
連絡帳とは
介護施設・デイサービスで使う連絡帳とは、施設と家族が利用者の日々の様子を共有する双方向の連絡ツール。役割・記載項目・書き方のポイントを、申し送りや介護記録との違いとあわせて定義特化で解説します。
連絡帳とは(回答カプセル)
連絡帳とは、デイサービスなどの介護施設と家族が、利用者のその日の体調や過ごし方を毎日やりとりするための双方向の連絡ツールです。施設は当日の様子を記し、家族は自宅での変化や気になる点を書き込みます。専門職どうしが引き継ぐ「申し送り」や法定の「介護記録」とは目的が異なり、施設と家族をつなぐ役割を担います。
目次
連絡帳の概要
連絡帳の概要|施設と家族をつなぐ「もう一つの窓口」
連絡帳は、デイサービス(通所介護)や通所リハビリ、ショートステイ、入所施設などで広く使われている、施設と家族のあいだの連絡ノートです。連絡ノート、れんらくノートと呼ぶ事業所もありますが、役割はほぼ同じです。利用者本人が体調や出来事をうまく言葉で伝えられない場合でも、連絡帳があれば、家族は「今日はどんな一日だったか」を文字で確認できます。
多くの連絡帳は、施設が記入する欄と家族が記入する欄が見開きやページで分かれています。施設側はその日の体温・血圧などのバイタル、入浴や食事、排せつ、活動内容、本人の様子や特記事項を記します。家族側は自宅での睡眠や食欲の変化、気になる症状、施設への質問や依頼を書き込みます。送迎時にノートを手渡し合う、あるいはかばんに入れて往復させる運用が一般的で、近年はアプリやメールで電子的にやりとりする事業所も増えています。
連絡帳の本質は「双方向性」にあります。施設からの一方的な報告書ではなく、家族からの書き込みも前提にしている点が、業務記録や報告書との大きな違いです。家族が自宅での細かな変化を書くことで、施設はその情報を当日のケアに反映でき、一人ひとりに合わせた対応につながります。逆に施設が施設での様子をていねいに伝えることで、家族は離れていても本人の状態を把握でき、安心感と信頼が生まれます。日々の積み重ねが、施設と家族の信頼関係を支える土台になります。
連絡帳の記載項目
連絡帳に書く主な項目
事業所によって様式は異なりますが、デイサービスの連絡帳でよく使われる項目は次のとおりです。
施設が記入する欄
- 利用日・送迎時間:いつ利用し、何時に送り迎えをしたか
- バイタル:体温、血圧、脈拍、必要に応じて呼吸や血中酸素
- 入浴・清潔:入浴の有無、皮膚の状態など
- 食事・水分:主食副食の摂取量、水分量、むせの有無
- 排せつ:排尿排便の回数や状態
- 活動内容:レクリエーション、機能訓練、外出などの参加状況
- 本人の様子・特記事項:表情や会話、気になった出来事
- 施設からの連絡事項:持ち物の依頼、相談したいことなど
家族が記入する欄
- 自宅での睡眠・食欲・体調の変化
- 服薬の状況や塗り薬などの依頼
- 気になる症状や、施設への質問
- 持ち物・お迎えに関する連絡
連絡帳と申し送り・介護記録の違い
連絡帳・申し送り・介護記録の違い
連絡帳は、ほかの「記録」と混同されやすいですが、読み手と目的が異なります。連絡帳は施設と家族のあいだの連絡が目的で、専門職どうしの引き継ぎや法定記録とは役割が分かれます。
| 種類 | 主な読み手 | 目的 |
|---|---|---|
| 連絡帳(連絡ノート) | 施設と家族 | その日の体調や様子を双方向に共有し、安心と信頼につなげる |
| 申し送り | 職員どうし(交代時) | 勤務交代の際に必要な情報を引き継ぎ、ケアの継続性を保つ |
| 介護記録(サービス提供記録) | 職員・行政・関係事業所 | 提供したケアの内容を客観的に残す。法令で整備・保存が求められる |
連絡帳は家族が読むことを前提にした、わかりやすい言葉で書く連絡ツールです。一方で介護記録は、運営基準にもとづいて整備・保存が義務づけられた公式の記録です。同じ「書く」業務でも、誰に向けて何のために書くのかを意識すると、内容の濃淡や言葉づかいを使い分けやすくなります。
連絡帳の書き方のポイント
限られた時間で書く連絡帳でも、少しの工夫で家族に伝わりやすくなります。施設側・家族側それぞれの視点で押さえておきたい点をまとめます。
施設が書くとき
- 具体的・客観的に書く:「楽しそうでした」より「昔の仕事の話で笑顔が多く見られました」のように、場面が浮かぶ書き方にする
- 専門用語を避ける:家族が読むことを前提に、わかりやすい言葉に置き換える
- 前向きな表現を心がける:「できなかった」ではなく「職員と一緒に試しました」のように、家族が安心できる伝え方にする
- 気になる変化は早めに共有:体調やけがの兆候は、事実を正確に書き、必要なら電話連絡も併用する
家族が書くとき
- 自宅での睡眠・食欲・気分など、施設では見えない変化を具体的に伝える
- 質問や依頼は、要点を短く分かりやすく書く
- 感謝やねぎらいの一言を添えると、双方向のやりとりが続きやすくなる
連絡帳の記入に時間がかかりすぎる、形だけになっているといった理由から、廃止や電子化を検討する事業所もあります。負担を抑えつつ大切な情報共有を続けるために、項目を絞る、テンプレートを用意する、アプリを活用するといった見直しも有効です。
連絡帳のよくある質問
連絡帳に関するよくある質問
連絡帳と連絡ノートは違うものですか?
呼び方の違いで、役割はほぼ同じです。施設と家族が利用者の様子を共有する連絡ツールを、事業所によって連絡帳、連絡ノート、れんらくノートなどと呼んでいます。
連絡帳は必ず作らなければいけませんか?
連絡帳そのものは法令で義務づけられた書類ではなく、各事業所の運用です。一方で、提供したサービス内容の記録(介護記録)は運営基準で整備・保存が求められています。連絡帳は家族との情報共有を目的とした任意のツールという位置づけです。
家族も連絡帳に書いたほうがよいですか?
はい。連絡帳は双方向のやりとりが前提です。自宅での睡眠や食欲の変化、気になる症状、質問などを書き込むことで、施設は当日のケアに反映しやすくなり、本人に合わせた対応につながります。
連絡帳が電子化されると何が変わりますか?
アプリやメールでやりとりする事業所では、手書きの往復が不要になり、写真の共有や検索もしやすくなります。記入負担の軽減や、紛失防止にもつながります。様式や運用は事業所ごとに異なるため、利用前に確認するとよいでしょう。
連絡帳の参考資料
- [1]指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)- 厚生労働省
通所介護における利用者・家族への説明義務(第99条)やサービス提供記録の整備・保存(第104条の4)を定めた省令。
- [2]
- [3]
連絡帳のまとめ
まとめ
連絡帳は、施設と家族が利用者の日々の様子をやりとりする双方向の連絡ツールです。職員どうしの申し送りや、法令で整備が求められる介護記録とは役割が異なり、家族の安心と施設への信頼を支える役割を担います。施設は具体的で前向きに、家族は自宅での変化や質問を、それぞれわかりやすい言葉で書き合うことが、よりよいケアにつながります。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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