
親の入院から在宅復帰までの段取り|退院支援看護師の活用と介護体制の作り方
親が入院したら退院後の在宅生活をどう組み立てるか。退院支援看護師・MSW・ケアマネ・訪問看護を巻き込み、退院前カンファレンスから住環境整備までを家族目線で30日タイムラインで解説。
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この記事のポイント
親の入院から在宅復帰までは、入院翌日〜7日以内に退院支援看護師・医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談し、要介護認定の申請、ケアマネジャー選定、退院前カンファレンスの調整を並行で進めるのが基本です。「退院まで2週間」と言われてから動くと間に合いません。入院中に暫定ケアプランを作っておけば、認定結果を待たずに退院当日から訪問看護・福祉用具を使えます。手すり設置などの住宅改修は介護保険で20万円まで給付され、退院前から事前申請可能です。
目次
親が急に倒れて入院。治療が落ち着いた頃、主治医や看護師から「そろそろ退院の話を」と切り出されて、家族が頭を抱えるケースは少なくありません。「自宅で本当に介護できるのか」「何から手をつければいいのか」「介護保険って誰に相談すれば」――入院前は元気に一人暮らしをしていた親が、退院後はベッドからほとんど動けない状態、ということもあります。
厚生労働省が2018年度に「退院支援加算」を「入退院支援加算」へ名称変更し、入院前からの支援強化を診療報酬で評価したことで、いまや病院側は「入院後7日以内に退院困難な患者を抽出し、家族と面談する」ことが標準業務になっています(厚労省 中医協資料)。つまり、家族が動かなくても病院が呼んでくれる仕組みは整いつつあります。しかし呼ばれてから受け身で動いていると、退院日に在宅サービスがまったく入らないという事態が起こりえます。家族側が制度を理解し、能動的に動くかどうかで、退院後30日の生活の質は大きく変わります。
この記事では、入院初日から退院後30日までを家族視点のタイムラインに分解し、退院支援看護師・MSW・ケアマネジャー・訪問看護・在宅医をどの順番でどう動かすか、住宅改修や福祉用具レンタルを退院に間に合わせる具体手順、そして「どうしても在宅復帰が難しい」と感じたときの選択肢まで、公的資料に基づいて整理します。
退院支援とは|なぜ家族が知っておくべきか
「退院支援」とは、入院した患者が退院後も住み慣れた地域・自宅で安心して生活できるよう、入院時点から退院後の生活設計をチームで支える仕組みのことです。かつては「治療が終わったら自宅へ帰す」だけだった退院プロセスが、超高齢社会のなかで「医療依存度を抱えたまま、家で暮らし続ける」前提に変わってきたため、家族の負担も病院側のかかわり方も大きく変化しています。
なぜ退院支援が制度として整備されたのか
厚生労働省は2016年度診療報酬改定で「退院支援加算」を新設し、2018年度には「入退院支援加算」へ改称しました。これは「退院時だけ」ではなく「入院前から、退院後の生活までを切れ目なく支える」という方針転換を意味します。中医協(中央社会保険医療協議会)の資料によれば、入退院支援加算1の届出は急性期一般入院料1の医療機関で約74.6%、地域包括ケア病棟で約88.7%に達しており、ほとんどの中規模以上の病院に「入退院支援部門」が設置されています(厚労省 中医協 入院その7 資料)。
退院支援が在宅復帰率・再入院率に与える影響
地域包括ケア病棟の施設基準では「退院患者の8割以上が在宅等へ復帰」することが求められており、令和6年度診療報酬改定では新設された「地域包括医療病棟」でも同じ8割基準が設定されています。つまり、病院は「家に帰せる体制を作る」ことを制度的に求められています。一方で、退院支援が不十分なまま帰宅すると、急変・転倒・服薬ミスにより30日以内の再入院につながりやすいことも国内外の研究で繰り返し指摘されており、ここを防ぐのが退院支援の役割です。
家族が知っておくべき3つの前提
- 入院日数は短くなっている:急性期病院の平均在院日数は10〜14日程度。「退院まで2週間」と言われてから動き始めると、訪問看護・福祉用具・住宅改修のすべてが間に合わない可能性があります。
- 病院が「退院困難」と判断する基準は決まっている:令和6年度改定では「悪性腫瘍・認知症・誤嚥性肺炎、緊急入院、要介護認定未申請、入院前と比べADL低下、退院後に医療処置が必要」など14項目が示されています(厚労省 令和6年度診療報酬改定の概要)。該当すれば早期に支援チームが動きます。
- 「在宅復帰」は自宅だけを指さない:診療報酬上は、老健・有料老人ホーム・サ高住への退院も「在宅復帰」に含まれます。「自宅か施設か」の二択ではなく、グラデーションで考える視点が必要です。
入院翌日〜退院後30日のタイムライン
急性期病院の入院は短期化しており、退院までの猶予が想像以上に少ないのが現実です。ここでは、急性期一般入院料1の病棟を想定し、入院翌日から退院後30日までを「家族が何をするか」「病院側で何が動いているか」のペアで整理します。
入院当日〜3日:情報を出し切る
入院後3日以内に、入退院支援加算1の病院では「退院困難な患者の早期抽出」が行われます(厚労省 入退院支援加算 施設基準)。このスクリーニング材料となるのが、家族から提供される入院前の生活情報です。
- 家族がやること:入院時面談で「入院前のADL(歩行・排泄・入浴の自立度)」「服薬中の薬の一覧(お薬手帳)」「介護保険の利用有無」「自宅環境(戸建て/集合住宅、段差、トイレ・浴室の場所)」「主介護者になれる人の状況」を必ず伝えます。お薬手帳・介護保険被保険者証・障害者手帳・身体障害者手帳をコピーして病棟に渡しておくとスクリーニングが進みやすくなります。
- 病院側:スクリーニングシートで退院困難要因を評価し、退院支援看護師(退院調整看護師)かMSWが家族との初回面談を設定します。
入院4日〜7日:退院支援チームと初回面談
入退院支援加算1の要件では「入院後7日以内に多職種カンファレンスを実施し、退院支援計画作成に着手」することが求められています。このタイミングで家族と退院支援看護師・MSWとの初回面談が組まれることが多いです。
- 家族がやること:「在宅で介護する意思があるか」「主介護者は誰か」「在宅か施設か迷っている」「医療処置(吸引・経管栄養・インスリン・在宅酸素など)を家族ができるか」を率直に伝えます。ここで「自宅は無理かもしれない」と言うのは恥ずかしいことではなく、選択肢を広げるための重要な情報共有です。
- 病院側:退院支援計画書を作成。要介護認定が未申請なら、入院中の申請を提案されます。
入院1〜2週目:要介護認定の申請とケアマネ選定
要介護認定は申請から認定結果が出るまで原則30日程度かかります。退院に間に合わせるには入院中の申請が必須です。市区町村の介護保険窓口へ家族が代理申請でき、入院中の病院で認定調査を受けることも可能です。
- ケアマネジャー選定:地域包括支援センター(要支援見込み)または居宅介護支援事業所(要介護見込み)に連絡。MSWが地元事業所のリストを持っているので相談すると早いです。すでに通院している在宅医がいれば、その医療機関と連携経験のある事業所を選ぶとスムーズです。
- 暫定ケアプラン:認定結果が出る前でも、ケアマネジャーが暫定ケアプランを作れば退院当日から訪問看護・福祉用具レンタルを開始できます。厚労省 介護保険最新情報Vol.1266 でも「保険者の判断で、要介護認定の結果が出る前でも暫定ケアプランで介護サービスの提供を開始可能」と明示されています。
退院7日前:退院前カンファレンス
退院7日以上前を目処に、退院前カンファレンス(退院時共同カンファレンス)が開かれます。これは在宅生活のシナリオを「全員で合意する」場であり、家族が在宅復帰の鍵を握る最大の山場です。詳細は後述します。
退院当日〜3日:訪問看護とリハの立ち上げ
退院当日から訪問看護を入れることが可能です。介護保険なら特別管理加算対象者(経管栄養・気管切開・在宅酸素など)は当日訪問OK、医療保険なら退院支援指導加算の対象となります(visitcare-plus.co.jp 解説)。退院翌日の朝に訪問看護師が来てバイタル・服薬・住環境を確認し、夕方にデイサービスや訪問介護のスケジュールを微調整する、というパターンが現実的です。
退院7日〜30日:再入院予防の見直し期間
退院後1〜2週間は「想定外」が頻発します。「夜中にトイレに間に合わない」「服薬を忘れる」「思った以上に介護者が疲弊する」など。退院後2週間目を目安にケアマネジャーとサービス担当者会議を行い、ケアプランを修正するのが王道です。30日以内の再入院は病院側にも家族にも避けたいリスクなので、訪問看護師が異変を早期に拾える体制を作っておきます。
病院内のキーパーソン|退院支援看護師・MSW・主治医
病院内で家族の味方になるキーパーソンを早く見極めることが、退院支援を成功させる第一歩です。職種ごとに役割が明確に分かれており、相談先を間違えると話が進みません。
退院支援看護師(退院調整看護師)
主に医療面の調整を担う看護師で、入退院支援部門に専従配置されています。入退院支援加算1の施設基準では「専従の看護師または専従の社会福祉士1名以上」の配置が求められており(厚労省 入院その7 資料)、大規模病院では退院支援室・地域連携室といった専門部署が設置されています。家族が話す相手は基本的にこの退院支援看護師か、後述のMSWです。
- 退院後の医療処置(吸引・経管栄養・在宅酸素・人工呼吸器)が家族にできるかの判断と指導
- 訪問看護ステーションとの調整、訪問看護指示書の取得手配
- 病棟看護師・主治医・リハスタッフをつなぐハブ役
医療ソーシャルワーカー(MSW)
社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持つ専門職で、社会制度・生活面・経済面の調整を担います。
- 介護保険申請のサポート、市区町村窓口との連絡
- 転院・施設入所が必要な場合の調整・施設情報提供
- 医療費・生活費の制度活用(高額療養費、限度額適用認定証、傷病手当、生活保護など)
- 独居・身寄りなし・経済困窮・虐待の疑いなど社会的困難ケースの調整
家族が「お金が払えるか不安」「自宅は無理かもしれない」と感じたら、最初に話す相手はMSWです。相談料は無料で、医療法上「医療機関は社会福祉士等を配置することが望ましい」とされており、200床以上の病院ではほぼ常勤しています。
主治医・病棟看護師
治療方針と退院可能時期を判断する医師、日々のケアを担う病棟看護師は「医療情報の供給源」です。退院支援看護師やMSWに伝わっていない医療情報が、病棟看護師の引き継ぎノートにあることも珍しくありません。回診時には主治医に「在宅で生活するうえで気をつけることは何ですか」「どんな状態になったら救急車を呼ぶべきですか」を直接聞きましょう。
リハビリスタッフ(PT・OT・ST)
退院前のADL評価と、家屋環境への提案を担います。退院前の「退院前訪問指導」として、PT・OTが自宅を訪問し、手すり位置や段差解消の具体的な提案をしてくれることがあります(診療報酬で「退院前訪問指導料 580点」が算定可能)。家族から「自宅を見てもらえませんか」と依頼すれば動いてくれるケースが多く、頼んで損はありません。
薬剤師・栄養士
退院時には「退院時薬剤情報管理指導」が行われ、入院中の処方変更や副作用、服薬時の注意点を家族に説明します。経管栄養・嚥下調整食の患者では栄養士から退院後の食事形態・とろみ調整・市販食品の選び方が指導されます。「家でも作れる範囲か」を率直に聞いておくと、退院後のミスマッチが減ります。
退院前カンファレンス|参加者と家族の準備
退院前カンファレンス(退院時共同カンファレンス)は、退院7日前頃を目処に病院で開かれる多職種会議で、在宅生活の最終設計図を全員で合意する場です。家族が出席を求められたら、これは「形式的な集まり」ではなく、退院後の生活を左右する実務会議だと理解してください。
参加者と算定される加算
厚労省告示の退院時共同指導料2(400点)は、入院中の病院医師・看護師等が、退院後の在宅医療を担う以下5者のうち3者以上と共同指導を行った場合に算定可能とされています(宇治市 介護報酬Q&A、平成20年告示第59号別表第1)。
- 在宅療養を担う医療機関の医師・看護師
- 歯科医師
- 保険薬局の薬剤師
- 訪問看護ステーションの看護師・PT・OT・ST
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
つまり、典型的な参加者は病院主治医・病棟看護師・退院支援看護師・MSW・リハ職・在宅医・訪問看護師・ケアマネジャー・薬剤師・福祉用具事業者・本人・家族の10名前後となります。ケアマネジャー側にも介護報酬の退院・退所加算(450〜900単位)が算定されるため、ケアマネにとっても重要な業務です。
家族が事前に準備すべき5つの質問
カンファレンスは限られた時間(30〜60分)で進むため、聞きたいことを箇条書きで紙にまとめて持参するのが鉄則です。
- 退院後、毎日どんなスケジュールになるのか:訪問看護・訪問介護・デイサービス・通所リハの曜日と時間帯を一覧化してもらう
- 家族が必ずやらなければいけない医療処置は何か:薬の管理、軟膏塗布、ストマケア、吸引など。「これは家族でなくても訪問看護が来ます」「これは家族がやる必要があります」を線引きしてもらう
- 急変・救急時の連絡先と判断基準:まず誰に電話するか(在宅医の24時間連絡先か、訪問看護の緊急対応か、救急車か)を明文化
- 退院時に持ち帰る薬・医療材料の量と次回受診まで足りるか:在宅移行直後に薬切れになるケースが多いため、必ず確認
- 介護者が体調を崩した場合の代替手段:ショートステイ予約の手順、緊急時の入所先候補
カンファレンスで決まること
- 退院日と退院時の搬送方法(自家用車、介護タクシー、救急車)
- 退院後初日〜1週間のサービス利用予定(曜日・時間・担当者)
- 訪問看護指示書の発行日と内容(退院日から有効)
- 必要な場合は特別訪問看護指示書(退院直後の頻回訪問が必要な場合、14日間限定で週4回以上の訪問が可能)
- 住宅改修・福祉用具レンタルの納品スケジュール
- 次回の主治医(在宅医・かかりつけ医)の初回訪問日
家族が参加できない場合
共働きで日中の参加が難しい場合、ビデオ通話(オンライン会議)での参加も認められています。退院時共同指導料2 注3要件でも「在宅療養担当医療機関等のうち2者以上は赴き、残りはビデオ通話で参加可」となっており、家族も同様にオンライン参加が広がっています。MSWに早めに相談しましょう。
退院後の在宅サービス|訪問看護・訪問介護・通所・福祉用具
退院直後の在宅生活を支える主要サービスを、家族が選ぶ順番で整理します。「全部使う」のではなく、家族の介護力・本人の医療依存度・経済状況に応じて組み合わせを決めるのがコツです。
訪問看護(医療保険 or 介護保険)
退院直後の医療面を支える要のサービスです。在宅復帰の成否を分けるといっても過言ではありません。
- 介護保険適用:要介護・要支援認定があり、主治医が訪問看護指示書を発行すれば原則介護保険優先。利用回数に明確な上限はないが、区分支給限度額に収まる範囲で組む
- 医療保険適用:要介護認定がない方、または厚労大臣が定める疾病(末期がん、ALS、パーキンソン病関連疾患でホーエン・ヤール3度以上、多系統萎縮症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー など)、人工呼吸器使用者は医療保険優先。原則週3回が上限
- 特別訪問看護指示書:主治医が「急性増悪等で頻回訪問が必要」と判断した場合に発行。14日間限定で医療保険から週4回以上の訪問が可能となる。退院直後にこれを発行してもらえると体制立ち上げが楽になる
訪問リハビリ・訪問診療
退院後の機能回復には訪問リハビリテーション(PT・OT・STが自宅訪問)が有効です。在宅医(訪問診療医)は、月2回の定期訪問を基本とし、24時間対応可能な「在宅療養支援診療所」を選ぶと急変時に強いです。退院前に病院主治医から在宅医への診療情報提供書を発行してもらいます。
訪問介護(ヘルパー)
身体介護(入浴・排泄・食事介助)と生活援助(掃除・調理・買い物)を提供。主介護者が日中働いている場合、朝の食事・服薬介助、夜の就寝介助を訪問介護で固めると介護者負担が大きく減ります。
通所サービス(デイサービス・通所リハ)
週1〜5回、日中に施設で過ごすサービス。送迎付きなので家族の負担を軽減できる「介護者の在宅ワーク時間」を確保する役割もあります。退院直後はリハビリ強化型の通所リハビリ(デイケア)から始め、状態安定後にデイサービスへ移行する選択肢が一般的です。
福祉用具レンタルと住宅改修
介護保険の福祉用具貸与で介護ベッド・車いす・歩行器・スロープ・手すり(工事不要型)などをレンタルできます。月1〜2割負担で介護ベッド一式が月1,500〜3,000円程度。原則として要介護2以上が対象(要介護1以下は対象外品目あり)。
工事を伴う住宅改修は介護保険から上限20万円(自己負担1〜3割)。対象工事は以下6種類です(厚労省 介護保険最新情報、LIFULL介護 解説)。
- 手すりの取付け(廊下・階段・玄関・トイレ・浴室)
- 段差の解消(スロープ設置、敷居撤去、床上げ)
- 滑り防止・移動円滑化のための床材変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への取替え
- 上記に付帯して必要な改修
入院・入所中でも退院・退所予定があれば事前申請が可能です(大子町 特定福祉用具・住宅改修の手引き)。事前申請を必ず通すこと――これを忘れると全額自己負担になります。要介護度が3段階以上上がるか転居した場合は20万円枠がリセットされます。
介護保険外サービス
介護保険でカバーできない部分(同居家族分の家事、庭仕事、外出付き添いの娯楽利用、長時間の見守り)は、自費の介護保険外サービス、配食サービス、家事代行で補完します。月数千〜数万円が目安です。
介護保険と医療保険の使い分け
退院後の在宅医療・介護では「介護保険と医療保険のどちらが優先か」を場面ごとに判断する必要があります。間違えると自己負担額が大きく変わるため、ここは家族も基本ルールを押さえておきましょう。
原則:介護保険が医療保険に優先
65歳以上または40〜64歳で特定疾病による要介護認定を受けた方は、訪問看護も訪問リハビリも原則として介護保険優先です(厚労省 訪問看護資料)。介護保険の区分支給限度額(要介護5で月約36万単位、約36万円相当)内で、ケアマネが組むケアプランに位置づけて利用します。
医療保険が優先される例外
以下のいずれかに該当する場合は、要介護認定があっても訪問看護は医療保険優先となります。
- 厚労大臣が定める疾病等(別表第7):末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー、パーキンソン病関連疾患(ホーエン・ヤール3度以上かつ生活機能障害2〜3度)、多系統萎縮症、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、後天性免疫不全症候群、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、頚椎損傷および人工呼吸器を使用している状態
- 急性増悪等で特別訪問看護指示書が出ている期間(14日間限定)
- 精神科訪問看護指示書による精神科訪問看護
これら別表第7疾病に該当すると、医療保険から日数・回数の制限なく訪問看護が利用でき、複数のステーションから訪問を受けることも可能になります。
退院当日の訪問看護ルール
退院当日は入院期間扱いとなるため、訪問看護療養費(医療保険)は通常算定できません。ただし退院支援指導加算(退院日翌日以降の初回訪問で算定)を使えば、退院当日の訪問も実質的に評価されます。介護保険なら特別管理加算対象者(経管栄養・気管切開・在宅酸素・点滴・褥瘡など)は退院日当日から制限なく訪問可能で、令和3年度介護報酬改定では「主治医が必要と認めた場合」も退院当日訪問可となりました(厚労省 介護保険最新情報、visitcare-plus.co.jp 解説)。
高額療養費・限度額適用認定証
医療保険には高額療養費制度があり、所得区分ごとの月額上限を超えた医療費は還付されます。事前に限度額適用認定証を健康保険組合・国保窓口で取得し、入院時に病院窓口へ提出すれば、退院時の支払いが上限額までで済みます。MSWに相談すれば手続き代行・案内をしてもらえます。
高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費
介護保険にも月額上限の高額介護サービス費があり、年8月から翌7月の医療費と介護費を合算する高額医療合算介護サービス費もあります。長期療養になる場合、合算で家計負担を抑えられる可能性があるため、退院後1年経った頃に市区町村に確認しましょう。
退院前の住環境整備と急変時の備え
退院後の自宅生活を安全に立ち上げるには、退院日までに最低限の住環境整備を済ませておく必要があります。「帰ってから少しずつ」では転倒・救急搬送のリスクが高まります。
必須の整備ポイント
- ベッドへの動線:寝室の入口・廊下・トイレへ向かう動線に手すり。介護ベッドは寝室の壁に寄せず、両側から介助できる配置に
- トイレ:便器の立ち座りに縦型・L字型の手すり。間に合わなければポータブルトイレを寝室に設置(特定福祉用具購入の対象、年10万円枠で1割負担)
- 浴室:滑り止めマット、シャワーチェア、浴槽手すり、入浴台。浴室は転倒事故が最多発生する場所。退院直後は無理に湯船に入らず、清拭・シャワー浴・訪問入浴で代替する選択肢も
- 玄関・上がり框:縦型手すり、踏み台、必要に応じてスロープ。退院時に介護タクシーで帰宅する場合、玄関アプローチを想定しておく
- 段差解消:敷居の撤去、ミニスロープ設置。車いす移動が想定される場合は廊下幅も確認(標準的な車いすは幅63〜70cm)
退院前訪問指導の活用
病院のPT・OTが退院前に自宅を訪問する「退院前訪問指導料(580点)」を活用しましょう。家族がスマホで撮った写真だけでは伝わりにくい動線・段差を専門職が実地確認し、手すりの最適位置や福祉用具の選定をアドバイスしてくれます。退院前訪問は入院中1回(必要に応じて2回)算定可能で、家族から「ぜひ自宅を見てください」と申し出れば応じてくれることが多いです。
住宅改修と福祉用具の納期
住宅改修は事前申請の承認から工事完了まで2〜3週間かかるのが一般的です。退院日から逆算して、入院2週目にはケアマネ→工事業者→市区町村事前申請のラインを動かしておきます。介護ベッド・車いすなど大型福祉用具のレンタル納品は契約から2〜3日が目安ですが、地域や事業者により異なります。
食事・栄養の引き継ぎ
嚥下調整食や経管栄養を続ける場合、退院時に病院栄養士から具体的な食事形態(ペースト食、ソフト食、きざみ食、とろみ濃度など)と1日の必要カロリー・水分量の指示を受けます。市販の介護食(クリニコ、明治、キユーピーなど)の活用、宅配の配食サービス(やわらか食・嚥下調整食対応)を組み合わせると、家族の調理負担を軽減できます。
服薬管理
退院直後は処方が変わったばかりで服薬ミスが起こりやすい時期です。次の手段を組み合わせます。
- 一包化(ワンドーズパック):薬局で朝・昼・夕・寝る前を1袋にまとめてもらう。多剤併用の高齢者には必須レベル
- お薬カレンダー:壁掛けタイプの仕切りで、誰が飲んだか目で確認できる
- 訪問薬剤師(在宅患者訪問薬剤管理指導):薬剤師が自宅訪問し、服薬指導・残薬調整・主治医への処方提案を行う。介護保険なら居宅療養管理指導、医療保険なら在宅患者訪問薬剤管理指導料
急変時の連絡網
「夜中に呼吸が荒い」「発熱した」「転倒した」――そんなときに誰へ電話するかを退院前に紙1枚にまとめて冷蔵庫に貼っておきます。
- 軽症・相談レベル → 訪問看護ステーションの24時間連絡先(緊急時訪問看護加算契約の場合)
- 医療的判断が必要 → 在宅医(在宅療養支援診療所なら24時間対応義務あり)
- 明らかな救急 → 119番
救急要請したときに本人の医療情報を伝えられるよう、「救急医療情報キット」(自治体配布の冷蔵庫保管型)に持病・服薬・かかりつけ医・家族連絡先を入れておくと、救急隊が情報をすぐ把握できます。
在宅復帰が難しい場合の選択肢
カンファレンスや家族会議の結果「在宅復帰は厳しい」と判断した場合、選択肢は施設入所だけではありません。「自宅以外で過ごしながら、自宅復帰の可能性も残す」中間的な施設・病棟があります。
地域包括ケア病棟
急性期治療が終わったあと、自宅・施設へ戻る前のリハビリと在宅準備を行う病棟です。最大60日まで入院可能で、在宅復帰率8割以上が施設基準。「もう一息リハビリすれば自宅で歩ける」「在宅サービスの体制が整うまでの期間がほしい」という場合に有効です。一般急性期病棟からの転棟か、自宅・施設からの直接入院に対応しています。
回復期リハビリテーション病棟
脳卒中、大腿骨頸部骨折、廃用症候群、頭部・脊髄損傷など対象疾患があり、発症からの期限内(脳卒中なら150日、大腿骨頸部骨折なら90日など)に入院する必要があります。1日最大3時間のリハビリを集中的に提供し、入院期間は60〜180日。在宅復帰率は施設基準で70%以上が求められ、本格的なADL回復を狙うならここが第一選択です。
介護老人保健施設(老健)
「在宅復帰を目指すリハビリ施設」と位置づけられた介護保険施設で、原則3〜6か月の入所。多くの老健は在宅復帰率を評価指標として高く設定しており、リハビリと生活訓練を通じて自宅に帰る準備を進めます。月額費用の目安は8〜15万円(多床室・要介護3で約10万円前後)。費用や運営方針が施設で大きく異なるため、見学を強く推奨します。
特別養護老人ホーム(特養)
要介護3以上が原則で、長期入所の生活施設。入所待機者がいる地域では数か月〜数年待つ場合もあるため、退院後すぐの入所はハードルが高いです。「退院後はいったん老健、その後特養」というルートが現実的な選択肢になります。
有料老人ホーム・サ高住
民間運営の住宅型・介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は入所しやすい反面、月額15〜30万円と高額です。退院に間に合わせやすいので、急ぐ場合の選択肢になります。MSWが地域の空き状況を把握しているので相談しましょう。
判断軸:どこを選ぶか
| 状況 | 第一選択 |
|---|---|
| リハビリで自宅復帰の可能性が高い(脳卒中・骨折) | 回復期リハビリ病棟 |
| 在宅準備の時間がほしい(医療処置・住宅改修待ち) | 地域包括ケア病棟 |
| 長期的に在宅復帰を目指す | 老健 |
| 在宅復帰は難しいが治療は終了 | 特養(待機中は老健・有料老人ホーム) |
| 判断に時間がかかる・経済的に余裕がある | 有料老人ホーム・サ高住 |
「在宅か施設か」を二択で迷わず、まずはMSWに「自宅以外の選択肢」を全部リストアップしてもらってから判断するのが、後悔の少ない進め方です。
家族の介護体制と介護離職を避けるための制度
在宅復帰の成否を最終的に左右するのは、主介護者となる家族の体力・時間・精神状態です。「介護のために退職」「兄弟姉妹の関係が険悪に」――退院支援の現場で繰り返し起きるトラブルを避けるために、家族側の体制も同時に設計しましょう。
主介護者を1人にしない
長男の妻、同居の娘――昔ながらの「主介護者1人体制」は介護うつ・共倒れのリスクが高く、現代の在宅介護では推奨されません。少なくとも以下のような分担を入院中に話し合っておきます。
- 日常ケア担当:同居家族、近隣の子・親族
- 金銭・制度担当:遠方の子・きょうだいでも担える(介護保険・医療費・銀行手続き)
- 通院・行政手続き担当:日中動けるパート勤務の家族など
- レスパイト判断:主介護者が倒れる前にショートステイ・デイサービスを増やす意思決定者
レスパイトケアを最初から組み込む
レスパイト(介護者の休息)は「疲れたら使う」ではなく「定期的に使う」のが鉄則です。月1回のショートステイ、週2回のデイサービスなど、退院当初からプランに組み込んでおきます。介護休業を取得すれば対象家族1人につき通算93日まで、雇用保険から賃金の67%相当の介護休業給付金が受給可能です(厚労省 育児・介護休業法)。
介護離職を避けるためのリソース
厚労省「就業構造基本調査」では、介護を理由とした離転職者数は年間約10万人前後で推移しています。離職すると介護中心の生活に追われ、生活全体が窮屈になります。次の制度を活用すれば、仕事と介護の両立は十分可能です。
- 介護休業:通算93日まで3回に分割して取得可能
- 介護休暇:年5日(対象家族2人以上は10日)、半日・時間単位での取得が可能
- 所定外労働の制限・短時間勤務:要介護状態の家族1人につき利用可能
- 勤務先の介護両立支援制度:在宅勤務、フレックスタイム、就業時間繰下げなど企業独自制度の確認
家族会議のタイミング
入院中に少なくとも1回は、主介護者候補とその家族(配偶者・きょうだい)が顔を合わせて家族会議を開きましょう。Zoomでも構いません。決めるべきは「誰が」「何を」「いつまで」「お金は誰がどれだけ出すか」の4点です。在宅介護費用の目安(後述)と、施設入所の月額費用を並べたうえで、現実的なシナリオを2〜3案作っておくと、退院後の判断が早くなります。
在宅介護にかかる平均的な費用
生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査」によれば、在宅介護にかかる月々の費用平均は約4.8万円、介護期間の平均は5年1か月、初期費用平均は74万円というデータがあります。これに医療費・住宅改修自己負担・配食費などを加えると、月7〜10万円程度を見込んでおくのが現実的です。
親の退院支援|よくある質問
Q. 退院支援は申し込まないと受けられませんか?
A. いいえ、入退院支援加算1の届出をしている病院では、入院後7日以内にスクリーニングが行われ、退院困難な要因があれば自動的に退院支援チームが介入します。ただし、家族が能動的に「自宅で看たい」「在宅医を探したい」と意思表示することで、調整の優先順位や精度が大きく変わります。
Q. 退院支援看護師とMSWはどちらに相談すべきですか?
A. 医療処置や訪問看護の調整は退院支援看護師、介護保険申請・施設入所・経済面・身寄りなどの社会的問題はMSWが基本です。迷ったら「地域連携室(入退院支援部門)」に電話し「親の退院について相談したい」と言えば適切な担当者につないでもらえます。
Q. ケアマネジャーはどう選べばよいですか?
A. 居宅介護支援事業所のリストはMSW・地域包括支援センターから入手できます。選ぶ際は「自宅から30分以内」「在宅医・訪問看護ステーションとの連携経験がある」「相性が合うと感じる」の3点を重視。途中で変更も可能なので、最初の1人で固めなくて構いません。
Q. 退院日に間に合うように介護保険を使えますか?
A. 入院中に要介護認定を申請し、ケアマネジャーが暫定ケアプランを作成すれば、認定結果を待たずに退院当日から訪問看護・福祉用具レンタルを開始できます。住宅改修も事前申請の承認が下りていれば工事着工可能ですが、支給申請は退院後となります。
Q. 在宅医はどう探しますか?
A. 病院主治医に紹介を依頼するのが最短です。もしくは市区町村の「在宅医療相談窓口」、医師会、地域包括支援センターに問い合わせます。在宅療養支援診療所(24時間対応義務あり)を選ぶと急変時に強いです。WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)の検索サイトでも近隣の在宅医を絞り込めます。
Q. 退院前カンファレンスに本人が参加できない場合は?
A. 寝たきり・意識障害などで参加できない場合も、家族が代理参加することで開催可能です。本人の意向は事前に家族・病棟看護師が聞き取り、カンファレンスで代弁します。ACP(アドバンス・ケア・プランニング、人生会議)として、入院前から本人の希望を聞いておくと判断がブレません。
Q. 退院後すぐに体調が悪化したらどうすればよいですか?
A. 24時間対応の在宅医、訪問看護の緊急連絡先、救急車(119番)の3つを使い分けます。在宅医がカルテを持っているため、軽症〜中等症は在宅医に連絡するほうが救急外来をたらい回しにされずに済みます。退院から30日以内の再入院は病院側にとっても避けたいケースなので、退院した病院の地域連携室に相談する選択肢もあります。
Q. 退院日が迫っているのに準備が間に合いません
A. 退院支援看護師・MSWに「在宅サービスの立ち上げが間に合わない」と率直に伝えてください。退院延期・地域包括ケア病棟への転棟・老健への一時入所など、代替案を病院側が検討してくれます。「退院日は動かせない」と言われても、医療的・社会的に困難があれば調整は可能です。
Q. 入院費・介護費が払えるか不安です
A. 医療費は高額療養費制度、介護費は高額介護サービス費、合算では高額医療合算介護サービス費があります。所得が低ければ介護保険負担割合は1割になり、特養・老健では補足給付(食費・居住費の軽減)も利用可能。MSWに「経済的に厳しい」と早めに伝えれば、限度額適用認定証や生活保護・成年後見など必要な制度を案内してもらえます。
退院支援を円滑に進めるための実務TIPS
退院支援を円滑に進めるために、家族が実務的に効くと感じやすいコツを最後にまとめます。すべてやる必要はありませんが、いくつか取り入れるだけで退院後のトラブルが目に見えて減ります。
1. 「入院ノート」を1冊用意する
A5サイズで構いません。入院から退院までの記録を1冊に集約します。記載項目:日付、面談相手の氏名・職種、聞いた内容、決定事項、宿題(家族がやること)、次回面談日。退院支援は登場人物が多く、誰が何を言ったかをメモに残さないと混乱します。
2. お薬手帳・お薬の現物を入院時に持参する
退院時の処方ミスを防ぐ最大の手段です。お薬手帳に加えて、自宅にある残薬の現物(PTPシートのまま)を入院当日に病棟へ渡すと、薬剤師の確認精度が上がります。
3. 自宅の写真・動画を撮っておく
家族のスマホで、寝室・廊下・トイレ・浴室・玄関の写真を撮っておきます。退院支援看護師・PT・OT・ケアマネと話すとき、写真を見せながら相談できると話が早く、退院前訪問が組めない場合も具体的な助言をもらいやすくなります。
4. 介護保険被保険者証は入院時に病院に提示
すでに要介護認定を受けていれば被保険者証を病院に提示。未申請ならその場で「申請したい」と意思表示すれば、MSWが市区町村への申請を代行します(家族の同意書が必要)。
5. 退院前訪問指導を遠慮せずに頼む
「PTやOTさんに家を見てもらえませんか?」と退院支援看護師に依頼すれば、ほぼ受けてもらえます。診療報酬上も病院側にメリットがあるため、嫌がられることはありません。
6. 訪問看護は「24時間対応契約」で結ぶ
緊急時訪問看護加算(介護保険)・24時間対応体制加算(医療保険)を契約しておくと、夜間・休日でも電話相談が可能になります。月数千円の自己負担増ですが、退院直後の安心感が違います。
7. 退院後2週間目のサービス担当者会議を退院前に予約
退院後2週間で「思っていたのと違う」「サービス回数が足りない」が必ず出てきます。ケアマネに「2週間後にサービス担当者会議を入れてください」と退院前に伝えておくと、修正がスムーズです。
8. 自分(家族)の通院・体調も後回しにしない
主介護者が体調を崩すと在宅介護は即破綻します。在宅復帰前に主介護者自身の歯科・健診・持病管理を済ませ、退院後も自分の医療を後回しにしない。「介護する人を介護する」視点を、最初から制度設計に組み込んでください。
参考文献・出典
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まとめ|退院日を「不安なゴール」から「整ったスタート」へ
親の入院から在宅復帰までの段取りは、「入院翌日から動き始める」これに尽きます。診療報酬制度上、病院側は入院後7日以内に退院困難な患者を抽出し、家族と面談する仕組みが整っており、家族が能動的に情報を出し、退院支援看護師・MSWを巻き込むほど、退院後30日の生活の質は安定します。
本記事で繰り返し触れた要点を、家族のチェックリストとしてまとめます。
- 入院当日〜3日:お薬手帳・自宅環境情報・主介護者状況を病棟へ伝える
- 入院4〜7日:退院支援看護師・MSWと初回面談。在宅復帰の意思と希望を共有
- 入院1〜2週:要介護認定を申請、ケアマネ選定、暫定ケアプラン作成依頼
- 退院7日前:退院前カンファレンスで全員合意。質問は紙にまとめて持参
- 退院当日〜3日:訪問看護立ち上げ、緊急連絡網を冷蔵庫に貼る
- 退院後2週:サービス担当者会議でケアプラン修正
「在宅復帰か施設か」を二択で迷うのではなく、地域包括ケア病棟・回復期リハ病棟・老健などの中間的選択肢を持ち、家族・主介護者の体調・経済状況とともに現実的なシナリオを2〜3案描いておくと、退院日が近づいても慌てずに済みます。退院支援は家族だけで抱え込む仕事ではありません。退院支援看護師・MSW・ケアマネジャー・訪問看護師・在宅医――顔の見えるチームを入院中に作り上げ、退院日を「不安なゴール」ではなく「整ったスタート」に変えていきましょう。
判断に迷ったらまず病院の地域連携室(入退院支援部門)か地域包括支援センターに電話してください。相談は無料、最初の1本の電話から退院支援は動き始めます。
監修者
介護のハタラクナカマ 医療・介護監修チーム
医療・介護専門職チーム(看護師/介護福祉士/ケアマネジャー)
訪問看護・介護保険・医療保険に関する制度内容を、厚生労働省・日本訪問看護財団・全国訪問看護事業協会等の一次ソースをもとに、医療・介護専門職チームが内容の正確性を確認しています。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護保険、施設選び、在宅介護など、介護を受ける方・ご家族が判断に迷いやすいテーマを、公的情報と実務上の確認ポイントに沿って解説しています。
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