フェイスシートとは
介護職向け

フェイスシートとは

介護のフェイスシートとは、利用者の氏名・家族構成・既往歴・生活歴・ADLなど基本情報をまとめた記録様式。記入項目、書き方の注意点、アセスメントシートとの違い、更新のポイントを解説します。

ポイント

フェイスシートとは(定義)

フェイスシートとは、介護サービスを利用する人の氏名・年齢・住所・家族構成・既往歴・生活歴・要介護度・日常生活自立度(ADL)といった基本情報を1枚にまとめた記録様式です。ケアマネジャーが初回面談で作成し、関わる事業所や専門職が利用者像を素早く把握するための「顔(フェイス)」となる土台情報を担います。

目次

フェイスシートの概要と役割

フェイスシートは、利用者一人ひとりの基礎的なプロフィールを集約した記録様式で、介護サービスを初めて利用するときや、施設へ入所するタイミングで作成されるのが一般的です。居宅介護支援事業所のケアマネジャーが初回面談(インテーク)で聴き取った内容をもとに作成し、その後は訪問介護・通所介護・施設などのサービス提供事業所と共有されます。

役割は大きく2つに分けられます。1つは「記録としての役割」で、いつ・誰が・どのような状況で関わり始めたのかを残す出発点になります。もう1つは「情報共有のための資料としての役割」です。ケアマネジャー、看護師、介護職員、リハビリ専門職など立場の異なる多くの専門職が同じシートを参照するため、誰が読んでも同じ利用者像を描けることが求められます。

フェイスシートに法令上の統一様式は定められておらず、事業所や自治体、介護ソフトごとに項目立てが異なります。ただし「課題分析標準項目」(厚生労働省告示)が示す基本情報9項目の考え方が、多くの様式の土台になっています。氏名や連絡先といった事実情報を中心に構成されるため、頻繁に書き換わるアセスメント情報とは性格が異なり、変化が生じたときに随時更新する「土台の情報」と位置づけられます。

フェイスシートの主な記入項目

様式によって差はありますが、多くのフェイスシートに共通して含まれる項目は次のとおりです。

  • 基本情報:氏名、生年月日・年齢、性別、住所、電話番号
  • 家族構成・キーパーソン:同居家族、主介護者、緊急連絡先、家族関係図(ジェノグラム)
  • 介護保険情報:要介護度(要支援1〜要介護5)、認定有効期間、利用者負担割合、保険者
  • 身体・健康状態:既往歴、現病歴、服薬状況、アレルギー、かかりつけ医
  • 日常生活自立度(ADL):移動・食事・排泄・入浴などの自立度、認知症高齢者の日常生活自立度
  • 生活歴・職歴:これまでの暮らしぶり、仕事、趣味、本人の価値観や習慣
  • 相談経路・相談内容:誰の紹介で相談に至ったか、本人・家族が困っていること
  • 利用中のサービス:現在利用している介護サービスや医療機関、身体障害者手帳などの有無
  • 作成・更新日:初回作成年月日と更新年月日

フェイスシートとアセスメントシートの違い

現場で混同されやすいのがアセスメントシートとの違いです。フェイスシートが「誰なのか」を示す基本情報のシートであるのに対し、アセスメントシートは「どんな課題があるのか」を分析するためのシートです。

観点フェイスシートアセスメントシート
目的利用者の基本情報を共有する生活課題・ニーズを分析する
主な内容氏名・家族構成・既往歴・生活歴など事実情報ADLや意欲、環境を踏まえた課題の評価
更新頻度変化があったときに随時更新(比較的安定)状態変化のたびに繰り返し更新
位置づけケアプラン作成の入口・土台ケアプランの根拠となる分析

フェイスシートで集めた基本情報を出発点に、アセスメントで課題を掘り下げ、その結果をケアプランに反映するという流れになります。両者は対立するものではなく、役割を分担して連続する書類です。

フェイスシートの書き方・更新のポイント

多職種が読む書類だからこそ、書き方には共通のコツがあります。

  • 専門用語や略語を避ける:看護師・介護職・リハビリ職など職種が違っても同じ意味で伝わるよう、わかりやすい言葉で書きます。
  • 空欄を残さない:聴き取れなかった項目は空白のままにせず、「特記事項なし」「本人より聴取拒否」など理由を記載します。空欄は「未確認」か「該当なし」か判断できず、情報共有の妨げになります。
  • 事実と推測を分ける:本人・家族の発言は「ありのままの表現」で記録し、職員の見立てと混在させないようにします。
  • 客観的・簡潔に書く:主観的な評価語を避け、誰が読んでも同じ像を描ける記述を心がけます。
  • 更新日を必ず残す:要介護度の変更、入退院、家族構成や住所の変化、キーパーソンの交代などがあったら速やかに更新し、更新年月日を記載します。古い情報のまま共有されると、緊急連絡や服薬対応でトラブルにつながります。

フェイスシートは一度作って終わりではなく、利用者の状況変化を映す「生きた土台」として維持することが、安全なケアと円滑な多職種連携につながります。

フェイスシートのよくある質問

フェイスシートは誰が作成しますか?

居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、初回面談(インテーク)で聴き取った情報をもとに作成するのが一般的です。施設の場合は相談員や担当職員が作成し、サービス提供事業所と共有します。

フェイスシートに決まった様式はありますか?

法令で定められた統一様式はありません。事業所・自治体・介護ソフトごとに項目が異なりますが、厚生労働省の「課題分析標準項目」が示す基本情報の考え方が共通の土台になっています。

どのくらいの頻度で更新しますか?

定期的な決まりはありませんが、要介護度の変更、入退院、住所や家族構成・キーパーソンの変化など、基本情報に変動があったときに随時更新し、更新年月日を残します。

アセスメントシートと何が違いますか?

フェイスシートは氏名や家族構成などの基本情報を共有する土台、アセスメントシートは生活課題やニーズを分析する書類です。フェイスシートを入口にアセスメントへ進む流れになります。

フェイスシートの参考資料

フェイスシートのまとめ

まとめ

フェイスシートは、利用者の氏名・家族構成・既往歴・生活歴・ADLなどの基本情報をまとめ、多職種で同じ利用者像を共有するための土台となる記録様式です。ケアプラン作成の入口として、専門用語を避け、空欄を残さず、状況の変化に合わせて更新し続けることが、安全なケアと円滑な連携につながります。アセスメントシートとの役割分担を理解して使い分けましょう。

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執筆者

介護のハタラクナカマ編集部

編集部

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