バスボードとは

バスボードとは

バスボード(入浴用ボード)は浴槽の縁に渡して腰かけ、安全に浴槽を出入りするための福祉用具。用途・対象者・選び方と、介護保険の特定福祉用具販売(入浴補助用具)の対象であることを解説します。

ポイント

バスボードとは(要点)

バスボード(入浴用ボード)とは、浴槽の両縁に渡して腰かけ、安全に浴槽を出入りするための福祉用具です。浴槽をまたぐ動作が不安定な方が、いったんボードに腰かけてから体を回し、足を浴槽に入れることで転倒リスクと負担を減らせます。介護保険の特定福祉用具販売(入浴補助用具)の対象で、要支援・要介護認定があれば年間10万円の枠内で1〜3割負担で購入できます。

目次

バスボードの概要と用途

バスボードの用途と仕組み

バスボードは、浴槽の上ぶち(両側の縁)に渡して固定する板状の福祉用具です。座面が浴槽の縁よりやや高い位置にくるため、立ったまま浴槽をまたぐのではなく、「座ってから入る」動作に置き換えられるのが最大の役割です。具体的には、洗い場でバスボードに浅く腰かけ、手すりやグリップにつかまって体を支えながら、片足ずつ浴槽へ入れ、最後にボードからお湯の中へ腰を下ろします。出るときはこの逆の手順で、いったんボードに座り直してから洗い場へ戻ります。

浴槽をまたぐ動作は、片足立ちで高い縁を越える必要があり、入浴中の転倒事故が起きやすい場面です。バスボードを使うと「またぐ」を「座って横移動する」に変えられるため、本人の下肢筋力やバランスへの負担が減り、介助者にとっても支える量が小さくなります。

福祉用具の分類上、バスボードは介護保険の「入浴補助用具」に含まれる入浴台の一種として扱われます。入浴台には、片側を浴槽の縁に掛け反対側の脚を洗い場に立てるタイプと、浴槽の両縁に差し渡すタイプ(一般にバスボードと呼ばれるもの)があります。

バスボードが向いている対象者

こんな方に向いています(対象者)

  • 浴槽の縁をまたぐのが不安な方:片足立ちのバランスが不安定で、立ったまま浴槽に入るとふらつく方。
  • 下肢の筋力やひざ・股関節に痛みがある方:高い縁を越える大きな動作がつらい方。
  • 片マヒ(脳卒中後など)のある方:健側を軸に座って体を回す動作のほうが安全な方。回転式が有効です。
  • 介助者の負担を減らしたい家庭:またぐ動作を支えるのは介助者にとって重労働で、座って横移動に変えると介助量が大きく減ります。
  • 浴槽が深く、底まで段差が大きい住まいの方:浴槽台(浴槽内いす)と組み合わせて段差を分割すると、さらに安全になります。

一方で、座位を自分で保てない方や、体を支えてもボード上で安定して座れない方には、バスボード単体では不十分なことがあります。その場合はリフトや別の介助方法を含め、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談してください。

バスボードとシャワーチェア・浴槽台・手すりの違いと併用

シャワーチェア・浴槽台・手すりとの違いと併用

入浴をささえる福祉用具は役割ごとに分かれており、バスボードは「浴槽の出入り」を担当します。それぞれの違いを整理します。

  • バスボード(入浴台):浴槽の縁に渡し、座って浴槽を出入りするための板。またぎ動作の補助が役割。
  • シャワーチェア(入浴用いす):洗い場で体や髪を洗うときに座るいす。洗体時の姿勢保持が役割。詳しくは シャワーチェアとは|介護用入浴いすの種類・選び方と特定福祉用具販売の対象 を参照。
  • 浴槽台(浴槽内いす):浴槽の中に置く台。湯船の底が深いとき、座面を高くして立ち座りを楽にする。浴槽内での昇降補助が役割。
  • 浴槽用手すり:浴槽の縁にはさんで固定する手すり。つかまって体を支えるのが役割。

これらは競合するものではなく、組み合わせて使うのが基本です。たとえば「洗い場でシャワーチェアに座って体を洗い、浴槽用手すりにつかまりながらバスボードに腰かけ、浴槽台の上に座って湯につかる」という流れにすると、洗体から入浴まで一連の動作すべてに支えができます。どの組み合わせが必要かは身体状況と浴室の形状で変わるため、福祉用具専門相談員のアセスメントを受けると安全です。

バスボードの選び方のポイント

バスボードの選び方

合わないバスボードはぐらつきや転倒の原因になります。次の点を確認して選びます。

  1. 浴槽の幅に合うサイズか:浴槽の内寸(左右の縁の間)を測り、対応範囲に入る製品を選びます。固定が甘いと座った瞬間にずれて危険です。
  2. 軽さ:入浴のたびに着脱する人が多いため、軽いほど負担が少なくなります。製品の多くは約3kg前後で、軽量タイプは2kg前後のものもあります。
  3. 固定のしやすさ:工具なしで縁にはさんで固定できるタイプだと、家族でも安全に着脱できます。
  4. グリップ(手すり)の有無:握れるグリップがあると、腰かけるときと立ち上がるときに姿勢が安定します。
  5. 回転式かどうか:座面が回るタイプは、片マヒの方や体をひねりにくい方が、座ったまま向きを変えて足を入れられるため負担が小さくなります。
  6. 耐荷重:利用者の体重に対して余裕のある耐荷重か確認します。

サイズや浴室の形状の判断は自己流だと失敗しやすいため、購入前に福祉用具専門相談員に浴室を見てもらい、実際に座って合うかを確かめるのが安全です。

バスボードを介護保険で購入する流れと制度の扱い

介護保険(特定福祉用具販売)での購入

バスボードは介護保険の特定福祉用具販売の対象で、入浴補助用具の一種(入浴台)として購入費の支給を受けられます。衛生面から再利用になじまない用具のため、レンタル(福祉用具貸与)ではなく「購入」の対象です。

  • 対象者:要支援1〜要介護5の認定を受けている方(第2号被保険者は特定疾病による認定が必要)。
  • 年間の支給限度基準額:4月1日から翌年3月31日までの1年間で10万円。同じ年度内であれば複数の入浴補助用具をこの枠内で購入できます。
  • 自己負担:所得に応じて1割(最大2割・3割)。1割負担の方が10万円分を購入した場合、9万円が介護保険から給付され、自己負担は1万円です。
  • 支払い方法:いったん全額を支払い、後から保険給付分の払い戻しを受ける「償還払い」が基本です(市区町村によっては受領委任払いを利用できる場合があります)。
  • 購入先の注意:都道府県等の指定を受けた「特定福祉用具販売事業者」から購入したものだけが対象です。指定外の店舗で購入すると給付を受けられません。

手続きの流れは、(1) ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談 → (2) 指定事業者で身体状況・浴室に合う製品を選定 → (3) 購入・支払い → (4) 市区町村へ支給申請、が一般的です。具体的な申請書類や受領委任払いの可否は、お住まいの市区町村の介護保険窓口で確認してください。

バスボードのよくある質問

よくある質問

バスボードは介護保険でレンタルできますか。
いいえ。バスボードは入浴補助用具として「特定福祉用具販売(購入)」の対象で、レンタルの対象ではありません。年間10万円の枠内で購入費の支給を受けられます。
要支援でも購入費の支給を受けられますか。
はい。要支援1・2の方も特定福祉用具販売の対象です。要支援・要介護の認定を受けていることが条件です。
シャワーチェアとバスボードは両方買えますか。
どちらも入浴補助用具なので、同一年度の10万円の枠内であれば両方を購入して支給を受けられます。役割が違うため併用が一般的です。
どこで買えば介護保険の対象になりますか。
都道府県等の指定を受けた特定福祉用具販売事業者から購入したものだけが対象です。指定外の量販店やネット通販で買うと給付を受けられない場合があるため、事前にケアマネジャーや市区町村に確認してください。
回転式と固定式はどちらがよいですか。
体をひねりにくい方や片マヒのある方は、座ったまま向きを変えられる回転式が負担を減らせます。動作に大きな問題がなければ、軽くて安価な固定式でも十分です。

バスボードの参考資料・出典

バスボードのまとめ

まとめ

バスボードは、浴槽の縁に渡して座り、安全に浴槽を出入りするための入浴補助用具です。またぐ動作を座って横移動する動作に変えることで、本人の負担と転倒リスク、介助者の負担を同時に減らせます。介護保険の特定福祉用具販売の対象で、要支援・要介護認定があれば年間10万円の枠内・1割負担から購入できます。浴槽サイズに合うか、軽さ、グリップや回転式の要否を確認し、シャワーチェアや浴槽用手すりとの併用も含めて、購入前に福祉用具専門相談員へ相談すると安心です。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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