
特別管理加算とは
特別管理加算は訪問看護で在宅人工呼吸器・気管カニューレ・在宅酸素療法等を必要とする利用者へ算定する月額加算。Ⅰは500単位、Ⅱは250単位。
この記事のポイント
特別管理加算(Ⅰ:月500単位/Ⅱ:月250単位)は、訪問看護ステーションが在宅で医療処置の必要な利用者へ計画的な管理を行う場合に月1回算定できる加算です。Ⅰは人工呼吸器・気管カニューレ・在宅悪性腫瘍患者などの「特掲診療料の施設基準等別表第八」該当者、Ⅱは在宅酸素療法や留置カテーテルなど比較的軽度の医療処置該当者が対象で、要件は訪問看護計画への特別管理事項の明記です。
目次
特別管理加算の制度概要
特別管理加算は、医療的なケアが必要な利用者を訪問看護ステーションが在宅で支えるためのインセンティブとして設定された月額加算です。介護保険・医療保険どちらの訪問看護でも算定可能で、対象者の医療処置レベルに応じてⅠとⅡの2区分が用意されています。
制度の背景には「在宅医療への移行推進」があります。病院から在宅へ移行する利用者は人工呼吸器や中心静脈栄養を継続するケースが多く、訪問看護師の管理負担が大きいため、加算による経済的支援で在宅療養体制を維持しやすくする狙いです。2024年度改定では特掲診療料別表第八の対象者リストが見直されました。
ⅠとⅡの対象者の違い
Ⅰ(500単位/月)の対象者
- 在宅人工呼吸器使用者
- 気管カニューレ使用者
- 在宅悪性腫瘍患者(中心静脈栄養法、自己疼痛管理を含む)
- 在宅自己腹膜灌流者
- 真皮を越える褥瘡を有する者
- 点滴注射を週3回以上要する者
Ⅱ(250単位/月)の対象者
- 在宅酸素療法施行者
- 留置カテーテル(膀胱・経管栄養)使用者
- 人工肛門・人工膀胱を造設している者
- ストーマ管理を要する者
算定の流れと記録要件
特別管理加算は、訪問看護計画書に「特別管理事項」を明記し、その内容に沿った計画的な管理を行うことが算定の前提です。
1. 医師の指示書確認
主治医の訪問看護指示書に対象となる病名・医療処置が記載されているかを確認。記載がない場合は医師に追記を依頼します。
2. 訪問看護計画書への明記
「特別管理事項」欄に具体的な管理内容(処置頻度、評価指標、緊急時対応)を記載します。Ⅰ対象者の場合はリスク管理計画も併記。
3. 訪問看護記録書での実施記録
毎回の訪問で実施した特別管理内容と利用者の状態を記録。月末には1か月分の実施記録をまとめ、保険請求の根拠資料として保管します。
関連する訪問看護加算との違い
| 加算名 | 単位 | 対象 |
|---|---|---|
| 特別管理加算Ⅰ | 月500単位 | 人工呼吸器・気管カニューレ等の重度医療処置 |
| 特別管理加算Ⅱ | 月250単位 | 在宅酸素・留置カテーテル等の中等度処置 |
| 緊急時訪問看護加算 | 月574単位 | 24時間体制で利用者の緊急訪問に応じる |
| ターミナルケア加算 | 2,500単位 | 死亡日及び死亡日前14日以内に2回以上訪問看護を実施 |
| 看護体制強化加算 | 月300〜600単位 | 緊急・特別管理・ターミナル対応の総合体制 |
特別管理加算のよくある質問
Q. 利用者が月途中で対象状態になった場合は?
A. 月のいずれかの日に対象状態の管理を実施していれば1か月分を算定できます。逆に状態が改善し対象から外れた月は算定できません。
Q. ⅠとⅡを同月内で併算定できますか?
A. できません。同一利用者に対しいずれか一方のみです。例えば在宅人工呼吸器と在宅酸素療法を同時に行っている場合は重度のⅠを選択します。
Q. 介護保険と医療保険の訪問看護で同時算定できますか?
A. 同月内にいずれかの保険でのみ算定します。月の前半が医療保険、後半が介護保険といったケースでは原則として日数の多い方で算定するルールです。
参考文献・出典
- [1]令和6年度介護報酬改定における改定事項について- 厚生労働省
- [2]訪問看護療養費の算定方法- 厚生労働省
- [3]特掲診療料の施設基準等別表第八- 厚生労働省
- [4]訪問看護ステーション運営の手引き- 全国訪問看護事業協会
- [5]訪問看護管理者研修テキスト- 日本看護協会
まとめ
特別管理加算は、医療依存度の高い利用者を在宅で支える訪問看護ステーションへの経済的支援として重要な加算です。算定にあたっては医師の指示書と訪問看護計画書の整合性が監査でも重視されます。利用者の状態は月単位で変化するため、毎月の請求前に対象状態をスタッフ全員で確認するワークフローを整備しておくと、過誤請求のリスクを下げられます。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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