交付が義務付けられた書面。賃金・労働時間・休日など絶対的明示事項14項目を一方通行で伝えるもの。労働者の署名は不要。
雇用契約書(労使双方の合意書面)
労使双方の署名押印を必要とする契約書。労働条件通知書の内容を含みつつ、双方の合意を証明する。労働契約法上は口頭でも成立するため法的義務ではないが、トラブル予防の観点から書面化が推奨されます。
実務上の運用
多くの介護事業所は「雇用契約書兼労働条件通知書」として両者を1つの書面にまとめます。電子化(メール添付PDF等)も2019年の法改正で認められており、印鑑なしの電子署名でも有効です。
介護転職で必ず確認する10項目
- 労働契約期間(有期/無期の別、有期なら更新条件)
- 就業場所と業務内容(特定の事業所か複数兼務か)
- 始業・終業時刻と休憩、交替勤務の有無
- 休日・休暇(年間休日数、有給付与時期)
- 賃金(基本給・諸手当の内訳と計算方法)
- 賃金支払日と支払方法(締日と給与日)
- 退職に関する事項(自己都合の予告期間、解雇事由)
- 試用期間の有無と期間、本採用要件
- 処遇改善加算の配分方法(基本給組込か手当か賞与か)
- 夜勤手当・通勤手当・住宅手当等の具体的支給ルール
この10項目はトラブルの種になりやすく、雇用契約書上で曖昧な記載があれば入職前に必ず質問・修正依頼すべきです。
入職前に修正交渉できる項目とできない項目
雇用契約書の内容に違和感がある場合、入職前の交渉で修正できる項目とできない項目があります。
修正交渉可能な項目
- 賃金(特に基本給の額、手当の支給条件)
- 勤務時間・夜勤回数の上限
- 転勤の有無(複数事業所運営法人で重要)
- 有給休暇の取得タイミング
原則として変更不可な項目
- 事業所全体に適用される就業規則(個人差は付けにくい)
- 社会保険の加入条件
- 法定の労働基準(労働時間上限、最低賃金、休憩時間 等)
「他の職員と同じ条件」が原則の項目を譲歩させると後でトラブルになるので、現実的に交渉できる項目に絞って入職前に詰めましょう。
雇用契約書のよくある質問
Q. 入職日になっても雇用契約書がもらえません
A. 労働基準法違反です。労基署への相談、または労働組合・労働弁護士への相談を検討してください。書面なしで入職すると後日のトラブル時に証拠が残りません。最低限「労働条件通知書」だけでも要求しましょう。
Q. 入職後に内容を変えられました
A. 一方的な不利益変更は労働契約法第8条で禁じられています。労使合意なき変更は無効。書面で「変更を承諾しない」旨を伝え、労基署・労働組合に相談を。
Q. 電子契約(PDF・電子署名)でも法的に有効ですか?
A. 有効です。2019年の労基法施行規則改正で電子契約も認められました。労働者が希望する場合に限り電子化可で、紙の交付を希望する権利は保持されます。
参考文献・出典
- [1]労働基準法第15条 労働条件の明示- e-Gov法令検索
- [2]労働条件の明示について- 厚生労働省
- [3]労働契約法- e-Gov法令検索
- [4]労働条件通知書(モデル様式)- 厚生労働省
- [5]労働相談・労働基準監督署- 厚生労働省
まとめ
雇用契約書は介護転職の「最後のセーフティネット」です。求人票や面接時の説明と一致しているか必ず確認し、不明点は入職前に質問・修正依頼を。書面交付を渋る事業所は労務管理に問題がある可能性が高く、入職自体を再考すべきサインと捉えるのが安全です。電子契約も有効ですが、内容理解の機会を確保するため契約締結前に必ず内容を読み込みましょう。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
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