
ケアプラン有料化、居宅への導入を上野厚労相が否定|「一般的な在宅で利用者負担は予定していない」と国会答弁
2026年6月11日の参議院厚生労働委員会で、上野賢一郎厚生労働相がケアプラン有料化(居宅介護支援への利用者負担導入)について「一般的な在宅で利用者負担を求めることは予定していない」と否定。住宅型有料老人ホーム向けの登録施設介護支援は1割負担で導入される一方、自宅で暮らす人の居宅介護支援は当面据え置きとなる現在地を、過去の見送りの経緯・財政審の主張・利用者と現場への影響まで整理します。
結論
2026年6月11日の参議院厚生労働委員会で、上野賢一郎厚生労働相は、自宅などで暮らす人が受ける居宅介護支援(ケアプラン作成)への利用者負担導入について「一般的な在宅で介護サービスを受ける方に対して利用者負担を求めることは予定していない」と述べ、いわゆる「ケアプラン有料化」の居宅への拡大を重ねて否定しました。一方で、2026年に成立した改正介護保険法では、住宅型有料老人ホームの入居者向けに新設される「登録施設介護支援」には原則1割(所得により2〜3割)の利用者負担が導入されます。つまり「ケアプラン有料化」は施設的な住まいに絞って始まり、自宅で暮らす人の居宅介護支援は当面据え置く、という線引きが国会で改めて示された形です。読者の介護職・ケアマネにとっては、居宅介護支援事業所の経営前提(10割給付)が当面は維持される一方、財政当局は依然として有料化を求めており、2027年度改正に向けた論点が消えたわけではない点を押さえる必要があります。利用者・家族にとっては、現時点で自宅利用のケアプラン作成に自己負担が生じるわけではないことが、国会答弁として確認されました。
目次
はじめに
「ケアプランが有料になる」。この言葉は、介護現場でも利用者・家族の間でも、たびたび不安とともに語られてきました。現在、要介護認定を受けた人がケアマネジャーにケアプラン(介護サービス計画書)を作ってもらう居宅介護支援は、利用者の自己負担がなく全額が介護保険から給付される、数少ないサービスです。この「無料」の前提が崩れるのではないか、という懸念が、制度改正の議論が動くたびに繰り返し浮上してきました。
2026年6月11日、参議院厚生労働委員会で、この論点に厚生労働大臣が直接答える場面がありました。質問に立った議員が「ケアプランの有料化がすべての居宅サービスに拡大していくのではないかという不安の声が大きくなっている」と懸念を示したのに対し、上野賢一郎厚生労働相は「自宅などの一般的な在宅で介護サービスを受ける方に対して利用者負担を求めることは予定していない」と明言しました。居宅介護支援への利用者負担導入を、国会の場で重ねて否定した形です。
ただし、これは「ケアプラン有料化」がすべて消えたという話ではありません。同じ2026年に成立した改正介護保険法では、住宅型有料老人ホームの入居者向けに新設される「登録施設介護支援」に、原則1割(所得に応じて2〜3割)の利用者負担が導入されます。つまり、住まいの形によって扱いを分ける線引きが進んでいるのが現在地です。
本記事では、この国会答弁の内容を起点に、ケアプラン有料化がこれまでどのように議論され、なぜ繰り返し見送られてきたのか、財政当局はなぜ有料化を求め続けているのか、そして「居宅は据え置き・施設的な住まいは導入」という線引きが、ケアマネジャーや居宅介護支援事業所の経営、そして利用者・家族の負担にどう影響するのかを、worker(介護職・ケアマネ)と利用者の双方の視点から整理します。なお、有料化をめぐる議論は2027年度の制度改正に向けて続いており、本記事は2026年6月時点の情報にもとづく整理である点をあらかじめお断りします。
国会で示された「居宅は据え置き」の方針
「一般的な在宅で利用者負担は予定していない」と明言
2026年6月11日に開かれた参議院厚生労働委員会で、ケアプラン有料化をめぐる質疑が行われました。質問に立った議員は、住宅型有料老人ホームの入居者向けに利用者負担つきの新しいケアマネジメント類型が導入されることを受けて、「ケアプランの有料化がすべての居宅サービスに拡大していくのではないかという不安の声が大きくなっている」と、現場や利用者の懸念を代弁しました。
これに対し、上野賢一郎厚生労働相は「自宅などの一般的な在宅で介護サービスを受ける方に対して利用者負担を求めることは予定していない」と答弁しました。自宅で暮らしながら居宅介護支援を利用する人について、ケアプラン作成に自己負担を求める考えはない、という趣旨を、大臣自身の言葉で明確にした形です。委員会では、居宅介護支援への利用者負担導入を重ねて否定する姿勢が示されました。
否定された範囲と、導入が決まっている範囲を切り分ける
ここで重要なのは、答弁が否定したのが「自宅などの一般的な在宅」、すなわち居宅介護支援だという点です。改正介護保険法で利用者負担が導入されるのは、住宅型有料老人ホームの入居者を主な対象に新設される「登録施設介護支援」であり、自宅で暮らす人が使う居宅介護支援とは別の枠組みです。つまり今回の答弁は、「施設的な住まいでは導入するが、自宅利用の居宅介護支援には広げない」という線引きを、国会の場で確認したものと整理できます。
登録施設介護支援は、ケアプラン作成と生活相談などを一体的に提供する新しいサービス類型で、報酬は定額制、利用者負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)とされています。背景には、住宅型有料老人ホームで自社サービスに利用者を誘導する「囲い込み」への規制強化という狙いがあり、純粋な財源確保だけの議論ではない点も、居宅介護支援とは事情が異なります。
「予定していない」という言葉の射程
注意したいのは、大臣の答弁が「予定していない」という表現だった点です。これは現時点での方針を述べたものであり、将来にわたって有料化の可能性を完全に排除したものではありません。後述するように、財政当局や一部の審議会では、居宅介護支援への利用者負担導入を求める意見が依然として残っています。今回の答弁は、少なくとも当面は居宅介護支援を据え置くという現在地を示したものとして受け止めるのが妥当です。本記事では、この答弁を「方針の現在地」を確認する材料として扱い、確定した恒久措置と断定することは避けます。
なぜ国会で改めて問われたのか
今回、居宅介護支援への有料化が国会で改めて問われた背景には、住宅型有料老人ホーム向けに利用者負担つきの登録施設介護支援が導入されることで、「次は自宅利用の居宅介護支援も有料になるのではないか」という連想が広がりやすい状況がありました。制度のひとつの入り口で利用者負担が設けられると、その範囲がなし崩し的に広がるのではないか、という懸念は、過去の改正論議でも繰り返し示されてきたものです。
大臣がこの場で「予定していない」と明言したことには、こうした不安の連鎖を一度区切る意味合いがあったと読むことができます。ただし答弁はあくまで現時点の方針であり、2027年度の制度改正に向けた検討そのものが止まったわけではありません。読者としては、今回の答弁を「居宅は当面据え置き」という現在地の確認として受け止めつつ、今後の審議の行方を継続的に見ていく姿勢が求められます。
繰り返し見送られてきたケアプラン有料化の経緯
有料化が初めて大きく浮上したのは2010年代後半
ケアプラン有料化の議論は、今回が初めてではありません。論点として大きく取り上げられるようになったのは2010年代後半で、社会保障審議会の介護保険部会や、財政当局の審議会で繰り返し検討されてきました。介護給付費が年々増え続けるなか、制度を持続可能にするためにどこに利用者負担を求めるか、という文脈で、居宅介護支援のケアプラン作成費が候補に挙がってきたのが大きな流れです。
2019年末に決着した2021年度の介護保険制度改正の議論でも、ケアプラン有料化は一つの焦点になりました。このときも導入は見送られ、議論は次の改正に持ち越されています。財政当局は介護給付費の抑制策としてケアプラン有料化を主張しましたが、現場や利用者への影響を懸念する声が強く、結論には至りませんでした。
2022年12月、介護保険部会が「見送り」を正式決定
直近で明確な節目になったのが、2022年12月の社会保障審議会・介護保険部会です。この会議では、要介護1・2の生活援助などを総合事業へ移す案とともに、ケアプラン有料化についても見送ることが正式に決定されました。あわせて、第10期計画期間が始まる2027年度までの間に結論を出す、という方針で一致しています。
つまり、2027年度の制度改正は、ケアプラン有料化について「結論を出す」と約束された節目にあたります。2026年6月の国会答弁で居宅介護支援への導入が否定されたことは、この約束された議論のなかで、少なくとも自宅利用の居宅介護支援は据え置く方向が現時点で示された、と位置づけられます。
2025年秋、厚労省が具体的なたたき台を提示
2025年に入ると、議論はより具体的な段階へ進みました。2025年10月29日、厚生労働省は社会保障審議会・介護保険部会で、居宅介護支援への利用者負担導入について本格的な議論を開始しています。さらに2025年11月20日の同部会では、厚労省が複数のたたき台を示しました。報じられている案には、所得状況を反映した利用者負担の導入、住宅型有料老人ホーム入居者への負担、給付管理業務の実費を当面徴収する案などが含まれていました。
このうち、住宅型有料老人ホームの入居者を対象とする案が、後の「登録施設介護支援」の創設と1割負担という形で具体化しました。一方、所得に応じて広く居宅介護支援に負担を求める案や、給付管理の実費徴収案は、現場の強い反対もあり、2026年6月時点では導入に至っていません。今回の国会答弁は、この経緯の延長線上にあるものとして読むと、議論の現在地が見えてきます。
現場の反対は一貫して強い
有料化に対する現場の反対は、一貫して強いものがあります。日本介護支援専門員協会は、利用者負担を導入すればサービスの利用控えが起き、必要な支援につながれない高齢者が出ると懸念を示し、現在の10割給付(全額保険給付)によるケアマネジメントの公平性・中立性の維持を求めてきました。ケアマネジャー向けのアンケートでは、有料化に反対する回答が9割近くにのぼった調査もあり、職能団体・現場の双方から慎重論が根強く出ています。
財政当局と現場の「攻防」と、住まいの形で引かれた線
財政当局はなぜ有料化を求め続けるのか
居宅介護支援への利用者負担導入を一貫して求めてきたのが、財政当局です。財政制度等審議会は2018年5月の建議で、ケアマネジメントについて「利用者負担がないことで、利用者の側からケアマネジャーの業務の質をチェックする力が働きにくい構造になっている」とし、ケアマネジメントの質向上の観点からも居宅介護支援などに利用料負担を設ける必要がある、と主張しました。2019年4月の議論でも、利用者本位を高める観点から、利用者がサービス事業者ごとの価格を比較検討できる機会を確保すべきだ、と踏み込んでいます。
つまり財政当局の論理は、単なる財源確保にとどまらず、「自己負担があることで利用者がサービスの質に関心を持ち、ケアマネジメントの質が上がる」という質改善の論理も含んでいます。今回答弁した上野厚労相が、就任前に財務副大臣を務めていた経歴を持つ点を踏まえると、財政と社会保障の両方の論理を理解したうえで「居宅は据え置く」方針を示したと読むこともでき、この線引きの重みが見えてきます。
現場が反対する論理は「利用控え」と「中立性」
一方、現場や職能団体が反対する論理の中心は、利用控えと中立性の二点です。ケアプラン作成に自己負担が生じれば、特に経済的に余裕のない高齢者がケアマネジメントそのものを避け、必要なサービスにつながれなくなる恐れがあります。ケアマネジメントは介護サービス利用の入り口にあたるため、ここに負担の壁ができると、結果的に重度化を招いて給付が増える、という逆効果の懸念も指摘されてきました。
もう一点が中立性です。現在のケアマネジメントは全額が保険給付でまかなわれることで、特定の事業者に利用者を誘導しない中立的な立場を保ちやすい構造になっています。ここに利用者負担が入ると、ケアマネジャーと利用者の関係性や、事業所経営の前提が変わりうるため、中立性をどう担保するかが新たな課題になります。今回の答弁で居宅が据え置かれたことは、この中立性の議論に一定の時間的猶予を与えた、とも言えます。
「住まいの形」で線を引いた意味
今回の制度設計でひとつの特徴になっているのが、自宅か施設的な住まいか、という「住まいの形」で線を引いた点です。住宅型有料老人ホームは、高齢者の「住まい」でありながら、実態としては施設に近い性格を持つことがあり、自社サービスへの囲い込みが問題視されてきました。登録施設介護支援の創設と1割負担は、この囲い込みを規制し、ケアマネジメントの位置づけを明確にする狙いと一体です。
これに対し、自宅で暮らす人の居宅介護支援は、囲い込みの構造が施設型ほど強くなく、利用控えのリスクがより直接的に高齢者の在宅生活を脅かします。今回「自宅などの一般的な在宅」を据え置く判断は、囲い込み規制という政策目的と、在宅生活の継続という価値の両方を踏まえた線引きだと整理できます。ただしこの線引きが恒久的なものか、2027年度改正でさらに動くのかは、現時点では確定していません。
ケアマネ・居宅介護支援事業所の経営とキャリアへの影響
居宅介護支援事業所の経営前提は当面維持される
今回の答弁が、居宅介護支援事業所の経営にとって持つ意味は小さくありません。居宅介護支援は、ケアマネジャーを中心に運営される事業所で、収入のほとんどが介護報酬(保険給付)で構成されています。もし利用者負担が導入されれば、徴収事務の負担や、利用控えによる契約数の減少など、経営に直接影響する変化が起こりえます。居宅への有料化が当面否定されたことで、現行の10割給付という経営前提が当面は維持されることになります。
あわせて押さえておきたいのは、2026年6月には居宅介護支援に処遇改善加算が新設され、ケアマネジャーの賃上げにつながる仕組みが動き始めた点です。これは利用者負担とは別の枠組みで、保険給付の中で待遇改善を図る方向です。有料化による収入増ではなく、加算によって処遇を改善する流れが当面の軸になっている、という現在地を、転職や事業所選びの判断材料として理解しておくとよいでしょう。
ケアマネのキャリアにとっての示唆
ケアマネジャーや、これからケアマネを目指す介護職にとって、今回の答弁は「居宅介護支援の役割が当面は現行の枠組みで続く」というメッセージとして受け止められます。利用者負担の徴収という新たな業務が当面は加わらないこと、中立的なケアマネジメントという立場が維持されることは、キャリアの見通しを立てるうえでの一つの前提になります。
同時に、財政当局が有料化を求め続けている以上、2027年度改正に向けて議論が再燃する可能性は残っています。ケアマネジャーとしては、給付管理のICT化による業務効率化や、ケアプランデータ連携システムの活用など、有料化議論の背景にある「業務負担の重さ」や「質の見える化」への対応力を高めておくことが、どちらの方向に制度が動いても対応できる備えになります。制度の現在地を踏まえつつ、加算要件や効率化への対応を進めることが、現実的なキャリア戦略といえます。
転職・働き方を考える人が見るべきポイント
介護職やケアマネとして転職・働き方を検討している人にとっては、今回のニュースは「居宅介護支援の経営環境が当面は大きく変わらない」というシグナルになります。事業所を選ぶ際には、処遇改善加算の取得状況、ICTや連携システムの導入状況、主任ケアマネの配置といった、制度変化に強い体制が整っているかを確認するとよいでしょう。これらは、有料化を含む将来の制度変更が起きたときにも、事業所の持続性を左右する要素です。
制度の方向性は今後も動きうるため、最新の一次情報を確認しながら、自分の希望する働き方に合った職場を選ぶ姿勢が大切です。本記事は2026年6月時点の整理であり、2027年度改正に向けた議論の進展は、改めて確認することをおすすめします。
利用者・家族はどう受け止めればよいか
自宅で暮らす人のケアプラン作成費は、当面は自己負担なし
利用者や家族にとって、最も気になるのは「自分のケアプラン作成にお金がかかるようになるのか」という点でしょう。今回の国会答弁を踏まえると、自宅などで暮らしながら居宅介護支援を利用している人については、ケアプラン作成に新たな自己負担が生じることは当面予定されていません。要介護認定を受けてケアマネジャーにケアプランを作ってもらう部分は、引き続き全額が介護保険から給付される見込みです。
一方で、住宅型有料老人ホームに入居している人については、新設される登録施設介護支援の枠組みで、ケアプラン作成と生活相談に対して原則1割(所得に応じて2〜3割)の利用者負担が生じることになります。同じ「ケアプラン」でも、どこで暮らしているかによって扱いが分かれる点に注意が必要です。自分や家族がどちらに当てはまるのかを、ケアマネジャーや市区町村の窓口に確認しておくと安心です。
「有料化」の報道に接したときの受け止め方
ケアプラン有料化は、制度改正の議論があるたびに話題になり、不安が広がりやすいテーマです。今回の答弁のように、報道の見出しだけでは「自宅の人も有料になるのか」「施設の人だけなのか」が分かりにくいことがあります。大切なのは、どの範囲の話なのかを切り分けて受け止めることです。今回でいえば、否定されたのは自宅利用の居宅介護支援、導入が決まっているのは住宅型有料老人ホームの登録施設介護支援、という整理になります。
また、大臣の答弁は「予定していない」という現時点の方針であり、将来にわたって変わらないと確定したわけではありません。2027年度の制度改正に向けて、利用者負担のあり方は引き続き議論されます。家族として介護に関わる人は、こうした制度の動きを、不確かな噂ではなく、厚生労働省や信頼できる一次情報で確認する習慣を持っておくと、過度な不安を避けられます。
負担が気になるときの相談先
介護にかかる費用や自己負担が不安な場合は、まず担当のケアマネジャーに相談するのが基本です。ケアマネジャーは、利用しているサービスの費用構成や、高額介護サービス費などの負担軽減の仕組みについても説明してくれます。あわせて、市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターでも、制度や負担に関する相談を受け付けています。制度が動く局面では、こうした身近な相談先を活用し、自分のケースに即した正確な情報を得ることが、安心して在宅生活を続けるための土台になります。
参考資料
- [1]参議院厚生労働委員会 会議録(2026年6月11日)- 国会会議録検索システム
- [2]ケアプラン有料化、上野厚労相が居宅介護支援への導入を否定- 介護ニュースJoint(2026年6月11日)
- [3]社会保障審議会 介護保険部会 開催資料- 厚生労働省
- [4]ケアプラン有料化、厚労省が初の具体案 複数のたたき台- 介護ニュースJoint(2025年11月)
- [5]ケアマネの新類型、住宅型ホームで創設 定額報酬・1割負担で導入- 介護ニュースJoint
- [6]財政制度等審議会 資料・建議- 財務省
- [7]高市内閣 閣僚等名簿 厚生労働大臣 上野賢一郎- 首相官邸
まとめ
2026年6月11日の参議院厚生労働委員会で、上野賢一郎厚生労働相は「自宅などの一般的な在宅で介護サービスを受ける方に対して利用者負担を求めることは予定していない」と述べ、居宅介護支援への利用者負担導入、いわゆる「ケアプラン有料化」の居宅への拡大を重ねて否定しました。一方で、住宅型有料老人ホームの入居者向けに新設される登録施設介護支援には原則1割の利用者負担が導入されます。「ケアプラン有料化」は施設的な住まいに絞って始まり、自宅で暮らす人の居宅介護支援は当面据え置く、という線引きが国会の場で改めて確認された形です。
ケアプラン有料化は、2010年代後半から繰り返し議論され、2022年12月の介護保険部会で見送りが正式決定されたうえで、2027年度までに結論を出すとされてきた論点です。財政当局は質改善と財源の両面から有料化を求め続けており、現場は利用控えと中立性の観点から慎重論を崩していません。今回の答弁は当面の方針を示したものであり、2027年度改正に向けて議論が続く点は変わりません。居宅介護支援事業所の経営や、ケアマネジャー・介護職のキャリア、そして利用者・家族の負担に関わるテーマだからこそ、見出しだけで判断せず、否定された範囲と導入が決まった範囲を切り分けて、一次情報で最新の動きを確認していくことが大切です。
制度の動きを追いながら、自分はどんな環境で働きたいのか、どんな働き方が合っているのかを考えてみるのも、この機会の活かし方の一つです。
執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
介護業界の転職・キャリア情報を発信。厚生労働省の公的データと現場の声をもとに、介護職で働く方・転職を検討する方に役立つ情報をお届けしています。
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