
通勤手当とは
通勤手当とは通勤にかかる交通費を補填する手当。介護職での支給有無や、公共交通機関15万円・マイカー片道距離別の非課税限度額の仕組みを解説します。
通勤手当の定義
通勤手当とは、従業員が自宅から職場へ通うためにかかる交通費を、会社が補填する目的で支給する手当のことです。法律上の支給義務はなく、支給の有無や上限額は各事業所の就業規則で決まります。一定額までは所得税が非課税となり、介護職の手取り額にも影響します。
目次
通勤手当の概要と介護職での位置づけ
通勤手当の基本
通勤手当は、電車・バスなどの公共交通機関の運賃や定期代、マイカー・自転車通勤のガソリン代相当などを会社が負担するために支給する手当です。労働基準法をはじめとする法律に「通勤手当を支払わなければならない」という定めはなく、支給するかどうか・いくら支給するかは各事業所の任意です。支給する場合は就業規則や給与規程にその基準を明記する必要があります。
給与明細では「通勤手当」「交通費」などの名目で基本給とは別枠に記載されるのが一般的です。所得税法上は給与所得に含まれますが、後述する非課税限度額までは課税されないため、同じ支給総額でも基本給や他の手当より手取りに有利に働きます。
介護職における通勤手当
介護施設・事業所の多くは通勤手当を支給していますが、上限額や支給条件は法人によって差があります。「全額支給」「月◯円まで」「片道◯km以上から支給」など条件はさまざまで、訪問介護やデイサービスなど事業形態によっても扱いが異なります。求人票を見るときは、基本給だけでなく通勤手当の上限額や支給条件も確認することが、実質的な収入を見極めるポイントになります。
通勤手当の非課税限度額(2026年)
通勤手当の非課税限度額
通勤手当は所得税法(所法9①五、所令20の2)により、一定額までが非課税とされています。支給方法によって限度額が分かれます。
電車・バスなど公共交通機関を利用する場合
最も経済的かつ合理的な経路・方法による1か月の通勤定期券などの金額が非課税となり、1か月15万円(150,000円)が上限です。ただしグリーン料金は対象外です。
マイカー・自転車などで通勤する場合(片道距離別・1か月あたり)
| 片道の通勤距離 | 非課税限度額(月額) |
|---|---|
| 2km未満 | 全額課税 |
| 2km以上10km未満 | 4,200円 |
| 10km以上15km未満 | 7,300円 |
| 15km以上25km未満 | 13,500円 |
| 25km以上35km未満 | 19,700円 |
| 35km以上45km未満 | 25,900円 |
| 45km以上55km未満 | 32,300円 |
| 55km以上65km未満 | 38,700円 |
| 65km以上75km未満 | 45,700円 |
| 75km以上85km未満 | 52,700円 |
| 85km以上95km未満 | 59,600円 |
| 95km以上 | 66,400円 |
2025年(令和7年)11月の所得税法施行令改正により、片道55km以上の区分の限度額が引き上げられ、令和7年4月1日以後に支払われる通勤手当から適用されています。限度額を超えて支給された分は給与として課税され、源泉徴収の対象になります。なお非課税限度額は、パートやアルバイトなど短期間雇用の人についても月単位で計算します。
通勤手当と他の手当・基本給との違い
通勤手当と他の給与項目の違い
介護職の給与には基本給のほかさまざまな手当が含まれます。通勤手当は性質が異なる点を押さえておきましょう。
| 項目 | 支給目的 | 課税の扱い |
|---|---|---|
| 通勤手当 | 通勤の交通費補填 | 限度額まで非課税 |
| 基本給 | 労働の対価の基礎 | 全額課税 |
| 資格手当・役職手当・夜勤手当 | 資格・役職・夜勤など労働内容に対する上乗せ | 全額課税 |
| 住宅手当 | 住居費の補助 | 全額課税 |
| 賞与(ボーナス) | 業績・勤続に応じた一時金 | 全額課税 |
ポイントは、資格手当・夜勤手当・住宅手当・賞与などはすべて全額が課税対象であるのに対し、通勤手当だけは限度額まで非課税という点です。また、通勤手当は実費補填の性格が強いため、賃上げや昇給の評価対象に含まれないのが一般的です。求人票の「月収◯万円」に通勤手当が含まれているかどうかで、実際の労働の対価としての給与水準は変わってきます。
通勤手当を介護転職で確認するコツ
転職時に通勤手当でチェックしたいこと
- 上限額の有無:「全額支給」か「月◯円まで」かで、遠方から通う場合の自己負担が大きく変わります。
- 支給条件:「片道◯km以上」「公共交通機関のみ」などマイカー通勤を対象外とする事業所もあります。マイカー通勤可否は介護現場では特に重要です。
- 社会保険料への影響:通勤手当は所得税では非課税でも、社会保険料(健康保険・厚生年金)の算定基礎には含まれます。通勤手当が多いと保険料がやや上がる点は知っておくとよいでしょう。
- 非課税枠を意識する:限度額を超える分は課税されるため、遠距離通勤で手当が高額になる場合は手取りへの影響を確認しましょう。
通勤手当のよくある質問
よくある質問
Q. 通勤手当は必ずもらえますか?
A. いいえ。通勤手当の支給は法律上の義務ではなく、各事業所の任意です。支給するかどうか・上限額は就業規則で定められています。
Q. 通勤手当に税金はかかりますか?
A. 一定の非課税限度額(公共交通機関は月15万円、マイカーは片道距離に応じた額)までは所得税がかかりません。限度額を超えた分は給与として課税されます。
Q. パート・アルバイトでも通勤手当の非課税枠はありますか?
A. はい。非課税限度額は短期間雇用のパート・アルバイトについても、月を単位として同じように計算されます。
Q. マイカー通勤でも非課税になりますか?
A. なります。ただし片道2km未満は全額課税で、2km以上から距離区分ごとに月4,200円〜66,400円の限度額が設定されています。
通勤手当の参考資料
- [1]
- [2]
- [3]
通勤手当のまとめ
まとめ
通勤手当は通勤交通費を補填する任意の手当で、支給の有無や上限額は事業所ごとに異なります。公共交通機関は月15万円、マイカーは片道距離に応じた額までが非課税となり、超過分は課税されます。介護職の転職では、基本給だけでなく通勤手当の上限・支給条件もあわせて確認し、実質的な手取りを見極めましょう。
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執筆者
介護のハタラクナカマ編集部
編集部
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