個人防護具(PPE)とは

個人防護具(PPE)とは

個人防護具(PPE)とは、手袋・マスク・ガウン・ゴーグルなど感染から身を守る防護具のこと。介護現場での種類と、着用・脱衣の正しい順序を厚労省の手引きに基づき解説します。

ポイント

個人防護具(PPE)の定義(answer capsule)

個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment)とは、手袋・マスク・ガウン/エプロン・ゴーグル/フェイスシールドなど、血液や体液・排泄物などの感染源から自分自身と他者を守るために身につける防護具の総称です。介護・看護の現場では、感染症の有無にかかわらず標準予防策(スタンダード・プリコーション)の柱として用いられ、場面に応じて適切に選び、正しい着脱の順序を守ることが重要とされています。

目次

個人防護具(PPE)の概要と標準予防策での位置づけ

個人防護具(PPE)とは何か

個人防護具(PPE)は、ケアを行う職員と利用者の双方を、感染や汚染から守るための使い捨て防護具です。厚生労働省「介護現場における感染対策の手引き(第3版)」では、血液などの体液・排泄物はすべて感染源とみなし、感染症の有無にかかわらず適切なタイミングでPPEを着用し、外す際も正しい方法で行うことが、自身や他者を守りさらなる感染を防ぐために必要だとされています。

標準予防策(スタンダード・プリコーション)の柱

標準予防策とは「汗を除くすべての体液・血液・分泌物・排泄物は感染の危険があるものとして取り扱う」という感染対策の基本的な考え方です。その具体的な手段として、手指衛生とならんでPPEの装着が位置づけられています。PPEは特定の感染症に対してだけ使うものではなく、すべての利用者へのケアにおいて、汚染の可能性がある場面で標準的に用いる点が特徴です。

PPEの主な種類

手引きでは、PPEには「マスク、手袋、エプロン、ゴーグル、フェイスシールド等があり、これらを状況に応じて、適切に選択し、組み合わせて使用する」とされています。原則としてディスポーザブル(使い捨て)で、利用者1人ごと・ケアごとに交換し、使用後は感染性廃棄物として処理します。着用中はPPEに付着した汚染物を拡散させないよう広範囲に歩き回らず、使ったPPEは持ち歩かずにすみやかに廃棄することが求められます。

個人防護具(PPE)の主な種類と使う場面

PPEの主な種類と使う場面

厚労省の手引きでは、場面や体液に触れる度合いに応じてPPEを選択・組み合わせて使うとされています。代表的な種類と使う場面は次のとおりです。

  • 手袋:血液・体液・嘔吐物・排泄物(便)に手が触れるとき、傷や創傷皮膚に触れるとき。点滴や採血の際も同様。外したあとは必ず手指衛生を行う。
  • マスク(不織布マスク):体液・嘔吐物・排泄物などが飛び散り、口や鼻を汚染するおそれがあるとき。
  • ガウン・使い捨てエプロン:体液・嘔吐物・排泄物などで衣服が汚染するおそれがあるとき。使ったガウン・エプロンは別の利用者のケアに使い回さない。
  • ゴーグル・フェイスシールド(アイプロテクション):体液などが飛び散り、目を汚染するおそれがあるとき。
  • キャップ:咳込みの多い利用者など、髪の毛も汚染される可能性がある場合に使用。

原則は使い捨て(ディスポーザブル)で、利用者1人ごと・ケアごとに交換します。

個人防護具(PPE)の正しい着脱順序

PPEの正しい着脱順序

PPEは「着るとき」と「外すとき」で順序の考え方が異なります。着用は清潔な体に外側から汚染されていく順脱衣は最も汚染された防護具から先に外し、汚染を広げない順が原則です。

着用(装着)の順序

  1. 手指衛生(手洗い・手指消毒)
  2. ガウン/エプロンを着る
  3. マスクを着ける(鼻と口を覆い、隙間から空気がもれないように装着)
  4. ゴーグル/フェイスシールドを着ける
  5. 手袋をはめる(ガウンの袖口を覆うように)

脱衣(外す)の順序

外すときは、最も汚染されている手袋から先に外します。これは厚労省「施設内療養時の対応の手引き」でも、防護具のはずし方の最初の手順として「手袋をはずします」と示されている考え方です。

  1. 手袋を外す(外側に触れないよう裏返しながら外す)
  2. 手指衛生
  3. ゴーグル/フェイスシールドを外す(顔の前面=汚染面に触れない)
  4. ガウン/エプロンを外す(外側の汚染面が内側になるよう丸めて捨てる)
  5. マスクを外す(表面に触れず、紐を持って外す)
  6. 手指衛生

外したPPEは持ち歩かず、その場(汚染区域)で感染性廃棄物として速やかに廃棄します。ゾーニングを行っている場合は、防護具を脱ぐ場所(イエローゾーン)を決めておくと汚染の拡散を防げます。

個人防護具(PPE)のよくある質問

よくある質問

Q. PPEとは何の略ですか?

PPEは「Personal Protective Equipment」の略で、日本語では「個人防護具」と訳します。手袋・マスク・ガウン/エプロン・ゴーグル/フェイスシールドなど、感染源から身を守る防護具の総称です。

Q. PPEを着ける順番と外す順番はなぜ違うのですか?

着用時は清潔な状態から身につけるため手指衛生→ガウン→マスク→ゴーグル→手袋の順、脱衣時は最も汚染されている部分から外して汚染を広げないため手袋から先に外します。「最も汚れたものから外す」のが脱衣の基本原則です。

Q. PPEは使い回してもよいですか?

原則としてディスポーザブル(使い捨て)です。利用者1人ごと・ケアごとに交換し、使用後は感染性廃棄物として処理します。使ったガウン・エプロンを別の利用者のケアに使い回してはいけません。

Q. 感染症が出ていなくてもPPEは必要ですか?

必要です。標準予防策では、感染症の有無にかかわらず、血液や体液・排泄物に触れる可能性がある場面では適切なPPEを着用します。特定の感染症のときだけ使うものではありません。

Q. 手指衛生とPPEはどちらが優先ですか?

どちらも標準予防策の柱で、両方が欠かせません。とくに手袋を外したあとは必ず手指衛生を行います。手袋をしていても、外したあとの手指衛生は省略できません。

個人防護具(PPE)の参考資料

個人防護具(PPE)のまとめ

まとめ

個人防護具(PPE)は、手袋・マスク・ガウン/エプロン・ゴーグル/フェイスシールドなどからなる、感染から身を守る防護具です。標準予防策の柱として、感染症の有無にかかわらず汚染の可能性がある場面で使い、原則は使い捨て。着用は手指衛生→ガウン→マスク→ゴーグル→手袋、脱衣は手袋から先に外すという順序を守ることが、自分と利用者を守る基本です。手指衛生やゾーニングとあわせて、現場の感染対策を確実に実践しましょう。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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