
認知症専門ケア加算とは
認知症専門ケア加算は、認知症介護実践リーダー研修・指導者養成研修の修了者を配置し、認知症の方への専門ケア体制を整えた事業所が算定できる加算。2024年度改定で訪問系サービスでも要件が見直された。ⅠとⅡの違い・単位数・必要な研修を整理する。
この記事のポイント
認知症専門ケア加算は、認知症介護実践リーダー研修や認知症介護指導者養成研修の修了者を配置し、認知症高齢者への専門ケア体制を整えた事業所が算定できる加算です。(Ⅰ)3単位/日と(Ⅱ)4単位/日の2区分があり、訪問介護・特養・老健・GHなど幅広いサービスで設定されています。
目次
認知症専門ケア加算の位置づけ
認知症専門ケア加算は、介護報酬告示において複数のサービス(訪問介護・通所介護・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・認知症対応型共同生活介護など)の加算として設定されています。認知症の人への対応は専門知識と組織的な体制の両方が不可欠であり、本加算はそれを満たす事業所を上乗せ評価する仕組みです。
2024年度(令和6年度)改定では、訪問介護・訪問入浴介護・夜間対応型訪問介護・定期巡回随時対応型訪問介護看護で本加算が新設・拡充され、対象利用者の要件も「認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上」から「Ⅱ以上」に緩和されたサービス区分があります(サービス種別ごとに異なる)。これにより訪問系でも認知症ケア体制への評価が広がりました。
単位数と区分
| 区分 | 単位数 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 3単位/日 | 認知症介護実践リーダー研修修了者の配置(対象者数に応じた配置数)/認知症ケアに関する事例検討等を定期的に実施 |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 4単位/日 | (Ⅰ)の要件+認知症介護指導者養成研修修了者を1名以上配置/介護職員等への認知症ケア研修計画を作成し実施 |
対象利用者は「認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の者」が原則。サービス種別によって「対象者の割合(50%以上など)」が要件に加わります。
認知症加算との違い
認知症関連の加算が複数あるため整理します。
- 認知症専門ケア加算(本加算):実践リーダー・指導者の研修修了者を配置することで算定。職員の専門性を評価。
- 認知症加算:通所介護・小規模多機能等で認知症の方を積極受け入れる体制を評価する別加算。
- 若年性認知症利用者受入加算:65歳未満の認知症の方を受け入れる場合の加算。
つまり「認知症加算=積極受け入れ体制」、「認知症専門ケア加算=指導役の人材配置」と整理できます。研修受講と人材育成計画が重要なポイントです。
算定までの流れ
- 研修修了者の確保:認知症介護実践リーダー研修(実践者研修修了後1年以上+実務経験5年程度)または指導者養成研修の修了者を配置。
- 対象者の割合を確認:認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上の利用者の割合がサービス種別の要件を満たしているか毎月確認。
- 体制届出:都道府県・市町村に体制届を提出。
- 事例検討・研修計画の整備:定期的な事例検討、職員研修計画の文書化。
- 請求:給付費明細書で日数分を計上。
現場での運用ポイント
- 実践リーダー研修は受講枠が限られるため、計画的に派遣する。
- 研修修了者が退職した場合は速やかに代替確保が必要。算定中断のリスクを把握しておく。
- 事例検討の実施記録は、開催日・参加者・取り上げた事例・気づきを残すと実地指導でも安心。
- 2024年改定で訪問系サービスにも導入され、訪問介護でも算定機会が広がっている。
よくある質問
Q. 認知症介護実践者研修だけで(Ⅰ)を算定できますか
A. できません。実践者研修より上位の「実践リーダー研修」修了者の配置が必要です。
Q. (Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できますか
A. できません。同月内に同一利用者に対してどちらか一方のみです。
Q. 認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱとはどの程度の状態ですか
A. 日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが「多少見られる」状態。在宅・外来通院でも見られるレベルです。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
- 厚生労働省「指定居宅サービス等に要する費用の額の算定に関する基準」(介護報酬告示)
- 厚生労働省「認知症介護実践者等養成事業の実施について」(局長通知)
まとめ
認知症専門ケア加算は、研修修了者の配置と組織的な認知症ケア体制を評価する加算です。(Ⅰ)3単位/日と(Ⅱ)4単位/日の2区分があり、特養・老健・GHに加え2024年改定で訪問系サービスにも対象が広がりました。研修派遣計画と対象者割合の管理を仕組みにすることが、安定算定の鍵です。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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